日常風景 * 写真・文章 Copyright@”Mas Ciclismo Diary”
図書館パート2 1000人待ちの本
図書館で本を予約することがよくある。

その多くは、日経新聞の書評を読んで、なんとなく読んでみようかな、
といったもので急いで読む必要は感じていないものだ。


ものによっては1000人以上待ち、とかいうのもあるけれど、
是が非でも今読みたいという欲求もないので、
忘れたころにやってくるサプライズも楽しい。


とはいえ、書評を読んだのはずいぶん前、ときには1年前ということもあり、
タイトルに見覚えもなく、作家名に聞き覚えがなく、
本当に自分が予約した本なのだろうか?
とか
どこで目にして予約したんだろう、自分、
と完全に???に包まれつつ借り受けることもある。


そして先日、2年近く待った本が届いたと連絡が入った。

というか、正確に言うと、予約時点で1000人以上が待っていて、
ただ所蔵数が多かったおかげで、なんとか1年超待って手に入れたものの、
時間がなくて泣く泣く途中で返却。
次に待っている人がいるので延滞不可だから仕方ない。

でも面白そうだったので、再度予約を入れた。
結局最初の予約をカウントすると、かれこれ2年待ちになった。


ところが、上下2冊の本なので、
運悪く上巻と下巻ほぼ同時に到着してしまった。

2年待って2冊がたった2日違いで届くというのはどういうことか。
上下の順序を指定して予約しておいたのに。

3週間走って総合1位と2位の選手のタイム差がわずか8秒、という
いつぞやのツール・ド・フランスの結果みたいではないか。

600ページ近くある本を2週間で1冊ならまだしも、
それが2冊・・・いや、もっと運悪く、
さらに600人待ちだった本まで同時に着いてしまい!!!
単行本3冊を、延滞なしに2週間で読み切らなければならなくなった。


とりあえず、ようやく手に入れた3冊のうち、ミステリー小説の方を先に数日で片づけた。
これから残る10日ほどで上下2巻をやっつけねばならない。

今回ばかりは上下巻、完読したい。
読み始めるとやっぱり面白い。

でも、異国の架空の地名・人名がどんどん出てくるし、
壮大なドラマなので読むペースは遅い。

難解な固有名詞と戦いつつ、どうにか食らいついている。
10日で2冊、頑張ろう、上橋菜穂子さんの「鹿の王」。




2017.10.30 Mon | Books| 0 track backs,
夜の図書館で受けた衝撃
夜10時近くまで開いている近所の図書館。
9時台ともなると、昼間はぎっしり埋まるわちょっとくたびれかけた席もガラガラで
カウンターのスタッフの人たちも、持ち場を離れたりしていて、
図書館の活動時間はほぼ終わり、、的な侘しい空気で満たされている。
そんな眠りにつく前の図書館の雰囲気、まんざら嫌いではない。


昨夜、予約していた本が来たというので借りようとして
ふと脇を見ると、「印象派・・・」「絵画の・・」
といった芸術関連の本がずらり並んだ棚があった。

良く見れば、「芸術の秋に向けて」という貼り紙。
絵画・彫刻関係の本をまとめてカウンターそばに移動して
親しんでもらおうという試みらしい。


ちょっと心惹かれて「ドラクロワ」という一冊を手に取った。
写実主義の画家ドラクロワの伝記本なのか、あるいは芸術論なのか?

ページを開くと、イケイケ風のお姉ちゃんの写真。
「ホステスをしていました」・・・?????

最初から最後までざざざっとめくったけど、
今風の日本の若者の話や写真で埋め尽くされ、
19世紀を生きた「民衆を導く自由の女神」の絵で知られるあのウジェーヌ・ドラクロワとは
縁もゆかりもない話ばかり。

解説を読むと、「ドラマチックな苦労」をした人たちのお話なのだとか。
それでドラクロワ・・・(でも”ドラクロウ”ではない)。

結局・・・画家の名前のついたタイトルだけを見て勘違いをして
安易に芸術コーナーに並べただけのことらしい。

図書館の人、ちょっとでいいから中身を確認してから作業しませんか?

物音もなく、空調も切れたのか寒気漂う夜の図書館。
豊かな知識の宝庫であるはずの場所で、ひとり物悲しい気分になった。


2017.10.28 Sat | Books| 0 track backs,
イブは肋骨、釈迦は右脇から生まれた話
アダムとイブのイブは、アダムの肋骨から生まれた。

その様子を描いた絵画はこれまで見た記憶がないのだけど、
(アダムとイブの楽園追放は絵画のテーマとしてマザッチョをはじめ
名だたる画家たちが描いてきた)
浮彫では見たことがある。

以前「モデナのドォーモ正面に彫られたアダムとイブ」の記事に書いたとおり。

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この登場人物のプリミティブっぷりや
イブの原始人的アンニュイの表情がもうたまらない。

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一方釈迦は摩耶夫人の右脇から生まれたとされている。
東京国立博物館の常設展(東洋館)には、その様子を浮き彫りにした
作品が展示されている。

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おそらく2-3世紀頃に作られたものとされ、
上記の中世のアダムとイブよりも古いはずなのだけど、
こちらの方が精巧な出来栄えだ。

パキスタンあたりから出土されたものなのだけど、
表情も衣服表現も繊細だ。
肋骨から生まれる、などという難しい情景を
絶妙に表している。

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東京国立博物館の法隆寺館の方にも脇から生まれる釈迦の像がある。

このモチーフ、なかなかお茶目なので好きなのだけど、
これまで目にした造形表現はその2つのみにとどまっている。
2017.10.26 Thu | Art| 0 track backs,
目黒ー鶯谷の運賃が、恵比寿(目黒経由)ー鶯谷より高い謎
鶯谷って乗降することがめったない駅なのだけど、上野の美術館に行く際、
場所によっては上野駅より近いことを知り、
先日試しに使ってみることにした。

帰りは用事があるので鶯谷から目黒に行くつもりでまずは事前に所要時間を調べたところ
出てきた情報に、目が釘付けになった。

所要時間はいいとして、運賃が、おかしなことになっている。

目黒ー鶯谷(13駅)の運賃は、
恵比寿ー目黒経由ー鶯谷(14駅)より高いのだ。
(最短は外回りなので、上記はともに外回り)

259円 vs 194円!

駅数は目黒ー鶯谷の方が少ないのに、距離も短いのに
65円も高いってなんで、なんで??

何かの間違いかと思って調べたけれど、
どうころんでもこれが事実。

運賃は距離で決まるのは周知のとおりだけど、
194円と259円の境目はどうやら15㎞のようだ。

もしかしたら・・・・?
例えばめんどくさいけど総武線を使ってショートカットしたときに、
恵比寿ー上野間だと15㎞以下になるのかも。

あくまで例だけど、JR山手線ーJR総武線ーJR山手線を乗り継いだ場合、
鶯谷ー秋葉原ー代々木ー恵比寿
鶯谷ー秋葉原ー代々木ー目黒
よりも1駅少ない。

その1駅分で、15㎞の壁を超えることになるのだろうか?

ショートカットとして効いてくるのが総武線なのか、中央線なのかは不明だけど、
とにかく、こういう説明しかほかに見当たらない。

にしても、へんだへんだ。
山手線で移動する際、目黒より手前の恵比寿で乗ったほうが
安いなんて。

あほらしいので、帰りは上野駅まで歩いて(鶯谷駅と上野駅で、歩いてそれほどの違いはない)
鶯谷ー目黒でなく、上野ー目黒(194円)のルートにした。

理不尽な運賃体系への私なりの抗議?である。



2017.10.26 Thu | Private| 0 track backs,
自宅PCのはかない運命
自宅パソコンのWIFIが使えなくなった。
こんな時に限って我が家の技師=夫が不在。
国内なのに今日から4日間の出張という、めずらしいパターンで。

今は夫のPCを拝借中なのだけど、不便きわまりない。
カスタマイズ機能にいかに依存していたかを思い知らされる。
お気に入りにどっさりと入れていたので、
探し求めているサイトのURLを発掘するのも一苦労。


問題はどうもパソコンの内臓部分に係る話のようなので、
買い替えかもしれない。

そうでなくても当初からバグだらけのPCだった:

・もともとフリーズしまくりで(エクセルは毎回一時的にフリーズ)、
・さらに1文字打ち込むと10文字ぐらい変な文字の羅列が湧き出る不気味な現象がたまにあった。
・Wordを保存する際、画面いっぱいにCtrと書かれたアイコンが30個ぐらい不気味に出てくるという変な現象が初日からあった。
・ときたま狂ったように画面が点滅して、この世の終わり状態を示すことがあった。
・Wordの変換性能の悪さ(学習機能が1日限定)、これは本体でなく、Windowsの問題なのだろうけど。


買い替えとなると、あのノートパソコンは1年しかもたなかったことになる。

ふるさと納税で買ったパソコンだった。

2017.10.25 Wed | Private| 0 track backs,
東野圭吾の「ラプラスの魔女」 感想 <犯人に関するネタバレなし> 
東野圭吾の「ラプラスの魔女」をいまさらながら読了。

冒頭しばらくは、様々な人が入り乱れ、
主人公が誰なのか混とんとするなか、
徐々にそれぞれをつなぐ糸らしきものが立ち現れ、
一見無関係の他人同士がどんどんつながっていくさまは
なかなかスリリング。


テンポよく進み、相変わらず東野さんは読みやすい。


犯人は後半分かったけれど、
クライマックスの対処法などを含め
奇抜なアイディアも満載で、
想像力のはるか上をいく場面に出会うたびに
感嘆の声を漏らさずにおれなかった。


ただし、不思議な縁でつながれた円華と木村の行動力に比べ、
学者である青江がやや受動的で、
あまり劇的なファンクションを担っていなかったのが
ちょっと物足りなかった気もするけれど。

さらに警察側の中岡などもいいところまで嗅ぎつけておいて、
それが最後に尻つぼみになったのは、
上からの圧力はあるとしても、
少々残念。

中岡に最後まで捜査させてあげたかったかな。


2017.10.24 Tue | Books| 0 track backs,
図書館で1年間予約待ちした本が来た、がしかし・・・
図書館で予約をしたものの、
予約待ち何百人、とかいう状態だった本が1年近くの時を経て
わが手元に届くことになった。

家の中に物が増えるのがいやだからと
最近買うのは外国語の本ばかり。
こればかりは図書館にはないもので。
日本語の本はもっぱら図書館を利用する状況だ。


ところがーーー

やっと本が来た、と喜んだのもつかの間、
同時に数か月~1年弱待ちだった別の本2冊が
雪崩のように一緒に予約可能になってしまった。

すぐに借りないと、次の待ち人に悪いし、
でも分厚い単行本3冊を2週間内で返却・・って
今の自分の時間の過ごし方パターンでは無理っぽい。

推理小説ならスラスラ進みそうだけど、
歴史ものなので、そうはいくまい。

せめて1週間ずつ間をおいて届いてほしかったなぁ。

2017.10.24 Tue | Private| 0 track backs,
東銀座お手軽ランチ@エッセンス テラスダイニングバー
コスパランチシリーズ第xx弾(実は数えていない)。

以前近隣サラリーマンがこのお店の前で数組待っている光景を見て、
ここは間違いなさそう、そう思っていた。
その時は素通りしたのだけど、後日新富町~東銀座界隈にいたとき
試しに行ってみたところ、待ち人がいなかったので、思い切って入店。

東銀座のエッセンス テラスダイニングバー 。

実はこのお店、ミオバールと同じ一角にある。

エッセンスは、東京都中央区 銀座3丁目11-8 第6丸嘉ビル1F。
ミオバールは、東京都中央区 銀座3丁目11-8 第6丸嘉ビル2F。


紛らわしいことに、この2つのお店とも、前菜盛り合わせが売りなのだ。
エッセンスの前菜はこちら:

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選べるメインはシラスとタコのスパゲティにした。
ただ、チョイスは限定的で、2,3の中から選ぶ感じだったと思う。


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そしてコーヒー。

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これでおそらく1000円程度。
(訪問が先月なのでちょっとあやふや。)
至ってカジュアル。
休日ランチのお値段がどうなるのかは不明。


ミオバールの店内がやや暗いのに対して、
こちらはオープンテラス式なので店内は明るい。

ただ1Fということでふらりと入れるせいか、次々お客さんがくるため
ミオバールに比べると、さほど長居できる感じではない。

でも、てきぱきとお料理も出てくるし、感じもいい。
なかなか好感が持てるビジネスマン向きのお店。



参考:
2017.10.22 Sun | Gourmet| 0 track backs,
木場のチェルキオの900円ぽっきりランチ
先日は、午前中木場で打ち合わせ。
外に出たら12:15という時間で、どこもランチのできそうなお店は満員。

土地勘もないし、木場でのランチ案は諦めて駅に向かっていたそのとき、
感じのよさそうなお店を見つけた。
カウンターなら空いているとのこと。
人通りがちらほらあったので躊躇している暇はなく
看板のランチメニューも見ずに入店。

そんなわけだから、お店の名前は後で知った。
wine&Dining CERCHIO(ワインアンドダイニングチェルキオ)

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前菜(フィックス)+メイン(チョイス)で税込み900円だと知ったのも
やはり入店後。

前菜は3種。そしておかわり自由のパン。
ポテトサラダ、ラタトゥイユ、お豆の和え物。

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メインはちょっと悩んだ。
限定メニューのグラタンがめちゃくちゃおいしそうだったけど、
結局 鶏肉とキャベツのスパゲティにした。

鶏肉vsベーコンの戦いの結果、鶏肉に軍配が上がったというわけだ。


味付けは良好。パスタがややぽそっとしていたのが気になったけど、
価格抑えめで、毎日外食のサラリーマンには人気のお店らしかった。
行き当たりばったりで入ったお店にしては上出来だ。

とにかく目的は、クイックランチ。
カウンターだったけど、すぐに着席できて、テンポよくサーブされた。
栄養素的にもバリエーションがあったし、機会があったら再訪したい。

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150円でコーヒーがプラスできる。


2017.10.21 Sat | Gourmet| 0 track backs,
瀬戸大橋は美しいね
福山・岡山の旅で、東山魁夷せとうち美術館に行ってきた。

この美術館は四国側にあり、岡山からは電車で向かったのだけど、
電車で海を渡る経験にちょっとわくわくしてしまった。
電車で海を渡る・・ヴェネチア以来の体験だ。


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窓の外には、いくつもの島が浮かんでいた。

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美術館は、瀬戸大橋と目と鼻の先というロケーション。
人影はほとんどなかったけれど、緑の多いとても整った素敵な場所で、
週末ともなると、訪れる人も多いに違いない。


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穏やかな青い海に浮かぶ白い橋。
洗練されたフォルムだなぁ。

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女性的な瀬戸大橋に比べ、
展望台はごつごつした幾何学的な形で男っぽい。


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人があまりいないせいか、はたまた人工的なにおいがするせいか、
近未来に迷い込んだかのような、
あるいはジョルジョ・デ・キリコ の絵の中に入り込んだかのような
ちょっとシュールな感覚だった。

2017.10.17 Tue | 国内探索| 0 track backs,
アンリ・カルティエ=ブレッソンの映画が素晴らしかった
昨日土曜日は、富士フィルムスクエアで開催中のマグナム写真展の関連イベントとして
アンリ・カルティエ=ブレッソンの映画鑑賞会が開催された。(*)

ブレッソンといえば、ロバート・キャパとともにマグナム創始者4羽ガラスのうちのひとり。

画家を目指したことがあったそうなので、構図がとても絵画的。
ジャーナリズムのキャパ、アートなブレッソンの2本柱が
マグナムの多様性を支え、写真界において確固たる地位を築くに至ったのだった。


さてこの映画だけれど、原題は、「Biographie d'un regard」、
邦題は「アンリ・カルティエ=ブレッソン 瞬間の記憶」。

晩年のブレッソンや、彼の絵の心酔者たちの口から作品が語られる。


中でも驚いたのは、イザベル・ユペールの登場。
彼女もブレッソンファンのひとりなのだとか。

ポートレートを撮影してもらった際、
「ブレッソンは自分でも知らなかった自分をとらえてくれた」と称賛。
「とらえてくれた」、にはSaisirという単語を使っていた。


本映画では、様々な人たちが写真集を見ながら思いを語っていく。
むろんブレッソンの語りがメインで、思い入れの強い写真が次々ピックアップされ
逸話が披露される。

見ていて私が一番心を打たれた作品は、
(これまでの写真展で一度もみたことのないものだった)
ベルリンの壁の手前でドラム缶に乗った男3人の写真。

単にこれだけでは状況はわからないのだが、壁の向こうにある団地には、
彼らの母親が住んでおり、定刻にいなると、母が窓を開けて息子たちに
合図を送るのだそうだ。

東と西に分断された親子の悲劇を、背広姿の男3人の背中で表現している。
Silentだけど多弁で心を打つ作品。


ブレッソンは写真撮影するときのコツも語っていた。
「ご自由にお入りください」と書かれたドアを開けて
入室したとたんに挨拶もせずにいきなり2人を撮ったものだった。
だからこそ、あそこまで嫌悪感が露わな表情になった。

サミュエル・ベケットの写真もそうだけど、
ブレッソンのポートレートを見るにつけ
これまで私が見てきた有名人の写真は、
このブレッソンによって撮影されたものだったのだ、と改めて感じた。


来日も果たして様々な写真を撮ったはずなのに、ほとんど日本の写真は
世に出ていない。
気に入ったものがなかったのだろうか。
彼の選択対象にはならなかったようで、これらの没写真は、今後日の目を見ることはない。
彼は生前、自分が公表した作品以外を新たにプリントすることを禁じているのだ。


また、映画上映前には、マグナム日本支社の小川潤子さんの
簡単な解説があった。

(先日 日経新聞にも小川さんによるマグナムの話が掲載されていた)。
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マグナムという写真家集団ができる前は、著作権は新聞・雑誌社に帰属し、
フィルムをいったん社に渡したら、写真家はそれを二度と手にすることは
できなかった。
そうした状況を改善し、写真家自身が著作権を抑え、自主性を広げたことが
成功のきっかけであり、70年もの長きにわたり、存続している理由でもある。

さらに、媒体も時代の変化に合わせてしなやかに変えていき、
今ではインターネットも活用しつつ活動している。


今年はマグナム創立70周年。
10周年を迎えた富士フィルムスクエアにおけるマグナム写真展は、
なかなか力がこもった内容となっている。


(*) 写真展に付随した映画上映は、おそらく富士フィルムでは非常にレアなことだと思われ、
どんな映画だか何も知らずに、先日の講演会の折りについでに申し込んでおいた。
驚いたことにあっという間に定員締め切りになり、不思議に思っていたら、
デザイン21とのコラボ開催だったことが判明。
富士フィルムで申し込みと、デザイン21からの応募の2方向から応募がかかったため、
あっという間に定員になったみたい。

===

マグナム写真展関連エントリー
2017.10.15 Sun | Art| 0 track backs,
古河庭園の温室花壇
秋のバラが見ごろを迎えた古河庭園。

いつものように建物全体の写真をパチリ。
この時は何も感じなかったのだが ・・・

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動いて違う角度から撮影して、小さな叫び声を思わず挙げた。
右端の突出部にご注目。
こ、これは・・・!

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上の写真の右側にまわって撮影してみた。

1階部分がメインの建物よりもズズズっとでっぱっている。
(下の写真左側の突出した部屋)

これって、プルーストの小説に出てくるjardin d'hiverではないか!
直訳だと「冬の庭」、だけど、日本語では一般的に「温室花壇」と訳される。

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温室花壇とは、
応接室とはセパレートになっていて、
屋外と室内の要素を半分ずつ兼ね備えた小部屋のことだ。

冬でも温室のようにぬくぬくできて、
密室の庭、といった様相になる。
ところがガラス張りなので、実は外から中が丸見えなのだ。


ということで、中をのぞいてみた。
あら おしゃれ。

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アールデコのような直線使い。
緑と白というのはやはり緑=温室を意識してのことなのか?

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そして肝心のバラはというと、
春のバラより少しだけおとなしめかな。
それとも雨降りの天候のせいでやや寂しく感じるのか。

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窓辺の風景が今回印象に残った。
窓ごとに下に咲き誇るバラの色が異なっていた。

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雨粒の衣をまとった淡いバラの花。
雨のおかげで違う表情を見ることができた。

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これまで古河庭園は10回以上来ているし
確かにあの出っ張った部屋のことは記憶にある。

けれど温室花壇、とことさら意識することなく
建物の一部として軽くとらえていただけだった。

「失われた未来を求めて」第二巻を読み始めて初めて
「温室花壇」としてはっきり認識できたのだった。

それにしてもこのお宅、大正期の建物だというのに洗練されている。
設計者はかのジョサイア・コンドル、と聞けば納得だ。

以前展覧会で、コンドルの建築様式はルネサンス様式、と聞いた記憶がある。

これがルネサンス様式なのかどうかよくわからないけれど、
折衷様式と言ってもいいのではないだろうか。

2017.10.14 Sat | Art| 0 track backs,
緊急告知) 本日無料 戸栗美術館
伊万里焼の型物など、有数の焼き物を有する戸栗美術館は
本日無料観覧日。
事前告知をすべきところを私も今朝気が付いて午後の予定にかからないよう
朝一番で行ってきた。


同美術館では無料日を大々的に宣伝していないけれど、
それでもなかなか大勢の人がご来場。

本日無料のわけは、創設者の戸栗亨氏の命日なのだとか。
蘭の花束などが運び入れられていた。

以前何度かこちらにうかがって、
陶芸の見方を少しずつ習得中。

解説が丁寧なのがポイントだ。

そして今日は無料観覧美にもかかわらず、11時から
ギャラリートークがあってびっくり。

上野動物園などは、無料開放日だとガイドツアーはキャンセルになるのに。

場所は渋谷区松濤。
落ち着いた場所にあり、細かい柄などは、見れば見るほど発見があり、
のんびり陶器の名品を眺めるのも悪くないなぁと実感中。


2017.10.14 Sat | Art| 0 track backs,
東横線 日吉駅の発車ベルが慶応大応援歌「若き血」に
東横線90周年イベントの一環で、
2017年10月の1か月間だけ、日吉駅東横線側の発車ベルが
「若き血」になると聞き、行ってきた。


録画録音しようと粘ったけれど、これがなかなか難しい。

● ホーム向かい側の日吉止まりの三田線の出入りと重なると発車音があまり聞こえない。
(三田線の方は普通の発車ベル。)

● 発車ベルが2度鳴るときは録画しやすいけど、大体1回だけ。たまに2回なのだけど
  規則性がわからない。時に特急、時に普通列車。
  その時の発車までのリードタイムによる、としか思えない。

● 発車ベルが2度鳴ったときに録画できればいいのだけど、これが規則性がないせいで
  なかなか難しい。

● スピーカーの下で録画しようとしたものの、天井を向けて録画するのも
  絵柄的につまらない。
  とはいえ人の顔が映るとまずい。位置取りが難しい。

● ワンコーラスだけなので(下りが「若き血にも燃ゆる者」のワンフレーズ
  のぼりが「陸の王者慶応」 のワンフレーズ)ちょっと出遅れるとアウト。
  タイミングを計るのが難しい。

● ラッシュアワーは人が多すぎて、何かしら個人が特定できてしまうものが映るリスクが高い。
  かといって早朝、夜遅くだと本数が少なくて、撮りそこなったときに待機時間が長くなる。


・・・とまあこんな感じで、四苦八苦してなんとか録画し、YOU TUBEにアップしたものの、
混雑していた下り線ホームで撮った方があろうことかYOU TUBEの倫理規定に引っかかると
警告がきた。

顔を映さなかったのが、逆に怪しいカメラの動きと思われたのか?

さらに多くの人に見せるほどのものでないので、
検索でヒットしないよう、説明ほとんどなし、タイトルも英文字でひっそり入れたのだけど、
それがかえって怪しげだった可能性もある。


警告とか、いやだなぁ。
もちろん違反通知への反論はしておいた。
今のところはブラックリストに載った格好だ。


2017.10.13 Fri | Private| 0 track backs,
やっぱりコスパ最高ランチ ブラッスリーグー
ランチ激戦区飯田橋・神楽坂にあって、
とりわけコスパ抜群の人気店がある。
その名も、ブラッスリー・グー

以前友人に教えてもらったのだけれど、
お店のスタッフさんも感じがよく、
プリフィクスはチョイスも豊富で、
おいしくてボリュームたっぷり、
そしてコスパよしの
3拍子も4拍子も揃った店だった。

友人によると、夜もすばらしいコスパなのだとか。

コーヒーはついていないけれど、
前菜、メイン、パンで1080円。

いろいろ選べるので迷うけれど、
予想以上に豪華なトラウトの前菜と

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メインは子羊のトマト煮込みをチョイス。

メインの方は、野菜がザクザク入っていて、
前菜の生野菜と合わせると、栄養バランスもばっちり。

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ただし、予約が不可欠のようで、
飛び込みでいったのは私ぐらい。

たまたま予約第一陣と第二陣の狭間だったおかげで
ありつけたけれど、
この感じだと飛び込みではくいっぱぐれる危険が大。
2部屋あるにもかかわらず、だ。
すごい人気っぷり。


あまり時間もなかったので
コーヒーは追加で頼まなかったけれど、
お値段は400円。

セットにコーヒーが入っていないのは、お客さんの回転を速くするためかもしれない。
予約組は、次のお客さんが来るまでに退席しなければならない。

2017.10.10 Tue | Gourmet| 0 track backs,
かっぱ橋道具街 道具まつりに行ってきた
普段使いの白い大皿がほしいと思っていた。

ただの白だけではいや。
でも柄は最低限、できれば白一色で浮彫飾りのものがいい。

普段の大皿はこれまで引き出物でいただいた花柄皿を使い、
ちょっとおしゃれに行くときは海外ブランドやノリタケを使ってきた。

でもその中間のものがない。
おしゃれだけど、気を遣わずに洗えるお皿。
気軽に使えるけど、飽きが来ない上品な柄のもの。

具体的には、丸くて大きくて、白くてシンプルだけどそっけないものはだめ、
となるとなかなか見つからない。


そんな矢先、丁度かっぱ橋道具街で道具まつりがあると聞き、
覗いてみることに。

先日かっぱ橋は行ってきたので、店の配置は大体偵察済み。
洋食器の取り揃えが多い店は大体把握している。


ところが行ってみると、店先にならんだ目玉品は確かに安いのだけど、
洋食器は対象外。
金色の線の入った上品で薄いお皿などは店の奥に相変わらず鎮座している。

やっぱり世の中甘くはないのだ。
上品で高級な洋食器を安く手に入れて普段使いに、、、という目論見はあえなく撃沈。

仕方ないので食材屋さんでパスタを購入。
500gのこれが1袋200円。
安いけれど、激安とまではいかない。
とにかくなにか戦利品を、という目標だけは辛うじて達成。


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で、帰りかけたところ、こんなお皿を発見。

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色や柄はないけど、なにかアクセントがあり、
普段使いに惜し気なく使える一方で、それほどチープな感じもない、
という私なりの規格に一応合格している。

値札を見ると、1000円以上のものだけど、
一律500円均一になっていた。

大皿はほかにスペイン風の花柄のお皿などがあったけれど、
800円が500円になっている程度。
つまりこの白いお皿の割引率はワゴンの中ではピカ一だった。

というわけで、500円のこのお皿を2つ購入。
あくまで普段用なので5枚セットで買う必要はない。


家に帰って夫を驚かせようとたくらんだ。
このお皿の中央にお料理をどかっと置いて、
お料理を食べてしばらくすると、初めてハートに気づく、というラブな企画だ。

ところが----!
ショックなことに、
料理を出す前に洗うために流しに置いておいたこのお皿を夫が発見してしまった。

ちぇっ、ネタバレしちまった。


そういえば新婚早々の時もそうだった。
ハート形の目玉焼きができるフライパンを買って、
初日の朝、ハートの目玉焼きで驚かせようと思ったら、
いきなり盛り付け前にのぞき見してしまって、
サプライズが台無しになった。


普段私が髪の毛をバッサリ切っても気づかないくせに、
食べ物となるとやたら臭覚が効く変な奴なのだ、我夫。


2017.10.07 Sat | 国内探索| 0 track backs,
カズオイシグロ ノーベル賞
細やかでひそやかな感情の襞を巧みに描き出した「日の名残り」(The remains of the day)の著者
カズオイシグロ氏がノーベル賞を獲った。

早速ノーベル賞祝いということで家にある2つの関連ものを探したけれど
ああ、見つからない。

ひとつはヒアリングマラソンのインタビューテープ。
氏が、「日の名残」のエピソードなどを語る内容だった。
(「The remains of the day」というのはもともと自分が発案したものではなかった。
オランダ人女性作家が署名候補として事前登録していたタイトルと、
自身が抑えていたタイトルをスワップしたそうだ。)

もうひとつは「The remains of the day」のペーパーバック。


2つとも断捨離の時に捨てたのだろう。
長い間手を付けていないものは、この先も手を
つけることはあるまい、と。

しかしそういうときは、突如やってくる。
しまった。


とはいえまあ、今やYOU TUBEでインタビューなどはあれこれ
聞くことができる時代。

ペーパーバックも図書館にはある。
(とはいえ今のぞいたら、遅かった。既に14人待ち。)

「Never Let Me Go」(「私を離さないで」)を読む楽しみが増えた。
まだ読んでいないのだ。

きっと 人の心にじわりじわりとゆっくり沁みていく
あの静謐な文章は健在なのだろうな、と読む前からわくわくしている。

2017.10.06 Fri | Books| 0 track backs,
非常識な社会人講座
大学系の社会人講座に何度か出たことがある。
社会人になって、学校に行く必要もないのに自腹で勉強しようという人たちは、
親のすねかじりで自分たちの懐を痛めずに通っている学生たちに比べ
かなり熱心だ。

70代はゆうに超えている高齢者が
一心不乱にノートを取っている光景を見かけることもある。


でも、そうした勉強意欲を推し量らずに、社会人講座を受け持ってしまう
勘違い系の大学教師がたまにいる。


某女子大の有料の社会人向け授業は史上最強=最悪だった。

1時間半のうち、大げさでなく1時間、世間話に終始して、
それが学期の最後まで続いて辟易した。
(途中で証拠のために時間を測った。)


その雑談というのがたちが悪くて、受け持つ女子大生の悪口が主なのだ。
地方への体験学習に同行したときの話、のように具体的な批判もあれば、
短いスカートでお尻を出してみっともない、という
感情論もある。

あとは、安倍政権批判、同僚の美術学会教師の悪口。


それでも、教務部にクレームする気はしなかった。
常連のおばさまがいて、結構楽しそうに聞いている。
こういう悪口を聞かされて笑っちゃだめ!と思うのだが、みんな愉快そうに受けている。
おそらく、私が来る場所を間違えたのだ。

普通、社会人講座で人はみなぎゅうぎゅうに詰まった内容を好む
と思っていたけど、その教師は特殊な学科の専門家で
その専門自体にあこがれの念をもっているおばさまたちにとって
内容がずれていていることはさしたる問題ではないのだ。

別の講座枠内ではたまにその教師と課外授業に行くこともあるらしく、
そうしたひと時が楽しいのだろう。
授業はスカスカで、悪口オンパレードでも許せちゃうらしい。


たまたま間違って授業料を払ってしまった私のような人は他にもう一人いて
その人が教務部に何か進言したらしく、
3回目の講義の最初の1時間だけ学校関係者が教室に残って
授業の様子を確認することがあった。

結局脱線話は、関係者が去った後最後の30分だけにはなったが、
その時ふと気が付いた。

その日だけ、ハンドアウトの資料がペラペラだったのだ。
つまり、授業でしゃべらされる分、資料は渡してやらない、というスタンス。

雑談1時間という日は、ハンドアウトだけはやたら分厚かった。
地図や年表がどっさり入っていて、ただ授業で触れないのだから
なんでそれが入っているのかよくわからない。
要は、授業手抜きがばれないように学内向けに資料の厚さだけは確保していた、というわけ。

逆に、学校関係者が1時間授業観察をした日は、
しゃべった証拠が残せる分、資料はほとんどなし、という仕組み。


専門知識はすごくあるはずなのに、すごい出し惜しみ。
知識を武器として温存したいタイプ。


そして翌週は、関係者立会いがなくなったため、
元に戻った、つまり、分厚い資料と無駄話1時間。

お嬢様学校の学生さんたち、
教師からここまでこてんぱんに誹謗されているとは、よもや思いもしないだろう。
かわいそうに。


これはかなり極端なケースだけど、
過去、そのほかにも、美術館の展覧会に付随した講演会で
某有名私大の教師がきたときもひどかった。

落語の話を挿入してなんとか笑わせようと必死。
面白いでしょ?面白いでしょ?
肝心の中味は薄くて超つまらなかった。

その教師は、社会人講座は初だったという。
社会人が熱心に聞きたくて時間を割いていることを知らないのだ。

話を聞かない学生の時と同じ向き合い方をしたらしく、
おちゃらけで笑わせることに時間を割き、執心していた。

ひどく見くびっているなあと腹が立った。
同時にxx大学の授業ってそんな低いレベルなのか、とも。


逆に、講演会担当者が事前に
「こちらの社会人講座では生徒さんはみな真面目なのでみっちりやってください」と
講師にアドバイスしてくれている大学もあった。
(講師が授業の冒頭で、「担当者からそのように釘を刺されました」、と白状していた。)

過去に、「教師がちゃらけていた」といったクレームが出た結果なのかもしれないけれど、
こうした事前の耳打ちをしていただけるのは、受講生にとってはとてもありがたい。

ノートをとるのが大変!
そんな嬉しい悲鳴をあげたくて、講座のために時間を割いているのだから。

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2017.10.03 Tue | Private| 0 track backs,
見ていて涙が出そうになった絵
社会人になってからフランス語を習い始めて、
上のクラスに進んだ時、原書で美術評論を読む機会があった。

ダニエル・アラスという一流の美術評論家のもので、
主に古典絵画との精神的対話がつづられていた。


特に印象深かったのは、ラファエロの「システィーナの聖母」の絵の章だ。
1時間絵の前に立ち尽くして、ようやくこの絵の意味がわかってきた、
ラファエルの心情に重なることができた、と述べている。


旧来の神という天上の存在が、キリストという生身の人間の形になって
立ち現れた時、これまでのひとつの常識がひっくり返った。
そのドラマティックな瞬間を
カーテンという小道具を使って表したのである、と。


Rafa.jpg 


ここで印象的だったのは、ラファエロの絵の読み解きだけでなく、
アラスが絵に向き合う時の態度だ。


1時間しげしげ眺めて、ある瞬間何かが自分に降りてくる。
そこまでしないと、絵を理解するには至らない。
アラスほどの人でも・・


インスタグラム流行りでレンズ越しに見て
アップして終わり、そんな現代人が多数ではあるけれど、
時々絵の前でまんじりともしない人を見かけることがある。


私はといえば、いつも割と慌ただしいな、
なかなかゆっくり絵と対話できないな、
と常々思っていたのだけど、
今日改めて東山魁夷の「道」の前に立ってみたら、
ずっと眺めていたくなった。
そして、ちょっと泣きそうになった。


IMG_0217.jpg


目の前にあるのはまっすぐに続く道。
すべてを見渡せそうだけど、実はよくみると奥の方で道は右に折れている。

その先は起伏になっていて、遠くの道はほんのり霞んで見えるだけ。

どんな未来が待っているのか、誰にもわからない。
けれど、まっすぐに続く白い道のようにたおやかに歩んでいくことができれば、
穏やかな道が待っている・・・

そう信じることが許されるような気持ちがした。
この絵から包容力や優しさを感じたのは、初めてのことかもしれない。


IMG_0289.jpg



2017.10.02 Mon | Art| 0 track backs,
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