日常風景 * 写真・文章 Copyright@”Mas Ciclismo Diary”
五代目 野田岩 / 赤羽橋
創業は寛政年間、という、うなぎの老舗「野田岩 」。

重厚な雰囲気、
アッサリ系の上品なうなぎ。

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普段使いできるお店ではないけれど、
以前より品薄になった昨今だからこそ、しみじみありがたく頂ける絶品の鰻です。


コースターには老舗の心意気が。
「菊五郎丈 曰く 親父が四代目 倅が五代目 己が六代目」


五代目 野田岩 麻布飯倉本店

http://www.nodaiwa.co.jp/oryouri.html
2015.08.31 Mon | Gourmet| 0 track backs,
「美女と男子」 <感想> その2 : 演出の妙 役者・町田啓太さんに出ていたある指令
NHKのTVドラマ「美女と男子」に出てくる小物たちが秀逸だった話の続き。


「美女と男子」では、どこか投げやりな向坂遼という若者の成長劇がひとつの要なのだけど、
この裏に、ある演出があったことを知る。
その演出とは、、、向坂遼を演じた町田啓太さんに対する「笑顔禁止」令。
(==>”感じの悪い役なので笑顔禁止令”)

確かにずっと向坂遼は、むっつりとして愛想がない表情ばかりだった。

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どこか投げやりで。

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ところが最終回、吹っ切れた遼君のこの笑顔。
長らく笑顔を封印していただけに、顔が際立った。

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視聴者たちは、みな、こんな笑顔を待ち望んでいたのだ。

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それから紅白歌の祭典の舞台は、NHKホールのロゴに似ている。
でもアヒルの足みたいなニョロニョロがくっついてる。

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三島プロデューサーは、インスタントラーメンを食べているのかと思いきや、
しっかりインスタントお蕎麦だった。
そう、この日は大みそか、という設定。
インスタントでも年越しそばを律儀に食べる三島P、好感度アップ~。

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そしてこれは盛んにツイッターでも指摘された件。
紅白の審査員として、チラっと右端に切れて映っているのは、
「花子とアン」に登場した蓮様らしき人影。
そう、仲間由紀恵さんがNHKで演じた役だ。

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向坂遼が思いのたけを述べるシーンが、
たどころ晋也の「ふたり」の曲に乗って流れていく部分が秀逸。

たどころさんといえばー

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全身ヒョウ柄で、

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靴までヒョウ柄だった。

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お部屋拝見パート2では、向坂遼の部屋は、絵を描くのが好きという設定通り
スケッチがはためいている。
でも、かなりテキトーな画風、ではある。

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なお、班目さんとの食事風景に風車の絵画がかかっていたのはとくに意味はない、、、と思っている。

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それにしても、ドラマと共に向坂遼君、いや俳優の町田啓太さん自身、ずい分成長したような。
顔つきが(これ、序盤の顔つき)ー

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凄く引き締まった。(最終回)
代表作に数えられる作品と言えるのでは。

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2015.08.30 Sun | Society| 0 track backs,
NHKテレビドラマ「美女と男子」 に登場する小物が秀逸
ついに全20話終わってしまったNHKテレビドラマ「美女と男子」。

成長物語として秀逸だっただけでなく、楽しめる見どころ満載だった。
とくに、画面のあちこちに見られるお茶目な演出。

例えば、主人公たちが所属する芸能事務所の1Fにある喫茶店。
一切登場しないし、背景に一瞬映るか映らないかという状況だけど、
よく見ると、「喫茶 どんづまり」なんていうふざけた名前がつけられている。


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お正月に向坂遼が帰国した場面では、
空港の掲示板がしっかり「謹賀新年」だったり。

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さらに、この掲示板、交互に絵柄が変わり、
富士山バージョンまで用意されている。
(ただ、実写の出発便フライトインフォメーションの掲示板は、ちょっとしたアクシデントで映っていけないものが映ったようだけど。)

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沢渡一子と遼君が空港からパパラッチやファンたちから逃げる際、
バックには遼君が出演したことになっている男性化粧品のポスターが。

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一子の部屋の風景にも目を留めたい。

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表彰状や地球儀といった、コンサバな人柄を反映する小物たちに混じってー

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ゴーグルファイターアースにだっこされる息子の一臣の水彩画。
絵を描くのが趣味、という設定の遼君が、ゴーグルファイターアースに扮する自分が一臣君を
抱きかかえている様子を描いてかつてプレゼントするシーンがあった。
それを壁に掛けているのだった。
「一臣さんへ ゴーグルファイター」という字が見える。

(この放映日、東急線が事故で、「運転見合わせ」の表示が邪魔~)

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遼君の映画発表のライブストリーミングを見るパソコン画面には、架空のDVD名などが並ぶ。
映画製作会社は東竹映画株式会社。


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宝さがしも楽しいひとときだった。
2015.08.30 Sun | Society| 0 track backs,
 「もうひとつの輝き 最後の印象派 1900-20’s Paris」 @損保ジャパン日本興亜美術館 予告
9月5日から東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館で始まる
 「もうひとつの輝き 最後の印象派 1900-20’s Paris」展。

出展リストに心ときめいた。

一部パリから運ばれてくるものもあるようだが、
あとはすべて行ったことのないフランスの地方都市美術館の所蔵・個人蔵作品ばかり。
つまり、実物を見たことのない絵ばかりということだ。


取り上げられるのは、 1900-20’sという時代ながら、
フォービズムやキュビズムなどの範疇に入らない画家たち、
かといって、後期印象派の旗手、という感じでもない画家たちのようだ。

ル・シダネルなどは、確かに点描画法を用い後期印象派と位置付けられるものの、
絵が漂わせる空気感は、アンティミストと呼ぶにふさわしい。
カリエールは、象徴派と言われるようだけど、私の中では世紀末というくくりがぴったりくる。

つまり、どことなくカテゴライズしにくく、企画展の分類からこぼれ落ちてしまう画家たちを
取り上げてくれる模様。


とくに楽しみなのが、7点もくるというル・シダネルの作品たち。
大原美術館で見た「夕暮の小卓」=「Une petite Table au crépuscule」はつくづくステキだった。
運河沿を眺める白いテーブル。
昼と夜が拮抗する夕暮れ時を、紺青や藍色ともちょっと違う、心がキュンとなるようなブルーのグラデーションで描いている。
残念ながら、彼の作品を見る機会はあまりない。


明るい陽射しの印象があるアンリ・マルタンの絵もくるようだが、
こちらも、西洋美術館と松岡美術館?あたりで数点見たにすぎない。

どんな作品たちに出会えるのだろう。


*****

展覧会名 : 「もうひとつの輝き 最後の印象派 1900-20’s Paris」
会期: 2015年9月5日(土)~11月8日(日)
展示会場: 東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館
住所: 〒160-8338新宿区西新宿1-26-1損保ジャパン日本興亜本社ビル42階
休館日: 月曜日(ただし9月21日、10月12日は開館)
開館時間: 午前10時-午後6時、金曜日は午後8時まで(入館は閉館30分前まで)
夜間開館: 金曜日は9:30~21:00 (入室は閉室の30分前まで)
観覧料: 詳細はサイトを参照

公式サイト: http://www.sjnk-museum.org/program/3214.html

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2015.08.29 Sat | Art| 0 track backs,
ロンドンオリンピックのロゴ
昨今のロゴ問題で思い出したこと。

ロンドン五輪のロゴも、当初不評だったそうだ。

でも、現地に行ってびっくりした。
このロゴ、めちゃくちゃかっこいいのだ。

グッズショップでは、このロゴが至る所で踊りまくり、
なんたる躍動感。
購買意欲が刺激され、なんでもかんでも欲しくなった。
(そして幸い、ポンドはかなり安値だった。)

このロゴの特色は、開催年の2012をくずして表現している一方、都市名や五輪マークをそれほど強調していない。

商品につけると意匠的で、とっても映える。
これぞオリンピック、と言う感じでないので古びた感じがなく、いまだに身につけても恥ずかしくない。

(以下買ったTシャツ。アイロンかけてないけどとりあえず。)

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オリンピック、オリンピックしているロゴは、後で見かえすと瞬時に当時を思い起こさせ
それはそれでいい。

でも、五輪離れしている形勝負のロゴは意匠的にすぐれていれば、
商品につけたときにぐっと映える。
長く愛着をもって使用できる。


ひるがえって、2020年ロゴ。
そのどちらでもないのが残念。

東京のTなどという安直なデザインでは、類似ロゴはごちゃまんとあるだろう。
五輪らしさもない一方で、商品につけて意匠としてすぐれ、楽しめるものでもない。

ちょっとどっちつかず、そんな印象がある。

過去の五輪ロゴ一覧 
2015.08.29 Sat | Society| 0 track backs,
おせんべいアソート+ドリンクバー=200円 休憩に最適なおせんべい屋さん直営カフェ@虎ノ門
霞が関で時間調整が必要となり、ちょっとネットで確認したいこともあったので、カフェで20分ほど一休みすることに。

ふと目についたのが、商船三井ビルの1F。
かつてあったビストロの後、カフェが入居したみたい。
わりと広々している。
気になって近づいてみる。


写真 5 (2)


おせんべいや甘納豆などがついたドリンクバーが200円!?
よく見れば、播磨屋というおせんべい屋さんの直営カフェ。


写真 5 (2)


座席数が多く空いているようだったので入ることに。

折角なら、裏手の出入り口でなく表玄関から入ろう、と表へまわる。


写真 4 (16)



おせんべいのセットは店頭の看板よりも種類豊富。

本日のおせんべいセットAはお皿におかきがいろいろのっている。
Bは、ボンボニエール(砂糖菓子)と言う名前の洒落たおせんべいと堅焼きせんべいのセット。
その他、堅焼きせんべい2種を選ぶものも。

2番目のにしてみる。
ボンボニエールはちょっと甘めのおせんべいらしい。


写真 3 (47)


窓側の席へ。
ボンボニエールをあけてみると、可愛いあられ8個入り。

ドリンクは、紙コップが渡され、コーヒー、紅茶、オレンジジュース、その他お茶類のセルフサービス。

写真 2 (71)


幾つか食べていくと、ハート形のあられ登場!

砂糖がまぶされたおせんべいを想像したけれど、
ほんのりチョコレート味だったり、ナッツ入りだったりと、
甘すぎず、やさしく美味しい味だ。

写真 1 (75)


余りゆっくりできなかったけれど、週末も年中無休でやっているようだ。

平日・虎ノ門という土地柄のせいか、若者の長居は見かけない。
サラリーマンと奥様方という組み合わせが多かった。

店内販売もやっている。
ここは使える。

* * *

播磨屋本店 東京本店

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2015.08.28 Fri | Gourmet| 0 track backs,
「アリアドネの弾丸」 & 「ブラックペアン」 / 海堂 尊  <感想>



「チームバチスタの栄光」しか読んだことのなかった海堂 尊さんの他の本を読んでみた。
1冊目が「アリアドネの弾丸」、2冊目が「ブラックペアン」。


医療ミステリーが好きで、Robin Cookあたりのペーパーバックは結構読んだ。
病院という閉鎖的で未知の舞台で起こるミステリーは、
テクニカルなトリックが満載で、興味をそそられる。

医学博士・海堂尊さんも、そうしたスペシャリストならではの世界を作品の中で掘り下げ、
たとえフィクションを交えてつづられていたとしても、
読み応え十分なのだった。


「アリアドネの弾丸は、磁場という特殊なMRIならではの環境が
キーになっている。
海堂さんならではの着眼点。
テクニカル・ターム満載で、ワクワクした。
展開の仕方にも少し工夫があって、時系列を少しずらすことでリズムが生まれている。
どす黒い陰謀の中にもスペシャリストの世界の浪漫を思わず感じてしまう。


「ブラックペアン」は、高階や渡海という個性的な人物が二人登場するため、
やや視点がぼやけてしまい、読みながら主人公のキャラクターの色分けがすっきりできなかった。
全体的に、ペアンがどう要になるのか、といった着想で強引に引っ張っていく感もある。
とはいえ、細かい描写などは相変わらず門外漢にはスリリングで、
知られざる独特の世界に、やはり惹かれるのだった。
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2015.08.27 Thu | Books| 0 track backs,
迎賓館赤坂離宮 参観 <感想>
先日、迎賓館赤坂離宮を参観してきた。
期間限定公開・事前申込制なので、今回が初訪問

(内部写真撮影はNGだけれど、外の写真はOK。)


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中に入ると、天皇家の菊のご紋も見受けられた。
それもそのはず、この場所がもともと1909年に東宮御所として建てられた。

様式はネオ・バロック。
ただし住み心地と華美な見た目は両立しなかったようで、大正天皇自身、こちらを使用することはほとんどなく、
昭和に入ってからは、離宮としての位置づけとなり赤坂離の名称に変更。
それでも使用はめっきり減り、ついに転用が決まる。

その後国の関係機関が入るなどしていたが、もとの迎賓館、つまり先日見てきた現東京都庭園美術館が手狭になり、
赤坂離宮が迎賓館として使われることに。

改修を経て、完成は1974年。


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足を踏み入れてまず驚いたのは、大胆な和洋折衷ぶり。
先日見た建築家村野藤吾展で浮き彫りにされていた”様式の混在”を思い出した。


もっともこちらの建築は、ジョサイア・ コンドルの弟子、片山東熊の設計だ。

内部だけでなく、外観にもそんな和洋折衷ぶりがうかがわれる。
屋根には甲冑が鎮座。
意外な景色だ。


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かと思えば、並列する屋根の飾りにはフランス的なこんな球形の彫刻。
完全な様式、と思われる飾りの中には、三つ葉葵の紋。

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さて入口へ、と思ってこちらでも驚きが。
まるでアールヌーヴォー。

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中は白亜のつくりで、廊下は、真っ白な印象。
以下、気づかされた特色。

● 内部は主にフランス18世紀の様式で、フランス直輸入のものも多々。

● 鎧図が再び登場。「朝日の間」の浮彫は、戦艦(海軍を表す)、獅子の頭・オリーブ・鎧(陸軍を表す)で
  飾られていた。国威発揚の部屋なのだとか。

● 「花鳥の間」にあるのは、超絶技巧展でも話題だった濤川惣助作の七宝30点。見事だ。
  ぼかしを演出するため、無線七宝の技が使われている。図柄は花鳥図。

● 上記の花鳥図の下絵は渡辺省亭が描いた。下絵と七宝を並べた図録がトーハクの協力で制作され、販売中。

● 海外の国賓が泊まる部屋は非公開。シークレットで、建物のどこにあるのか一切わからない。
  ただし、随行員の部屋だけは外から見られるようになっている。随行員の部屋でも十分豪華。
  国賓の部屋はさぞ豪華だろう。

● 絢爛豪華なシャンデリアは、ひとつ800kg~1トンの重量。
  内部にスピーカーが埋め込まれたものもあり、そちらは重さ1トンだ。
  耐震対策はばっちりで、関東大震災や東日本大震災でもびくともしなかった。

● 大ホールには2枚の油絵。小磯良平が音楽と絵画をテーマに描いた。

● 暖炉の衝立は、酒井抱一の絵の模写。

● 羽衣の間の天井画はフランスに発注し、羽衣のイメージを理解していなかったか、図中にはごろもは描かれていない。


庭に面した側には、古代を漂わせる列柱。

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噴水には、よく見ると・・

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亀!

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内部を見るにつけ、庭園美術館(旧朝香邸)とつい比べてしまう。

旧朝香邸は、アールデコに轢かれた朝香宮様が、フランス様式一辺倒で建てられている。
(床の間的なスペースなどほんの一部で見受けられるけれど。)
アンリ・ラパンというフランス人建築家の手によるからだ。

一方、こちらはフランス様式の中に和が大胆に盛り込まれている。
日本人建築家ならではの和洋折衷が面白い。


全体的な外観、どこかパリのシャイヨ宮を彷彿させる。


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2015.08.26 Wed | 国内探索| 0 track backs,
「美女と男子」 個人的に大ヒットのテレビ番組
視聴率は5%の近辺を行ったり来たり。
数字的にはヒットではないものの、いやなかなかどうして、
丁寧なつくりで好感度抜群なのが、NHK火曜22時の「美女と男子」。

残念ながら、半期続いたこの番組が今日終了する。
終了後の脱力感がいまから思いやられる。


なぜここまでとりこになったのか、理由を考えてみた:

・紅白歌の祭典に一旦落選した歌手が一発逆転で出演できるようになる、その工作・裏ワザが
「これはTV業界を知っている人がつくっているからこそ」と思わせた。
芸能界が舞台なので、業界ならではの裏ワザが満載で、なるほど、とうなることも多々。
(主人公が台詞覚えのコツを伝授するシーンなども。)

・劇中歌、劇中劇も秀逸で、画面の端にちょろっと映るだけの劇中TVドラマポスターなどにも神経がいきわたり、
それらをチェックするのも楽しい。

・ストーリーに乱れがない。埋め込まれた問題点は、次々処理され、宙ぶらりん感覚はなく、
統一感があった。2クール使った番組ながら飽きさせなかったのは、3部構成というスッキリした分け方にも一因。


さらに、裏話を知ると、なおさら感服:

・劇中ドラマで五輪を目指す水泳選手役を演じる町田啓太さんは、水泳が実は苦手で、
あの見事なフォームは猛特訓のたまものだった。いや見事な泳ぎっぷりだった。

・高橋ジョージさん演じるたどころ晋也がドラマ主題歌を苦労して生み出すシーンは実は現実そのままで、
このシーンで使用する曲ができたのは(実際に高橋ジョージさんが作曲したのだ)、
わずか収録数日前だったそう。

・町田さんがNGを出すシーンもまた現実そのままで、仲間由紀恵さんという大女優を前に緊張して
NGを出すこともしばしばあったという。
(それに対し仲間さんがやさしく声をかけていたそう。)


配役も光り、ここ数年の大ヒット作なのだった。

http://www.nhk.or.jp/drama10/bijo/
2015.08.25 Tue | Society| 0 track backs,
村野藤吾展 @目黒区美術館 <感想>と<鑑賞のコツ>
目黒区美術館で開催中の『村野藤吾の建築 -模型が語る豊饒な世界』へ行ってきた。

会場内は大盛況。
通常の美術全般好きという来場者に加え、建築家の卵や建築好きの人たちの熱気にあふれていた。


展示の中心は、京都工芸繊維大学の学生さん達を中心によみがえった模型80点。
村野氏が手がけた高輪プリンスホテルの欄干やドレッサーの展示もある。

これも村野氏が手がけたのか、あれもそうか、と目を見張る。
ビックカメラが入る有楽町のよみうり会館も氏の設計だ。


建築家の展覧会というのはどう鑑賞していいのか当初とまどったが、
笠原一人先生(京都工芸繊維大学大学院助教)のお話を聞いて、
ピントを合わせて鑑賞することができた。


先生のお話によると、村野氏の特徴として、<重合><変形><違反>があげられるという。

違反、というのは通常の手法と異なる斬新なやり方を意味し、
石造を宙に浮かせ、柱で支えるような従来の固定観念を崩したものなど。
実際は石造でなくコンクリ―トなのだが、見かけは石造のような重みを感じさせつつ
柱で支えることで、矛盾する軽量さを演出している。
帝国劇場などがその例だ。


<変形>とは、コルビジュエなどの作風からスピンアウトしたと思われる建築など。


素人でも分かりやすいのは<重合>だろう。
様々な様式が同居している。

和、モダニズム、ロマネスク、バロック・・・

例えば、一見モダニズム、でも列柱を配し、古典の趣を漂わせ、
さらにモダニズムが嫌う線対称で両義性が濃厚となり、
まさに、模型が語る豊饒な世界を味わうことができる。


展覧会名 : 村野藤吾の建築 -模型が語る豊饒な世界
会 期 : 2015年7月11日(土)~2015年9月13日(日)
会 場 : 目黒区美術館
http://mmat.jp/exhibition/
2015.08.24 Mon | Art| 0 track backs,
千疋屋の桃パスタランチが絶品
今年の夏はまだ終わっていないけれど、食した夏メニューランチの中で絶品だったのは
千疋屋のスモークサーモン、桃、トマトの冷製スパゲティ。


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桃スパゲティを提供するイタリアンの店はいくつかあるけれど、
さすが千疋屋。桃が美味。
以前フルーツビュッフェで食した杏仁にのっていた黄金桃も、激震の甘味で最高だった。

本パスタにも、スモークサーモンとともに桃がごろごろ入っている。

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残念ながらこのパスタ、短期間の入れ替わりメニューのみに登場し、
既に終了してしまったけれど、来年また食べたい!

ランチセットには、サラダとドリンク(フルーツティーがお気に入り)と、

写真 4 (15)


日替わりデザートが付いている。
この日はマンゴープリン。

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以上で1620円の破格。
至福のランチだった。
2015.08.23 Sun | Gourmet| 0 track backs,
ル・プティ・トノー Le Petit Tonneau 九段下店のランチ
8月上旬、久しぶりに九段下に足を運んだ折りにランチをとったル・プティ・トノー。

以前オフィスのロケーションが大手町付近だった頃、時折友人とディナーしたものだ。
久々の訪問であり、ランチでは初訪問。

サイトによると1080円のエクスプレスランチが数種類あるようだったが、
この日のクイックランチはハヤシライスのみ。

お魚のコースにした。
サラダ(写真なし)はもう少しボリュームがあったほうがいいかな。

バルサミコソースの白身魚は、かりっとした炭火の味が香ばしい。
ル・プティ・トノーらしいオーソドックスで間違いない味。

写真 1 (72)

デザート。

写真 2 (68)


周囲はサラリーマンばかりだったけど、この価格帯だと毎日通いはないだろう。
エクスプレスランチがもしまだあるのなら(そしてこの時はたまたまなかっただけなら)雰囲気も落ち着くし
バリューは高い。

長く続いているお店なので、安心感もある。


ル・プティ・トノー Le Petit Tonneau 九段下店
http://www.petitonneau.com/jp/location/kudanshita
2015.08.21 Fri | Gourmet| 0 track backs,
オルヴィエートのドォーモ 秀逸な扉の浮彫 : カインとアベル編
オルヴィエートのドォーモのファサードの話の続き。
アダムとイヴの浮彫の上方には、その続きの話が4つの浮彫で表されている。


最初は、アダムとイヴが原罪を犯した後の人間の営み。

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次は、芸術の萌芽。
男が紙に何か描きつけている様子。

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そして旧約聖書の創世記、アダムとイヴに続くストーリー。

つまり、アダムとイヴの息子のうち、アベルは羊飼い、カインは農耕者となったというお話。
左がアベル、右がカイン。

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最後の浮彫は、兄のカインが弟アベル野原に誘い嫉妬から弟を殺害する、その場面だ。

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アダムとイヴ、カインとアベルの2つの物語は、オルヴィエートの大聖堂のファサード、
一番左の太い柱部分に展開している。


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実はこの柱の一番下層には、以下の浮彫が並んでいる。

下から物語が展開することを考えると、
創世記の天地創造場面と考えるのが自然だろうか。

鳥たち、

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動物たち、

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最後に土から人間が生み出された場面だろうか。
そして中段のアダムとイヴの物語に続いていくと推察される。

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これで柱ひとつ分の鑑賞が終了。
いやはや、見るものは、まだまだある。

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2015.08.20 Thu | Travel-Italy| 0 track backs,
オルヴィエートのドォーモ 秀逸な扉の浮彫 : アダムとイヴ編
先に訪れたオルヴィエートのドォーモ。
全体をただ見渡すだけでも息を飲む美しさなのだけれど、
細部を見ていくと、その細かい妙技に溜息の連続なのだった。

例えばこの天使。

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風にはためき、足元に巻き付く薄い衣、
丁寧に1つずつ彫られた天使の羽・・
個々の浮彫は、それ単体でも見事なのだけど、
でも実は、壮大なファサードのほんの小さなひとつのパートに過ぎない。

4本あるうちの一番左手の柱部分は、 創世記からの引用で
アダムとイヴの物語が彫られている。


● 神が人間を創造 

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● アダムの肋骨を一本取り出す神。
(聖書では、眠らされた男から採取されたあばら骨から女を創造、と記されている。)

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● アダムの肋骨からイヴ誕生。

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● 天使につきそわれた神がアダムとイヴに禁断の実を食べないよう促す。

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● それを無視して、アダムが差し出すリンゴを受け取るイヴ。

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● アップ:木に巻き付いた蛇が邪悪な目で、リンゴを受け取るイヴを見守る。
蛇の鱗の表現なども細緻!

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● 掟破りを犯し、木の陰に隠れるアダムとイヴを神が見下げる。
聖書にはやはり、神が近づくを聞き、木陰に隠れる2人の記述がある。
(この2人のおびえっぷりが秀逸!)

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● アダムとイヴの楽園追放。二度と二人が帰ってこないよう、天使が剣を振り回し、あたりは火に包まれる。

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● 上の写真のアップ。
左下に燃え盛る炎の表現。
聖書には、たしかに燃え盛る剣を天使=ケルビムが振り回す、とある。chérubins qui agitent une épée flamboyante,

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● 楽園を追放された2人。
アダムは労働をするよう言われ、イヴにはお産の苦しみa souffrance de tes grossesses, tu enfanteras avec douleurが
与えられる。

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● イヴの方は、ややノー天気ぽい様子だが(上のアップ)。

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これらアダムとイヴの物語が彫られているのは、大きなファサードのこの一角。
こんな小さな範囲にも、凝った浮彫がふんだんに施されていて、
つぶさに見ていたら随分時間がかかった。
一泊して正解だった。

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壮麗なファサードを構成する小さな芸術作品のきらめき、
洗練された建築芸術の中の、ぬくもりある人物表現、
そういったものが、このドゥオーモを崇高な芸術作品に仕上げている。

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2015.08.19 Wed | Travel-Italy| 0 track backs,
クラフト 「小さなチーズケーキ マンゴー」
ケーキ好きの我が家だけれど、ヨロイズカのケーキを毎日買うわけにもいかず、
切り札みたいなノリで、QBBのチーズデザートシリーズを冷蔵庫に常備している。

とくにお気に入りはチーズデザート 贅沢ナッツ6P、チーズデザート ラムレーズン6Pあたり。
そんななか、最近クラフトでも似た様なシリーズを出していることに気が付いた。

最近近所のスーパーで見つけ、試しに買ったマンゴー&ココナッツがなかなかの美味でお勧め。
期間限定らしい。


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チーズケーキシリーズ、かなり進化している。
2015.08.18 Tue | Gourmet| 0 track backs,
ボッティチェリの《東方三博士の礼拝》 が来日予定 (2016年・東京都美術館)
■ 《東方三博士の礼拝》の中に描き込まれたボティチェリの自画像はどこ?

 辻邦生著「春の戴冠」に書かれた、《東方三博士の礼拝》制作にまつわるストーリー


来年2016年1月、ボッティチェリの肖像画が描き込まれた大作が来日を果たす。

ウフィツィ美術館所蔵の《東方三博士の礼拝》の絵だ。 
(東京都美術館の特設サイトが記す名称は《ラーマ家の東方三博士の礼拝》。)

以下画像は今年6月にウフィツィ美術館で撮影:

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サンドロ・ボッティチェリ自身の肖像画が描かれたことでも知られる本作品。
ボッティチェリは果たしてどこにいるかというと、、、ここだ。
一番右の茶色い装束でこちらを見て佇む男性がそれ。

辻邦生氏著「春の戴冠」には、ボッティチェリが肖像画を埋め込んだ経緯に関する会話が登場する。
この本は、部分的史実に基づくフィクションではあるけれど、かなりリアルな迫真性がある。(後述★1)


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アップで自画像部分見ると、↓(右下隅)大きな二重まぶた、縮れた髪の毛が特徴的。
自信たっぷりで、なかなか不遜な表情だ。

制作年度は大体1475年、ボッティチェリ30才頃のもの。

有名な《ヴィーナスの誕生》や《プリマヴェーラ》よりも7-8年前となり、
そこまでの名声はまだ確立する前のこと。
自らの力量を信じた若者の姿が垣間見れる。


今回ウフィツィでしげしげとこの絵を眺めていて、”隠れた”存在感を感じたのは
下の写真中央の水色の男。
みずからの姿をそっと指さしている。

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本作品の発注主として名高いガスパーレ・デル・ラーマと思ったのだが、
実はフィリッポ・ストロッツィである、という説を目にした。

ラーマの方は実は左側に描かれていたようだ。
いずれにせよ発注主の職業、両替商(高利貸)はキリスト狭義的に罪と見なされ
その贖罪の意味で、稼いだ金をこうした美術品につぎ込むことで、
罪から逃れようとした。

スクロヴェーニ礼拝堂でも見た通り、そうした発注主は、それをアピールするかのように、
作品の中に埋め込まれているのだ。


そしてこの絵は、フィレンツェの有力者メディチ家が描き込まれていることでも有名だ。

なかでもコジモ・ディ・メディチの姿は渋い迫力がある。
聖書の題材を下敷きに、キリストを拝みにやってきた三博士の一部として一番重要なポストを与えられている。

(マリア様が佇む背景が廃墟、というのも目を引く。)

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アップ。
家業で輝かしい実績を積み上げ、まばゆいフィレンツェ芸術を開花させた大御所コジモは
幼子キリストの足をとり、ご加護を受けているかのよう。
老成した表情が秀逸。
コジモの姿に関する記述も、「春の戴冠」に見られる(後述★2)


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コジモの息子ピエロとジョヴァンニもここに。

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忘れてはならない、ロレンツォ・ディ・メディチこと、ロレンツォ・イル・マニーフィコ。

父コジモの跡を継いで、絢爛豪華な花の都フィレンツェの夢のようなひとときを実現させた彼の姿が、
左隅に、これまた威風堂々と描かれる。

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「春の戴冠」には、本作品を描くにあたりボッティチェリがあれこれと思案した記述もある(後述★3)。

当時の華やかなりしフィレンツェを支えたメディチ家の繁栄ぶりが伝わる《東方三博士の礼拝》。
来日まで、もう少し。




★ 辻邦生「春の戴冠」から

1)ボッティチェリが自らの肖像画を描き込む経緯に関する記述(ボティチェリの語り)

「ロレンツォ殿が「博士礼拝図」にね、ぼくの自画像を描き込むようにと伝えてきたのだ。それは、ぼくだって、メディチ一族が東方の博士たちになってキリスト生誕を祝う図のなかに、自分が加わるなんて、考えてもみられない栄光だと思うよ。しかしぼくがただ一人、他処者みたいにそんなところに混るなん、どうも落ち着きがわるいように思うんだ。
。。
なにしろ三十人もの肖像を描き込んでいくのだから、ぼくをどこにもぐりこませていいのやら、見当がつかないのだ。」



2)コジモに関する記述

ロレンツォ殿に依頼された「博士礼拝図」の下絵なんだ」サンドロはそう言いながら下絵のなかから何枚かを引き抜いて私に示した。「大体の構図はできあがっているんだけど、メディチ家の人々をすべて描きこむというのがロレンツォ殿の意向でね。それがなかなかうまくゆかない」。
(注:ボッティチェリに話しかける”私”の台詞)「これは老コシモの横顔だね。。。。よく似ているね。まるで生き写しだ。君はまたどうしてコシモを見ないで、こんなそっくりに描けるんだろう。」



3)「東方三博士」に関する記述(ボティチェリの語り)

「ぼくはこの「博士礼拝図」でね、構図がしっくり纏まらなかったのは、この中へメディチ家の人たちの肖像を忠実に再現する仕事と、博士礼拝という神秘な気分とが、うまく一つに表現できなかったからだ、と、いま気づいたんだ。そうなんだ、フェデリゴ。一方はポライウォーロ親方の<物から眼をそらすな>で、もう一方はどこか遠い党風風俗を空想しなければならないのだからね。この二つは全く別々のもの、水と油、火と土のようなものだ。ぼくはそれを、神秘な構図のなかに<物から眼をそらすな>を嵌めこむことによって解決しようとした」。






東京都美術館 「ボッティチェリ展」 2016年1月16日(土) ~ 4月3日(日)サイト:
http://www.tobikan.jp/exhibition/h27_botticelli.html
2015.08.17 Mon | Art| 0 track backs,
リゲッタカヌー( RegettaCanoe)の靴 <インプレ>
FBでお友達が購入したという情報を聞いた、リゲッタカヌーの靴。
履き心地抜群、とか疲れにくい、などという評判をチラホラ聞く。

けれどレビューや口コミを見ても、「配送が早かった」などという
流通システムの話ばかりが目につき、履いてみてインプレはどうなんだろう?
と気になった。

まあものは試し、素足で履けるサンダルを探していたので、2足買ってみた。


結果(気に入った点):
1.マジックテープ使いのものを買ったので、外反母趾の私にも無理なく履ける;

2.素足でも足がすりむけることはなく、いきなりの長時間歩行でも問題なし;
(ただ、うち1足は足先ににマジックテープの調整がないタイプで、生地部分が親指の付け根に当たっている感じがあり、少し赤くなった。もう1足は足先にもマジックテープ調整があり↓問題なし。)

3.足底がふかふかしてショックアブソーバーになっている感じがある。

4.先端がそりかえっていて、説明によると、「ローリング歩行」になる、ということで、かかとからつま先まで使えるそうで、
全体を使えるのかな、という実感はややある。

5.靴のヘリが盛り上がっていて、足先がどんどん前にせり出すのを防いでいて、
これは外反母趾抑制にいいのでは、と思った。

6.お値段が安い(7000円未満)ので、惜しげがない。

7.土踏まずがしっかりサポートされているのが実感でき、なんか足によさそう、という気になる。


難点は:
● 重いので、旅行のスペアにもっていくのは不向きだなと。

● そしてこの重さゆえに、上部で足をカバーしている生地の傷みが早くないかな?と若干不安。
つまり、かかと部分とかが傷む前に、上部の生地がよれよれになったり、底から抜けたり、ほつれたりしないか?
と思ったり。これは長く履いてみたからの感想となる。

● 普通の靴より一回り大きく、ややごつい。デザイン次第では武骨で若干服を選ぶと思われるものも。
ただ下記のデザインのものは、比較的エレガント系の服でもOKと思われる。

● ひとつはヒールが高いタイプで、底がふわふわしている分、着地の際にやや不安定感を感じる。

● クッションがあって疲れにくい一方で、長時間履いていると重さで足が少し疲れる感じも。




結論
柔らかい底の感覚が独特で、足にはよさそう、と思える。
カジュアルな外出には重宝だ。
2015.08.16 Sun | Society| 0 track backs,
『PALETAS(パレタス)』のフローズンフルーツバー
代官山のイータリー跡にできた新名所「てのは」。

その一角にあるPALETASは、ズラリと並んだシャーベットバー(フローズンフルーツバー)で人気を博している。
ミッドタウンにも最近入ったほどなので、売り上げ好調なのだろう。

やはりなんといってもその品ぞろえの多さで、選ぶのも楽しい。
=> メニュー: http://www.paletas.jp/menu.html


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フローズンバーは1本500円ぐらい。
Tabelogで「高級志向のガリガリ君」と称しているものもあった。
なるほど。

売り場に隣接してランチなど食事もとれるカフェスペースがある。
外のメニューでランチの内容を見てみたら、キッシュのようなものがすべてバー付きになっていて
(一見アイスクリームバー)
フローズンフルーツバーと見た目の統一を図っているようだ。


もっとも何を隠そう私は断然ケーキ派なので、
ドーナツやアイスクリームの店の利用率は低いのだった。


http://www.paletas.jp/

美味案内のレポート:
http://bimi.jorudan.co.jp/article/topics/ibukuro/bk1529.html
2015.08.15 Sat | Gourmet| 0 track backs,
フルティシエ ちょっと贅沢 ミックス
スーパーでマルハニチロのちょっと贅沢 シリーズのゼリーをまとめ買い。
みかん、グレープフルーツ、マンゴー、などなど。

暑くて食欲が進まないときでも、フルーツたっぷりでガツガツいける。

有名シェフシリーズのムースなどと違い、上品ぶっていないのがいい。


==> フルティシエ ちょっと贅沢 ミックス
2015.08.15 Sat | Gourmet| 0 track backs,
伝説の洋画家たち 二科100年展 @都美術館 <感想>
二科展がスタートして100年目を迎える節目の今年、
東京都美術館で「伝説の洋画家たち 二科100年展」が開催されている。

展示は、すべて過去の二科展出品作で統一されており、
散逸した作品を探し出す、といった作業も必要だったようだ。


事前に見たフライヤーなどには、
有島生馬,、坂本繁二郎、古賀春江、小出楢重、山下新太郎、岸田劉生、萬鉄五郎、東郷青児、国吉康雄・・
らの作品画像が並び、日頃親しんだ画家・作品が目についたけれど、
行ってみると展示数は130点以上。

様々な地方の美術館から集められたようで、
初めて名前を聞く画家も結構いる。
才能ありそうなこの人はその後、どういう画業をたどったのだろう、などと好奇心にかられた。


また、知っている画家の、知らない作品というのも意外にあった。
たとえば佐伯祐三の2点などは貴重な個人蔵。

初見だった古賀春江の《素朴な月夜》は、ファンタジックで温かみがあり、
東近美にあるメタリックでインダストリアルな《海》よりずっと前の作品だろうと思いきや、
同じ年(1929年)に描かれたと知り驚いた。


かつて文展では、日本画部門は新旧二科に分かれて審査されていたものの、
洋画部門は旧態然とした審査一本化のままで、二科に分けることが叶わず、
新たにできたのが二科展と聞く。

そんな古色蒼然を嫌った設立経緯を反映するかのように、
入選を果たした作品はどれも、チャレンジ精神にあふれていた。
当時の熱気が立ち昇るかのようだ。





今回、「伝説の・・」と銘打ったタイトルだが、その伝説の定義の一部には、”夭折の画家”も含まれる。
関根正二は言うに及ばず、確かに次々と若くして亡くなった画家の多いこと。


第一回入選作として最初に登場する柳敬助も、ある意味伝説だ。
まだこれから、という42歳で亡くなっただけでなく、大半の作品が焼失し、“伝説”になってしまったのだ。

柳敬助の絵を初めて見たのは中村屋サロン。
品があって、とても好ましい絵なのに世にあまり知られていないのはなぜだろう、
と疑問に思った。
ギャラリートークでそのワケを知る。

回顧展のために作品が地方からいっせいに集まっていたその日に関東大震災が勃発。
都内に集められていた全ての作品が灰と化した、そんな悲しい歴史があった。

今回会場にあった下の絵は、初めて目にした。
所蔵は東近美だというが、常設展に出ることは少ないはず。
白い斜めの線の途中から湧き上がるエメラルドグリーンが美しい。
カイユボットを彷彿とさせる上品さ。

美術学校でも優秀で飛び級したといい、
恐らくスラスラと思いのままに描けたのではないか。
肩ひじ張らず、軽やかなタッチで、わざとらしさがなくて好き。


*会場内の画像は主催者の許可を得て撮影したものです。

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柳敬助《白シャツの男》1914年 東京国立近代美術館所蔵



こんなデュフィのような絵を描く人がいたのか、
という感想をもったのが、硲伊之助。
マティスへのオマージュ、という解説を読まずとも、
これはマティスのアパルトマン、そう思えた作品。
海の見える大画家の住まいを、かつてTV番組で見たことがある。
あのイメージそのままだ。

全景、中景、後景と順々に広がる景色、
その間に挟まれたバルコニーの模様、
心地よい南仏の海風を感じる。


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硲伊之助《室より(南仏のバルコン)》1935年 硲伊之助美術館所蔵



驚いたのは、ブリヂストン美術館で見慣れたマティスの作品があったこと。
上記の硲伊之助がマティスのアトリエを訪れ、制作途中の本作品を見て、二科展への出品を依頼したという。
そんな背景で来日を果たした絵だったとは、今回初めて知った。

でも、後日 日本に送付された完成作を見て、硲はたまげたのではないか?
この作品は、最初の構図から、刻々とデフォルメされていったのだから。

以前ブリヂストンで、スケッチされた女性の変貌の過程が記録された写真を見た。
最初の女性図と似ても似つかないものに仕上がっていった。

きれいにまとまった図を“煮詰める”過程はかなり突飛で大胆だけど、
女性はすごくイキイキと変身した。


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アンリ・マティス《青い胴着の女》1935年 石橋財団ブリヂストン美術館所蔵



先日日経新聞の日曜版で特集されていた松本竣介。
(戦後70年ということでこのところの美術特集頁は戦争関連ばかりだった。)

紙面には、彼のこんな言葉が引用されていた:
「絵描きというのは、いろいろな点で自由でなければならない。
1つのイデオロギー、1つの窓ばかりからみると表現の幅が狭くなるよ」

自画像《画家の像》を見ると、足の間に、戦争をしているかのような小さな黒い影が見える。
リヤカーは戦闘車のよう。
戦時下の絵画への統制などふくめ、戦争下で様々に思いを募らせたことだろう。

妻や息子の隠れるような視線とは対照的に、
強い決意が感じられる画家本人の眼差しが印象的。


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松本竣介《画家の像》1941年 宮城県美術館所蔵 



身持ちを崩しつつも絵筆を握った長谷川利行の《酒売場》は、
鑑定番組で発掘された例の《カフェ・パウリスタ》に相通じるざわざわした感じで充たされ
空気を感じ取る達人だなぁと思った。

三越の東山魁夷展で知ったのだが、東山画伯が初めて購入した絵画が
長谷川利行の作品2点だったそう。
彼の寂しい末路に比して、なんたる栄光に満ちた逸話だろう。


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長谷川利行《酒売場》1927年 愛知県美術館所蔵



高校時代、美術の授業で描いた風景画がむずかしくて絵の具と格闘した。
こんな絵が描けたら、素敵だな、
思わずそう思って足を止めた小山敬三の《瀬戸内海》。

のびやかなタッチとリズムを奏でる色彩が好き。
写実の時代を経てたどり着いた風景なのだろうけれど、
山襞の陰影がこんなにあっさり描けるなんてすばらしい。
額は画家本人の特注らしい。


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小山敬三《瀬戸内海》1934年 小諸市立小山敬三美美術館所蔵



そして思いがけなかったのが、関根正二。
10代で二科展に出展していたのか。
そしてやっぱり赤だ。
何か既成イメージをなぞったり、表面的に模倣をして出来たのではない、
内面をしっかり我が目でとらえる力強さを、彼はどうやって体得したのだろう。


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関根正二《姉弟》1918年 福島県立美術館所蔵




今回の展示は、第一回作品から60年代までの作品に限定されている。

戦争を経たあと復興へと向かう、そのパワーをみなぎらせた画家もいる。
現代社会ではありえないような底を体験した不遇の画家もいる。

簡単ではなかった時代だからこその気迫と気概が胸に迫った。


*****

展覧会名 : 「伝説の洋画家たち 二科100年展」
展示会場: 東京都美術館 企画棟 企画展示室
住所: 東京都台東区上野公園8-36
会期: 2015年7月18日(土) ~ 9月6日(日)
休館日: 月曜日、7月21日(火)
開室時間: 9:30~17:30 (入室は閉室の30分前まで)
夜間開室: 金曜日は9:30~21:00 (入室は閉室の30分前まで)
観覧料: 当日券 | 一般 1,500円 / 学生 1,200円 / 高校生 800円 / 65歳以上 1,000円

特設サイト: http://www.nika100th.com/

* 本エントリーの画像はすべて、「二科100年展ナイト」の折に主催者の許可を得て撮影。
.
2015.08.14 Fri | Art| 0 track backs,
野菜のおいしさに感動 超お勧め / 「ベジー」(新富町)
昨夜の食事会。
友人が予約してくれた店が、大ヒットだった。

繊細な味付けと、たっぷり野菜のベトナム料理の店「ベジー」。

同行者の同期・後輩は、SNSなどやっていない仕事一筋の人たちだったので、
写真を撮るのは差し控えた。
画像がないのが残念ではあるけれど、場の雰囲気をこわすよりはマシだろう。

サイトを見れば画像はいくつか載っていることだし。


コースは3200円から。
われわれは3400円のベトナム料理のコースにした。

野菜ソムリエの資格をとった女性がきりもりし、
この味付けは一体なんだろう?と、その重層的な味わいに一皿一皿感動した。
お茶の種類も豊富で楽しい。

野菜(主に葉もの)ってこんなにおいしかったんだ、と開眼するほど。
パクチーがダメな人は、内容を考慮してくれる可能性もある。

コースにはもちろんお肉などのタンパク質も含まれているけれど、野菜の存在感が見事。

これまでにない新感覚のお店で、是非また訪れたい。


http://go-veggie.net/
http://tabelog.com/tokyo/A1313/A131301/13025259/
2015.08.13 Thu | Gourmet| 0 track backs,
映画「フレンチアルプスで起きたこと」と「セバスチャン・サルガド / 地球へのラブレター」
7月以降見た映画は3本。

昨日書いた「ミッションインポッシブル」以外には、「セバスチャン・サルガド / 地球へのラブレター」と
日経新聞でいい評価がついていた「フレンチアルプスで起きたこと」。

そのうち、「フレンチ・・・」は、心理的に追い詰める内容で
思わせぶりなシーンが続々。
ただヒッチコックの怖さを思い浮かべると、凄みはそれほどでもないかもしれない。
最後のシーンはやや意外な展開で後味は悪くない。
最高評価を取るほどの映画ではないと思いつつも、
暑い!夏に見るにはいい。
スキー場のシーンが中心なので。


かたや「セバスチャン・サルガド / 地球へのラブレター」は
写真家サルガドのドキュメンタリー。

以前恵比寿の写真美術館でサルガドの写真展を見た人にとっては必見だろう。
展示されていたヒューマニズム溢れる昨品だけでなく
悲惨な現場を相当数撮っていたことに気づかされる。

また、メキシコだったか、ある地域の撮影旅行で目にしたという
雑貨屋さんには衝撃を受けた。
食品と棺のレンタルが、同じ店内に並べられている。
死と生が身近で、幼児死亡率が特に高い地域特有の事象だった。

最後は地球再生へののぞみを漂わせつつ映画は終わる。
起承転結といった確固たる文脈があるわけでないので、
サルガドに思い入れがないと、集中力は途切れるかもしれない。

http://salgado-movie.com/
2015.08.12 Wed | Society| 0 track backs,
「ミッションインポッシブル / ローグ・ネイション」 この夏の映画
それほど期待していなかったものの、手に汗握って食い入るように見た映画「ミッションインポッシブル」。

「ヒーロー」とこちらとどちらを見るか迷ったのだけど、こちらにして正解だった。
大スクリーンで見るのにふさわしい大アクション。

さらに私は、最後のトム・クルーズ演じるイーサン・ハントの最後の取引き場面に感激した。

アクションが平坦でなく、さまざまな見せ場がある。

(昨夜MI-1をTV放映していたのでチラリと見たけれど、
それより格段にアクションはグレードアップだった。)

冒頭の導入部分、飛行機に食らいつくシーンは、CGでなく実写だそうだ。





迫力満点、この夏、涼を求めた映画館めぐりにはお勧めだ。
2015.08.11 Tue | Society| 0 track backs,
デザートビュッフェ(千疋屋 アトレ恵比寿店) 値上げ
つい3週間前に発掘した千疋屋 アトレ恵比寿店のデザートビュッフェ。
→ 7月のエントリー
昨夜ツーレと共に訪れたところ、いきなり600円値上げになった。

とはいえそれでも1800円台でお得ではあるのだけど。
(食事をオーダーした人のみがデザートビュッフを注文できるスタイルは一緒。)

こちらのビュッフェは、自由に自分で取るのでなく、メニューから追加注文するというもの。
最初に基本的なプレーとセットがサーブされ、それ以上欲しい人は追加でオーダーする。

前回訪問時は、余りの安さにおかわりはしなくてもいいや、という気分だった。
(最後にラストオーダーといわれ、軽いものを1つオーダーしたけれど。)

けれど今回はケーキのおかわりを3回してみた。

まず、前回同様、食後にこの3点セットがくる。
このうちフルーツ盛り合わせとパフェは固定。ケーキ1つは自分で自由に選べる。
私はピーチのケーキ。(左下)


写真


追加注文。
黄金桃の杏仁。
この桃が絶品だった。

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その他前回気に入ったマスクメロンのムースと
下のフルーツゼリー。


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ツーレはマンゴープリン、フルーツチーズケーキ、アップルパイ。


メインはそれぞれスモークサーモンとアボガドのスパゲティと、エビのスパゲティ。
こちらも100円値上がりしていたが、具がやや増えた感じ?

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フルーツ堪能できて幸せだった。
2015.08.11 Tue | Gourmet| 0 track backs,
夢つむぐ人 藤平伸世界 展 @智美術館 <感想>
8月8日より、京都出身の作陶家・藤平伸さん(1922-2013) の展覧会が、智美術館で開催されている。

いわゆる器だけでなく、蓋がなければ一見オブジェといった風情の作品や
彫刻、レリーフ、絵画のような作品から、書や絵本まで、
すそ野は広い。


《雨の日》と題された石版のような作品には、
大きな蝙蝠傘をさす影のような人物が、面白いコントラポストで描かれていた。
(のけぞるようにして、後ろ足に重心がかかっているポーズ。)
斜めの人物の身体に平行して雨が打ち付けているのだろう。
細い無数の線からは、雨の様子だけでなく湿潤な空気まで立ち昇っていた。

なぜかわからないけれど、まるでイタリア映画みたい、そう思った。


絵もたしなんだという藤平さん。
表面に絵模様をあしらった器もあった。

* 以下写真は、ブロガーイベントの折りに、許可を得た上で撮影しています。

写真 4 (14)



ご自身の工房前で撮られたというお帽子をかぶった写真パネルをよく見ると、
入口の壁には、藤平さんの手によるイラスト。

ふわっと軽やかで丸みを帯びた細い線にはペーソスがあって、
どこかジャン・コクトーやマティスを彷彿とさせる。

墨をイメージするような器など、和を感じさせる作品も多々ある一方で、
先のイタリア映画みたい、といった印象をはじめ
西洋の画家の筆致を思い浮かべるものなど、
どこか洋風のテーストを感じさせる作品も多い。

写真 2 (67)


ズラリと並んだ詩情豊かな作品たち。
これは空間芸術でもあるのだなぁ。

写真 3 (44)


個々の作品単体にとどまらず、
それぞれの作品が有機的に作用して、独特の詩情豊かな世界を築いていた。

写真 1 (71)


*****

展覧会名 : 夢つむぐ人 藤平伸世界 展
展示会場: 菊池寛実記念 智美術館
住所: 〒105-0001 東京都港区虎ノ門 4-1-35 西久保ビル
会期: 2015年8月8日(土)~ 12月6日(日)
休館日: 毎週月曜日(ただし9/21、10/12、11/23は開館)、9/24(木)、10/13(火)、11/24(木)
開館時間: 11:00~18:00  ※入館は17:30まで
観覧料: 一般1,000円、大学生800円、小・中・高生500円

リピーター割引その他詳細はhttp://www.musee-tomo.or.jp/exhibition.html
2015.08.10 Mon | Art| 0 track backs,
アール・ヌーヴォーのガラス展 @パナソニック 汐留ミュージアム 
パナソニック 汐留ミュージアムで開催中の「 アール・ヌーヴォーのガラス展」に行ってきた。
まずはギャラリートークに参加し、お話を伺った。

それによると、今回の展示はデュッセルドルフ美術館にあるゲルダ・ケプフ夫人のコレクションをもとに構成され、
本邦初公開なのだそう。

祖父が創業したゼラチンフィルムのメーカーで代表を務めた経験をもつ夫人は
技術的見地からガラスに興味をもち、コレクションが始まった。
科学的素養があるせいもあり、個人の収集にしては、幅広いのが特色だ。

またデュッセルドルフ美術館に寄贈した際、これらの作品に関し調査を行い
本にまとめること、という条件を出したという。
(なかなかドイツ人らしい堅実さだ。)

パリ派とナンシー派に分けて展示されており、ナンシー派よりも前者に全面的な
ジャポニズムの影響が見られる、そんなお話もあった。

日本美術が紹介された万博がパリで開催されたことを考えると、なるほど、とも思う。


会場内には北斎やその弟子の浮世絵の構図をそのままパクリで描いた鯉の作品などもあり、
浮世絵を真似たのは、ゴッホだけではなかった。
脇に原画のパネルもあり、比較することができる。


エミール・ガレやドーム兄弟のほか、主だった作家の紹介パネルもある。
また、前回の「ルオーとフォーヴの陶磁器」に引き続き、
パナソニック社自慢のプロジェクションで《象の頭の飾付花器》を楽しく見せる手法も登場する。


メインビジュアルになっている《花器(ブドウとカタツムリ)》は、
実際見ると、その重層性に圧倒される。
ブドウの表現などは抽象画のよう。
ややもすると重い作品を、2匹のカタツムリが軽妙に見せている。


無色ガラスに色付きの三層のガラスをかぶせた
模様を彫ることで、下のガラス層の色を見せる作品などは、
すごい技術だなぁと感服すると同時に、
色の変化が複雑で、うっとり。


光の反射具合で色が変幻する作品は、美術館の十八番ともいえる照明技術を駆使して
その色合いの妙を見せている。


花シリーズやベネチアングラス風の透明感あるものなど、
目に心地よいものが多々ある中で、
いたって地味なのだけど、《花器(プリュヴィオーズ)》という作品の世界観が気に入った。
曇りガラスを背景とした黒い森に、横殴りの雨が斜めに叩きつける。
ガラスの器に風景、というのが珍しい上、寒々しい光景を閉じ込めた独特の雰囲気がある。

タイトルのプリュヴィオーズのローマ字表記を見たらPluviôse。
フランス語の雨「Pluie」と同じ語源の単語に違いなく、
雨のニュアンスをもつこの言葉の雰囲気が妙に作品にマッチしている。

帰宅後調べたら、 プリュヴィオーズ(Pluviôse)はフランスの旧暦で「雨月」のことだそう。
抒情性がいっそう増し、ふたたび感激してしまった。


*****


場所: パナソニック 汐留ミュージアム
展覧会名: アール・ヌーヴォーのガラス展
開館期間: 2015年7月4日(土)~9月6日(日)
午前10時より午後6時まで(入館は午後5時30分まで)
休館日: 毎週水曜日、8月10日(月)~14日(金)
入館料: 一般:1,000円 65歳以上:900円 大学生:700円 中・高校生:500円 小学生以下:無料
2015.08.09 Sun | Art| 0 track backs,
暁斎展 @三菱一号館美術館 <感想>
縦横無尽、、そんな言葉が浮かんだ。

三菱一号館美術館で開催中の、「画鬼・暁斎—KYOSAI 幕末明治のスター絵師と弟子コンドル」展。

生涯にわたり、幅広い画風・画題の作品を生み出した河鍋暁斎、及び
彼の弟子であり、三菱一号館ビルを始め 明治期の洋風建築を支えたジョサイア・コンドルの作品が展示されている。


メインの暁斎の展示方は、墨一色、太い一筆書きにも近い「布袋の蝉採り図」のような作品から
サイケデリックな色彩が画面を埋め尽くすコテコテの妖怪戯画まで、ジャンルを超えて、実に幅広い。
次から次に着想が溢れた印象を受ける。


いつか読んだ本の中で、狩野博幸先生は暁斎を評するのに「デラシネ」=Déracinéという言葉を使われていた。
故郷喪失者。
料理に例えるなら無国籍料理のような。

江戸と明治時代の狭間に生き、浮世絵と狩野派に学び、あの時代において外国人とのコミュニケーションにも
臆する様子はなく、
さまざまなカルチャーがひとり人間の中に息づいている。

Déraciné =De(分離の接尾辞)+Racine(根)、というこの言葉のもとの意味を考えると、
(私の勝手な造語だけど、)Multi-racinéと称した方が近いような気もする。
四方八方に根が張り巡らされている、そんなイメージ。


前期に続き、今回内覧会の機会を得て、後期を見てきた。
(「青い日記帳×「画鬼・暁斎展」“ブロガー・特別内覧会”」)


私の一番は、
涼やかな目が印象的な「横たわる美人に猫図」と「美人観蛙戯図」。

※写真は、内覧会の折りに許可を得て撮影しています

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目の前の動物にすっかり心奪われて、エアポケットに入ったかのようなふたりの美女。
顔の輪郭・顔の造作は迷いのない筆でさらっと細く引かれ、
どちらも右寄りの縦の線と下方の横の線を交叉させたバランスのよい構図。


「横たわる・・」の方は、解説パネルに源氏物語との関連性が指摘されていた。

太い筆で大胆に襞が描かれた着物の様子が
やけにゆるんだ感じで、くつろいでるなぁ、と思っていたら、
帰宅して調べたところ、遊女だと知る。

ほつれ髪、赤い下着、キセルで気づくべきだった。
ほんのり・かすかな艶やかさには理由があった。


「美人観蛙戯図」の方は、相撲を取ったり、人間的な仕草をする荒唐無稽な蛙の姿と、
それをクールな眼差しで見る美女の組み合わせがなんともシュール。

架空と現実的な風景がいっしょくた。
美人画を型にはめない奔放さと大らかさ。
苔むす灯篭もいい。



こちらも線が美しい作品。
「吉原遊宴図」(右)。

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お茶屋の女主人が美形の若者を口説いている図かと思いきや、
学芸員の方に伺ったところ、銭袋を出し、男があてがわれた芸者を取り換える交渉をしている図、
という見方が主流のよう。
右端にひとり立つ女性がその芸者と見られている。
そういえば、表情には妙な緊張感が走っている。

そんな状況に、左のダルマがしかめつらをしている点に注目せねばならないが、
個人的には宴の席で供されている赤い魚2匹が笑いを誘った。
不穏な空気を読み取ったかのように、2匹は皿の上でのけぞっている。
手前の一匹などは大きな目をむいて。


そんな細部が面白い暁斎。
「閻魔と地獄太夫図」(左)もしかり。


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閻魔の方がたじたじになるほど、太夫に凄みがある。
なにしろ着物の柄がおどろおどろしい。
袖には腰巻姿の閻魔(?)身ごろには燃え盛る真っ赤な炎。
こんな柄、たとえ画中でも見たことない。


「蛙を捕まえる猫図」や「小禽を捉える鷲図」など、
一見あるひとつの動物図、と見える作品でも、
小動物が加えられ、食うか食われるかの世界が要素として付加される。


こうしたプラスのアクセントは、「鯉図」にも。(左)
鯉の群れの中に、うっすらと朱の身体を見せつつエビが一匹いた。

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ガラスケースに展示された画帳兼絵日記には日常生活がイキイキと描かれ、
(表現方法としての絵が本当に好きだったのだなぁ)
でも作品として描くものは、日常生活とは一線を画し、
あらゆる想像力を駆使した世界が広がっている。


(上から2番目の写真の左側)「書画展覧余興之図」の場面さながらに、かなり筆の速い人だったと聞く。
ストロークには自信がみなぎっている。


第2回内国勧業博覧会で2等賞となり100円で売った逸話が残る有名な「枯木寒鴉図」の脇には
その表彰状が展示されており、そこには授賞理由が書かれていると聞いた。

ガラスケースをしげしげと眺めてわかったのは、「平生狂戯ノ風習ヲ徹却セリ」のくだり。
いつもは狂戯風の画風ながら、それを今回排除し、そのうえで腕前が認められた模様。

凛とした孤高なカラスだ。


「九相図」などに見られる死体の図や、オオカミと生首など、
死に体当たりで向き合っている。

死体が転がっている風景に少年時代に遭遇し、
肉体が朽ち果てていく容赦ない死を若い頃から見つめたからこその冷徹な視線があり、
妖怪などおどろおどろしいもの全てひっくるめて、どこか身近な存在だったのではないか、などとも思った。


最後にコンドルの展示では、
暁斎作?と見まごうような絵もあり、また設計図や、
下の写真にあるような建築における業績を収めた本なども。

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以前行った清泉女子大の講義
建築家ジョサイア・コンドルの設計図に見る河鍋暁斎の影響
によると、暁斎と出会ってから、コンドルの設計図の色調に変化があったという。

下記手前はコンドル著「Paintings and Studies by Kawanabé Kyôsai」。


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去年だったか、コンドルが暁斎に師事していたことをTV番組で知り
この本の和訳を少し読んだことがある。
画法のところが専門的で、途中で止まったままだけれど。
見開かれたページが丁度その対応する原文だった。
原書はなかなか立派な本だった。


暁斎の才能にほれ込んだコンドルのおかげで、かくも詳細な伝記が後世に残った。
人となりだけでなく、制作過程や技術まで。

最上の出会いであったとつくづく思う。

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p.s. ロードレース観戦仲間が暁斎展を見たいというので、後期展示、また行きます。
きっと新たな発見が続々ある予感。


http://mimt.jp/kyosai/

場所: 三菱一号館美術館
展覧会名: 画鬼・暁斎—KYOSAI 幕末明治のスター絵師と弟子コンドル
会 期: 2015年6月27日(土)~9月6日(日)*展示替えあり
前期: 8月2日(日)まで/後期:8月4日(火)から
開館時間:  10:00~18:00
(金曜と展覧会会期最終週平日は20:00まで)
※入館は閉館の30分前まで
休館日: 月曜休館(但し、7月20日と8月31日は開館)
2015.08.07 Fri | Art| 0 track backs,
庭園美術館  アール・デコ展 <見逃せないものたち>
庭園美術館アール・デコ展つづき。

見逃しそうで見逃せないものたち:


こちらの椅子は、背の部分にペインティングがほどこされ、
マリー・ローランサン作なのだとか。

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花のような、実のような。

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写実のような抽象画のような。

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ラジエーターカバーですら、見逃せない。

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意匠がそれぞれ違う。
海のモチーフも。

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こちらはラジエーターカバーだけでなく、大理石や、開き戸に注目。

大理石は、場所ごとに異なる石を使用。
イタリア産の貴重な金色混じりのものなどは大階段に使用されている。

また開き戸などという実用的なものがあるのはこの部屋だけではなかったか。
妃殿下の居室。
使い勝手のいいように、みずからいろいろと工夫を出され、ときにデザインまでなさったという。

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2015.08.06 Thu | Art| 0 track backs,
「離陸」 / 絲山秋子
「春の戴冠」をやって読み終え、この本を手に取った。




あっという間に読み終えた。
前半の丹念につづられたダムの現場の話から
おとぎ話混じりの話に展開したときは少々面食らった。

堅くて生真面目な土木現場の話だけで十分読み応えがあった気がする。
あるは、徹底的に不思議な女性・乃緒のミステリアスさをもう少し掘り下げてほしかった気もする。
連載小説とういことで、その中間を取ったのだろうか。

ただ、観察力・たとえ話はあいかわらず秀逸。

コピー用紙で指を切ったときの、ささいな、それでいて差すような痛み、
といった言葉など、何気ないオフィス風景・日常風景を拾う比喩が
妙な説得力をもち、瑞々しい五感力にハッとさせられる。


2015.08.05 Wed | Books| 0 track backs,
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