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本日の天声人語「樹木葬」と緑の力
気持ちに余裕がないときでも、天声人語だけは読もうと心がけているのだが、たまにそれでも見逃しているらしい。今日の天声人語の下敷きになった2月の記事を読んでいなかった。

「34歳で乳がんに倒れた女性」の話というのが読みたくて、asahi.comのアーカイブページにたどり着いたのはいいが、すでに記事は消滅していた。http://www.asahi.com/paper/column20100207.html キャッシュでかろうじて読むことができ、内容をセキュアしておくことに。

2010/2/7の天声人語

 本欄へのご感想の中には、ただ黙するしかないようなものがある。埋葬地に木を植える「樹木葬」を取り上げた過日の小文にも、そのようなお便りをいただいた▼「いつ折れるとも知れない心を老夫婦で支え合いながら、娘のために樹木葬の適地を探しています」。次女を34歳で亡くしたばかりのご夫婦からだった。乳がんの告知からわずか1年半。夫と、告知の直後に生まれた男児が残された▼遺言めいたメモには、病のため震える字で家族葬の希望と、お墓にはオリーブかローズマリーを植えてほしいとあったそうだ。若い人ほど木の勢いは強かろうと書いた小欄を、励ましと受け止めていただいた。偶然に言葉もない。ご連絡すると、お二人は乳がん撲滅への願いを静かに語られた▼同じ34歳で逝った女性を悼む歌がある。小学生の姉妹の親でもあった。〈遺児ふたり長き髪もつ明日よりは母に代わりて誰が結ばむ〉羽場百合子。作者は朝日歌壇にも入選を重ねた元教師で、弱き者を思いやる歌風が際立つ▼どんな死も悲しいけれど、若い母親のそれは切ない。お母さんは風になり木になって、わが子に声援を送り続ける。他の母親より少し短い、真珠のような思い出を抱きしめながら▼乳がんに侵された先の女性は、幼子にも走り書きを残していた。〈男の子はやさしくなければいけません。まわりの人の言うことをよくきいて。いっぱいおでかけにつれていってもらうんだよ。本もいっぱいよんで、音楽もいっぱいきいて……〉。連なる「いっぱい」に、母性の叫びを聴く。


そして、彼女のご両親は適地を探し当て、埋葬祭に筆者も参列。それが本日の内容となっている。

「緑」が結ぶ「縁」の不思議さを実感するとともに、亡くなった女性の名前4字とも草木にかかわる漢字であった偶然に驚く。


今回の話題を、以前のアーカイブまで探し出して熱心に読んだのにはワケがある。

今年、桜、花水木、つつじをしつこく追い求めて庭園巡りをしたりしているうちにふと気付いたことがある。
草木に力をもらうことがあるものだと。

冬枯れでがいこつのようになった木々が、春になってふと気付くと立派に花をつけていたり、排気ガスまみれのつつじも、時期が来れば忘れずに色鮮やかに咲き誇り、草花の生命力に、今年はなぜかことさら感じ入った。

寒い冬が長くて、突然春がやってきたせいだろうか。

樹木葬の具体的・詳細なイメージを描き切ることはできないのだが、亡くなった人のかわりに生命を宿す木々から力をもらえそう、そんな気がする。


今年はつくづく咲き誇る花々と滴る緑に畏敬の念を感じた春だった。
おっと、なんだかすでに行く春を見送る気分になっている。
写真はつい先日の古河庭園。


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2010.05.07 Fri | Society| 0 track backs,
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