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日常風景 * 写真・文章 Copyright@”Mas Ciclismo Diary”
実物はやっぱり迫力: 『ホロフェルネスの首を斬るユーディット』
*ウフィッツィ美術館は、2015年6月時点で写真撮影が解禁になっていました。


ああ、この絵はここにあったのか。
アルテミジア・ジェンティレスキの、 『ホロフェルネスの首を斬るユーディット』。


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カラヴァッジョも同じ主題(旧約聖書外典『ユディト記』を題材としている)で描いているので、
よく比較対象として絵画関係の文献に登場する。

けれど実物ならでは、やっぱり百聞は一見に如かず。
図録ではこの迫力は伝わらない。
よく見ると、返り血があちこちに!


ホロフェルネスの首から流れ出す血は、
ナイフを持つユーディットの手に、小さな赤い斑点をつけ、


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さらに、黄色い衣装や胸元にまで及ぶ。

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作者アルテミジア・ジェンティレスキは、男性から数々のひどい仕打ちを受けた過去をもつそうで、
そうした憤りを、旧約聖書の物語を通してキャンバスにぶつけたのかもしれない。

実はこの絵を最初に見たとき、カラヴァッジョの方だと誤解して、
ああ、彼は殺人を犯したことがあるからここまでリアルなんだな、と納得してしまった。

名前を見て誤解に気づく。
カラヴァッジョのユーディットの方は、もっとしかめつらの表情だったのを思い出した。


血の吹き出し方には不自然な感もあるのだけれど、
白いシーツかからしたたる血はどす黒く、
心の叫びが聞こえるような一枚なのだった。


Artemisia Gentileschi / 「Judith Beheading Holofernes」
2015.06.25 Thu | Art| 0 track backs,
ラファエロ、ミケランジェロ、ボッティチェリ お墓比較
◆ 格差くっきり。晩年道を誤ったボッティチェリのお墓は、ミケランジェロ、ラファエロに比べ、やはり寂しい。
◆ マキャヴェッリ、プッチーニ、ガリレオのお墓も壮麗
◆ ダンテは霊廟が別にあるのに、さらに見事な墓碑まで



フィレンツェ、サンタクローチェ教会には、各界の偉人達のお墓がぎっしり。


◆ ミケランジェロ

先日紹介したミケランジェロのお墓は、画家や彫刻家たちがその偉業をたたえるべく
渾身の力と技で築き上げた芸術作品だった。

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上部には、ピエタ(キリストの死を悼むマリアの姿)とおぼしき絵画が鮮やかな色調で描かれていた。

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本人の胸像の下に置かれた3つの女神像(絵画、彫刻、建築の寓意となっている)にズームしてみる。

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◆ ラファエロ

では、ラファエロのお墓はどのようなものなのか。
去年訪れたローマのパンテオンの写真を再掲する
(ローマ編)

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美男の誉れ高い本人の彫像。
このほか碑を彫ったのが画家のアンニーバレ・カラッチだったり、
これまた芸術家たちの競演が見られる。

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◆ボッティチェリ

ではボッティチェリはというと、パンテオンにも、フィレンツェのパンテオンと呼ばれる
サンタクローチェ教会にも納められていない。

ひっそりと、街の中心地からはやや外れたオンニサンティ教会の
礼拝堂の中にある。
本名で書かれているせいもあり、ボッティチェリの墓とはすぐにはわからない。


これだ。
え?これ?
そう、胸像もない。これだけ。

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修道士サヴォナローラの教義にのめり込み、
人生の後半、身持ちを崩したボッティチェリ。

ヴィーナスを描いた頃の爛熟期の画風は見る影もなく、おどろおどろしい表現方法にとってかわった。

それとともに、彼の存在は急速に抹殺され、忘れられていった。
名誉回復するのはずっと後のことだ。

この寂しい墓碑のゆえんだ。
辛うじて救いは、この墓碑がある礼拝堂は、平凡だけど華麗に装飾されていること。

ただし、間借りしている格好で、ボッティチェリ占有の礼拝堂ではない。

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そしてなにより、ボッティチェリ、と書かれた箱、および手すりの上には
世界各国からのボッティチェリ宛てのメッセージが置かれていること。

日本人の手によるメッセージもあった。


とはいえなお、最盛期の状況は勘案されず、
”晩年の”作品の位置づけ・世の中の評価次第で、祀られ方、葬られ方がこうも違うのか、と
しばし愕然とする。


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その他サンタクローチェの魅惑のお墓たち。


◆ ガリレオ


ああ、実在の人物だったのだ、と変な感慨を覚えた。
こちらも見目麗しい。

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地球は回っている、という言葉を表すかのように、本人の胸像の手元には、望遠鏡と地球儀らしき球体が。

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◆ プッチーニ

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◆ マキャヴェッリ

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◆ ダンテ(但し霊廟はラヴェンナで、こちらは墓碑のみ)


気難しそうな肖像のついた棺のような彫刻。
実はこれはお墓ではない。


北部で客死したため遺骨を納めた霊廟はラヴェンナにあり、フィレンツェの返還要求に応じていない。
それでも、墓碑だけでこんなに凝ったものをつくってしまったフィレンツェ。

崇拝ぶりがうかがわれる。


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ちなみにラヴェンナで見たダンテの霊廟はこちら ↓:
(ラヴェンナ編)





ボッティチェリの葬られ方との対比。
その差は、そこはかとなく大きい。
2015.06.25 Thu | Travel-Italy| 0 track backs,
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