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「源氏物語」現代語訳 河出書房・角田光代版と原文及びその他の現代語訳比較 
「いづれの御時にか、女御、更衣あまた候ひ給ひける中に、
いとやむごとなき際にはあらぬが、すぐれて 時めき給ふありけり。 」


「源氏物語」の中で、私が唯一ソラで言える冒頭の1文だ。


角田光代さんが、この作品の現代語訳に挑戦されているというのは知っていた。
以前東大で開催された角田さんの講演会で
ご自身の口から直接聞いた。
なんでも池澤夏樹さんからじきじきに依頼されての執筆だったという。


全3巻のうちの上巻が刊行される運びとなったそうで、
上述の箇所、つまり冒頭の一文の角田版が日経新聞に出ていた。

目を通してみたところ、正直な感想は --
嗚呼、いじくりまわしすぎ・・・

もっとも、現代の日本語ですらすら読める、というのが
この本及びシリーズの趣旨なので、その意味では完璧な本なのだろう。

だから古典をこよなく愛する人は想定読者に入っていないのだと思う。
それを自覚したうえで、なお、こういう企画はなんだかなぁ
という思いを以下に吐露したい。


上述の講演会に伺ったとき、角田さんがおっしゃっていたのは、
純粋な原文からの訳ではなく、すでに出ている谷崎訳、円地訳、瀬戸内寂聴訳などを
読んだ上での現代語版とのことだった。
だから原文の意味は組んでいたとしても、
ニュアンスにおいてはある程度乖離するかもしれないな、とは思っていた。

ただ、「ある程度」では済まなかった。


ご本人も日経紙上で述べているとおり、足りないところを積極的に補っているので、
結果、原文をまったく読まずに、これだけ読む人には
しごく親切な本になっている。

でも、原文を感じながら、原文の構文を尊重したいと願う向きにはまったく不向きな結果になった。
文体だけでなく、そもそも古典の精神を捨て去った上での現代語訳なので
私には受け入れがたい。
だって、行間を考えながら、空いた部分の余韻を楽しんで読むのが古典のはずだから。


冒頭のたった2行が角田訳でどうなっているか、以下に抜き書きする。

「いつの帝の御時だったでしょうかーー。
その昔、帝に深く愛されている女がいた。
宮廷では身分の高い者からそうでもない者まで、幾人もの女たちが
それぞれに部屋を与えられ、帝に仕えていた。/
帝の深い寵愛を受けたこの女は、高い家柄の出身ではなく、
自身の位も、女御より劣る更衣であった。
女に与えられた部屋は桐壷という。」


あのたった2行がここまで膨れ上がっている。

最後の方は、性質としては脚注だ。
「女に与えられた部屋は桐壷という」と、
「帝の深い寵愛を受けたこの女は、高い家柄の出身ではなく、
自身の位も、女御より劣る更衣であった。」のくだりは、原文には一切ない。


その点、円地文子訳の方が原文にはるかに近い。

「いつの御代のことであったか、女御更衣たちが数多く御所にあがっていられる中に、
さして高貴な身分というではなくて、帝のご寵愛を一身にあつめているひとがあった。」


角田訳ほどまでに解説を盛り込んで現代口語訳にするのなら、
文学としてでなく、学習教材用として出したほうが私的にはしっくりくる。


ここまで解説がついてしまっては、もう文学という気がしない。

解説部分が重すぎて、重要な部分のフレーバーが完全に失われているから。

つまり、彼女の実際の身分が更衣だったのか、その更衣はどういう地位だったのか
なんていうことは抜きにして、
「いとやむごとなき際にはあらぬが、すぐれて 時めき給ふありけり」がここの
エッセンスのはずた。つまり、

身分は高くないけど、ご寵愛をうけていた!!


角田訳では、その一番重要なエッセンスが出ていない。
文章がバラバラにされて、この部分の係り結び的関係が
断ち切られてしまっている。


もっとも、この私の感想は、お門違いなのかもしれない。
そもそも「池澤夏樹個人編集日本文学全集」というシリーズ
(源氏物語もこの全集のうちの一部)の趣旨を私が勘違いしているだけかもしれない。

古典をベースにして、それを現代文学に置き換える作業であり、
そこで古典をリファーすることは想定外なのかもしれない。


ただ、慣れ親しんだあの冒頭の言い回しが、
厚ぼったい内容になり、切り刻まれてしまったのが残念で仕方ない。

不鮮明な内容をそのまま残しておかないというのが基本スタンスのようだけど、
出てきたときによく理解できなかった言葉でも、
読むうちに徐々にわかっていくものだ。


英語の作品だって、知らない単語があったとしても、それが3度目に出てきたときには
自分の中で、霧の中をくぐりぬけた後みたいに意味がわかっているものだ。
いや、むしろ辞書を引かないからこそ、頭の中で最初は大雑把な訳をあてがい
だんだん意味が狭められていく、という過程を楽しむことができる。


日本語だって同じこと。
積み重ねられていった文章から、徐々に単語の意味やニュアンスをくみ取っていけばいい。

頭をまったく使いわずとも100%受動的に読める読み物に、
もはや古典の醍醐味はない。


2017.09.10 Sun | Private| 0 track backs,
ipad 鐘マークが消えない
昨夜から、ipadの中央に出る鐘マーク(音量を示すスピーカーの絵)が
出ては消え、出ては消え・・
を繰り返し、その間隔がどんどん狭まって、
しまいには鐘マークが点滅を続けるなどして
操作に支障が出るようになった。

というか、鐘マークが出ることの最大の支障は、
バッテリーが持たないこと。

電源を切ったのに、朝起きたら画面がついていて、
バッテリーが一晩で50%減だった。
結局夜中も鐘マークが出続けて画面がずっとONになっていたらしい。


こういう時は通常リセットをかけるとなおるはずなのに、
(homeボタン+スリープボタン同時押し→黒リンゴを出す)
それがさっぱり効果なし。

とりあえず外出先の応急措置として、
画面照度を一気に下げて、省エネモードへ。


あいにくauで購入したipadということで、
auショップではサポートなし。
そこで夜帰宅してからアップルのヘルプデスクに電話した。
21時までのところ20:45.
滑り込みセーフ。

設定 - プライバシー -解析 - (解析スタート)
でダメージの程度を確認し、
ハードの問題でなくソフトの問題、と限定されたので、
それを解消するにはまずバックアップを取ってから
初期化するべし、とのことだった。


まだやっていないのだけど、
電話を終えてふと見ると、状況がかなり改善しているではないか。
日中外出先で問題解消のため、あれこれ格闘しても一切だめだったのに。

何かしたか?といえば、帰宅後充電しただけ。

まだ時折鐘マークは出るものの
回数は激減。

初期化はめんどくさいので、
様子見、、とする。


結局この問題、リセットしてもだめなら
次の手は「充電」ということらしい。

それでもだめなら最後は初期化かな。


2017.09.10 Sun | Private| 0 track backs,
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