FC2ブログ
日常風景 * 写真・文章 Copyright@”Mas Ciclismo Diary”
エジンバラのステイションホテル / 須賀敦子さんの「ヴェネツィアの宿」の最終章に出てくるホテルの今

「朝、キングズ・クロス駅から『フライング・スコッツマン』という特急列車が出ているはずです。それにのってエディンバラまで行ってください。パパもおなじ列車でスコットランドへ行きました。エディンバラでは、ステイション・ホテルに泊まること」


これは、先日触れた須賀敦子さんの「ヴェネツィアの宿」の最終章の「オリエント・エクスプレス」の一節。
須賀さんの父が、イギリス滞在中の彼女に宛てた手紙の内容だ。

そして言われた通り、須賀さんは、エジンバラの駅そばのステイション・ホテルを訪れる。

ホテルは駅そばだったこともあり、すぐに見つかり行ってみたはいいけれど、
金額がべらぼうに高いと知り、さらにその豪華さに気圧され、
潔く「どうも、私の予算にくらべて、こちらはりっぱすぎるようです」
と撤退を決めるのだった。

ステイション・ホテルなどという陳腐なネーミングとは裏腹な
最高級のホテルだったらしいのだ。

フランスでも、駅のそばにはオテル・ド・ラ・ギャールとかオテル・ア・ラ・ギャール
(どちらもステーションホテルの意味)などというホテル名はよくあるけれど、
決まって1つ星とかせいぜい2つ星、そんな感じが多い。

オテル・ド・ラ・ギャールで5つ星、なんて聞いたことがない。


もっとも須賀さんがこのホテルを訪れたのは今から60年も前のこと。
果たしてこのステイション・ホテルは残っているのかしら?
と好奇心にかられて調べてみた。

http://www.his-euro.co.uk/hotel_j/edinburghhotel_j/barmoral/info.htmのサイトによると、
現在BALMORAL HOTELと呼ばれるホテルこそが、
「エディンバラ、陸の玄関口であるウェイバリー駅のステーションホテルとしてその歴史が始まったホテル」
であるとのこと。

やった、見つけた。ここだ。


大きな地図で見る


やっぱりね、ステイション・ホテルなどという呼び名は封印されたのだ。
その昔、鉄道が開通したばかりの頃はステーションという存在が特権階層を想起させたのかもしれないけれど。


実は私、スコットランドは未踏の地。
行ってみたい。
BALMORAL HOTELは、今でも往時の趣をとどめているだろうか?
須賀さんが目の当たりにした、あのロビーのきらびやかさを。


「目のまえにふいに開けた光景に私は気勢をそがれ、どうすればよいのかわからないまま、
その場に立ちつくした。。。
ケイトウ色の赤い絨毯が海のように私のまえにひろがっていて、通路の暗さとはうってかわった、
まるで豪奢なルネッサンスの宮殿に迷いこんでしまったかと思うほど美しいシャンデリアが、
クリスタルのしずくのひとつひとつに光を反射させて燦いていた。」(ヴェネツィアの宿)

関連記事
2011.11.28 Mon | Books| 0 track backs,
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
"shw-greenwood" template design by Shallwill