日常風景 * 写真・文章 Copyright@”Mas Ciclismo Diary”
六義園の紅葉
六義園の紅葉が丁度見頃を迎えた。

幾度となくこの庭園の紅葉は見ているハズなのに、
行くたびに、「ここの紅葉はやっぱりいいなぁ」という感想が口をついて出る。

ありふれた言い方だけど、都内ではやはり有数の紅葉スポット。


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手前の枯れ木は、春、人々を酔わせたあの枝垂れ桜。
今や主役は完全に入れ替わり、後方のもみじが幅を利かせている。

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紅葉のじゅうたんも見事でした。

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前日の雨により、足元はややドロドロだったけど、
曇天の合間に時折太陽が顔を出し、色とりどりの木々が生き生きと輝いた。

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このススキ+紅葉の構図は人気で、写真撮影のための列ができた。
人影を入れずに撮影したいから、一組ずつこのスポットに立とう、と自然にできた列なのだった。
こういう秩序は素晴らしい。

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形のよさは、手入れの良さか。

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ゆったりとした枝ぶり。
おおらかな佇まい。

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正門そば。
茶屋にいく途中も風情がある。

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この日はかなり混雑しており、目指したビストロは予約いっぱいで入店できず。
来年リベンジしよう。

この庭園、もとは徳川綱吉が贔屓にした柳沢吉保が拝領したもので、
明治時代には岩崎弥太郎の所有となった。

都内の庭園、あちこちみな岩崎がらみ。
どれだけの資産があったのか。

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庭園内にはあちこちに茶屋がある。
春の花見のための茶屋などもあり、視覚と味覚を楽しませたようだ。

こちら(右端)は池が一望のもとに望める茶屋。


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***

六義園
所在地 東京都文京区本駒込六丁目
交通 JR山手線・東京メトロ南北線「駒込」(N14)下車 徒歩7分
都営地下鉄三田線「千石」(I14)下車 徒歩10分
2014.11.30 Sun | 国内探索| 0 track backs,
スポルディング・コレクション / ボストン美術館所蔵 展示禁止の浮世絵6500枚がデジタル化
ボストン美術館には、これまで一度も展示されずに100年近く保管されている
6500枚もの高品質の浮世絵コレクションがある・・・

そんなことを知ったのはつい最近。

美しいまま後世に残すべく、展示しないこと、を前提の寄贈だったため、
美術館はそれを忠実に守ってきたのだと言う。

まさに「秘蔵」の言葉がぴったりのコレクション。

寄贈主は、ボストンNo.2の大富豪、スポルディング兄弟。

それがこのたびNHKプロモーションプロデューサー牧野健太郎氏とボストン美術館共同のプロジェクトにより
デジタルアーカイブ化され、
超細密デジタル画像としてそれら浮世絵をプロジェクター経由で見る機会を得た。
(下記はイベントチラシ)

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画像は拡大自由自在なので、
単眼鏡でつぶさに見るより、はるかに鮮やかに細部まで堪能できる。


保存状態がいいおかげで、有名な浮世絵版画の片隅に、
これまで一度も気づかなかったものたちをあれこれ見つけることができた。

例えば歌川広重の有名な「名所江戸百景 浅草田甫酉の町詣」。
==> 画像
遠景中程に群衆がいたとは知らなかった。

更に描かれた部屋の位置・状況から、この部屋に実際に住んでいた遊女(太夫)が特定できる仕組みなのだとか。

そのほか、美人画シリーズでは、女性の髷の細部の見事さに改めて惚れ惚れ。



トークショーで、絵に隠された秘密をいろいろ解説してくださったのは、上述の牧野健太郎さんご本人。

なにより、描かれた情景の細部から極めて繊細なストーリーが浮かび出てくるさまが
素晴らしかった。

桶の中の魚の種類まで特定できるとは・・(高画質のおかげ、でもある)。

情景からは場所や時間が判明し、
人々の様子からは、事細かな物語がつまびらかになっていく。

ディテールを見ることで浮世絵は、より生き生きとする、
そんなことに、つくづく気づいたひとときだった。



牧野健太郎さんの浮世絵コラム:
https://art.flagshop.jp/column/nologin/410

HAPPY PLUS ARTサイト:
https://art.flagshop.jp/
2014.11.29 Sat | Art| 0 track backs,
新橋で腰かけて休めるところ : 入場無料のアドミュージアム
先月の週末、新橋で時間潰しをする必要に迫られた。
それも1時間。

その日は昼過ぎまで歩きまわって疲労感満載で、
日比谷図書文化館まで足を延ばして読書、というシナリオは消去。

そこで汐留カレッタまで移動して(JR烏森口から5分もかからない)
その中にあるアドミュージアムへ。


日本の広告の歴史がつまびらかになっており、
浮世絵に描かれている屋号の看板などからの発展形として
広告が誕生した点など興味深い。

屋号の看板の展示もあるのだけど、意外に大きいサイズで驚く。


資生堂、三越などは、以前から随分あか抜けたデザインを採用しており、
広告重視の姿勢がうかがわれる。


なつかしい広告あり。
昔のテレビCMがフルで見られるコーナーなども。
「亭主元気で留守がいい」というフレーズは
タンスにゴンのCMで、木野花さんが出演されていた、
なんていうことを今更ながら自覚した次第。


・・・などなど、面白いものがいろいろあって、
疲れていたハズなのに、休もうという当初目的を忘れ、
展示に夢中になってしまった。

出口付近にアンケート記入用の椅子や映像鑑賞用などの椅子があり、
休憩用というわけではないのだけど
混雑することもないので、座って最後にちょっと一休み。

入場無料でお手軽で。
しかも楽しめたりする。

入館は平日18時、祝日16時という時間制限があり、
月曜休館ではあるけれど、
ちょっとの時間つぶしにはありがたい存在なのだった。


アドミュージアム:
http://www.admt.jp/
2014.11.29 Sat | Art| 0 track backs,
ボッティチェリとフィリッポ・リッピとフィリピーノ・リッピの関係 
◆ 親方と弟子の絵は見分けにくい


友人からもらったイタリアルネッサンス絵画のカレンダー。
10月分を開いた途端、ボッティチェリの聖母子だ!、と思いきや

写真 (66)


作者はフィリッポ・リッピだった。

似ている、と思っていたところ、辻邦生氏の「春の戴冠」の中で、
ボッティチェリがフィリッポ・リッピのところに弟子入りするくだりが出てきた。

そうか、2人は師弟関係だったのだ、と思い出しす。

同書にはまた、リッピの息子フィリピーノが見習いとしてボッティチェリを手伝っているシーンが登場し、
フィリピーノは、ボッティチェリの弟子といったかたちで表現されていた。

「利口そうな弟子が来たんだね」
私はサンドロ(注:ボッティチェリのこと)にそっとそう言った。
「ああ、この子かい?この子はね、実はフィリッポ親方の息子なんだ。例の、僧院を抜け出したルクレツィア・プッチの子なんだよ」

(新潮社 「春の戴冠」 上)


これは実話のようで、父リッピ>ボッティチェリ>息子リッピという師弟関係があった。

ゆえに3人の絵は類似性を帯び、
ときに作者の区別がややこしくなる。

当時のように工房での制作では、一部だけ弟子に描かせることも多々あり、
そうなるとなおさら、境界線をつけるのが厄介になってくるようだ。


ただし、聖母子の優美さにおいてはリッピ父が絶賛されており、
先日のトークの中で作家のフランチェスコ・カタルッチョ氏は、
上の聖母子における父リッピの薄い半透明なベールの描き方は絶妙、
片や、同様の構図のボッティチェリのベールは雑巾みたい、とおっしゃっていた。


僧侶なのに女性を身ごもらせるなど奔放な人であったリッポ父の様子は、
やはり「春の戴冠」にも漏れなく描かれている。
2014.11.27 Thu | Art| 0 track backs,
「ジヴェルニーの食卓」、「春の戴冠」 ・・ 史実の合間をクリエートする小説
上記の2冊、「ジヴェルニーの食卓」(原田マハさん)、「春の戴冠」(辻邦生)は、
ともに史実の隙間をフィクションで埋めつつ創られた小説。

前者はクロード・モネを描いたもの。
後者は、ボッティチェリの生涯。
(まだ上巻が読み終わらない・泣)


先日、その原田さんの相変わらずチャーミングなトークを聞いたのだが、
やはり厳然と存在した史実にフィクションを加えることに躊躇いはあったようだ。

そうしたフィクションにに相対する時の心構えなどを披露されていた。
トークだからこその営業秘密披露もあったであろうから、
詳しくはここでは書かないけれど、いずれにせよ、対象人物への惜しみない愛は
作品を読むにつけ感じられる。


一方、後者の辻氏の作品も、
読み進むほどに驚くのだが、かなり細部にわたって詳細な史実が盛り込まれている。
事実を脚色するというより、知られていない部分に手を付けるというスタイルで、
迫真の歴史小説が生み出されている。

余りに繊細な筆づかいのため、
思わず、ノンフィクションなのでは?、と戸惑ってしまうほど。

辻氏のこの本が出版されたのはいまから37年も前の事。
まだ地球の歩き方などない。ネットの存在は言わずもがな。

ここまで綿密によくも調べられたものだ。
今日読んだくだりも、歴史的事実として認識している内容を中心に展開する。
ボッティチェリと画家のリッピ父子との関係は事実と言われている内容そのものだ。

でも隙間には、あらゆる想像が盛り込まれているはずなのだ。
(原田マハさんは、それを、”想像の翼を羽ばたかせる”というキレイな言葉で語られていた。)
でもそうした作為的穴埋めを気づかせない技がそこにある。


これだけの史実を調べるのには随分時間もかかったことだろう。
気が遠くなるような地道な努力があったに違いなく、そんなことをせずに
ネットで検索して、あらゆる情報が簡単に手に入る今の状況が申し訳ない気がする。



ジヴェルニーの食卓ジヴェルニーの食卓
(2013/03/26)
原田 マハ

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春の戴冠春の戴冠
(1996/02)
辻 邦生

商品詳細を見る

2014.11.25 Tue | Books| 0 track backs,
東京都庭園美術館 / リニューアルオープンのここに注目 その2 (大食堂の壁の秘密編)
もともと朝香宮邸として建築された東京都庭園美術館。

装飾も含めた主要部の設計を手掛けたのはフランス人のアンリ・ラパン。
画家・イラストレーター・装飾デザイナーの顔をもつ当時の売れっ子だ。


驚いたことに、このラパン、当館建設中も来日は一切せず、
代わりに手紙・設計図と部材を送ってよこしたという。

それに基づき建築・調度品の制作を行わねばならぬ、宮内省匠寮の苦労やいかに。

言語はもちろんフランス語。
朝香宮妃殿下が、自ら手紙や図面の翻訳を行い、
デザインについて提言することもあったという。


こうしたフランス-日本のやりとりの中でも驚くのは、
大食堂に使われているシルバーの壁。

壁ごと運ばれてきたと聞く。

ところがコンクリート製であったため、来日時にはバラバラに。
一旦それらを継いで、型を取り、日本側で漆喰と石膏で再作製。
その上に銀を被せたものがこれ。


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今では大食堂の調和のとれた半円形の窓とともに、
華やかさを演出している。


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(つづく)

* 以上、リニューアルオープンに際した内覧会で拝見した内装の写真と、
10月に開催されたミュージアムセミナー東京都庭園美術館「旧朝香宮邸の新たな魅力」でうかがったお話を中心に。

* なお、写真撮影は、今回は内覧会の機会に撮影させて頂きましたが、今後平日は新館の内藤礼さんの展示以外は
フラッシュ・三脚なしで撮影OKとなります。



2014.11.25 Tue | Art| 0 track backs,
青の洞窟(中目黒)/ 良く見えるスポットは・・
大混雑の中目黒のイルミネーション青の洞窟。

橋の上からの眺めがいいのは間違いないが、中目黒駅寄りは大混雑。
しかも点灯前から人が群がっている。


まあ、私のお気に入りは、福砂屋のあたりまで行って(そのあたりは点灯は終わっている)
そこから中目黒方面に歩いて、少しずつ青い灯が見えてくる、
そんな光景が好き。


横浜方面から渋谷へ向かう東横線からも眺められる。
中目黒から六本木方面に向かう日比谷線からも見えるけど、
東横線とかぶるとアウトなので。

中目黒渋谷寄りホームの端からも絶景なわけだけど、スペースが狭いので、
人が連なると危ないかも。
人がいなければ、こんな感じで。
携帯なので写りは今一だけど。

IMG_5658 (2)


==> 青の洞窟(中目黒)/ 混雑ぶり・感想・お勧め度は・・
2014.11.24 Mon | 国内探索| 0 track backs,
青の洞窟(中目黒)/ 混雑ぶり・感想・お勧め度、そして12/7に続き土日祝日は中止

12/12 追記:
※土日点灯中止決定

連日の混雑状況を受け、ご来場者さまの安全配慮の観点から、
土日祝日の点灯を中止させていただきます。

なお、12月25日までの平日は点灯を予定しておりますが、
点灯後お客様の安全確保が難しいと判断した場合、急遽消灯する可能性もあります。
今後、混雑や荒天その他事情により日程変更となる際には
当WEBサイトにてご案内させていただきます。

公式サイト:http://nakameguro-aonodokutsu.jp/より

12/7 追記: 
平日でも17時前から橋の上で人々が並んでいるといわれる中目黒・青の洞窟。
平日は歩けないほどではないとはいえ、週末は危惧されていた。
そしてついに12/7は点灯中止(下記は公式サイトより
安全確保ができないため。

先に書いた通り、桜の時期と違って500mのみ(往復1㎞)、
夜17時から21時までと時間限定、という要素で春より厳しい状況で、
混雑は必至と見られた。
今後の週末は、公式サイトの確認が必須だ。
平日であの状況。週末は今後も中止もありうべしとの由。

****

※12月7日(日)の点灯中止のお知らせ

本日12月7日(日)は混雑のため、お客様の安全確保が
困難と判断し、点灯中止とさせていただきます。
今後とも変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。

****


桜並木の人気に気を良くしたか、中目黒で今年からイルミネーション”青の洞窟”が始まった。

ただし、川沿いにずらりと花が咲いてる春と違ってライティングがあるのは500mだけ。
山の手通りでいうと、ワイン食堂 中目黒101の角を右折したところが限界域。

つまり駅そばと、この限界ポイントは、特に人口密度が高い。

いずれにせよ、春のように一日中でなく17時から21時までと時間限定で、
さらに距離も500mで折り返し、というわけで混雑は折り紙付き。

また、並木の両側を見た感じ、初日は少なくとも、駅から向かって右手の方がやや空いていた。
また時間帯は17時台より20時台(21時までなので)の方が空いていた。

だがこれから日が経つと、いずれの時間帯、場所も込む予感。


穴場は、前日11月22日の点灯式だった模様(過去形)。
そばにエグザイルのショップがある関係もあり、エグザイルがゲストできていたそう。
さらに混雑もなかったと聞く。

来年もし同じ企画があたら、前日狙いがよさそう。


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全体的な感想としては、六本木ミッドタウンやけやき坂やの方がムードはよいかな。
中目黒は川の両側の歩道がおしゃれに整備されてはいないし。
(暗闇で見えないけれど)。

また、木の並木の真ん中が川なので、そこを歩けるわけではないし。

ただ話題性はあるので、一度ぐらいは見ておいてもいいかな、といった感じ。
むろん、平日の方がお勧め。


● 付近のレストラン

コスパ・味最強のイタリアン、アゴスティーニが閉店したのが残念。

ちょっと離れたところに、割とコスパのいいビストロツチヤという老舗がある。

近所の人たちでにぎわうおそば屋さんは駅そばの喜道庵。
狭いけど、ここのお蕎麦は美味しい。

一押しはピりりと辛い鶏大根そば。
冬は鴨鍋うどんもお気に入り。
サービス天丼のお得感も捨てがたい。


なお、本イルミネーションはパスタソースの青の洞窟が協賛らしいです。

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==> 青の洞窟(中目黒)/ 良く見えるスポットは・・

2014.11.24 Mon | 国内探索| 0 track backs,
東京地下鉄のマーキュリー像は、ギリシャ神! / 設置場所と、ヘルメス>メルクリウス>マーキュリー神の話
土曜日、都美術館で「ボッティチェリの神話画をめぐって」 という講演があった。

登壇者は、京谷啓徳先生(九州大学大学院人文科学研究院 准教授)。

終盤、日本に輸入されたギリシャ神話の題材に話が及ぶ。

なかなかのオリジナルストーリーで、先生の持ちネタと思われるので、
詳細は割愛するとして、東京メトロ構内にギリシャ神話 オリンポス12神のうち、
ヘルメスがあちこちで見られる話をされていた。


この講演会の帰り、銀座でメトロの乗換をする際、偶然それが目に飛び込んできた。
これだ。

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銀座だけでなく、とにかく結構あちこちで見た覚えがあるこの顔。

彫像のタイトルは「マーキュリー」だが、これはローマ神話の神メルクリウスの英語読み。

このメルクリウスという神は、ギリシャ神話ではオリンポス12神のひとつヘルメス(ΕΡΜΗΣ, Ἑρμῆς, Hermēs)に対応する。


むろん、フランスのブランド、「エルメス Hermes」は、ここから来ている。

ヘルメスは、盗人の神ともいわれ、なぜこれがブランド名に採用されたのか以前不思議だった。
がしかし、同時に商売繁盛の神ともいわれ、多面性を有する神だと知る。


マーキュリー像に添えられた説明はこちら:

IMG_5606.jpg


このマーキュリー像、当初金色に塗られていたため盗難が相次ぎ、
ブロンズ色に塗り替えられた、そんな逸話があるそうだ。
WIKI参照


なお、やはりWIKIによると、駅構内における設置場所は以下の通り:
(東京地下鉄本社や地下鉄博物館を覗く)

● 銀座駅 丸ノ内線、銀座線、日比谷線各改札口
● 大手町駅 東西線コンコース付近 
● 上野駅 銀座線改札内
● 浅草駅 銀座線改札内
● 日本橋駅 銀座線・東西線改札内
● 池袋駅 丸ノ内線改札口、ISP(池袋ショッピングセンター)地上出口等
2014.11.23 Sun | Art| 0 track backs,
2001年1月までのロードレースニュースを復刻
http://blog.livedoor.jp/maillotblanc/
にて。

復刻インプットするたびに漂う当時と今の空気感のギャップ。

2001年1月30日には、チームテレコムのWebサイトで各選手の写真・履歴が見られることに感激し、
選手らがシックで統一感あるコーディネートで登場する洗練されたプレゼンテーションの仕方に目を見張り。

今なら当たり前のことなのに。


また、この年、ウルリッヒが数年したら引退してもいいようなことを口にしている。
まさかさらに5年走り続け、しかもあんな形で引退になるとは
誰も想像だにしなかった。
2014.11.23 Sun | Cyclde Road Race| 0 track backs,
東京都庭園美術館 / リニューアルオープンのここに注目 その1 (階段の絨毯と大理石編)
2014年11月22日リニューアルオープンの東京都庭園美術館。
長年親しんできただけに、3年間の休館は長かった。
けれど待った甲斐はあった、と言える。

今までややもすると埋もれかけていた邸宅自体の魅力・見どころがザクザク掘り返され、
あでやかな姿で、且つ、しっかりアピールするかたちでお披露目。

正直、部屋をまわるごとに溜息の連続だった。


修復中には、美術館側のスタッフの方にとっても驚きといえるような発見が様々あったそう。

例えば、大広間から続く階段部分。


以前のエントリー「東京都庭園美術館 リニューアルオープン: トリビアな見どころ」に記したとおり、
資料として残っていた写真が白黒だったため、階段絨毯のオリジナルの色が不明で、
開館当初は想像により、消化器色=真っ赤であつらえたそうだ。

ところが修復に際し文書を詳細に調べたところ、色の記述が見つかった。
そして、”真紅”とは異なる色であったことが判明。
このほど当時の色で再現された。

(以下に写真を掲載するものの微妙な色なので、何色と呼ぶべきかは、実物を見てのお楽しみ。)

ということで、今回取り替えられ、元の色に戻ったカーペットは必見。


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次に注目すべきは、階段の大理石3種類。


● ポルトロ大理石 : 黒地に金色のマーブル柄の入った大理石。
その中でも最高級の石=金の部分が多いもの、が使われている。


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このポルトロ大理石が、階段全体のどこに位置するかというと、以下の写真の通り。
外側の手すり上面部分を中心に使用されている。

さらに、
● ビアンコ・カッラーラ(カラーラ) : ビアンコ=白という言葉の通り、絨毯の隅から覗く地面側の
白い大理石(下の写真)がそれ。

● スタラティーナ : これは一見大理石とは思えない。やはり下の画像中、木製に見える手すり側面部分の
石がそれ。木目調が出る大理石だそう。


ポルトロ(黒x金)、ビアンコ・カッラーラ(白)、スタラティーナ(木目調)という
イタリア産の3種類の大理石が使用された豪華な階段なのだった。


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透かし彫りのようになっている階段側面は、裏側から見るとこんな感じ。

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もう一か所の階段は地味ながら、壁面は、和風の丸窓のような柄になっていた。

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階段だけでもこれほど贅が尽くされた旧朝香邸。
まだまだ見どころは序の口だ。

(つづく)

* 以上、リニューアルオープンに際した内覧会で拝見した内装の写真と、
10月に開催されたミュージアムセミナー東京都庭園美術館「旧朝香宮邸の新たな魅力」でうかがったお話を中心に。

* なお、写真撮影は、今回は内覧会の機会に撮影させて頂きましたが、今後平日は新館の内藤礼さんの展示以外は
フラッシュ・三脚なしで撮影OKとなります。

***

東京都庭園美術館
http://www.teien-art-museum.ne.jp/
2014.11.22 Sat | Art| 0 track backs,
六本木ミッドタウン編 今年のイルミネーション 2014年
ミッドタウンのイルミネーションが今年も始まった。

12月25日までだけど、毎年の例でいうと、クリスマスに近づくにつれ大混雑。

12月13日からは一部通行規制が開始になり、
さらに20日からは完全に動線が規制されるので、あちこちからアクセスできなくなる。
延々列に並ぶハメになる。


24,25日はイモ洗い状態。
並ぶ時間も半端ないので、11月に行くのがお勧め。

実際、11月19日、21時頃訪れたときは、人もまばら。
イルミネーションを一周してみたけれど、すれ違う人も、ポツリ、ポツリといったところ。

今年の内容は、2011年版に近い感じ。
比較的おとなしい。


今年は、汐留カレッタも、比較的おとなし目で、初期の頃の雰囲気に近かった。
==> 今年の汐留カレッタ イルミネーション


バックグラウンドミュージックに乗って、

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エミレーツ航空のスポンサー付きだった時の方が、やはりお金をかけていた感じ。

IMG_5450.jpg

このあたりの雰囲気は2011年版に似てる。

IMG_5469.jpg


歩道橋の上から。
20日からの規制が始まったらこれはNGになるかもしれない。

写真


周辺の木々:

IMG_5381.jpg


全体的に、あっと驚く演出はなかったけれど、
やはりクリスマスの風物詩ということで、一度は足を運びたい、そう思う私なのだった。


***

過去の年末イルミネーション:

● 2012年のイルミネーション その1 六本木ミッドタウン編
● 2012年のイルミネーション その2 汐留カレッタ編
● 2011年のイルミネーション / 六本木ミッドタウン
● 六本木ミッドタウン / 電光ツリー比較
2014.11.21 Fri | 国内探索| 0 track backs,
自転車ロード選手たちの言葉
1999年からのロードレースニュースをLivedoorブログの方に引っ越しする作業中、
選手たちの前年の語録集(印象に残った言葉を集めたページ)を見つけ、
なつかしかった。

当時は入ってくるニュースが少なかったので、インパクトの度合が今とはやや異なり、
ひとつひとつが選手の人となりを伝える貴重な言葉だった:


語録はざっとこんな感じ。
(2001年年初に、前年2000年の印象的だった選手のコメントを拾ったもの)。


● 「僕とヤン(ウルリッヒ)は、レースでの過去の成績の点では開きがあるにせよ、TTが強く、山岳もイケる、いうところが似ている。でも、彼は円熟したライダーで、僕はまだ発展途上なんだ。そして、僕らの一番の違いは、僕は冬に、オーバーウェイトの問題を抱えていないってことさ。(笑)」
===> 誰の言葉か?回答はここ


● 「両親や友人にこう言ったんだ。 "ツールで僕が走っているところを見たかったら、ピレネーステージに来てくれ"って。だって、自分自身、パリのゴールまで辿り着けると思わなかったからね。」
===> 誰の言葉か?回答はここ


● 「僕は情にもろい性質なんだ。ツールのステージ優勝で涙が出たというのは、ツールが偉大なレースだからということもあるんだけど、それよりも、あの時の勝ち方に理由があった。あの時、アタックが成功してあとゴールまで数キロ、完全に自分はセーフだというのが判った。そうなると、ゴールに辿りつくまでいろいろと考える時間ができて、自然と感傷的になったのさ。」
===> 誰の言葉か?回答はここ


● 「人間は、電気のケーブルで生かされているようなもの。いつでも、ケーブルを切断することができ、その時人間は死ぬ。神は僕に2度に渡り、ケーブル切断を試みた。でも、2回ともヘマしたのさ。僕は、絶縁体の方だけを持って行かれただけで 済んだんだ。」
===> 誰の言葉か?回答はここ


● 「僕が生涯を通じて 取り損なったトロフィーがあるとしたら、それはオリンピックのメダルだね。」
===> 誰の言葉か?回答はここ


● 「僕は本物のスプリンターじゃない。だって、スプリンターってのは、みんな僕より がっしりしているよ。でも、僕は、時にいい具合にスプリントができるんだ。他の連中よりも痩せていて、風の抵抗を受けながらアタックする時に有利だからね。」
===> 誰の言葉か?回答はここ


● 「表彰台で、僕はみんなの笑い者になったのさ。」
===> 誰の言葉か?回答はここ


● 「彼が(TTで)僕を追い越していった時、 "やあ" って声をかけたんだ。でも、彼は、聞いてなかったみだいだね。」

===> 誰の言葉か?回答はここ


● 「オリンピックの金メダルは全てのスポーツ選手の夢さ。ツールとは比べ物にならないくらい。」
===> 誰の言葉か?回答はここ
2014.11.20 Thu | Cyclde Road Race| 0 track backs,
中村屋サロン美術館 / 開館記念特別展感想
◆ 中村屋サロン美術館感想と、ギャラリートークで知ったトリビア


新宿中村屋にオープンした中村屋サロン美術館を訪問した。
場所は新宿中村屋ビル3階。
事前にギャラリートーク(1時間弱)に申し込んでおいたのだが、
これで入場料300円というのは申し訳ないぐらい。


中村屋が、アーティストたちの集い場だったことを初めて知ったのは、
国立近代美術館の企画展にてだった。
所蔵作品・中村彝の「エロシェンコ氏の肖像」など、
サロンに集った芸術家たちの作品が集められていた。


その際知ったのは、中村屋創業者の妻黒光が芸術愛好家であったこと。
(さらにサロンでは、なかなかの愛憎劇もあった由。)


● 感想



その後、中村屋サロン美術館が完成するという話を聞き、楽しみにしていた次第。

先に感想を述べると、多々ある国内の美術館の中でも、
サロンという特殊な舞台で開花した作品群なので、
館内の雰囲気だけでなく、各作品に親密感がある。

もう少し突っ込んで言うと、
狭い独特の世界で生み出される人間ドラマ・様々にもつれる感情が
キャンバスや粘土という素材にぶつけられたと見られる作品もあり、
個人のアトリエとは違う、感情の渦の真っ只中に身を置いて制作活動をしていたのだという実感が湧く。


セザンヌやブローデルの影響を如実に感じさせる絵も多々あり、
追及進、模索そして野心の力に満ちている。



● 苦悩が放つ美しさ: 荻原守衛


中でも、サロンの当初の中心人物 荻原守衛(碌山)の黒光への思いは狂おしいほどで、
悶える美といった風情の有名な遺作「女」は実際に山本みどりというモデルさんを使ったらしいのに、
顔が黒光そっくりらしい。


オリジナルの「女」は、粘土を元に石膏原型が造られ、館内の写真には、その石膏像が写ってる。
石膏原型は東京国立博物館(トーハク)にあり、重要文化財。

碌山が亡くなった後には、1910年 山本安曇によりブロンズで鋳造されており、
国立近代美術館で目にするのはこちらの方だ。



● 東京で企画展開催直前、関東大震災で作品が全滅した悲劇の画家 柳敬助の見事な作品たち
 

本美術館の第二展示室の場所は、中村彝のアトリエがあった場所だそう。

もともと柳敬助の帰国に合わせて改装していたのだが、
柳が結婚して雑司が谷に居を構えたたため彝のアトリエとして使用された由。

この柳という人の作品が私は非常に気に入った。
描く人物に存在感があり、二次元の世界に閉じ込められていながら、
人間は生き物なのだ、と感じさせる生命力がある。


名前を知らなかったのだが、その理由がわかった。
都内で柳展企画中に関東大震災が勃発。
多くの絵が東京に来ていたため、消失してしまった。
なんとも残念でならない。

展示の絵は、禄山美術館から拝借したそうだ。


なかなかレアだったのは、中村屋社内報の展示。
題字は毎回 違う人に依頼したそうで拘りがうかがわれる。

もちろん中村不折の筆による 中村屋の看板題字も。
当初は右から左へ書かれたもので、現在は左から右に整えられている。



● 画家のデスマスクの展示が将来あるかも・・


トークの中でうかがった話:
中村彝が亡くなった際、門下生の保田龍門によりデスマスクが取られ、
現在中村屋に所蔵されているという。

将来的に展示の可能性もあるという。


● トイレは・・


最後に、トイレ個室の個室には、今よくある「流水音」ボタンはないのだけど、
入ると自動的に、クラシック音楽が流れてくる。
素敵なこだわり。

中村屋サロン美術館
https://www.nakamuraya.co.jp/museum/

.
2014.11.19 Wed | Art| 0 track backs,
最近聞いた、いい言葉、意表をつく言葉:
その1

同期入社の友人が最近同窓会に出て、
昔の友人は久々に会っても全く違和感無く溶け込める、そう感じたそう。
そして、いつかどこかで読んだ記事を漠然と思い出したと。

ーーー「元カレ」「元カノ」「元同僚」とかいう言葉はあるけれど、
「元友人」という言葉はない。
お互いの関係はそのままだから、間隔が空いても、すっとその頃に戻れる

そんな内容だった由。
同感、同感!


その2

ーー 「ノドグロが食べたい」

(錦織圭選手、帰国してやりたいことを聞かれて)

.

2014.11.18 Tue | Society| 0 track backs,
夢二からちひろへ / ちひろ美術館 
◆ ちひろ美術館 / 夢二からちひろへ ―子どもの本の先駆者たち―


ゆらりゆらりと行き交う大小様々な魚たち。
釘づけになってそれを物珍しそうに眺める子どもたち。

水族館の前に集う子どもの様子は、今となんら変わらない。
着物や袴と洋装が混在する、という点を除いては。


現在、ちひろ美術館で「夢二からちひろへ ―子どもの本の先駆者たち―」が開催されている。


竹久夢二が子供の本の挿絵を?

美人画のイメージが強かったせいで、少々意外な気がしたが、
夢見るような、あるいはほのぼのした瞬間を切り取る技は子供の世界においても健在だった。


上述の水族館の他にも、花の中に立つ少年少女たちなど、
柔らかくて優しい雰囲気が漂うと同時に、
母による絵本の読み語りの絵に見られる繊細な描線はモダニズムを漂わせ、
対象が子供であれ手を抜くことなく、心を込めて描かれている。


*以下写真は、内覧会の折りに許可され、撮影しています。


その他、挿絵が使われた本の陳列も。


P1640731.jpg

P1640733.jpg



モダンといえば、清水良雄の「なわとび」「シャボン玉」「おひるね」「にほい」の
小型の連作などは、色の風味と構図の妙が際立ってとてもアーティスティック。

「なわとび」では、縄が描く円弧の中で子の身体はよじれて傾き、
弧、伸ばした腕、自身の影が斜めに並び、
大人すらも魅了する、ムーブメントの芸術だった。


P1640677.jpg



清水氏の履歴を見れば、“東京美術学校・西洋画科卒業。
黒田清輝、藤島武二に師事(WIKI)より”とあり、これら構図の妙のワケが頷ける。


こうした西洋的な芸術性は一部の初山滋の作品にも感じられた。

黒い線で描かれた神話のシリーズ。
アダムとイブや、クピド(キューピッド)なども描かれて、
解説にあるとおり、まさにアールヌーヴォーなのだった。


P1640763.jpg



その他、岡本帰一の細部まで丁寧に描かれた子どもの世界や、
武井武雄のメルヘンなど、
特徴あるそれぞれの筆致で、児童向け挿絵の領域を進化させていた。


明治~大戦前の時代に創刊された「幼年畫報」、「赤い鳥」や「コドモノクニ」などが並ぶコーナーは華やかで、表紙に随分力点が置かれていたことを感じる。
情操教育として芸術に触れることの大切さを大人が自覚したことの表れか。


P1640740.jpg



ところがショックなことに、2Fの企画室に入るや、築かれつつあった文化は退化する。
戦争という悪によって。


戦後、子供に配慮した動きがようやく出るものの、1F展示室と時代が逆転したかのよう。
紙が粗末なのは仕方ないとしても、
描かれた子どもたちはもんぺ姿で働かされ
色使いも地味。


P1640709.jpg



労働の一助となることを洗脳するかのような内容で、
子供の素直な目を通した明るい世界観は見えない。

あれほど華やかに踊った色彩、綿密な筆遣い、夢想的華やかな世界は
一気に萎む。
戦争は、大小さまざまなところで時代を逆戻りさせてしまった。


そんな中、
茂田井武氏の絵が、傷ついた子供たちを癒そうとするかのごとく、
周囲を照らす。

渡欧中に見たらしいアントワープの大聖堂の光を受けたステンドグラス、
それを見入る子どもたち。


P1640767.jpg


或いは、世界各国の衣装をまとい、楽しそうに踊る子どもたち。

世界にはまだまだ楽しいことがいっぱいあって、
見知らぬ世界、見知らぬ人々が待つ明るい未来があるんだよ、
そんなことを語りかけているかのよう。


その後の展示には、やはり戦争を経たいわさきちひろさんの絵、絵本の数々。


初期のやや硬い筆致はまたたく間にマリー・ローランサン的軽やかさを見にまとい、
相変わらず絶妙な子供の仕草、その観察眼には驚かされる。


P1640715.jpg


形態模写しているだけではなく、
表出という結果を生み出す前提となった好奇心や喜び楽しさなどまでも写し取っていて、
それゆえのリアリティ。



さて、内覧会のあとは、来た道とは違う道を歩いてみようと思い、ちょっと遠回り。
(白状すると、途中でやや迷い、なおさら遠回りに。)

商店街に行きあたり、ふと頭上を見上げると、
あちこちにちひろさんのイラスト入りのフラッグが、風にはためいていた。


写真 2 (13)


駅には看板。


写真 1 (16)

街に根付いた美術館なのだった。

***

戦前戦後の児童絵画・絵本の歩みが、悲しい歴史を挟みつつ目の前に現れる、
そんな「夢二からちひろへ ―子どもの本の先駆者たち―」展は、
以下要領にて。



場 所 :   ちひろ美術館・東京
公式サイト: http://www.chihiro.jp/tokyo/museum/schedule/2014/0107_1841.html
<企画展>夢二からちひろへ
―子どもの本の先駆者たち―
期 間 : 2014年11月6日(木)~2015年1月31日(土)
場 所 : 展示室1~4
主 催 : ちひろ美術館
ちひろさんの絵の他、竹久夢二、岡本帰一、清水良雄、武井武雄、初山滋、深沢省三、村山知義、茂田井武氏らが手がけた挿絵などが見られます。
2014.11.17 Mon | Art| 0 track backs,
「火炎」
宮部みゆきさんの「東京下町殺人暮色」と、今日聞いた日本画関連の講演会が偶然シンクロした。


「東京下町殺人暮色」には、篠田東吾という架空の画家が登場する。
彼が描いた唯一の名画のタイトルは、《火炎》。
関東大震災で燃え盛る街を水墨画で描写した作品、という設定だ。


丁度今日、そのクライマックスを読んでいたところだった。

そんな折り、出光美術館の理事・学芸部長・黒田泰三さんの講演を拝聴した。


すると突然、耳を疑うような言葉が:

「日本画には、秀逸な炎の技法が見られる3大火炎表現とも言うべき絵があります」、と。


「1つは、青蓮院の青不動、次にボストン美術館所蔵の《平家物語絵巻》、そして・・・」

・・・ とそこで思わず私は、「篠田東吾の《火炎》!」と叫びたくなった(笑)。
がむろん、そんな訳あるはずもなく、

「3つ目は、出光美術館所蔵の《伴大納言絵巻》です」、とのことだった。


思わぬ形で読書と絵画の話がシンクロしたのが心地よかった。


ところで、《伴大納言絵巻》は、上記美術館が誇る自慢の所蔵品なのだが、
余り大々的に宣伝できない事情がある。

なにしろ所有者はガソリン(石油)の会社、出光興産なのだから、、、そんなオチなのだった。



東京下町殺人暮色 (光文社文庫)東京下町殺人暮色 (光文社文庫)
(1994/10)
宮部 みゆき

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p.s.「春の戴冠」は重すぎて、外出向きでないので、外出用には宮部さんの作品を持ち歩いている。
「春の・・」の方は一向に進まない。
2014.11.15 Sat | Art| 0 track backs,
汐留カレッタ イルミネーション2014
2014年汐留カレッタのイルミネーションが始まった。

まず、過去のおさらい。
ほぼ毎年見てるけど、ブログに入れているのはこちら。

2009年は、「葉加瀬太郎プロデュース」ということで「情熱大陸」の音楽にのって
海と珊瑚をイメージした世界が繰り広げられ、ダイナミックで印象に残る。
=> 2009年版のエントリー

2012年は、プロジェクションマッピング。
趣向が変わって、こちらも違った意味でワクワクした。
=> 2012年版のエントリー


今年のタイトルは、カノン・ダジュール
青いカノンと題され、副題が 
~光の渓谷へ ~。

過去を踏襲して、奇をてらった内容ではなく。
カレッタはやはりこのイメージか。

P1640917.jpg


時折雪を頂いた木々のイメージになり、

P1640948.jpg


約25万個使用したというLEDで、青色がとにかく鮮やか。

P1640988.jpg


中央のツリーは透かし彫りのようなカットが何気にお洒落。

P1640833.jpg


奥には鈴が隠れていて、基本白なのだが、ライトによって
様々な色へと変身する。

P1640840.jpg


ここ最近定位置となった白いツリーを取り囲む
約10メートルという光の柱たちが主役の今年。

ややおとなしいけれど、色使いがきれい。
なによりひょいと立ち寄って見る気軽さがいい。

去年は外国からのお客さんとの会食帰りに通りかかったらたまたまやっていて、
みんなで一緒に眺めたのだった。


ショータイムのタイムテーブルはここ
音楽とイルミネーションの変化が楽しめるショーの上演時間は6分間。

P1640982.jpg


公式サイト:
http://www.caretta.jp/illumi2013/
2014.11.14 Fri | Society| 0 track backs,
ツーレの空耳は、再びお菓子系だった・・・話
ツーレが帰宅。
苦笑しながら。

今日、外部レクチャーでランチ付だったという。
「みなさん、後方に用意されたお手拭き、お弁当、お菓子を一人づつお取りください」とアナウンスがあった。

ツーレの内心:「すごーい、こんなの前代未聞だ。お菓子付とは驚いた!これは家に写メせねば」

ところが!お弁当は確かにあるがお菓子がない。
別の場所に置かれていないか脇のデスクなどをチェックしに行ったものの(ツーレらしい!)、見つからない。


時差で出てくる可能性もあるから、とりあえずお弁当を食べて、
後で探しに行こう♪
と考えお弁当の上にのっていた割り箸を袋から出した途端「あっ」と気が付いた。

「お弁当、お菓子を・・」でなく、「お弁当と、お箸を・・」だったのか!

自分でも爆笑だったのだろう、帰宅し開口一番この話に花が咲いたのだった。


今回は空耳だったけど、彼は過去、お菓子系空目にことかかない


私の化粧パフをデスク上に見つけて、「クッキーあるの?」と聞いて来たり、





またある時は、「なんかいいもん持ってるねー」と寄ってきた。

私が手にしていたICレコーダーを:




マルセイ・レーズンサンドと勘違いして。




お菓子に目のないツーレ。
お弁当にお菓子付だというだけでここまでウキウキできる人も余りいないのではないかと思う。


p.s.ちなみに上記写真のICレコーダー、使いやすかったのだが亡くしてしまった。
いつの間にかカメラケースから滑り落ちて紛失した模様。
一体いつ?どこで?
上記の写真は2009年12月のものだったから、少なくともその時まではあったようだ。
2014.11.13 Thu | Private| 0 track backs,
陣内秀信先生 講演会 / 『ヴェネツィア――水上の迷宮都市』著者
これまた1ヶ月ほど前のことながら、
著書 『ヴェネツィア――水上の迷宮都市』などで知られる陣内秀信先生の講演会を聞きに行った。

先生、およびその著書については以前本Diaryでも触れたことがある ==》 陣内先生関連エントリー

ヴェネチアが、ヴェネチアのことを話すのが好きでたまらない、
そんな高揚感に満ちた1時間半。

スライドをたっぷり使い、隠れさた中庭の興趣などが紹介された。
観光地として名前が知られたもの、見覚えのある建物も多々登場。

建築様式などを比較しつつ館ウォッチングすると、
似た様な様式でも、それぞれに個性のツボが違っている。


陣内先生といえば、いつか文芸誌で拝見した生前の須賀敦子さんとの対談も興味深かった。
ヴェネチアの舞台性、虚構性につき、奥深くを知る者だけが許されたディープな話が展開していた。

本レクチャーは質問時間を設けないスタイルだった。
ちょっと残念。
須賀さんの素顔や印象に残った言葉など、伺ってみたかった。




ヴェネツィア  水上の迷宮都市 (講談社現代新書)ヴェネツィア 水上の迷宮都市 (講談社現代新書)
(1992/08/11)
陣内 秀信

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2014.11.12 Wed | Art| 0 track backs,
古代オリエント博物館  
2ヶ月近くも前のことだけど、週末、池袋で時間があいたので、古代オリエント博物館を初訪問した。

特別展としてアマゾン展が開催されていた。

この場所(サンシャイン)に同博物館が存在することは知っていた。

けれど、なかなか行く機会はなく。

行ってみれば結構レアなものもあり、意外に侮れない。

アマゾンの部族の羽飾りは、想像以上にカラフルで立派。
さすがに生きる糧、釣り道具などは様々なバリエーション。


常設展では古代のローラー式印鑑のコレクションが目を引いた。
ぐるぐるころがして、刻印するもの。
かなり細かい技巧。

確認のような意味での印鑑の概念が、太古の昔にクリエートされていたことを知る。

こじんまりして親しみやすい博物館。
結構穴場。

http://aom-tokyo.com/
2014.11.12 Wed | Art| 0 track backs,
フランス人俳優ギョーム・ガリエンヌ
9月に行った試写会のあと、フランス人俳優ギョーム・ガリエンヌのトークがあった。
(Diary エントリー → 映画「不機嫌なママにメルシィ!」の不思議な世界

彼は自らパリのグラン・ブルジョワジーの家庭で育った、と言って憚らない。

家政婦さんがいて、子供の頃から、ちょっと息抜き、となるとまたたく間にスペインなどの
国外へと”ほんのそこまで”感覚でひとっ飛び。
母方は貴族のロシアの血筋とも聞く。

映画の中でもその優雅な生活ぶりがめいっぱい散りばめられていた。

が、舞台に登場した彼は気取るでもなく、ラフでカジュアル。

敢えて”ステイタス”をごてごてとした身なりで見せびらかすことはしない。
真のブルジョワジー、取り繕う必要のない本物とはこういうものか。



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2014.11.11 Tue | Art| 0 track backs,
秋季皇居乾通り一般公開日決定・ 春季込んでいた場所
追記) 2015年秋乾門通り抜けに行ってきた。
最新情報はこちら --> 2015年秋乾門通り抜け最新情報

===== 

(追記)【注】:乾門通り抜けは、好評を博したため、2015年にも開催が決定しました。
==> 詳細:http://www.kunaicho.go.jp/event/inui.html


(追記)【注】:乾門通り抜けは、天皇陛下の傘寿を記念した催しなので、2014年限定です。

秋の皇居乾通り一般公開は、12月3日(水)から12月7日(日)の5日間に決定した模様。

http://www.kunaicho.go.jp/event/inui.html


なお、人の動線は以下の地図のとおり。
http://www.kunaicho.go.jp/event/pdf/inui-route.pdf

***

●==> 前の記事: 皇居乾門通り抜け その風景と入場のコツ

● 秋季皇居乾通り一般公開日決定・ 春季込んでいた場所
2014.11.10 Mon | 国内探索| 0 track backs,
菊池寛美記念智美術館 「岡部嶺男 火に生き 土に生き 展」
スタイリッシュな空間に、ダイナミックで表情豊かな陶器たちが並ぶ。

シャープでモダンな佇まいの中にぬくもりが漂う菊池寛美記念智美術館で、
 「岡部嶺男 火に生き 土に生き 展」が行われている。

内覧会の機会にお邪魔させて頂いたので、感想など。

岡部嶺男紹介文==> 公式サイト


はみ出した土、鋭利なひび割れの隙間、力強いヘラの跡、波打つ凹凸・・・
荒々しい表面の間を釉薬が生き物のように流れ出し、
澱んで、流れて、止まっては、再び溢れ出す、
そんな動きを永遠に閉じ込めた動的な作品があるかと思えば、

同時進行的に創作されたという端正な青磁が凛とした佇まいで並んでいる。

精緻なシンメトリー、明快な曲線美を追求した青磁の作品には張りつめた空気が漂い、
上述の作品の「動」に対し、完璧な「静」の対比を生み出している。



*以下写真は、内覧会の機会に許可を得て撮影したものです。

捻じれたパンチが効いた作品も。
吸引力のある大胆な口作り。
全体的に個性的な口作りが目を引いた。

写真 3



変わり種は、この作品、というより発注品なので製品というべきか。
骨壺としてオーダーされ、当初の意図としては使用されぬまま鑑賞用となっている。

中に入れるべきお骨とは対照的とも思える壺の方の生命力。

写真 (62)


こちらはオブジェ。
どこをどう見ても穴がない。
存在感のある塊がアットランダムな統一感を見せている。

写真 2


そして、いつもの流線的な室内空間。

写真 1


初期には食器も制作していたそうで、時期ごとにまとまった作風で創っては、
あるタイミングで大きく変化していった、そんな痕跡もうかがわれる。
(上述の通り、青磁などは、他の質感の作品と同時進行で作られたようだが。)


一貫して素材にはこだわり続けたという岡部氏。

各時代ごとのスタイルからは、なんらか拘り・追及すべき指標を自分の中でしかと据えていた様子がうかがえる。


岡部さんに限った話ということではないけれど、
フリースタイルの陶器を創作する上で、強い信念、自分自身なにか律する厳しい規則がなければ、
こうした魂のこもった作品は生まれないのではないかと思う。

作家の須賀敦子さんはかつて、散文が自由形式になって無味乾燥になったとおっしゃっていた。

自分自身に課した厳然たる枠の中でひたむきに努力するからこその緊張感を
岡部氏の作品の中に感じた。


*****

場所:菊池寛美記念智美術館
展覧会名:岡部嶺男 火に生き 土に生き 展
日程:10月11日(土)~ 2015年1月12日(月・祝)
休館日:月曜日(但し祝日は開館、翌火曜日休館)
年末年始[12月28日~2015年1月1日]
URL: http://www.musee-tomo.or.jp/exhibition.html
2014.11.10 Mon | Art| 0 track backs,
「エスプリ ディオール - ディオールの世界」 その2 / ディオール(東京・銀座)
先の 「エスプリ ディオール - ディオールの世界」 その1 / ディオール(東京・銀座)続き。

オフショルダーのドレスが、特に目を引いた。


写真 (61)


日本からインスピレーションを受けた作品も。

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カッティング、シルエットが麗しく思わずうっとり。

洋服は単に身を包むだけではないと気づく。

人は、一流のドレスをまとった時に感じる豊かな極上のひとときを買うのだろう。


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アンディ・ウォーホールとのコラボバッグもあり、

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その他、アート作品としてのハンドバッグの数々。
どれもゴージャスな独創性に富んでいる。

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2014.11.09 Sun | Art| 0 track backs,
中目黒 コスパランチ
先週末、中目黒のコロッセオで初ランチ。

お気に入りのアゴスティーニ閉店後、
なかなか手頃な店が見つからず。

そんな中、評を聞いて訪れたのがコロッセオ。
評判のわけがわかった。
ボリュームがものすごい。
ランチはスパゲティと食べ放題のパンで900円から。


さらに、週末は、たった300円プラスで
たっぷりサラダ、デザート、コーヒーがついてくる。

まずパン2種類。
フォカッチャふかふかで美味。

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牛タンのスパゲティ。
茄子など温野菜もたっぷり。
ボリュームふつうのスパゲティの1.5倍の感じ。

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ツーレが頼んだ鯛のスパゲティ。
こちらの野菜量もすごい。

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さて、週末のみ300円プラスでつけられるセット。
サラダがミニじゃない。

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更にデザートとドリンク。

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お腹いっぱい。
満足感が得られるお店です。
2014.11.08 Sat | Gourmet| 0 track backs,
目黒川イルミネーション 青の洞窟 2014 開催日決定
中目黒を中心としたイルミネーション「青の洞窟」の点灯開始日が決定!

2014年11月23日(日)から。
(最終日は11月25日)

最寄り駅は東横線・日比谷線中目黒駅。
こちらを中心に片道500mの光の回廊が繰り広げられる予定。

公式サイト:
http://nakameguro-aonodokutsu.jp/
2014.11.07 Fri | 国内探索| 0 track backs,
デ・キリコ展 /  パナソニック 汐留ミュージアム
◆ ジョルジョ・デ・キリコ -変遷と回帰- / パナソニック 汐留ミュージアム

無音の世界の不穏な空気。
例えようもない違和感。なのにどこか郷愁漂うチグハグ感。

先入観は打ち砕かれ、梯子をはずされた気分になりつつ、
喉の奥に刺さる魚の小骨のように気になるデ・キリコの作品。


現在、パナソニック汐留ミュージアムで、ジョルジョ・デ・キリコの作品約100点を集めた展覧会
「ジョルジョ・デ・キリコ -変遷と回帰」が開かれている。

デキリコ未亡人旧蔵品を寄贈されたパリ市立近代美術館のバックアップで実現したそうで
彼の制作活動が時代を追って外観でき、とても力のこもった展覧会。


これだけ一度に彼の作品を見るのは初めてだったが、
上記の印象は変わらない。いや、返って増すばかり。


そんな中、新たな発見があった。

彼が確立した「形而上絵画」においては、
写実的でありつつ、事物を常識破りの組み合わせで置くことで
非現実性が喚起されるのだけれど、
彼にとって、それ単体でも形而上学的インスピレーションを掻きたてる特定の物質・風景があった。

それは、ユダヤのビスケットとヴェネチア。


ビスケットのモチーフは初期の作品の中で繰り返し登場する。
下の広告採用された「謎めいた憂愁」の絵にもうっすらそれが見える。
(「会場入口」の「場」の文字の真隣にうっすら見える茶色い小さな長方形。)


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その事実に気づいた途端、急にデ・キリコが身近な存在になった。


彼はイタリア・フェッラーラのゲットー(ユダヤ人隔離居住地域)で
あの一連の妙ちくりんなビスケットと出会ったようだが、私の場合はヴェネツィアだった。

(*イタリアにはゲットーが点在し、第二次大戦中ユダヤ人狩りが大々的に行われた悲惨な歴史をとどめる。
特にヴェネチアのものは世界で初めて登場したゲットーとも言われる。→ 
トリエステには強制収容所・ガス室さえあった。)


初めてガラス越しに見つけた時、思わず写真を撮らずにはいられなかった。
(2009年の旅行にて)


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”お菓子”に期待する形を軽く裏切っている。
さらに、類似した形はご法度、とでもいうかのように、それぞれの個性を際立たせることに心血を注いでいる。

おいしく見せようという気概より、造形の妙への執着の方が勝っている摩訶不思議。


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これらを見て、

形而上絵画への応用に向かったデキリコ に対し、
不恰好でへんてこ、と形容する以上の発展を見なかった凡人の私・・・



そして彼が描いたヴェネチアの絵(丁度このアングルだった)。
(2009年の旅行にて)

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街全体が海の上の舞台、という非現実性を兼ね備えているから、それ以上他のものを置く必要はない。
ありのままが虚構のようなもの。

デキリコが描いた《ヴェネツィア、パラッツォ・ドゥカーレ》は、
カナレットの絵より勢いがあって、繊細さの中に逞しさを感じ、気に入った。

その隣、アクの強い《ノートルダム》はボリューム感満点。



展示室は時代ごとに分類され:

・初期の作品4点が出迎える形而上絵画の発見の時期、
・丁寧に描き込まれ思い入れを感じさせる古典主義の時代、
(繊細な色相による筋肉の隆起が見事な《剣闘士の休息》!)
・華やかなネオバロック時代、
(妻が登場する《赤と黄色の布をつけた座る裸婦》のぎらめく肌の質感!)
・吟遊詩人など目に馴染んだ再生―新形而上絵画
・浴場や太陽が登場し、軽やかさ漂う永劫回帰の時代、、、

それぞれに良いけれど、初期の作品に特に惹かれる。


例えば《謎めいた憂愁》。
チャレンジの気合いに満ちつつも、筆遣いには模索するような慎重さが感じられ、
重たく硬い絵の中に、ほんのり瑞々しさを感じるから。



新形而上絵画のコーナーには、モチーフとして親しみのある《吟遊詩人》の絵が2つ。
薄い色合いのものと、ブリヂストン美術館の作品にやや近いもの。

これを初めて見た時の衝撃は忘れない。


描かれた兵士とそぐわぬ場所と事物、顔のない没個性、といった異質さだけでなく、
硬質な鎧姿の絵につけられたタイトルが、
ふんわりメルヘンを呼び起こす「吟遊詩人」という強烈なギャップ。


ただ、この絵の奇妙さの原因が、モチーフのみに限定されないことに気が付いたのは
随分経ってからのこと。

Perspective(遠近法)がひしゃげていて、
Point de fuite(消失点)が複数あるという点だ。
それも自分で気づいたのでなく、ある人の指摘で気づかされた。



彼の絵に共通するキーワードは、デペイズマン (dépaysement)だそうだ。
本来あるはずがない場所に置く ことにより、違和感をもたせることだそう。

初めて耳にしたが、フランス語のPays(国)からDe(逸脱)することから生まれた言葉だろう。
居心地の悪さが呼び覚ます様々な感情。
デ・キリコの絵の謎はここにあった。



この度の鑑賞はweb特別内覧会での訪問だった。
また別途訪れ、デキリコのメランコリックな鷹揚さに弄ばれたいと思っている。


***

会期 : 2014年10月25日(土)~12月26日(金) パンフレット»
開館時間 :午前10時より午後6時まで(ご入館は午後5時30分まで)
休館日 :毎週水曜日(但し12月3・10・17・24日は開館)
サイト :http://panasonic.co.jp/es/museum/exhibition/14/141025/
2014.11.06 Thu | Art| 0 track backs,
「エスプリ ディオール - ディオールの世界」 / ディオール(東京・銀座)
◆ ディオールの歩み : 芸術家編

銀座中央通り、アップルストアに隣接するDiorのショップが、異様な引力を放っていた。

「エスプリ ディオール - ディオールの世界」 と称するエキシビションが開催中で、
思わず吸引されていった。

様々な品々、映像、写真を通じて華麗なディオールの歴史スペクタクルをあぶりだす展示は圧巻で、
様々な発見も。


とりわけ「ディオールと芸術家たち」と称するコーナーでは、アーティストとしてのディオールがクローズアップ。

建築の習得を断念したクリスチャン・ディオールは、
自ら画廊を開いて当代一流画家たちの展示を行ったとのこと。


そして何より彼自身アーティストであったことが、彼を取り巻く芸術家たちの
ディオールへの姿勢からうかがわれる。

ジャン・コクトーしかり。
そして、マルク・シャガールのこんなオマージュも。


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近接してみると、「ディオール、グランダルティスト」の文字
ディオール、偉大なアーティスト・・

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ディオールも、画家たちへのオマージュをドレスに込め、
名前を付けたドレスを次々リリース。

ドレス”ピカソ”のデッサン(このデッサンは、ピカソが描いたものではなく、
ディオールのアトリエがイメージして作製したもの)は・・

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・・は、このようなドレスとして結実した。

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こちらはドレス”マティス”のデッサンと縫製後。

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ドレス”ブラック”のデッサン:

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ドレス”ブラック”完成品。

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ドレス”ダリ”も

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ドレス”ドラン”もある。

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画家のビュッフェが描いたディオール氏の肖像(左上)。
信念と自信、ひたむきさに満ち、凛とした清々しさを漂わす。

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入店するまでは、扉の向こうにこんな世界が広がっているとは思わなかった。


地下1Fから地上3Fまで繰り広げられる見目麗しいディオールの総絵巻。

空気の流れをとどめるような優美なドレスや香水の展示などとともに、
これらアーティストたちとの交流の歴史も燦然と輝く光を発散させていた。


写真撮影はノーフラッシュならば自由。
詳細は、Fashion Pressにて:
http://www.fashion-press.net/news/12824


エスプリ ディオール - ディオールの世界
期間:2014年10月30日(木) - 2015年1月4日(日)
開催時間:10:30~20:00 (最終入場時間 19:30)
※2014年12月11日(木)、2015年1月1日(木)は休館。
住所:東京中央区銀座3-5-8 玉屋ASビル
※入場無料
2014.11.05 Wed | Art| 0 track backs,
ヨシモトコレクションの世界 / 国立科学博物館
国立科学博物館 地球館3Fの哺乳類の剥製はいつ行っても壮観。
ただ、その剥製群が個人のコレクションによるものだとはこれまで知らなかった。


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どれもこれも鹿に見える一角がある。
ただ、つのの形がそれぞれ微妙に異なり、中にはらせん状に美しく角がねじれているものなどもあり。

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点数およそ400点にも及ぶ剥製は、
ハワイの実業 家、故ワトソンT.ヨシモト氏(1909~2004)から寄贈されたもの。

このほどヨシモト氏没後10年にあたり、氏の生涯を紹介する企画展が開催されている。
(常設展の料金でOK。)

自ら狩猟愛好家で、動物の標本収集に打ち込んだヨシモト氏は、
動物に囲まれて過ごしていたようで、オフィスの机まわりはこの通り。(再現コーナー)


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東京駅のKITTE内東大博物館などを始め、剥製の展示は時折見かけるけれど、
こちらの動物たちはコレクション時期が昭和ということもあり、比較的新しいせいか毛並が見事。


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日本館1F中央ホールの企画展示室の展示方法がド派手で目を引く。

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3Fから見下ろした光景。

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ヨシモト氏に関する情報は国立科学博物館の下記ページにて:
http://www.kahaku.go.jp/research/db/zoology/yoshimoto/


なお、私は国立科学博物館が無料となる11月3日文化の日に訪問した。

これ以外にもあちこち常設展をまわり、相変わらず見ごたえ十分。

「ヨシモトコレクションの世界」は2014年10月15日~2015年1月18日まで。
会期終了後も、地球館の常設展で剥製の展示は見ることができる。
2014.11.04 Tue | Art| 0 track backs,
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