FC2ブログ
日常風景 * 写真・文章 Copyright@”Mas Ciclismo Diary”
イサクの犠牲のモザイク画の中の笑う老女
ラヴェンナには、モザイクの見どころが集中している。
見学する際は共通券を買うことになるので、余り勝手を知らなくても、効率よくまわることが可能。

そんな中の一つ、サン・ヴィターレ教会。

内部には、6世紀の洗練されたモザイク。

P1670768.jpg


言うまでもなく、モザイクが描いている数々のシーンは、キリスト教の教えからとったものが多い。

この1枚を見て、「イサクの犠牲」とすぐにわかれば、通だろう。
私はわからなかった。

「北イタリア」の本を読んで知った次第。

このシーンの状況はこんな具合:

食卓につく天使たちが、アブラハムの妻サラが、もうひとり子供をもうける、と予言する。

それを物陰から聞いていたサラは、くくくっと笑いをもらす。

それもそのはず。彼女は99歳(90歳という説も耳にする)。
まさかー、と可笑しさをこらえきれなかったのだ。

旧約聖書には、彼女が笑ったことがしっかり書かれているとのこと。

で、このモザイク画をよく見ると、実際サラが笑い顔をしているのだそうだ。

この絵では、左の立位の女性がそれ。


P1670768a.jpg


残念、それを知っていて狙って写したわけでないので、完全にぼやけている。

笑っているのかどうかわからない。
が、ほくそえんでいるような顔に見えなくもない。

そうか、そういう意味の絵だったのかぁ。

P1670768b.jpg


画面右側には、イサクの犠牲のシーン。

神がアブラハムを試練にかける。
「丘に行き、息子のイサクを燃やして神への貢物にせよ」と告げるのだ。

アブラハム、お告げの通りまさに息子を手にかけようとする、そのとき、
神が現れ、寸でのところで制する。(下の写真:その場面が描かれている)

アブラハムは、神を恐れているかどうかを試された、というわけ。
イサクは無事、犠牲にならずに済んだ。


イサクの犠牲を描いた絵画の数々がこちらに出ている。

P1670768e.jpg


中央の画面は、3人の天使をもてなすアブラハムの構図。

旧約聖書によると、テーブルには”立派なパン”。

アブラハムは”柔らかくておいしそうな子牛”を見つけて料理させることになっている。


その様子が、ここには忠実に再現されている。
アブラハム、まさに天使たちに子牛を捧げているところ。


聖書の教えを絵に表して民衆に伝えようとしたきまじめさを感じる1枚。

とともに、コミカルな暖かさをかもしだすような、表情の豊かさが印象に残る。


P1670768d.jpg

この絵は、それほど目立たない場所にある。中央に向かって左側の上。

教会内はきらびやかな色彩で描かれた絵巻物のひとこまがちりばめられていて、圧巻。

漠然と見ると、きれい!で終わってしまうけど、
聖書を知っていてこそ、それら塊ではなく、1枚1枚の絵として生きてくるのだなぁ。


ちなみに、くだんののサラだけど、天使のお告げは当たり、見事超高齢出産をなしえ、イサクを産んだという。


P1670788.jpg
関連記事
2010.12.07 Tue | Travel-Italy| 0 track backs,
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
"shw-greenwood" template design by Shallwill