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没後70年 竹内栖鳳 - 京都画壇の画家たち
10月13日に入れたエントリーが消滅していて、ショックな気持ちを抑えつつ、今頃思い出しながらしたためてみる:

山種美術館で開催中の竹内栖鳳展を見に行こうと思っていたら、山下裕二先生の講演会があると知り、鑑賞前に行ってきた。

タイトルは、「教科書に載らない実力派・竹内栖鳳について」。

理想的には講演会の当日、事前に展覧会を見て、講演会の後に再度鑑賞する、というのがいいのでしょうけれど、その時間がなかったため、鑑賞前での聴講となった。

出展作品がことごとくスライドになっていて、全部見てしまったらサプライズがなくなってしまう?と思ったけれど、時間の関係もありすべてを紹介したわけではなかったので逆にそれがよかった。

円山四条派というのはこれまで縁がなかったものの、なるほど、東京より当然のごとく西に所蔵が多いのだそう。
とくに京都美術館にはなかなかのコレクションがあるとのこと。
(山下氏は、所蔵はともかくも、京都博物館は老朽化している建物が残念賞である、といったことを話されていた。)

長沢芦雪の絵に関しては、「唐子遊び図」が「伝」となっている理由が明かされた。
通常芦雪の絵は筆癖があり、ひとひねりが顕著なのだが、この絵に関しては、それがないため、真贋の区別がはっきりとは、つきかねているそう。

この芦雪という人は、なにやら性格も悪かった人だといい、同門の絵師たちからも恨まれ、実際暗殺されたという説もあるとのこと。

一番力説されていたのは、若冲や大観人気の影に隠れてしまった画家たちを掘り起こし、世にアピールしていきたい、とのこと。

そんな埋もれている画家の一人として名前があがったのは、今回の展示で公開されている円山応挙。

バランス、陰影、遠近、すべてを取り入れて、次の時代への架け橋となった人。
ただし、若冲のように個性の強い画家ばかりが人気となり、埋没してしまっていると。

近々、愛知県の美術館で応挙展が大々的に開催されるらしいが、山下先生の肝いりのよう。


年末から2ヶ月に1冊のペースで発売される「小学館創業90周年記念企画 日本美術全集 全20巻は、そういった巷の「流行」にメスをいれ、今の時代の目で見た切り口が売りなのだとか。

山下先生いわく、価値観は時代とともに変化する。歴史は変わらないけれど、それを見る目は固定化してはならない、と。

そんな意図が上述の全集には色濃く反映されているらしい。
こうした美術全集は、1992年に講談社が出して以来だそうなので、比較によって20年という時代の移り変わりを、論じられている絵のラインアップや、その論じられ方の中に感じられることだろう。

そういえば、先日実家から、「La Muse」と「世界の美術館」というシリーズものの本を引き取った時のことを思い出した。
処分するけど、欲しいならあげる、ということで引き取ったのだ。

そのシリーズの発行がまさに1992年だった。しかも講談社。

つい先日この本を見ていた時のこと。
絵の解説が、既知のことばかりで、深みがなく、余り楽しめなかった。
当時の美術本って、こんなアウトラインに終始していたのか、と驚いたのだ。

インターネットの発達が顕著になった2000年の前と後では、情報の拡散速度に隔世の感があり、情報の質、量ともに2000年以前の解説本では物足りさを感じてしまう。

となればこの小学館の試みは、正解であり、タイムリーなのでは、と思う。

ついでに述べるなら、とある美術館で所蔵品解説(この日のテーマは印象派)を聞いたとき、なんら学ぶことがなく、ありきたりの情報ばかり、いわゆる”情報高速化時代=ネット台頭期2000年”以前の知識で構成されているなぁ、と感じたのだった。

わざわざ足を運ぶからには、何か目新しい知識を、と期待したのだけれど。
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2012.10.22 Mon | Art| 0 track backs,
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