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日常風景 * 写真・文章 Copyright@”Mas Ciclismo Diary”
イタリア回想録 パドヴァ ① 街の人々
前回も感じたことだけれど、パドヴァは、エレミターニ市立美術館の監視員が親切で、みんな我が美術館所蔵の芸術品が大好きなのだな、と思う。

なにしろ広いので、それほど丹念に見る人は多くはない。
それを残念に思うかのように、館内の監視員から歩く先々で、「あそこにxxの絵があるわよ」、などと声をかけられる。
その絵の前を素通りしつつあった自分の急ぎ足をちょっと恥ずかしく思いつつも、今回もやっぱり駆け足の鑑賞とならざるを得なかった。

なにしろ最終日、空港行きバスの時間との闘いだったのだ。


仕方なく、前回見たジョットの十字架と、見損なったジョルジョーネ作と伝えられる「レダと白鳥」などの名作だけを効率よく見ようと思って出かけた。
しかし、前回とは違い、ショートカットしていきなり2Fに入ったせいで、レイアウト勘が狂い、なかなか見つからず。

ふらふらと歩いていると、「ベリーニはあそこにあるわよ」とか例によって教えてくれる監視員がいて、ベリーニなら見ましょう、と行ってみたりして。

そしてまた声をかけられるので、こちらから、「あの、ジョルジョーネを捜してるんだけど」とか「ジョットの十字架は?」と聞いて、それらが結構方向違いの部屋にあることに気付き、なんとかやっと近くまでたどり着くと、目的地到着前にまた、「xxの絵があるからいらっしゃい」みたいに言われ。


そんなこんなであちこちどこをどう歩いたかわからぬうちに、やっとこさジョルジョーネの部屋へ。
ところが部屋を見回しても見当たらない。

好色なゼウスが、人妻レダを誘惑すべく、白鳥に変身してすり寄る、というギリシャ神話のひとこまを描いたあの一枚。


目を凝らして見てみたら、なんとあの有名な「レダと白鳥」は、10cmちょっとの超小型の作品だった。
画像がここに出ている


「名画」、と銘打って館内の美術品を紹介するガイドブックは多いけれど、そう書かれると大作をイメージしてしまう。


今回、そうした違和感を感じる事例が多々あった。

つまり、ガイド本に大々的に書いてあるわりに、教会の十字架の後ろにほとんど隠れて見えない絵だったり、洗浄されておらず、すっかりすすけてしまい、描かれたシーンの判別がほとんどつかないものなど。

解説者さん、実際に行って、自分の目で見て書いているんだろうか、まさか写真だけを見て書いているのでは?などと勘繰ってしまうほどだ。


で、「レダと白鳥」の絵は、へえ、小さいや、ちょこちょこっとした絵だ、予想外だ、という気持ちが前面に出てしまい、絵を味わう感じではなく。
同じ題材なら、コレッジョの方があでやかだなぁ、とか。

さらに、その前にヴェネツィアで見た、同じジョルジョーネの絵「テンペスト」のインパクトが大きかったせいで、この小ぶりの絵に肩入れできなかった気もする。

聖母子のポーズを七変化させることに熱中していた画家たちの硬質な絵画群の真っ只中にあって、そうした定型的画風から脱皮し、新しい時代を予感させる「テンペスト」の、えもいわれぬしなやかでミステリアスな魅力は、アッカデミア美術館の中でも目を引いた。


話は戻って、そういうわけで、パドヴァの人は親切、というイメージが強かったのだが、それは美術館の人々の話であって、ある場所では、超意地悪な人にも遭遇した。

それでも、この町の人たちの笑顔は、たった1泊だけだったにも関わらず心に残り、前回、「また訪問したい」と思ったパドヴァの町の印象は今回の旅でも変わらなかった。


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2011.09.13 Tue | Travel-Italy| 0 track backs,
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