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メムリンクとカルパッチョを巡る考察
1/1・15合併号の雑誌「Pen」の特集「ルネッサンスとは何か」。
ありがたく、ちびりちびりと電車の中で読んでいたけれど、もうすぐ読み切り。

北方ルネッサンスのところに出てきたメムリンクの解説を見てふと感じたカルパッチョとの共通点。
20歳ぐらい年齢は違うけれど(メムリンク 1430/40頃~1494、カルパッチョ 1455~1525)
ともに聖ウルスラを描いている。

これは去年見たカルパッチョの聖ウルスラ(アカデミア美術館)。
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一方メムリンクの大作は、ブルージュの美術館所蔵。
以前BSの北方絵画特集で見た。
http://www.codart.nl/ul/cms/news/749/large/1.jpg

さらにメムリンクには、中央で2つに分かれ、
左はメトロポリタン美術館、右はボイマンス美術館(ロッテルダム)に所蔵されているこんな絵がある。

「真実の愛の寓意」という絵で、左に乙女、右にプラトニックな愛(茶色)と肉体的な愛(白)を表す馬が描かれる。

carpa1_20120227210645.jpgcarpa2.jpg


これを見たら、やはり思い出すのがカルパッチョのこの2枚。
以前から触れている例の。

描かれた後で上と下に分断され、上がロスのポール・ゲッティ美術館、下がヴェネツィアのコッレール美術館に所蔵中。
下の絵は、コルティジャーネを描いたと思われていたが、上に描かれていた元の絵が見つかったことで、
どうやら夫を待つ貴婦人の絵らしい、といういわくつきの絵。
メムリンクの、2枚で1つの寓意として完成する対の絵に着想を得て、
カルパッチョはあのもともとは1枚だった絵を2つに分断したのでは、、、
そんな空想が頭をよぎる。

carpa4.jpg

carpa3.jpg

北方ネーデルランド絵画はイタリアの画壇にも影響を与えたというから、
あり得ない話ではない、なんて思ったりして。

さらにヴェネツィアに実在したという娼婦 ヴェロニカ・フランコ(以前連絡をもらって知ったのだが、映画「ヴェロニカ」の主人公らしい)は、格下の娼婦を守るために、救護院の設立に尽力した、というくだりが「Pen」にあった。
もしかして、須賀敦子さんが追及したインクラビリの病院はヴェロニカが建てたもの?などと思って調べたけれど、それは違っていた。

ともあれなにかと想像力をかきたててくれるこの一冊「Pen」に感謝。

写真は去年。治る見込みのない病院オスペダーレ・インクラビリがあった場所、ザッテレの河岸にて。

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本当に永久保存版 ====

Pen (ペン) 2012年 1/15号 [雑誌]Pen (ペン) 2012年 1/15号 [雑誌]
(2011/12/15)
不明

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2012.02.27 Mon | Art| 0 track backs,
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