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砂の聖書「珠玉の現代陶芸 マダム菊池のコレクション 展」@智美術館

昨日紹介した菊池寛実記念 智美術館の「珠玉の現代陶芸 マダム菊池のコレクション 展」には、

うつわだけでなく、オブジェの類も展示されている。

 

さらには、手の跡のない型で鋳造された近代的なものから

土草の臭いに満ちた土俗的なものまで、幅広い。

 

美術館設立者、菊池智さんのおおらかなテーストがしのばれる。

 

酒井田柿右衛門(十三代)、楽吉左衛門(十五代)、

富本憲吉、加藤藤九郎など有名どころの作品もあるけれど

個人的には観念的な作品が強く印象に残った。


多分、普段陶芸の展覧会でも(戸栗美術館とか近美工芸館とか浮かべつつ)、

こういうのはあまり見慣れないせい。

そして、現代陶芸の作品の幅広さを改めて感じさせるから。


数多い作品の中から1点だけ選ぶとすると、これかな。

(ブログを読んでくれている学生時代の友人いわく、

内覧会レポートは簡潔がいい、とのことなので)

  

  写真撮影は内覧会の折りに許可を得ています

 

荒木高子「砂の聖書」1981年(手前)

 IMG_3308.jpg

 


一目見た瞬間、私が思い浮かべたのは

 キリストの「エジプトへの逃避」、あるいは

旧約聖書の「出エジプト記」。

 

前者は、新約聖書にある

幼子イエスとともに一家がエジプトに逃避行するお話だ。

  

救世主誕生を知り、脅威に感じたユダヤ人ヘロデ王は、

どの子がイエスかわからず、2歳以下の幼児を一斉に虐殺するよう

家臣に銘じる。

イエスの一家は、虐殺の手から逃れるため、逃避行の旅に出る、というもの。

 

砂と聖書の組み合わせが

エジプトの乾いた大地とキリストを直接的に連想させた。

 

ヘロデのような暴君の手から逃れ

その後受難を受けたキリストの教えは、

長い年月を経て今も脈々と続いている。

 

聖書という紙媒体が、たとえ半ば朽ち果てても、

或いは最終的に土に帰したとしても、

教え自体は風化せず、人の心の支えになり続けていく。

すでに人の心の中に根付いている限り。


目の前にあるのは単体の焼き物だけど、

パワルフな世界観を感じる1点。


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「珠玉の現代陶芸 マダム菊池のコレクション 展」

菊池寛実記念 智美術館

会期 :  2017年6月10日(土)~ 9月3日(日)
休館日 :  月曜日(ただし7月17日は開館)、7月18日(火)
開館時間 :  11:00~18:00  ※入館は17:30までになります
観覧料 :  一般1000円、大学生800円、小・中・高生500円

その他ナイトミュージアム、ギャラリートークあり



2017.06.14 Wed | Art| 0 track backs,
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