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日常風景 * 写真・文章 Copyright@”Mas Ciclismo Diary”
千代田区役所で格安の晩御飯!
ここは千代田区合同庁舎。
時間は19:15。
19:30から用事がある、という場面。

でもーー 少々ハンガーノック気味。
用事を終えて帰宅したらゆうに21時は超える。
それまでおなかは持たない。
腸が弱いので、食間が空くと、大体調子をくずすのがオチ。
これは絶対なにかおなかに入れなければいけない。


15分で食事ができるか?、
という命題に取り組み、2つの選択肢を自分に提示した。

・近くにイートインができるローソンがあった。何か物色する?
・合同庁舎10Fに喫茶室があるらしい。食堂はランチのみで、夜ひらいているのは喫茶のみ。食事があるかどうかわからない。情報がない。どうしよう。

イートインより喫茶室で食べたほうが侘しくないな、
喫茶室をのぞいてみよう。

足を踏み入れると、ビール片手におつまみを食べている人がいた。
でも、黒板にカレーの文字が見える。

店の人が声をかけてくる。
「注文はこの場所で口頭でうけたまわります。お会計は後で」。

ーーあのう、時間がないんですが、カレー、10分ぐらいで食べられますか?
「ああ、大丈夫ですよ。福神漬けが乗った小皿と水を取って待っててください」。

はあ・・・
待つこと1分!

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しっかり具が入っているカレー。
小皿の福神漬けは大盛りだ。
しかもサラダまでついてる!
ごはんも大盛り!

ということで、コンビニで足が床から浮いてしまうような高い椅子に座り、
ビニパン(ビニールに入ったパン)かおにぎりか、ちょっとしたおかずを
ウーロン茶で流し込む、最悪そんな光景を浮かべていたけれど、
ゆったり座れて、予想外に立派なごはんにありつけた。

しかも所要時間は10分。
時計を見ると19:25。

ありがたや、ありがたや。
千代田区の食堂に救われた。

テーブルの上に置かれた伝票には、「カレー」とだけ記されている。
値段はない。


とりあえず1000円札を出しておけ、
とお札を出した。
「ありがとうございました」の笑顔とともに、
手のひらには600円のおつりがのっていた。



2017.11.30 Thu | Gourmet| 0 track backs,
若の岩の頭の傷
今回の若の岩の負傷事件を受けて、
テレビニュースでは頭部のホチキス写真などが出回っている。

それを見ながら得意げに傷の状況を解説をする夫。
自分も若の岩と同じ9針を縫った。

写真を撮りながら、花壇の枠に足を取られて真後ろに倒れ、
カツン、といういやーな音とともに頭を強打・流血。
病院に駆け付けたのはちょうど一年前のこと。

その後何度かCTを撮ったりしてフォローはしていたものの、
1ヵ月後に頭痛が増すばかりでたまらずに別の病院に駆け込んだら、
血液が脳内に充満していて即日手術になった。
硬膜下出血だった。


いま、いっぱしの頭部外傷解説者よろしく
「頭が切れればちょっとしたことでああなるんだよ。
そうそう、ホチキスは1週間ぐらいで取るんだよ」
などなど雄弁に語っている夫。

ちょっと調子に乗ってるな、コイツ、と思いつつも、
とにもかくにも元気になってよかった。
2017.11.29 Wed | Private| 0 track backs,
日本郵便のオリジナル切手作成サービス
今年のGW中、パナソニック汐留ミュージアムでこんなお宝をいただいた。

ジョルジュ・ルオーの絵画の図柄入り切手だ。
それぞれ「マドレーヌ」と「古きヴェルサイユ」と呼ばれる作品。

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左がその時にいただいたもので、右はそのあと、
再度配布キャンペーンの時にいただいたもの。

もともと来館者100万人突破記念で作られ、
カラフルでシール式になっている。

本当にこれ使えるの?と思ってしまうけれど
れっきとした52円切手が2枚。
(葉書の値段が62円に値上がりしてしまったので、追加10円が必要だ。)


頂いたときは、わあ嬉しい、とありがたく受け取ったものの、
疑問がむくむく沸いてきた。

法人単体で切手を作ることができるの?
そう思って調べてみたら、これは日本郵便のサービス事業の一環のよう。

このような2枚ペアのシートは特注品なのかもしれないけれど、
個人でも大型のシートなどを発注できるようになっていた。

家族やペットの写真などがそのまま切手になるようで
例えば:

62円郵便切手×10枚タイプ
1シート1,030円(62円郵便切手×10枚・シール式)

といったかたちでオーダーできるらしい。
2017.11.28 Tue | Art| 0 track backs,
小石川後楽園の紅葉が見ごろ
小石川後楽園の紅葉が「最盛期」、という公式サイトのツイートを見て、
慌てて土曜日の朝一で行ってきた。


朝9時の開園直後に入ったのだけど、10時過ぎに出るころには
20人ぐらいがチケット売り場で列をなしていた。

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こちらは旧水戸徳川家の江戸上屋敷だけあって、庭のあちこちに
「見立て」などがあり、石ひとつにも意味があって、奥深い。

こちらは屏風岩。

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こちらは梅園そばの紅葉。
四季折々の花が楽しめるけれど、紅葉の季節が終わったら、しばし
色彩的には寂しい時期が続く。

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都内の庭園の紅葉比較をすると、赤味が一番多いのは
こちらの公園だと思う。


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こちらは内庭。以前こちらの紅葉がすばらしかったと記憶していたのだけど、
陽の光が当たっていないせいもあり、色はいまひとつ。
太陽の向きが変わると、また違って見えるのだろう。

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なお、園内の色づきの進行具合は入り口付近と奥とでは異なる由。
入り口付近の色合いを基準に入園すると、奥の方はすでに散っていた、
などということもあるのでご注意を、とのこと。

要はこの時期何度か足を運ぶのがよいということか。

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2017.11.26 Sun | 国内探索| 0 track backs,
六本木一丁目駅で輸入食品大バーゲン
メトロ六本木一丁目駅の泉ガーデン側出口で、
輸入食品のバーゲンをしていた。


アールグレイが半額以下、というのに目が引き寄せられ、思わず足を止めた。
紅茶は在庫があるし、まとめ買いしても香りが失われるだけなので買わなかったけれど、
ミューズリー(400円弱)、パンプキンペースト(ジャム?)200円、
タコ、ホタテ、サーモンなどのオイル付けが200円、
ツナのリエットが200円弱、などを購入。


サーモンを本日さっそく前菜代わりに出してみたけれど、
ディルがかなり効いていて、好きな味。
中身も意外にたっぷり入っていた。

オイリーなのでダイエットには不向きだけど、
もう一品!というときに重宝しそう。

12月3日までと書かれていたので、
期間中もう一度ぐらい行ってもいいかな。


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ちなみにこの日は紙類を中心にもともと手荷物が多い日だった。
その上にこれらを買ったら私にはかなりヘビーで、青息吐息で帰宅するはめになった。

明らかにパンプキンペースト2個が、敗因だ!
これで美味じゃなかったら泣く・・

2017.11.25 Sat | Gourmet| 0 track backs,
ロイヤルコペンハーゲンの展示
「デンマーク・デザイン」展 @損保ジャパン日本興亜美術館 で
20世紀後半あたりのロイヤルコペンハーゲンの食器を見てきた。

*写真撮影は内覧会の折りに主催者から許可を得ています。

縁取りが透かしになっていて、細部まで神経が行き届いている。

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ブルーフルーテッドと呼ばれるシリーズ。
非常にモダンで、100年前のものとはびっくり。

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ライティングが白い下地に影を落としているのだけど、
影にも透かし部分がくっきり浮かび上がってきれい。

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そして記念プレート。
これぞロイヤルコペンハーゲン。
主力デザイナー・アーノル・クローウの作だ。

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こちらはロイヤルコペンではなく、ビングオーグレンダール。
ジャポニズムの影響?と思われるトンボの柄も。

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スワンの首が把手になっている。
ソーサ―の形も水飲み場のようなくぼみになっていて、なんとも優美。

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本展覧会は家具が中心、と思っていたけれど、
第一室にはこのように食器が並んでいて、
後半の展示室には昔のレゴも登場。
弟が好きだったので、私もレゴで遊んだくちだ。

自分の身近な生活とだぶるものも多々あり、
絵画の展示とは一味違う、親近感ある展覧会だった。


*****

 

展覧会名: 「日本・デンマーク国交樹立150周年記念 デンマーク・デザイン」展

会   期: 2017年11月23日(木・祝)~12月27日(水)
休 館 日: 月曜日(ただし12月25日は開館)
会   場: 東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館
〒160-8338 新宿区西新宿1-26-1 損保ジャパン日本興亜本社ビル42階
開館時間: 午前10時-午後6時、金曜日は午後7時まで(入館は閉館30分前まで)

HP: http://www.sjnk-museum.org/program/current/5062.html

2017.11.25 Sat | Art| 0 track backs,
旧古河庭園のトリビア
1度で何度もおいしい旧古河庭園。

先日触れた書庫の通風孔にはこんな模様が。

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実は古河家の家紋なのだそうだ。

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さらに、書庫の屋根にも秘密が。
洋風建築なのだけど、屋根には鬼瓦を模した装飾がついている。

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それだけではない。
庭園内の石段にも工夫が。

最上段の階段は、シンプルでお固い石づくり。


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下に下るほど、敷石がやわらかいフォルムになっていく。
これは書道でいうところの「真」「行」「草」に相当する。

一番上はお堅い楷書(真)。
下に行くほど草書文字、つまり崩し文字の世界になっていく、
という仕掛け。


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日本人の繊細さ・美意識おそるべし。
2017.11.24 Fri | 国内探索| 0 track backs,
非公開のステンドグラスを旧古河庭園で見た
ひとつ素敵なトリビアがある。

それは、ここ。
日本庭園そばにある小屋だ。
実はこれ、かつて書庫として使われていて今では閉鎖され
立ち入り禁止になっている。

けれどたまに特別公開されることがあり、
一度だけ書庫内部をカバーするツアーに参加してきた。


建物自体は地味だし、中も丁度品は相当傷んでいる。
書棚の名残はあるけれど、中は空っぽ。

室内は展示を想定してはおらず、あるがままの状態だ。
だけどーーー


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頭上に5カ所、立派な孔雀のステンドグラスがはめられているのだ。
作者は不詳らしいが、一流作家の手によるもの。

5種類あって、円形内のクジャクの意匠はすべて異なっている。


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孔雀のモチーフが選ばれたのは富や名声の象徴といった説もあるけれど、
入り口の上にもあることから、魔除けの可能性もあるという。

孔雀=魔除け、その理由は?というと
孔雀はなんでもゲテモノ食いなのだとか!


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この羽を広げた姿は華やかそのもの。
花が咲いているかのよう。
ブルーの色味も光と混ざり合っていいあんばい。


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細かい工夫も施され、よく見ると孔雀の羽の「目」の部分は、
乱反射する種類の違うガラスが使用されている。

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アップにするとこのとおり!

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鳩山会館の立派なステンドグラスは第一人者・小川三知氏作だった。

こちれは、はっきりした作者は不明ながら、宇野澤辰雄氏の系列だろう、
とのこと。
いずれにせよ、確かな腕前の作家さんの作品だ。 

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室内家具は作り付けのものもあり、
燕子花をデザインした模様が地こちに見られた。
例えばドアの上部。


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アップでも見にくいいえれど、
燕子花類の単純模様ではないかとのこと。

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何気なくこちらにも。

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こちらは見返り美人よろしく、体をひねった燕子花。
見逃してしまいそうな上部に何気なく置かれたこうした意匠デザイン。
なんとも奥ゆかしい。

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旧古河庭園の洋館は言わずと知れたジョサイア・コンドル作だけど、
こちらの書庫は、葛西萬司氏の設計によるもの。

葛西氏は、東京駅を作った辰野金吾設計事務所の共同設立者だ。

 

関連エントリー:
2017.11.22 Wed | Private| 0 track backs,
穴場の紅葉:旧古河庭園
北区西ヶ原にある旧古河庭園は、ジョサイア・コンドルの手による洋館と
春と秋に咲き誇るバラの庭園として名高いけれど、
裏側には広大な日本庭園が広がっていて、紅葉も実は侮れない。


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もともと陸奥宗光の別邸だったものの、跡継ぎの流れで
古河財閥系が管理するようになり、同財閥3代目当主・古河虎之助氏が
現在の形に整えた。


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こちらの日本庭園は造園家として知られる小川治兵衛が手掛けたと聞く。

小川治兵衛といえば、古河家だけでなく、住友、三井、岩崎(=三菱)、細川らも
こぞって造園を依頼した名人で、名家御用達の庭師だった。


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ここはバラと紅葉が同時に見られる稀有な場所なのだが、
残念ながらバラと紅葉をうまく写真に収めることはできなかった。
雰囲気だけ・・こんな感じ。
丁度先の週末は、
秋バラはそろそろ終わり、紅葉がそろそろ見ごろ、という主役入れ替わりの時期だった。

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洋館やバラ園の欧風の雰囲気と、
和風庭園の2つが楽しめる一石二鳥の旧古河庭園。
桜の木は余りないものの、洋館を見渡せる位置にあり、
なかなか素敵な光景だ。(以下参考)

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一足先に満開のしだれ桜を堪能: 旧古河庭園編(穴場)(今年の4月のエントリー)


さらにツツジもこの庭園の隠れたエース。
残念ながら今年は体調不良でツツジの時期の古河庭園を訪れることはできず、
来年こそリベンジを、と思っている。

つまりまた来年も、年間パスをお買い上げかな。
9庭園すべてで使えるパスポート以外に旧古河庭園専用のパスポートもある。


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こちらの庭園は3段階に高さが設定されていて、
高台には憩い庵があり、そこから下の紅葉が見渡せる。

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5月に咲き誇るつつじの丘も、赤く色づいていた。


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2017.11.21 Tue | 国内探索| 0 track backs,
松涛美術館「三沢厚彦 アニマルハウス」展で一流彫刻家たちの公開制作を見る
閑静な住宅地にある個人の邸宅風ミュージアム、松涛美術館で稀有な体験をしてきた。

彫刻家・三沢厚彦さん、彫刻家・舟越桂さん、画家・杉戸洋さんという超一流アーティストたちの公開制作に立ち会ってきたのだ。


特に舟越桂さんの彫刻作品は、文学好きにはおなじみなのではないかと思う。
須賀敦子さんのエッセーの表紙に採用されてきた。

    


私の友人はその舟越桂さんのドローイング作品(彫刻の下絵)を10年以上前に
2点ほど買い上げて、いま自宅に飾っている。

独特の感性をもっている彼女と、土曜日その公開制作を訪れたところ、
予定の1時間をはるかに超えて、延々2時間以上。
芸術家の熱意を肌で感じてきた。


この公開制作は現在開催中の「三沢厚彦 アニマルハウス 謎の館」という展覧会の
試みの一部。


本展は彫刻家三沢厚彦さんを中心に
彫刻家・舟越桂氏、画家・小林正人氏と杉戸洋氏、写真家・浅田政志氏が加わり
集合体で形成する展覧会なのだけど、日々進化するように工夫されている。

すなわち、居間のような造りの展示スペースを住人のいる館に見立てて、
住人であるアーティストたちが館を時折訪れては制作活動を行っていく。
洋館風のムード満点の松涛美術館ならではだ。



会期中の制作は随時公開形式で、
アクションという付加価値をつけられた作品たちは妙に生々しくて
そこに様々な個性が呼応しあい、独特の空間に仕上がっている。


昨日土曜日は、三沢さんとその先輩/仲間である彫刻家、舟越桂さん
を迎えて粘土彫刻の公開制作が行われる予定だったのだけど、
急きょ画家の杉戸洋さんが飛び入り参加。

最初はまず杉戸さんをモデルに2人が粘土で作品を制作した。
制限時間は20分+追加で5分。

2番目は、会場内の女性をモデルに杉戸さんも加えた3人が
20分で粘土制作に取り組んだ。

それ以外の時間はトークや、粘土の説明など。
舟越さんが実践的なお話をところどころ差しはさんでくださって、
チャーミングな三沢さん、穏やかな気配りの人杉戸さんの3人が楽しい空間を創造してくれた。


20分というと、通常は下ごしらえだけえ終わってしまい、
完成形にたどりつける時間ではないけれど、
それでも最大限のスピードで、それぞれの人物像ができあがった。


あらかじめ用意された新聞紙とサランラップを使った芯に
粘土をぶつけていくさまは、まるで格闘技。


余興とはいえぬ必死さで、粘土の塊が魂を宿していく様子を見守った。


三沢さんの作品は、彼の動物作品同様ボリューム感があり、
内なる強さがにじみ出ている。
どちらかというとプラスの制作姿勢だと感じた。
つまり、粘土を重ねて作っていく。
そぎ落としながら制作する舟越さんと対照的。


杉戸さんは画家とはいえ、三次元作品も難なくこなし、
表面をスムーズにせず、敢えてごつごつとした皮膚感が
逆説的に人間らしさを加えていて、味のある人物像だった。


舟越作品は2作品ともやっぱり舟越さんのムード全開の作品で、
モデルの雰囲気を保ちつつ、舟越節ともいえる繊細さ、おだやかさをたたえている。
未完成形でも、作風がばっちりでるものだと驚いた。


舟越さんは特に、モデルを四方八方から眺めつつ、
顔に何度も何度も十字を入れて、中心線を見定めていく。
まるでゴルファーが、スイングの前にグラブを縦にかざして
ライン読みをするかのように。


最初に粘土を力強く打ち付けた後、
何度も何度もそぎ落としていく様子が印象的で、「マイナスの彫刻」と感じられた。


同行した通の友人いわく、舟越さんの作品はもとになったモデルさんの
雰囲気をそっくりそのまま伝えているのだとか。
一見彼の作品は写実的ではなさそうで、どこか観念的に感じられるけれど、
対象物を真摯に見つめる確実な目に裏打ちされたリアリズムなのだった。



こちらは↓ 唯一本展で写真撮影が可能な作品。
制作者は三沢さん。
彼が生み出す人物像も、こうした動物たち同様、強い存在感を打ち出していた。

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本美術館は白井晟一氏の設計で、展示会場が曲線状になっている。

中央に噴水を配したアトリウムがあり、それを取り囲むように
部屋が構成されているからだ。

公開制作が終わってふと外を見るとすでに日はとっぷりと暮れていた。
美しい噴水のライティングを眺めつつ、館を後にした。


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2017.11.19 Sun | Private| 0 track backs,
日経プロムナード「美術が持つ力」(阿古真理さん)
昨日の日経新聞夕刊のエッセーコラム”プロムナード”の執筆者は生活研究家の阿古真理さんだった。

その最後の文章に大きくうなずいた:

「美術家が、止むに止まれぬ衝動から魂を削って創り上げた作品は、何らかの用途や目的を持って生まれたものとは異なる存在感を持っている。」

そしてそうしたパワーから力がもらえるのだ、と。

阪神淡路大震災の後によく美術館に行ったのも、傷ついた心をの傷をいやすためだったのだろう、と振り返る。


止むに止まれず描いている、そうひしひしと感じる絵は、確かにある。
何かを追求している、自己表現の手段としてそれを描かずにはおれない、
そんな勢いを感じることは折に触れてある。

繰り返し同じモチーフを描き続け、マニアックと言わざるを得ないような絵も、
信念と執着というパワーを宿していたりする。


オランダのゴッホ美術館で見た最晩年のゴッホの絵も、そんなパワーを発散していた。
もはや形は崩れ、絵の具をたたきつけるように描かれていて、まさに生命の慟哭。
思わず身震いせずにはいられなかった。



話はやや逸れるけれど、私がルネサンス直前の絵画が好きなのは、そうした衝動やエネルギーをことさら強く感じるからなのかもしれない。

遠近法技術がまだ確立せず、なんとかもがいてそれに近い構図を模索して、幼稚な立体感ではあろうとも、それ以前の形骸化した聖母子像から大きく一歩踏み出した、その晴れ晴れしい思いとまだ未完成というジレンマのはざまにあるルネサンス寸前の絵画たち。


ブルネレスキが遠近法を確立してしまったあと、それに続くルネサンスの画家たちの究極の美の競演もすばらしいのだけど、人間の力を感じるのはその「打破しよう」とする うずうずした感覚をもつ絵の方だ。


たとえば、「最後の晩餐」に建築構造を取り入れ、一般市民を描き足し、
立体感を表現しようとしたこのピエトロ・ロレンツェッティ。


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ルネサンスの完璧な人間表現よりも、
完璧を目指して必死にもがく様子が強く感じられる
未完成の人間表現に、より人間らしさを感じてしまう。

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2017.11.18 Sat | Private| 0 track backs,
辻邦生さんの遺品の数々
学習院大学の資料館では辻邦生さん関連の展示を常時行なっているので
これまで同氏の手稿の一部は目にしたことがあった。

初めて資料館を訪れたのは丁度辻さんのご著書を読んでいた数年前。
以来数回訪問したけれど、スペースが狭いので一度に拝見できる資料数は限られている。

ところがいま開催中の日仏会館の辻邦生展では
比較的広々とした場所が確保されていて、手稿に限らず様々な名残を堪能できる。


こちらは手作りのカレンダー。

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イラストが可愛いのだけど

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片隅には「305ドルはらいこみ」、などいう書き込みもあって
生活感も漂ってくる。

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数々のスケッチや身分証に混じって
パリ時代に作った手作りの表札まで。

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パリに留学した際の思い出の一つがこれ。
船上の人となった辻さん宛てに届いたエアメール。

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郵船会社着付けで乗船客にも手紙が届いたらしい。
送り主は恩師の方だった。

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どれも保存状態が良くてびっくりする。

フランス滞在中の使用済み切符や落書きまで捨てずに持ち帰ったということは、
これら全ては著書の肥やしにいつかなり得る貴重な資料という位置づけだったのではないか。


日々の積み重ねを物語るこうした品々はきっと
膨大な量の日記のどこかに忍び込み、やがては作品の
ほんの細い撚り糸のどれかを形成しているのかもしれないし、
出番を人知れずじっと待ち続け、待ちぼうけをくらったものたちなのかもしれない。

作家 辻邦生を形成した貴重な宝を存分に見せて頂いた気がして、
とにかく感謝。






2017.11.17 Fri | Private| 0 track backs,
三菱一号館美術館「パリ♥グラフィック」展 ブロガー内覧会レポ
三菱一号館美術館「パリ♥グラフィック」展の内覧会に出席させていただきました。


これまでロートレックはある程度見てきたし、新婚旅行ではパリ~オーヴェールシュルオワーズ~バルビゾン~アンボワーズをまわった後アルビに行き、ロートレック美術館にも足を運んでいるので、期待値はそれほど高くはなかった、というのが正直なところでした。

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ところが行ってみると、想像していたような単なるポスター羅列の展覧会などではなく、
関連作品や付随資料がとっても豊富。
それにより、当時の世相が鮮やかに浮かび上がり、多面的で良質の展覧会になっていました。


展示の最後にはゴッホが実際に所有していた浮世絵の展示などという稀有なコーナーもありましたけれど、こちらは今回の協力先アムステルダム、ファン・ゴッホ美術館ならではのサービス展示といった様相で、西洋版画におけるジャポニズムの影響に力点を置いた展覧会ではありません。

むしろ社会の中におけるリトグラフの立ち位置がくっきり見える内容で、先の日経新聞の評は的を得ていないのでは?、などと感じた次第です。


多面的な展覧会、の証拠は以下のとおり:
(写真は内覧会の折りに美術館の許可を得て撮影。)


1) 画中画により、当時の版画作品の扱われ方が如実に伝わります:

広告が貼られた街中の壁やカフェ・コンセールの様子、版画家の肖像、版画愛好家の肖像、印刷所の様子、印刷をチェックする人の様子、などを描いた作品が豊富で、ビジュアルで世相を伝えます。

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2) パリの街並みの再現コーナーも見どころのひとつ。圧巻の臨場感です。
ここはいにしえのパリ。キオスク、洋裁屋などが立ち並ぶ中、大判ポスターが街の壁に貼られていた様子を、パリの空気の中でじんわりと体感。(こちらは通常写真撮影OK)

実は私、コロン・モリス(パリの円柱広告塔)を中心に大判ポスター広告は展開していた、と思い込んでいたので、認識を正す いい機会でした。


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3) 当時、大衆向けの商品としてのポスターと、上流階級がひそやかに自室で覗き見るような個人向けのもの=ややセンシュアルな内容のもの=という2方向のベクトルがあったことが明確に示されています。

内覧会トークでは、この点に関する同美術館学芸グループ長の野口玲一さんと青い日記帖のTakさんの掛け合いが見事でした。


なるほど、ヴァロットンのあの意味深な絵も、そういう社会のコンテクストの中でとらえるべきだったのですね。
まるで浮世絵の2つの側面=浮世絵と春画の構図のよう。浮世絵コレクターの斎藤氏は「春画を集めないこと」、を条件に浮世絵収集を許された、と本美術館のトークで聞いたのを思い出します。



4) ポスター芸術にかかわった画家の層の厚さにびっくりでした。

中でもナビ派は精力的に取り組んでいた様子。
ヴュイヤールなどは油絵作品と版画を見比べても、アンビエントが変わりません。

(右が油絵)
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一方でゴーガンの作品も3点ありました。
ブルターニュの女性の版画はいかにもゴーガンですが後の2作品はちょっと意外でした。

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ムンクの版画作品も嬉しいサプライズ。
イプセン作「ペール・ギュント」のための劇場プログラムが出ていました。
ノルウェー人2人のコラボというわけですね。

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アンリ・リヴィエールとえば以前三越で見た『エッフェル塔三十六景』のイメージが強いけれど、シャ・ノワールで影絵芝居のプロデュースを行い、そのポスターも手掛けていたのですね。
その上演ポスターがありました。
エッフェル塔とは全然違うモノクロームのリヴィエールが新鮮です。

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5) 制作の媒体にも目を向けさせてくれます。
下絵+木版+リトグラフ作品の3点セットがそろっている珍しい例や、石板の展示も。
油彩の下絵としての版画から、リトグラフが独立する様子も述べられていました。


ジャン=エミール・ラブルールの洗濯(『化粧』より)のリトグラフ(右)、
下絵と木版の3点セット。これらがそろった稀有な例。
左の写真下には、別作品の石版があり、その繊細なタッチは木版とは大違いです。

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6) ロートレック作ロイ・フラー嬢の多色刷りリトグラフでは、色違いでグラデーションの美を堪能できます。
商業的にもなかなかのアイディアですね。

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7)質の違いにも目を向けさせてくれます。
ポスターは後から別の人の手で文字が書き足されることが多く、そうした書き込みの有無もコレクターにとっては重要なポイントなのだとか。
三菱一号館美術館は他人の文字入れがない良質のロートレック作品を所有しており、なかなか自慢のコレクションのようですのでお見逃しなく。==>ロートレックの『ムーラン・ルージュ、ラ・グーリュ』です。写真可能な部屋にあります。
                  IMG_2594_201711142326486bb.jpg 

8) その他にも:
ロートレック3段階の版画からは、制作過程がわかりますし、ボナールが描いた挿絵入りのヴェルレーヌの『並行して』という本のファクシリミリ版を実際に手に取ることもできます・・・


といった具合に、多くのビジュアル素材を通して版画に対する視野も広がり、当時の世相も透けて見え、多角的にリトグラフを堪能できる展覧会だったなぁ、とつくづく思いました。


内覧会の機会を頂きありがとうございました。

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展覧会名 : 「パリ♥グラフィック ― ロートレックとアートになった版画 展」
会場 :三菱一号館美術館
会期 : 2017年10月18日(水)~2018年1月8日(月・祝)
開館時間 :10:00~18:00(祝日を除く金曜、11月8日、12月13日、1月4日、1月5日は21:00まで)
※入館は閉館の30分前まで
休館日 :月曜休館(但し、1月8日と、「トークフリーデー」の10月30日(月)、11月27日(月)、12月25日(月)は開館)
年末年始休館:2017年12月29日~2018年1月1日

2017.11.14 Tue | Art| 0 track backs,
「辻邦生ーパリの隠者」展で見た美しい装丁の本たち
恵比寿の日仏会館で開催中の「辻邦生ーパリの隠者」展は、
作家 辻邦生さんの魅力がたっぷり詰まった極上の展覧会だった。


魅惑のポイントはいくつもあるのだけれど、
ー 例えば書斎の再現とか、佐保子夫人とのイラストのやりとりとか、
極小文字でつづられた莫大な日記とか -
中でも著書の装丁の美しさに目を奪われた。


珍しいところでは、これ。
銅版画が嵌め込まれている。

『樹の声 海の声』という朝日新聞社が出した本で、
銅版画の方は小泉淳氏の作。
白地に藍色で、お寿司屋さんの湯飲み的な落ち着いた配色。
波と魚が描かれている。


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個人的に萌えたのは、『薔薇の沈黙―リルケ論の試み』 という本。

表紙はクリュニー中世美術館所蔵のタピストリー、
《貴婦人と一角獣》だ。

クリュニーの展示室が一部改装されていた折りにこの6枚1組のタピストリーは来日を果たし、
新国立美術館で開催された展覧会は大賑わいだった。

ミルフルールと呼ばれる花咲き誇る庭と赤い地を背景にして
白い一角獣の姿が浮かび上がっている。


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『西行花伝』が谷崎潤一郎賞を受賞した際は、こんな豪華本が出ていた。

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受賞の際の表彰状、記念の皿も展示されておりー

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記念の皿は、三日月のもと、桜を愛でる西行のイラスト。

西行といえば、
「願わくは花の下にて春死なむ その如月の望月のころ」の歌を思い浮かべるけれど、
であれば、この月は三日月ではなく満月?


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表彰状には選者のサインがずらり。
ドナルド・キーンさんの署名は「キ」の字に特色がある。

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ブリューゲル風の絵(左)がついているのは
『十二の風景画への十二の旅』 (文芸春秋)。

イタリアルネサンス期の画家ポッライオーロの婦人像は、
『十二の肖像画による十二の物語 』 ( PHP研究所)の表紙を飾る。

ポッライオーロの横顔の美女はシリーズで4作品あるけれど、
私はこのご婦人が一番好き。
袖の刺繍も一番豪華。


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エドゥアール・マネの問題作「オリンピア(フランス語でオランピア)」の絵を
大胆に使用しているのは『美をめぐる対話』(筑摩書房)という著書。

ジャン・コクトーやルイ・アラゴンの作品を辻さんが訳したものらしい。


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むろん、パスポートや身分証に貼られた写真の辻さんが
めちゃくちゃイケメンだった、というのも本展の大きな食いつきポイントでは
あるのだけど。


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ただパリでの3年半は、辻さんにとって楽しいだけのものではなく、
作品を創出するための苦しい助走期間であったと聞く。

思考と手が一致するまで、呼吸するように手が動くまで、
とにかく書いて書いてかきまくったパリの日々。


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小さな字で、丁寧に、でも(おそらく)ものすごい勢いで綴られた膨大な日記からは、
作家の切羽詰まった悲壮感、トンネルを抜けたいという切実な思い、
そして書く喜びが混在一体となって立ちのぼる。


そしてふと思う。
パソコンでアイディアや原稿をつづる現代の作家さんたち。
後世、彼らの展覧会が開催される機会は果たしてあるのだろうか?

こんな中身の濃い展覧会を実現するのは困難ではないか?


だって展示する媒体が見当たらない。
パソコン画面の展示?
スマホのスクリーンショット?
USBメモリー?

ビジュアルとして、華々しい展覧会は望めそうもない。


展示会場には、本という冷たい活字になる前の生々しい肉声がこだましていた。

生々しいはずの肉声さえも、初めからパソコンの活字で生み出されるこの今という時代だからこそ、
辻さんの魂のこもった本展覧会の希少価値が強く印象付けられた。



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展覧会情報:

2017.11.12 Sun | Private| 0 track backs,
「鹿の王」読了 <感想・ネタバレなし>
長大フィクション「鹿の王」を読了。
長編小説で、上下巻で1000ページほど。


2015年度本屋大賞、という触れ込みと、
冒頭の迫力ある格闘シーンがなかったら、
最後までたどり着いていたかはわからない。


なにしろ普段読みなれないエキゾティック・ファンタジー。
部族の名前・縄張り争いの構図が込み入っていて
手名付けるのに時間がかかった。


最後に「鹿の王」の意味が明確化し、説得力に満ちていたので、
あれだけのスペクタクルがひとつまとまったかたちで収束し、
すっきりとした、後味のいいエンディングだった。

ただ若干、女性や子供の台詞の現代口語的やわらかさが
ハードコアな作品のイメージをふんわりさせてしまって、それが個人的には惜しまれた。
それにより読みやすくなるという恩恵はあるものの、
骨太のままぐいぐい突っ走っても読者はついていっただろうと思う。


とはいえ単なるファンタジーにとどまらず、生命体の不思議さという
根底を貫くテーマが作品にCoherenceと実在感を与えていた。

おかげでヴァンとホッサルという2人の男が描くパラレルな世界に絶妙な均衡が生まれると同時に
そちらのテーマの方にも強くひき付けられた。


生命体の神秘、といっても単に個体同士の相関性にとどまらず、
それはそのまま地球全体の命脈へと展開していく。

宇宙の輪廻に思いを馳せるようにうまく誘導されることによって、
物語はさらなる広がりをもち、読み終わった後、壮大なスケールのドラマだった、
と改めて実感する。





2017.11.12 Sun | Private| 0 track backs,
ホテル雅叙園東京・百段階段の「いけばな×百段階段2017」 再び
ホテル雅叙園東京の会員になり、百段階段の催しが年中無料になった。
とはいえ、意外に行く暇を見つけられず、
特典の有効活用はままならない。


特に今回のイベントは生け花なので、週替わりで流派と展示される花が入れ替わる。

毎週行ければその都度バリエーションが楽しめるのだけど
今回なんとか2度目の展示に行くのがやっと。


そもそも目黒というロケーション微妙なのだ。
銀座あたりならつぶしが効くのだけど。


というわけで、今回も用事の合間に百段階段をまるで1段飛びするかのごとく
駆け上がり、ざざーっと見てきた。

特に前回とは違い、障子をあけて、外とのインターフェースを試みるものがあり、
一味違う風景になっていた。

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いつもは締め切っているので、障子をあけ放ったこの景色が新鮮だ。

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曼荼羅風掛け軸とともに、、というのも初めて。

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流派ごとに工夫を凝らしている。
対抗戦の様相だ。

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装飾が特に強い部屋では、花が負けてしまうのでみなさん苦労している。
前回見た展示では、強い色の花が使用されていた。

今回はあえて絵に勝とうとせず、なじむかたちにしたこのスタイル。
好ましかった。

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「いけばな×百段階段2017」は11月26日(日) まで。


2017.11.12 Sun | Art| 0 track backs,
上野駅の生鮮販売
JR上野駅のレストラン「レカン」前では、最近よく果物や野菜の販売を行っている。

改札前の大きなスペースでも物産展をよく開催しているけれど、そちらよりむしろ
レカン前でひっそりと販売している方を最近時々利用する。

これが結構当たりのことが多いのだ。

お値段は特別安いわけではなく、
たまに近所のスーパーより安いかなぁ、という程度。

でも産地直送で新鮮さにははずれがない。

先週末は夜遅く上野にいたせいで、通りかかったとき、丁度
すべて半額になっていた。

りんごは1個半額で80円。
なかなか立派で、帰って食べたら甘味が強かった。


上野の直接販売、癖になりそう。
ただあのあたりにいるときは、たいていカタログだのあれこれ持参していることが多く、
家から近いわけでもなく、問題は重量だな。




2017.11.11 Sat | Private| 0 track backs,
日経新聞 夕刊「プロムナード」 黒田龍之助さん篇
日経新聞は夕刊が充実している。

特に「私の履歴書」の圧縮版ともいえる「私の玉手箱」では、
エピソードに添えられた思い出の品の写真が説得力を添えている。

「私の履歴書」が1ヶ月間の忍耐力を要するのに対し、
こちらの連載期間は月~金曜の5日間だけ。
「素」を描くとき、ときにコンパクトは饒舌を上回ることがある。
そのいい例だろう。


夕刊1面の「明日への話題」は、著名人のリレーショートエッセーで、
産業界の筆者もまじるので、自慢話や堅苦しい話に終始することもあり、
”面白さ”の点では、かなりのばらつきがある。

産業界の人の文は総じてつまらない。(言い切ってしまう)。
功成り名を遂げた人ばかりなので、自分の仕事以外の話題が全然ないケースも多々。
仕事人間で過ごしたのだろうなぁ。


そのほか、そこそこ文字数がある曜日ごとの日替わりエッセー「プロムナード」は
筆者の多くが作家の方なので、読み物として楽しめる。


11月7日は言語学者の黒田龍之助さんの「献立表の文字」という話だった。

飲食店の黒板に書かれた手書きの献立が下手だと料理はうまくない、
という信条を持っていらっしゃる黒田さん。

ある時インド料理屋で、異国の人からその日の献立「カリフラワーとチキン」を
日本語で教えて欲しいと頼まれた。

メモに書いて渡すと、後日黒板には「カリフラワーとチキン」と書かれていた。
しかも黒田さんの筆跡そのままに。。。

果たしてその字はおいしそうだったのだろうか?
エッセーは、黒板の文字が自分の筆跡とそっくりだった、というくだりで終わっている。

思わず黒板の文字に思いを馳せるなど、その余韻も含めて楽しめた。

2017.11.09 Thu | Private| 0 track backs,
講演会の法則
社会人向け講演会で思うこと、パート2。


・もっぱら学生相手の先生が、たまに社会人講座の講師として招かれるケースは はずれが多い。

つい先日も再びそれを実感した。
飽きる学生の気を引くために、先生方はいつも冗談などで笑わせようと頑張っておられるみたいだけど社会人相手のときには、そういうのは一切不要ですので。
下手なダジャレのあと、「あれ、受けないな」などとうそぶいているのを聞くと、どっと気持ちが暗くなっていき、思わず笑うどころかしかめっつらになっていく。
そういうのはいいから、さっさと本題に入ってください~。
卒業するため、就職するため、単位を落とさないため、親が学費を払っているから、とかいった理由で授業に出る学生と、ただ単に勉強がしたいがために卒業してまで講義に出ている社会人との違いを意識せずに、同じ調子で講義を展開されるのはいたって迷惑です。


・人気の先生は、ネタの出し惜しみが激しい。講演の機会があまりない地味にひたすら研究してきた先生の方が知識をさらけだしてくれる。

人気の先生はひっぱりだこであちこちの講演会に顔を出すので、それぞれネタを分ける必要があり、ちょろっと出してはうまくごまかす、といったケースが多い。
日の目を見ない研究者の方が、熱心で、ネットなどに出ていない知識をぞんぶんに与えてくれたりする。
ただ、気を付けなければならないのは、研究テーマ。
日の目を見ないテーマというのは、たまに重箱の隅をつつくような、ニッチ中のニッチな内容であることもある。
自分自身、マイナーすぎるピンポイントの話題に興味がもてないことも予想され、その場合は睡魔と格闘することになる。


2017.11.05 Sun | Private| 0 track backs,
講演会で質問を独り占めする人
大ホールで開催される講演会を聞く機会がよくある。

多くの講演会では最後に質疑応答コーナーが設けられていて、時々波乱に見舞われる。

大体お爺さんおじさん系の人に多いのだけど、質問か自分の意見かどっちつかずの話を
えんえんして、質問時間をほぼ独り占めしてしまう人。

辛抱強く待つ司会者は、聴衆からすれば失格。
うまく合いの手を入れて御してほしいと思う。

以前国立公文書館で、やはりそういうことがあった。
その時司会者は一切介入せず、質問者は10分越えてもとうとうと脱線しまくりの持論を展開。

そのとき彼を黙らせたのは、登壇者だった。
「あなたがいっているのは、質問じゃないですね?」

そしてその話をカットした。
アメリカ人だったので、その辺はドライ。

司会者、しっかりしてほしいなぁ。


夫が今日出席した重力波関連の講演会では、やはりおかしな持論を繰り広げて、それをどう思うか?という質問が出たという。
登壇者はひとこと。「それは講演会終了後に話しましょう」
以上おしまい。

そして、次の登壇者、その次の登壇者のときもその同じお爺さんは質問のために手を挙げた。
ところが司会者は、「誰もいらっしゃいませんか?」と彼が手を挙げてもまったく無視。
「いませんねぇ。若い方、どうですか?」などといったりして、2回とも彼しか手を挙げていない場面でも指さなかったという。

上手い仕切りで、乗り切った。

夫曰く、本日の講演会の質問は、結局お爺さんと理系女のみだったと。

科学者の卵の小中学生、高校生、大学生男子がものすごくたくさんいたのに、
一切質問はなかったらしい。

恥ずかしがったのだろうか。
こういうとき、勇気を出して、何か疑問をぶつけてほしいものだ。
ちょっと頑固が入りかけてるとんちんかんな質問を、どうにか撲滅するためにも。


2017.11.03 Fri | Private| 0 track backs,
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