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日常風景 * 写真・文章 Copyright@”Mas Ciclismo Diary”
シエナのドゥオーモに溜息
以前本Diaryで触れたイタリア文化会館で開催されたイタリアのパノラマ写真展では、群青の海と古代劇場のコントラストが素晴らしかったタオルミーナが印象的だった。

なんでも映画「グランブルー」の舞台となったところのようだ。
風光明媚な海岸とローマ時代の遺跡が一度に楽しめる、そんなタオルミーナに行きたいと思ったけれど、南イタリアということで諦めた。
9月のボローニャ往復の旅ではカバー不可能だった。

そこで次に9月の訪問地として考えたのが、やはり上述写真展で感銘を受けたオルヴィエートだった。
Photolibraryさんのところに写真がある。

特にファサードの浮き彫りの妙が見事で、これひとつで世界中から観光客を呼び寄せることができる、見て損のない建造物と思われた。

が、こちらも時間がタイトであることを考え断念。アッシジまで行くのがせいぜいだった。

代わりに選んだのはフィレンツェからほど近いシエナ。こちらのドゥオーモを見た時、オルビエートに執着するがあまり行程を乱す、などということを回避できてよかった、と心底思った。

オルビエートほどではないのかもしれないけれど、それでも美しさに息を飲んだ。

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上の写真を見てわかるとおり、脇の方は白x黒の組み合わせのモダンな造りになっている。
正面上部のゴシック様式と対比すると、しっくりこない感じもある。

製作年代が異なるせいだ。
ゴシック最盛期よりも前に建てられた下部は、上にのびる様式ではなく横に伸びる動きを重視している。

その後、尖塔が印象的な天空へ伸びる代表的ゴシックの上物がついたので、別々のものが合わさったような感がある。特に、斜めの角度からこの大聖堂を眺めると、少々統一感がない印象。

ただ、その不統一さがユニークで、訪問者をある意味喜ばせてくれる。

即ち、私はドォーモへのアプローチとして、脇から入る道を選んだ。
見えてきたのはこの↓風景。
白と黒の幾何学的な壁面と鐘楼をもつ、どちらかというとシンプルな大聖堂の姿。

ところが周りこんで正面に立つと、一番最初の写真の全貌が現れる。
驚き100倍というわけだ。

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このドゥオーモは長い年月をかけて仕上げられ、最初にミネルヴァ神殿跡地に教会が建てられたのが9世紀のこと。

ファサード部分。よく見ると大理石でできた動物や聖人の彫刻が。
もっともこれはオリジナル(付属美術館に収蔵)ではなく、複製なのだけれど。

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クローズアップ。
P1680200.jpg

さらにクローズアップ
P1680203.jpg

そして、町のエンブレムとなっているのが、これ ↓。狼の乳を飲む2人の子供。
これはシエナ建国の神話に依拠している。

神話には、オオカミの乳を飲み育ったロムルスとレムスの双子の兄弟が登場する。

ロムルスRomulusはのちにローマRomaの名前の由来となり、レムスRemusの息子セニウスSeniusは、シエナ建国の父となったというのだ。

もっともシエナの名前の由来については、ラテン語のsenex(=Old)からきたとか、Saina家からとられた、といった諸説あるようだ。

いずれにせよ、この神話がもとで、双子の兄弟と狼の構図は、シエナのシンボルとなっている。
下の写真の彫刻はドォーモ入り口向かって左手にある。

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以前書いた内部の装飾の話で登場したこの床面装飾の中央にも、オオカミx子供の構図がすえられている。

P1680284.jpg

ファサード向かって右手にもオオカミと2人の子供の彫刻が。(見づらいけれど、一番下の方)

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ほかにも群像が諸々に見られ、人間味のある建物に仕上がっている。

P1680206.jpg

入り口の床面。

P1680211.jpg

オルヴィエートまで行かずとも、素晴らしいドォーモを見ることができてよかった、そう思っていた。
が、どうやらこのドォーモ、オルヴィエートに触発されて出来上がったようなのだ。
類似点があるのはそのせいなのだ。

P1680285.jpg

P1680208.jpg


シエナのドォーモ全景。
p.s. でも次はやっぱりオルヴィエートのドォーモも見てみたい・・・

P1680288.jpg


以前のシエナのエントリー:
○ 床面装飾 (09/09/26)
○ マンジャの塔 (09/11/16エントリー)
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2009.11.29 Sun | Travel-Italy| 0 track backs,
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