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「印象派のミューズ」 <感想>
 印象派のミューズ:ルロル姉妹と芸術家たちの光と影 by ドミニク ボナ (著), 永田 千奈 (翻訳)

先日読み始めた段階で先のエントリーにてすぐさま絶賛した「印象派のミューズ」読了。
素晴らしかった。

印象派とは、作風だけでなく、濃厚な人と人との結びつきを叶えた特殊な現象だったようだ。

本作は本国でシモーヌ・ヴェイユ審査員特別賞を受賞したそうで、
綿密な調査に基づいている。

ルノワールのミューズとなった姉妹の人生の暗転、
それを取り巻くサロンの人々の個性的な人生が
生き生きとえがかれている。
描写の対象は姉妹に限定されておらず、サロンの人々すべてが主人公だ。

ドビュッシーの女たらしぶりも圧巻だけど、
ドガは気難しい
モーリス・ドニは温厚
ヴュイヤールいやな奴、

そんなレッテルを思い浮かべつつ作品を見たり聞いたりすると、
どこかなるほどな、と思えたり、或いは、作品のイメージと人となりが相反していて面白いな、と感じたり。

訳も秀逸。文句なく自然で読みやすかった。



2015.09.17 Thu | Books| 0 track backs,
フランスで見た移民問題
もう20年近く前の事。

南仏ののどかな田舎街。
高台から景色を眺めていたら、優しそうな初老の女性から話しかけられた。

のんびりと世間話をしていたとき、
遠くに子供の姿が見えた。

女性の顔が曇る。
理由を話し始めた。

移民の子供が学校に馴染めず、非行化して治安が乱れていると。
移民に対する憎悪が、優しい女性の口から聞かれたことが
ちょっとショックだった。

この地域で極右の党フラン・ナシオナル支持者が多いわけがわかった。
党首が、民族排他的で過激な発言を繰り返し、それが熱狂的に歓迎されている様子をTVで見たことがある。

街の移民たちはフランス語を話すザグレブ系だった。
言葉の障壁がなくとも、社会・文化に馴染むことのむずかしさ。
精神的にマチュアになるために大事なものを、不安定な立場に置かれた子供に与えてやることのむずかしさ。

入口を開放する、しないの問題の先にあるもの、
受け入れた後の問題は、そこはかとなく大きいなぁ、そう思った。
2015.09.17 Thu | Society| 0 track backs,
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