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日常風景 * 写真・文章 Copyright@”Mas Ciclismo Diary”
五島美術館 秋を探しに
大井町線・上野毛の駅を降りるやいなや、「1時間待ちです」という文字が目に飛び込んできた。

これから行こうとしていた五島美術館が大混雑らしい。

しまった、ゆっくりランチなぞしてから行くべきではなかった。

朝寝坊のツーレを恨めしく思いつつ、仕方ない、1時間待つか、と観念した。


今、国宝源氏物語絵巻展をやっている。

入り口の解説によると、源氏物語絵巻は、作品ができた150年ほど後に描かれたそうだ。

原作54帖のうち、それぞれの帖からいくつか場面を選んで絵画化し、
その場面ごとの本文が手書きで添えられた。

現存する中では、日本で最も古い絵巻物らしい。

ただ、残念ながら全54帖のうち、4分の1ほどしか現存していない。

五島美術館および徳川美術館がうちいくつかを所蔵していて、今回徳川美術館からの
貸出をまじえて、展示が行われた。


小さい美術館だし、宣伝もされていないので、まさかここまで込んでいるとは予想外。
ただ、11月29日から改修工事のため2年近く閉鎖となるため、最終週に行くのはリスクが高いと踏んで
今日にしたのだった。


源氏物語、やはり根強い人気だ。

ものによっては、色落ちが激しいものもあるけれど、
X線検査などにより当時の色合いを再現し、複製された絵が並んで展示されていたのは
なかなかいいアイディア。

黒い色は残るのに、緑などは色落ちが激しく、
草花は、ほとんど残っておらず。
着物の柄も、消滅している。

でも、複製の絵を見ながらオリジナル作品を鑑賞すれば、
描かれた当時はこんな鮮やかだったのか、と
そのあでやかなイメージを色あせた絵に重ね合わせることができる。


御簾や建物の部分は、定規を使ったわけでもなかろうに、なかなか直線的に描かれ、
人物の流れるような線と対照をなしている。

建物、人物のバランスが結構難しいはずだけれど、違和感がない。

男女の機微も、控えめながら描かれている。

例えば、夕霧の絵の中で、手紙を読む夕霧の姿を見て、
恋文と勘違いした妻が嫉妬して背後から迫る場面などは鬼気迫る。

大作だ。


そういえば、今、ロードレース「ジロ・デ・イタリア」が、1909年第一回大会のときから今日に至るまでの
優勝者ジャージを収集している。

歴史を物語る貴重な財産というわけだ。

それって、古代ローマ時代から脈々と珠玉の美術品を生み出してきたイタリアならではの発想。
保存するという行為の重要性を知っている。


翻って源氏物語絵巻。
4分の3が散逸・消滅してしまっているというのは、残念でならない。


ところで、くだんの「1時間待ちです」という駅前の案内板はかなり正確だった。

会場には入れたのが到着してから55分後、作品と対面できたのがジャスト1時間前だった。

その待ち時間の間、もったいないので、ツーレに列に並んでもらい、私は庭園へ。

交代で行くつもりだったが、ツーレはパスする、と。

ひとりで庭園内を散策。
紅葉している木はそれほど多くないけれど、すっかり園内秋のたたずまい。

中にはまるで新緑のような若い緑の葉をつけた木もあったりして、
来る冬にまるで無駄な抵抗をしているかのよう。



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2010.11.21 Sun | 国内探索| 0 track backs,
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