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日常風景 * 写真・文章 Copyright@”Mas Ciclismo Diary”
パウル・クレーの秘儀 : キャンバスの裏を使って奥行きを広めた画家
美術館の展覧会って、学芸員によってこんなにも異なるのか、
と思い知らされたのが今回近代美術館で開催中のパウル・クレー展。

今まで、クレー展には行っても、単に線とマスメで形を抽象表現した人、というイメージだったけど、
こんな画家だったとは。

クレーは、切ったり貼ったり逆さにして、新しい造形をどんどん追及していった上に、
絵の裏にも秘密が隠されているのを初めて知った。


普通、画家がキャンバスの裏にも絵を描く時、それは画材の節約だったりするケースが
多いらしいが、この人は違う。

秘密の仕掛けだったのだ。

面白いことに、時がたつに従って、裏面が透けて見えるようになった絵もあれば、
目を凝らせばうっすらぼんやりと、なんとなく見えてくるものもあれば、
見つかる事を想定せず、ひそやかな自分だけの愉しみとしていたものもあるようで。

最後の例としては、額縁からたまたま取り外して思いがけず発見されたのもある。

そういう仕掛けの理由もいくつかあって、
まだマスメによる表現方法に自信が持てなくて、
表面にはまったく違うタッチの絵を描き、マスメ表現をレコードのB面、みたいな扱いにしたものあり。

さらに、天と地に板状のオブジェのような模様を配することで、重力の有無を表した作品には
その天と地の間に裏に巨人が横たわっているという仕掛け。
その巨人がうすぼんやりと、表面にも表出している不思議な一品。


こういう切り口は新鮮。

いままで見てきたのとはまったく違うクレーの側面を見た。

更に、切って左右逆にして新たな絵にしたり、
絵の一部を分断して新作品を築いたり。
同じ形を裏と表で使用しながら片方が自画像になっているものもある。

自由奔放な発想がキャンバスの上で跳ねている。

クレーの仕掛け5つがChapterごとにわかるサイト

今回の展覧会の仕掛け人の柿沼万里江氏のインタビュー

駅の看板:

P2050733.jpg
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2011.06.14 Tue | Art| 0 track backs,
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