日常風景 * 写真・文章 Copyright@”Mas Ciclismo Diary”
肩こり、次なる一手
肩甲骨の凝りがひどくなった。
6月~7月にかけ、ひどい夏風邪をひいたため、ジム通いできなかったのも一因か。

というわけで、目下ジムに行ってはストレッチポールで肩甲骨をぐりぐりやったり、
背中を柔軟にすべく横に渡して当ててみたり。

買って家でやればいいのだろうが、邪魔なのと、今までの健康グッズの例でいうと、
すぐに飽きて忘れてしまう。
その証拠に、タオルをまとめてポールの替わりにした工夫も、今では放置。

ジムに行く、ならば往復30分かけた分だけいろいろやろう、ならばストレッチポール、、、
といったモチベーションには敵わないようだ。


タオルよりもう少しピンポイントのパンチがあって、邪魔にならない代用品はない物か、と考えて
ゴルフボールを使用してみた。

肩甲骨にあてて寝転がってみると、これがツボに当たる。
こちらもすぐに飽きる予感がなきにしもあらずだが、
暫く続けてみたい。

これとタオルの組み合わせで、新兵器がつくれそうな予感もある。


ちなみに、週末患ったひどい食中りからは立ち直った。
参った。
新橋の刺身定食。

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2014.09.30 Tue | Private| 0 track backs,
①根津美術館 「名画を切り、名器を継ぐ」に見られる、我が国”警察”の底力
展示されているのは切り取られた絵や、割れた壺ばかり、という一見風変りな展覧会が開催されている。
根津美術館の 「名画を切り、名器を継ぐ」だ。


切られた・割れた理由は様々なれど、それらを継いで後年まで残そうとする
所有者の心意気と、
補修の跡までもワビ・サビとして質感を楽しんでしまおうという
貪欲な日本独特の美的センスを堪能する催しだ。


これらの展示の中に、なかなかすごいエピソードをもつ白磁壺がある。


窃盗に遭い、犯人を追いかけた所、腹いせにこの壺を思い切り地面にたたきつけて
逃げてしまった。


その際の写真も見る機会があった。
まさに木端微塵。
微細な破片のオンパレード。


と、ここで、警察のすごいパワーを感じされる出来事が起きる。

窃盗事件なので、警察が綿密に調査する中で、この壺の破片も拾い上げられた。
(科捜研みたいな部隊が登場するのだろうか?TV番組「科捜研の女」の沢口靖子女史が思わず浮かぶ。
いや、受け持つのは鑑識と呼ばれる組織か?・・推理ドラマの見過ぎ。)


調査後、破片は全て所有者に戻された。
その収拾ぶりが半端でなかったそうだ。

破片は、粉のようなカケラも含めて、ひとかけらも漏らさず全て拾い上げられていたようで、
それらをつなげていくと、
一粒のカケラも欠くことなく、完全に元通りに復元することができたという。


人は、拾う際に目で取捨選択するので、普通ちょっと色合いが違うと
選別の対象外になったりするのだが、警察は、その辺もしっかり見極め、
破片の見落としはなかった。

そのおかげで、継いで再現された完璧な白磁を拝むことができる。


風流な展示の裏に、こんな地道な警察の仕事ぶりが垣間見れる。
なかなか奥が深い催しだ。


(上記は学芸員さんのトークで知ったお話)

根津美術館
「名画を切り、名器を継ぐ
美術にみる愛蔵のかたち」
2014年9月20日(土)~11月3日(月・祝)
http://www.nezu-muse.or.jp/jp/exhibition/index.html
2014.09.28 Sun | Art| 0 track backs,
マンチズバーガーシャック
◆ 噂のハンバーガー

浜松町にある噂のマンチズバーガーシャックへ。

バンズと味付けバランスが良かった。

ランチについてくるサラダもたっぷり。

時間帯によっては列ができる。

できたてのアツアツ。肉汁が出ないように食べるのは大変かと思ったけど、
テーブルに置かれた専用のペーパーにくるんで食べる仕組みで、意外に食べやすかった。


価格帯は、バーガー単品で1000円+税~といった感じ。
なかなかパンチのある味付けだった。

20140927092717d9b.jpg
2014.09.27 Sat | Gourmet| 0 track backs,
日本の遺失物取扱所システムは世界最古?1300年の歴史があった
先日、日経新聞夕刊「プロムナード」で大竹昭子さんが「遺失物取扱所」のことを書いていらした。

日本語で言うと無機質な感じだけど、アメリカ英語では「lost and found」。
つまり、失われたものと見つけられたものが置かれる場所という意味。

筆者はそれに着眼し、英語には日本語にはないニュアンスがある、つまり
何かをなくした人と、見つけた人が行き交う場所といった人の行為が滲んでいる、
といった内容だった。 (そこから話は実際の出来事へと発展していくのだが。)


と、ここで、普段何気なく見ていたこの英語の単語の起源が気になった。
「lost and found」という口語的な言い回しからして、
比較的新しい言葉=海外で遺失物取扱所という概念は、意外に最近のものでは?
そんな疑問が湧いたのだ。


ちなみに、フランス語やスペイン語でも、似た様な言い回し。
ただ、スペイン語ではなくした物、という言い方なのに対し、フランス語は、見つかった物。

スペイン語: Objetos perdidos
フランス語: Objets trouvés

それを合体させたものがアメリカ英語、というワケだ。

なお、イギリス英語では lost property なのでスペイン語的。

となると、両方から取った言葉を使う北米大陸では、ヨーロッパよりも
更に遺失物取扱所の起源は新しい感じがする。


そこでWIKI英語版を調べてみると、古代ギリシャやローマ時代に、
それっぽい記述はあるそうだが、制度化された遺失物取扱所は、
1805年、ナポレオンがパリの落とし物を集める仕組みを確立して以来とのこと。

一方:

日本では、718年制定の養老律令・捕亡令得闌遺物条に、
届けられた落し物は役所で1年間保管することが決められている。
これが日本で確認されている最古の遺失物に関する制度的保管管理の記述である。
WIKI日本語版より



奈良時代だ。

更に検索すると、そんな日本の歴史を参照し、だから日本での落とし物拾得率は高いのだ、
といったNYタイムズの論評も見つかった。


上述の大竹さんが言うように、確かに遺失物取扱所という言葉は
無味乾燥で、Lost and foundよりも血肉が通っていない感じだけれど、
話し言葉的な海外の呼称に比べ、文語的でお堅い分だけ、歴史が滲んでいて、
ちょっと誇らしい気がしなくもない。

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2014.09.26 Fri | Society| 0 track backs,
皇居東御苑散策で、こんなトリビアと出会う
皇居 東御苑内天守閣跡そばに、
螺鈿のような淡いパステルカラーが煌めく不思議な八角形の建屋がある。

桃華楽堂といい、香淳皇后様(昭和天皇の皇后様)の還暦祝いに建てられたもの。


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いつも大ざっぱに眺めて通り過ぎるのだけど、
ある日、ふと見上げると、不思議なものがあるのに気が付いた。


この上の部分。

P1580049_20140925074817427.jpg



もう少しクローズアップしてみる。

八角形の手前に突き出ている建屋部分の屋根上に
おひな様が鎮座していたのだ。

P1580050.jpg


なぜ、なぜ?とサイトを見てみたところ、
ちゃんと意味があった。


皇后様という女性にちなんだ建物なので、
「鬼瓦」の代わりに、「雛人形」、、というしつらえなのだそう。


”雛瓦”とは、なかなかオツな計らい。
以来、この場所を通るといつも頭上を見上げ、黄金に輝くペアを拝んでいく私なのだった。
2014.09.25 Thu | 国内探索| 0 track backs,
パイプオルガンの曲芸ぶりに感激する
今年に入って、パイプオルガンの演奏を聴く機会が何度かあった。

青学のチャペル(下の写真)で聴いたコンサートで驚いたのは、
パイプオルガンの位置。


P1600947.jpg



頭上でなく、比較的低い位置に鍵盤がある。
珍しい光景だ。
おかげで、演奏の様子が手に取るように見えた。

手足をフルに使って、何層にも重なった音を奏でる技に目が釘づけ。
エレガントな音色の裏で、こんな職人的俊敏な手技・足技があったのだ。


通常パイプオルガンは頭上高い場所に位置しているため、
ここまで細かく見えていなかった。


その次、サントリーホールでのコンサートでは、2Fの前方の席に陣取るようにした。
目線がオルガンの位置にくるので、1Fよりも演奏家の動きを見るには絶景。


戦場のごとくの緊迫感。
テンポが速くなる。

脇にあるボタン・スイッチをアシストの人まで動員して作動させ、
コロコロと音色が変わっていく。


手足が鍵盤の上を躍動する。
目の前で繰り広げられているのは、音楽会と言う名の運動会。
楽器を前に腕を振るう演奏家は、さながらアスリート。

2F席から、そんな躍動感を肌で実感した。


ただ、天から荘厳な音楽が降り注いでくるあの感覚は、
1F席で頭上にパイプオルガンを頂いた方が、味わえる、そんな印象も同時に受けた。



さて、こちらはポルトガル旅行時に見たパイプオルガン。
サンロケ教会のそれは、突き出したラッパ型だ。








==> ポルトガル旅行・サンロケ教会編
2014.09.24 Wed | Art| 0 track backs,
巨匠バルテュスの鉛筆画を消しゴムで消してしまった人の懺悔
パリ滞在時代、バルテュスという画家の絵と出合い、以来、「私」は彼の絵の虜になった。
カルチェ・ラタンのレストランに通っては、壁に掛かる画家の海の絵と蛙料理を堪能した。


個展開催のため一時帰国した際、銀座のバーでシャンソンを歌っていたら、
どこかで見覚えのある役者が声をかけてきた。


彼は「私」からマイクを受け取るや、同じ歌を英語で歌い出す。

意気投合して話しているうちに、その役者がバルテュスの鉛筆画を所有していることが判明した。
芸のお礼に画家から贈られたものだという。


「私」が画家であることを知ると、その絵をくれると言いだした。
宝の持ち腐れ、という思いがあったのだろう。


かくして、憧れのバルテュスは、「私」のものとなった。


ある日、ちょっとした出来心が頭をもたげた。
その鉛筆画が原画の写し(印刷物)でないかどうかどうか試してみたくなったのだ。

その絵の添え書き部分をそっと消しゴムでなぞってみた。


うっすらと消える線。
ああ、本物だった。


フランス語で書かれた「親愛なる市ちゃんへ」という添え書きはだから、
ちょっと今でも一部かすれている。。。



そんな告白文(上記は記事を噛み砕いたものなので、記事そのものとは異なります)が
先日の日経新聞「心の玉手箱」に掲載されていた。


「私」は、画家の小杉小二郎氏。
役者は勝新太郎さん。


そういえば、都美で開かれていたバルテュス展には、カツシンさんから画伯に贈られた着物の展示があった。
「イチさんへ」と書き込まれた絵もあった。


この二人の交友の恩恵を、小杉氏は、ちゃっかり受けたようだった。


記事後半にある消しゴム事件はともかくも、こんな思いがけないかたちで憧憬の念が通じ、
オリジナル画を入手できるなんて。


小説にしたらベタすぎるけど、それが事実となると
人生の浪漫を漂わせる。

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2014.09.23 Tue | Art| 0 track backs,
今ならアインシュタイン来日時の記録が数々見られる / 東京駅そばインターメディアテク
東京駅そばKITTE内インターメディアテクで、すごい物を見てしまった。

アインシュタインが来日時に乗った可能性がある、エレベーターの籠の丸ごと展示

以来、ここ数日間というもの、これぞ現代アートの真骨頂なのではないか、という思いにとらわれている。


フランス映画に出てくるような 古びた蛇腹式の鉄製エレベーターは、
東大理学部旧一号館にあったものだそうで、「伝アインシュタイン・エレベーター」と名付けられている。

1922年、同大学を訪問したアルベルト・アインシュタインがこれに乗ったという確実な記録はないらしい。

それでも、人々により訪問のメモワールとして信奉されてきた。


これを見た時、ずっしりとした説得力を感じてしまった。

「伝」がついていようがいまいが、アインシュタインが生きた当時の空気感は十分伝えている。
なにより、わざわざこんなところにまで運んで、ありがたく大きな鉄の塊を陳列している事実が、
人々の並々ならぬ想いを感じさせ、この展示物に途方もない実在感を与えている。


そう感じた途端、実用物であるべきエレベーターは、脳内で聖像のようなオブジェへと変身してしまった。


昨今、ガラクタ等をいろいろなものに見立てた作品を、美術館でよく見かける。

結局こういった見立ての廃物とアートの境目というのは微妙で、
いかに多くの人の共感を得、視線をナビゲートすることができるかにかかっていると思うのだけど、
人々の熱い思いに裏打ちされたこのエレベーターほど、迫真にせまっているものはないのでは。。。


この物体が運んでくるのは、単に来日したアインシュタインの息遣いだけでなく、
彼が披露した相対性理論に突き動かされた教師や学生たちの熱い眼差し。


そんな空気を後押しするかのように、傍らには来日時のアインシュタインの写真が飾られている。

夫妻との記念撮影写真のほか、黒板に彼自身が理論の数式を書いている写真まであって、
歴史上の人物が突然目の前に降臨してくる。
古びた写真でありながら、ウォーホールのアインシュタインにはない有機性。


生々しい迫力に満たされつつ隣の大部屋に足を踏み入れれば、
足元にはいきなり太古の化石が無造作に置かれていたりする。

いやはやなんとも奥深い、インターメディアテクは。


http://www.intermediatheque.jp/
入場無料
2014.09.22 Mon | Art| 0 track backs,
ランチパスポートの目玉 / 和牛ステーキランチのてっぱん酒場 上(ジョウ)
新橋ランチパスポートの激戦店で初ランチ。

通常1000円の和牛ステーキランチが、ランチパスポート提示で500円に。

ただし限定数量なのでハードルが高い。

写真 (55)


今回ランチパスポートは初購入なのだけど、
前回のラインアップに比べると、いささかトーンダウン気味と思われる。

そんな中、新橋のこの店はお得感十分とみた。
お店の人も感じがいいし。

和牛ステーキランチのてっぱん酒場 上(ジョウ)。


http://tabelog.com/tokyo/A1301/A130103/13157982/
2014.09.21 Sun | Gourmet| 0 track backs,
三井記念美術館「東山御物の美」 / ”個人”が”国宝”を持つということ 
三井記念美術館の次回出展作の中に、国宝(個人蔵)というのがあると知り、
ちょっと驚いた。


そもそも国宝を個人が手に入れることは可能なのか?

個人で国宝を持つのはしんどくはないのだろうか。
国の宝なのだし。

普通ならトーハクに寄託してしまいそうなケース。

保存状態など、博物館の入念な手入れに比べて劣ったりはしないのか?


本展に関連する”開催前レクチャー”を聞きに行った際、
Q&Aのコーナーでうかがってみた。


板倉聖哲先生の回答に納得。


●個人といっても、大体家族の2、3代前の人が手に入れたケースとなる。
(某美術館の初代がかつて購入しようとしたとき、それなりに鑑識眼を蓄えてから購入するよう翻意させられた
といったエピソードもある。つまり数世代前であれ、ハードルは決して低くはなかった。そしてそれなりに造詣を深めてから購入された流れ。)


●個人蔵のものの保存状態は極めて良い。作品にとって年40日といった展示が以下にダメージを与えるかがわかる。
展示という行為ほど作品に害があることはない。
そこへ行くと所有する個人の場合、xx年に1度しか実物を取り出してみない、といった話もある。
実際、1週間という短期間限定でこのほど展示される徽宗の「桃鳩図 」(個人蔵)の保存状態は圧巻で、ため息が出るほどとのこと。

*そういえば、市川猿之助さんも同じことおっしゃっていた。
コレクションの浮世絵は、劣化を恐れて滅多見ない、と。


●個人蔵と言っても、中には寄託品も含まれているが、その一方で
確かに実際に個人が手放さず独自で管理しているケースもある。
それは往々にして、その家の誇り・名誉などの理由からである。



俗っぽい質問で、恐縮しながらうかがったのだけど、
普段余り聞くことのない展示の裏側の話を教えて頂けて感謝。
背景を知ることで、鑑賞の幅も広がるし。

**

三井記念美術館
www.mitsui-museum.jp
次回特別展「東山御物の美―足利将軍家の至宝―」
2014.09.20 Sat | Art| 0 track backs,
古びた書簡が伝える1920年代 / 「建築家ピエール・シャローとガラスの家」展 2
ただの古びた紙切れ一枚なのに、雄弁に当時の様子を伝えている、そんな書簡に出会った。
パナソニック 汐留ミュージアムで開催中の「建築家ピエール・シャローとガラスの家」展で。


(*写真は主催者の許可を得た上で撮影しています。)
写真 1 (2)


黄ばんだレター用紙に手動タイプで打たれたその手紙は、建築家・デザイナーのシャローが、
作品の協力者で鍛冶職人のルイ・ダルベに宛てたもの。


ダルベが不在で電話に出ないため、緊急の用件で“手打ちの手紙”を送ったようだ。
連絡の内容は、一言でいうと、「明日午後一までにあのテーブルを持ってきて」といった要求。


今なら電話がダメならメールで送るであろうそんな性急な内容を、手動式タイプで手紙にしたためている。
なんだか“趣がある急ぎ方”だ。


展示ガラスの中に鎮座する、シャローの生の声が詰まった書簡を、読んでみた。

パソコンのプリントアウトと違い、タイプの文字のかすれ加減がヒューマンな感じ。
書かれた内容がまたリアルで、シャローの意気込みや2人の信頼関係などが、ふわっと浮かぶ。


『ダルベ様、
貴方にお電話で話そうとしましたが、いらっしゃいませんでしたので、伝言を送らせてさせて頂きます。』
そんな書き出し。


シャローは、錬鉄でできた家具一式(un ensemble de meuble en fer forgé)を
パリの顧客(女性)に提案しており、翌日の午後一番で(demain tout de suite après midi)
面会する予定になっているという。

そこで、自身の作品でありながら今はダルベの手元にあるテーブルと画板を家に持ってきてほしい、
と依頼しているのだ。


サンプル作品を見せ、発注にこぎつける、という戦略なのだ。


ここで目に留まるのが、以下のくだり。

「elle a grand peur de la froideur de fer」

彼女(顧客)は、鉄の冷たさに大いなる恐怖を抱いている、という。

そこで、彼は、なるべくモダンさがひきたつかたちで見せたい、と考え、くだんのテーブルが最適と考えたらしい。

鉄の冷たさが「怖い」、つまり当時としてはレアな材質だったことが分かる。


さらに感じられるのは、2人の絆。
Cher Monsieur xx様、とか貴方の丁寧語を使用(ヴーヴォワイエ)してるけれど、
単にビジネスレターだから当然、というよりリスペクトと受け取った。


単に慇懃さでヴーヴォワイエしているなら、
明日見せたい、持ってきて、なんて切羽詰ったリクエストは難しかろう。


さらに、「もしも過分に差支えがあるわけでなければ(お願いします)」という言葉。
単に「もし差し支えなければ」、と言うより少々強引?!


良好な関係が感じられるし、それは互いの技量を認め合ってこそなのでは。


会社形態で制作するのでなく、こうした職人的結びつきから生み出された鉄の作品の数々。

フランス人って、スマートなイメージが強いけれど、合理性だけでない泥臭さを好むとろがある。

それは、ツール・ド・フランスのチーム状況からも感じられること。
アメリカチームみたいにスパッと割り切れず、意外に昔のしがらみや手法を大事にしたりする。


そんなふたりの人間臭さ漂う制作ぶりが、“冷たい鉄”の無機質に血肉を与えているのでは、などと思った。


生の手紙から立ち昇る90年前の人のリアルな姿にワクワクしてしまった、シャロー展にて。


既存の家をくりぬいてつくられたミラクルな家 / ピエール・シャロー展 その1
古びた書簡が伝える1920年代 / ピエール・シャロー展 その2



公式サイト:http://panasonic.co.jp/es/museum/exhibition/14/140726/
展覧会名: 建築家ピエール・シャローとガラスの家 ―ポンピドゥー・センター・コレクションが魅せるアール・ デコ時代の革新
場所: パナソニック 汐留ミュージアム、
開館期間: 2014年7月26日(土)~2014年10月13日(月・祝)
午前10時より午後6時まで(ご入館は午後5時30分まで)
休館日:毎週水曜日、夏期休館8月11日(月)~15日(金)
2014.09.19 Fri | Private| 0 track backs,
既存の家をくりぬいてつくられたミラクルな家 / 「建築家ピエール・シャローとガラスの家」展 1
パリ左岸に、ガラスブロックでできた家がある。
(現在も人が住んでおり、残念ながら基本的に非公開。)


既存の建物を全面リノベートして実現したのだが、
そのリノベート手法が並でない。

最上階・3F部分の住居の住人が立ち退かなかったため、
最上階は手つかずのまま、1・2F部分のみをくり抜いて、内部を3層にして3Fの家としてつくりなおしたというのだ。

(つまり、最上階は、今や4F。)
(最上階の住人、工事中うるさくなかったのだろうか、などと老婆心。)


このファンシーな家を実現したのが、フランスの建築家・デザイナー、ピエール・シャロー。

パナソニック 汐留ミュージアムで開催中の「建築家ピエール・シャローとガラスの家」展で、
そんな彼の業績がふんだんに紹介されている。


(*写真は主催者の許可を得た上で撮影しています。)
写真 1 (4)



かくして出来上がった家が様々な形でで紹介されているのだが、最上階部分とその下では、まるで別物。


改修後、中は一部吹き抜けになって開放的で、
前面にはガラスブロックが敷き詰められ、採光はたっぷりと。

空間の仕切り方も独特で、
多用された階段も、アクセントに一役買っている。


1920-30年代の設計とは思えぬモダンさだ。


昨今ジョージ・ネルソンのデザイン・建築展(本日終了)、ピエール ポランの椅子の展示(シャネル銀座)など、
絵画以外のデザイン系の展覧会がたまたま相次いでいるけれど、それぞれに時代がズレている。

シャローが活躍したのは20-30年頃だそう。
大恐慌さえなければ、もっと長い期間創造性にあふれる作品を生み出し続けただろうに。

彼のおよそ20年後に生まれたのがネルソンで、さらに20年ほど経ってポランが生まれた、
そんな時代感覚だろうか。



シャロー展に際しては、オリヴィエ・サンカルブル氏、千代章一郎氏の講演会を聞き、
1度展覧会を見ていたのだが、Web内覧会があるというのでそちらにも参加。

作品を前に解説を聞けたのが有益で、さらに多くのことに気がついた。


例えばガラスの家の設計図。
初回訪問時は、いくつか設計案をつくったのだな、という表面的な思いでさらっと過ぎたのだけど、
これが多くのことを語っていた。


一例として、導線を多重に取ることで、診療室へ行く患者さん(発注主は医師)、庭で遊ぶ子ども、
その他家の内部に行く人など、鉢合わせにならないようになっている。


廊下側と部屋の内側両方に観音開きの戸棚ががあって、
女中さんが洗濯後の衣服を廊下側から仕舞い、家族がそれを部屋の中から取り出す
そんな発明家的アイディアも!
思わず感嘆の声を漏らしそうになった。


写真 2 (1)



テキスタイルデザインなども手掛けていて、映画にも登場したそうだ。
ポランの椅子が、様々な映画で使われていたのを思い出す。

映画の場面に新鮮さを付加するためにこうしたデザイナー作品は、
格好の小道具だったのかな。

写真 3 (3)



更に目を引くのは、可動式家具。
モビリティがひとつのキーワードらしい。

この机も逆側がアコーディオンのようになって、引き出し部分が扇状に開くかたち。

ネルソンのデスクにやや似ているような感じのものもあったけど、
職人さんとのコラボで細部にも凝っていたシャロー vs 会社組織でカタログ販売していたネルソンの違いはあろうかと。


写真 2 (2)



手前の椅子もやはり可動式で、折り畳める。

家具にモビリテが取り入れられ、人にリベルテをもたらす、そんな意識だろうか。


さらにこの鉄という素材を家具に取り入れるのはかなり斬新だったはず。
(これについては別途その証拠があった。その話はまた後日)。


写真 3 (2)



もちろん、建築家としての側面も、スライド、建築例の写真や模型で説明されている。


公式サイトに素敵な紹介ビデオがあるので、こうした予備知識を吹き込んでから行くと
展覧会での味わい方も深くなるかと。






フレキシブルな家具、のびやかでモダンな家たち、
そしてそれらを可能にした、しなやかな発想。

ベルエポックを経て本格的な消費時代に向かう力・アイディアが随所に見られる展覧会だった。


既存の家をくりぬいてつくられたミラクルな家 / ピエール・シャロー展 その1
古びた書簡が伝える1920年代 / ピエール・シャロー展 その2


公式サイト:http://panasonic.co.jp/es/museum/exhibition/14/140726/
展覧会名: 建築家ピエール・シャローとガラスの家 ―ポンピドゥー・センター・コレクションが魅せるアール・ デコ時代の革新
場所: パナソニック 汐留ミュージアム、
開館期間: 2014年7月26日(土)~2014年10月13日(月・祝)
午前10時より午後6時まで(ご入館は午後5時30分まで)
休館日:毎週水曜日、夏期休館8月11日(月)~15日(金)
2014.09.18 Thu | Art| 0 track backs,
ノルマンディーへの旅 / 印象派のふるさと ノルマンディー展
この地方に来ると、大気に敏感になる気がする。
フランス、ノルマンディー。

なんとも雲の表情が豊かだなぁ、と感じ入ったのも、
確かこの地だったと思う。

ふと見上げれば、雲の流れは速く、
肌に触れる湿潤な空気を感じた途端、
不意打ちのようにザーっと一雨やってくる。

空気の存在を思い知らせるような、気まぐれで変幻自在な天候。

刻々と変わりゆく大気感を描こうとした印象派の画家たちが
この地に魅せられたのも、必然だったのだろう。


ノルマンディーは、フランス北部。

クロード・モネのアトリエがあるジヴェルニー、
モネ「日の出・印象」が産み落とされたル・アーヴル、
数々の作家たちの手で、画布の上に繰り返し再現されたオンフルールの港、、、
など、全てこの地方。

映画「男と女」、「シェルブールの雨傘」の舞台となったドーヴィルやシェルブールなどもしかり。



現在開催中の東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館
「印象派のふるさと ノルマンディー展」に行ってきた。


海岸風景作品が並ぶ一角で、
四方を見渡してみる。


建物もない、人もいない、海と空だけから構成されるシンプルな画面なのに、
表情はさまざま。
選ばれた時間帯、天候がそれぞれ異なって、
画家によって好みや、力試しと定めたシーンは人それぞれ。


気に入ったのはアルベール・マルケ。
今ブリヂストン美術館でも2点ほど出ている。
強いインパクトはないけれど、なんとなく惹かれる作家だ。


「ル・アーヴルの外港」という題がつけられた海の光景の中、
一隻の商業用船舶が停泊している。
いわゆるリゾート地としての海岸風景や牧歌的田園地帯の絵とは一線を画し、
近代社会を映しているのだけど、硬質なメタリックな感じはなく、
ほのかなペーソスすら立ち昇る。


グレーのフィルターを通したような、沈んだブルーの諧調。
寒々とした中に、ぬくもりを感じるのは、ソフトなタッチのせい?


海を縁どる2本の平行線には、ガントリークレーンや街灯とおぼしき縦の線が突き刺さり、
手前側に女性のウエストのようなくびれたかたちの埠頭が続く。
右側にある格子状の橋桁は静かにリズムを刻み、
どことなく新鮮で、惹かれる構図。


行き交う人々はみな、素っ気ない黒い影。
けれどその中にひとりだけ、ちょっと丁寧に仕草が描き込まれた人物がいる。

手前の手すりにもたれ、背中を見せているその人影は、画家自身では?
埠頭の一番手前に位置取り、
今にも画面からはみ出しそう。
人生の岐路に立ち、一歩踏み出そうか、思案しているようでもあり。


媚びも気取りもなく、ジワジワ沁み入るような一枚だった。



ウジェーヌ・ブーダンの
「コードベック=アン=コーのセーヌ河」の静けさも気に入った。


ごくさりげない風景画。
人物はいない。
でも空へと上る煙が人々の営みを感じさせ、
水鳥がいて
水面に風景が映え、
寒色の中に温かさがある。


さらにブーダンの大型の作品も。
以前ブーダン美術館に行ったはずなのに、大きなサイズの作品の記憶がない。
そのせいで、今回出会った大胆なタッチの絵に意外性を感じた。

これまで見た浜辺の小作の数々では、人々は丁寧に描き込まれていると思い込んでいた。
でもそれは錯覚だったらしい。

小さい画布で微細に見えたものが、画面拡大により粗さが際立った、ということらしい。


また、最初のコーナーが、想像していた海の情景でなかったのも発見。
ロマン派たちが、神話などで馴染んできた廃墟に魅せられ
ノルマンディーを描いていたと知る。


その他デュフィもあったけれど、南仏の陽光溢れる景色と明らかに描き分けられていた。

様々な作家による海に反射する光の表情もあれこれ見た。

ターナーの偉大さを再認識したわけだけど。

そうそう、ターナーのエングレーヴィングも今回展示されていて、素晴らしかった。

白黒なのに・・・
光を反射する水の繊細な質感まで伝わってくる。




(写真:オンフルール旅行にて)



(写真:ル・アーヴル出張にて、マロー美術館)


今回の展覧会、さまざまなノルマンディーの顔であふれていた。


http://www.sjnk-museum.org/program/current/2139.html

展覧会名: 印象派のふるさと ノルマンディー展 ~近代風景画のはじまり~
会期: 2014年9月6日(土)~11月9日(日)
月曜休館(ただし祝日は開館、翌火曜日も開館)
会場: 東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館
〒160-8338新宿区西新宿1-26-1損保ジャパン日本興亜本社ビル42階
閉館時間: 午前10時-午後6時(金曜日は午
2014.09.17 Wed | Art| 0 track backs,
小道具の精緻さに釘づけ / ドール・カルチャー展 その2
(続き)

六本木ヒルズ展望台 東京シティビューで開催中のドール・カルチャー展、
時代の変遷という視点で見ると、最後の部屋の現代バージョンの精緻さは
ある意味到達点では?と思えるほどだった。


たとえばリカちゃん。
小道具が余りにリアル。

*リカちゃん ©TOMY

P1620789.jpg


お姉さん風の衣装のリカちゃんは、CDECのショッピングバックを持っていて、
ちゃんと衣装と小物がマッチングしている。

*リカちゃん ©TOMY

P1620768.jpg


思わず笑いが漏れたのはこちら。
どこが?というと、左下。
ハマトラファッションのリカちゃんの足元にあるのは、、

*リカちゃん ©TOMY

P1620792_2014091521270757e.jpg


ハマトラご用達、靴のミハマ、の靴箱。

*リカちゃん ©TOMY

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更にミハマファッションは続き、
キタムラのロゴ付バッグを抱えた横浜ファッション風の女子たちは、
みな横浜元町生まれのポンパドールのパンを携えて。

*リカちゃん ©TOMY

P1620769_2014091521270569a.jpg


細部まできっちり仕事してます。

*リカちゃん ©TOMY

P1620769bb.jpg


これらはメーカーとのタイアップなのだろう。
*リカちゃん ©TOMY

P1620791.jpg


余りにそのまんまなので。
ミスタードーナツ、「おかげさまで35年・・・・」
*リカちゃん ©TOMY

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リカちゃんが、「JJ」読者層、等身大の20代女性を演じているとすると、
バービーはやはり「25an」ワールドだった。

*バービー ©Mattel, Inc. All Rights Reserved.*

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Coachのバッグは精巧で、
ご丁寧にきちんとロゴが入っている。
手の指サイズ、でだ。

*バービー ©Mattel, Inc. All Rights Reserved.*

P1620746.jpg


制作者側が、ハマってしまったとしか思えない、この出来栄え。

*バービー ©Mattel, Inc. All Rights Reserved.*

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若者向けのブルーレーベルのラインと思しきバーバリーも。
*バービー ©Mattel, Inc. All Rights Reserved.*

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ここまでやりますか、と感心しきりだったドール展。

会場を見渡すと、人それぞれ、ツボが異なっているのがよくわかった。

面白いもので、どんなタイプの女性であれ、本展にはどこかしらハマるポイントがあるようだ。
人形遊びって、ある意味女子にとって通過儀礼なのだ、と実感した次第。

ヒルズ展望台の入場料で観覧できる。


ブロガー内覧会その1
ブロガー内覧会その2 


展覧会名称 : ドール・カルチャー展
リカちゃん、ジェニー、バービー、ブライス、
そしてスーパードルフィー
“Kawaii”の源流から未来へ
会期 : 2014年9月13日(土)~10月19日(日) ※会期中無休
会場 : 六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー
東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー52階
東京シティビュー 
営業時間 : 10:00~22:00(最終入場21:30)
当日料金 : 一般:1,500円
高・大学生:1,000円
4歳~中学生:500円
※税込
※上記料金には展望台・森美術館入場料含む
※森美術館は展覧会会期中のみ入場可

http://www.doll-culture.com/
2014.09.15 Mon | Art| 0 track backs,
ドールに見る時代の変遷 / ドール・カルチャー展 その1
幼少の頃の人形遊びの思い出は、普通にリカちゃん遊びだったのだけど、
それとは別に強烈な人形の記憶がある。

祖母の家にあったゴム人形。
スタイルはバービーのような感じ。
でも顔つきがやや不気味。

母が子供の時に遊んだものを、祖母がとっておいたもの。
孫(つまり私)が祖父母宅に来た時、これで遊べるようにと。

20年余りの間で人形の造作は進化する。
母の時代の人形など、気持ちが悪い、そう子供心に思ったものの、
祖母のために5分ぐらいは楽しむフリをした、そんな思い出がある。


そんな人形の変遷が克明に見られる展覧会が今六本木で開催中。
場所は、六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー。

タイトルは:「ドール・カルチャー10+ 件展 リカちゃん、ジェニー、バービー、ブライス、そしてスーパードルフィー"Kawaii"の源流から未来へ」


1920-30年の人形のスタイルは、こんな感じであった。

*尚以下の写真については、主催者より特別に撮影許可を頂いています。


保存状態がよく、びっくり。

P1620670.jpg


こちらは60年代。

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80年台になるとあか抜けてくるものの、後の展示で洗練されたものを見た後でここに戻ると、
違いは明白。

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比較的最近のフィギュアたち。
小池栄子、吉川ひなの、天海祐希、スターライトヨシキ、UNO(神田うの)。
そっくりさん人形流行の時代らしい。

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*スーパードルフィー ©1998-2014 VOLKS Inc. All rights are reserved. 
は、オーダーメードで自由自在。
変幻自在だけど、ベースはロマンチックテースト。

P1620660.jpg


*スーパードルフィー ©1998-2014 VOLKS Inc. All rights are reserved. 
男性バージョンもあり。
なんとも怪しげ。

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*スーパードルフィー ©1998-2014 VOLKS Inc. All rights are reserved. 
目つきなどはビー玉で、ずいぶん変化がつくらしい。
構成されるパーツの展示もあった。

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*ブライス ©2014 Hasbro.
こちらもドールの代表格とのこと。
やや大ぶりで、ベッキーのようなくりくり目の人形たち。

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*ジェニー ©TOMY
リカちゃんとバービーの中間的ジェニー。
ファッションショーのような舞台で壮観也。

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*バービー ©Mattel, Inc. All Rights Reserved.
そしてバービーは、女優なりきりシリーズが圧巻だった。
なにしろ似ている。
モナコのグレース妃は一目瞭然。

P1620772.jpg



*バービー ©Mattel, Inc. All Rights Reserved.*
こちらも。
永遠の美をとどめる姿はハイセンス。
ドールの域を超越している。

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*展望回廊内カフェ「マドラウンジ スパイス」 では、それぞれのドールをイメージしたパフェが登場。

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ブロガー内覧会その1
ブロガー内覧会その2 


展覧会名称 : ドール・カルチャー展
リカちゃん、ジェニー、バービー、ブライス、
そしてスーパードルフィー
“Kawaii”の源流から未来へ
会期 : 2014年9月13日(土)~10月19日(日) ※会期中無休
会場 : 六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー
東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー52階
東京シティビュー 
営業時間 : 10:00~22:00(最終入場21:30)
当日料金 : 一般:1,500円
高・大学生:1,000円
4歳~中学生:500円
※税込
※上記料金には展望台・森美術館入場料含む
※森美術館は展覧会会期中のみ入場可

http://www.doll-culture.com/
2014.09.14 Sun | Art| 0 track backs,
社会人になりたての頃の濃密な思い出を振り返りつつ / ラ・ベットラ ペル トゥッティ 新宿本店
昨夜は同期入社の女子の栄転祝い。
小学生の子供がいる人もおり、アクセスの関係で、まず先に場所は新宿と決定。

さて店探し。新宿というのはなかなか難しい。
こじゃれた路面店を知らない。

結局無難に野村ビルの店に決まった。
落合シェフの店に関せられるベットラの名がついているので間違いはなかろうと。
(お弟子さんが手がけるスピンアウトの店とのこと。)


レビューで読んでいた通り、雰囲気はカジュアルで、新富町のベットラとは別物。


当初大皿を勝手気ままに選ぶつもりだったが、
勧められるがまま、コースにした。

前菜がワゴンから選ぶのは楽しい。
ワゴンサービスは、アラカルトでもOK。

写真 333


選んだ前菜。
さつまいもの冷製スープが美味しかった。

写真 222


ワタリガ二のスパゲティ。
パスタは二種類からチョイス。

写真 122


メインのメカジキは撮影せず。

デザートも選択方式。
2日前に行ったランテルナマジカが少人数で極上のイタリアンに舌鼓を打つ店だとすると、
こちらはある程度の人数でワイワイガヤガヤ食べるのに向いた店といったところ。

写真 (53)


この日のメンバーは、新人当時、同じ課に配属され、苦楽を共にした4人。
思い出話は尽きず、あの頃はなんて濃密な時間を送っていたのだろう、
と改めて実感。
学生から社会人へ。毎日が発見の連続で、失敗もあり涙も笑いもあり。

この日、笑顔全開で語り合った極上の時間が最高のごちそうだったかもしれない。


http://r.gnavi.co.jp/a788002/
2014.09.12 Fri | Gourmet| 0 track backs,
映画「不機嫌なママにメルシィ!」の不思議な世界
本年度セザール賞5部門制覇!の呼び声に惹かれつつも、
「アデル、ブルーは熱い色」みたいに、機微のない凡庸さで狐につままれたまま終わったりしないよね?
などと疑心を抱えつつ、
先日行ってきたフランス映画「不機嫌なママにメルシィ!」の先行試写会。


主人公(及び監督・脚本)は、実力派俳優たちの巣窟メディ・フランセーズに所属するギヨーム・ガリエンヌ。
冒頭、せわしなく切り替わるカメラワークに、一瞬断片的なストーリーになるのかと思いきや
思いがけないオチで完結し、短時間で一気にこれまで見ていた世界観がひっくり返されるという仕掛け。

母親役をダブルで演じたガリエンヌ氏の、演じ分けはお見事だったし、
少年時代のボクと大人のボクは、別のよく似た俳優が演じたのでは、
と思うほど、成長過程に従うふるまいの変化が鮮やかだった。


本試写会は日仏会員限定の催しで、終演後、そのガリエンヌ氏自身のトークがあった。
すり足の場面では、能を意識していたといい、なんでも世阿弥の世界に魅せられているという。

また、最初のシーンで顔のドーランをぬぐうシーンは、仮面を取り去る、という行為を暗示しているそうで、
これから始まる彼自身の”告白劇”を予想させる。

告白劇、そう90%は真実のストーリーなのだそう。
真実は小説より奇なり、を地で行くワンダーランドだった。


公式サイト:
http://www.cetera.co.jp/merci/
2014.09.11 Thu | Art| 0 track backs,
トラットリア・デッラ・ランテルナ・ マジカ(目黒)
◆ 味が抜群 トラットリア・デッラ・ランテルナ・ マジカ

昨夜、小学校時代の親友と食事をしたイタリアンが、大当たりだった。

塩加減、味付け加減が日本人の舌に合う最適なポイントで調理されている。
Tabelogの3.76という高評価も納得だ。


目黒周辺に勤める友人がかねてから行きたいと思っていた店だそう。
ただしランチ営業がないので、なかなか機会がなかったという。


店内は広く、こちらの部屋は奥の1室。
隣の部屋も含め、広いフロアが軒並み満員。
大盛況。

写真 2


メニューはクリスマスなどを除き平常アラカルト。

色とりどりの生ハムの前菜やサラダなど写真を撮らず、
彩りのない写真しかないけれど、こちら大正解だったパスタ:

カニ肉たっぷり入ったニョッキと、生ポルチーニ(!)を贅沢に散りばめたフェットチーネ。
それぞれ1皿ずつ注文。それを、とり分けされサーブ。
双方とも幸せな風味を奏でていた。

写真 1


メインの魚は、お勧めの黒板からチョイスし、焼き方など、好きなものを選べる。
タイの一種オナガ(尾長)を、香草とニンニクのグリルで注文。


写真 (52)


中はふっくら、外はカリカリ。実にいい塩梅に焼き上がっていた。

写真 (51)


お店は、「東京ラブストーリー」のロケに使用されたそう。
こちらのサイト http://ameblo.jp/marumenkoi/entry-11336702710.html を見ると、
主人公織田裕二の自宅としての使用のようだ。

また是非再訪したい。

***

トラットリア・デッラ・ランテルナ・ マジカ
〒141-0021 東京都品川区上大崎2-9-26
http://www.lanternamagica.jp/
2014.09.10 Wed | Gourmet| 0 track backs,
孤島にたった一人で住むということ 神の島・沖ノ島
全く知らない世界があった。
たった一人で九州北部にある沖ノ島に住む人がいる。
その模様を館内のビデオで見た。

外部の人が上陸できるのは1年のうち基本的にたった1日のみ。
数も制限され、加えて女人禁制。

押しつぶされそうな孤独感。
その様子を見るだけでも耐えがたく、ずっしりとした息苦しさを感じる。


この場所は、島自体が御神体なのだそう。
送り込まれた宮司はたった一人。
毎朝身体を清めるために、裸で海に入っていくその後ろ姿をカメラがとらえる。

4km四方の島で、日々同じことを繰り返し、
少しでも邪念が入れば、精神の均衡が破られてしまいそう。


ここは都心丸の内にある出光美術館。
今回の企画展は、「宗像大社国宝展」。
最初は、地味な展示、という印象。

直観的に見て感じるというより、じっくり背景を知って見るタイプの展覧会だ。
ひとたび解説を読み、VTRを見て、実情を知った上で見ると、
そこにあるのは深い信仰の世界。


国宝67点がズラリと並んだ展示ケース。
それらすべて、宗像大社のひとつを形成する沖ノ島・沖津宮から出土されたもの。
もっとも文化庁のカウントでは、出土された総数8万点の遺物は、ひとくくりにされ、それら合わせて一点となるらしいが。
(時代は下るが、源頼朝の直筆の書状(重文)、などというものまであった。)


朝鮮半島と日本の間にある信仰の島、沖ノ島は、古墳時代から重要な中継地と位置付けられ、
交易の結果得られた貴重な品々がこの島に捧げられた。
信仰の場は、島内の岩上→岩陰→露天へと変化し、その痕跡が今でも残っている。


御神体としての伝統が厳格に守られてきた結果、出土品は一級で、
鏡だけでも77もある。


派手さはないけれど、知れば知るほどに深い。

****

2014年8月16日(土)~10月13日(月・祝)
宗像大社国宝展 ―神の島・沖ノ島と大社の神宝
場所:出光美術館
10:00~17:00 (入館は16:30まで)
毎週金曜日は19:00まで(入館は18:30まで)
http://www.idemitsu.co.jp/museum/honkan/index.html
2014.09.09 Tue | Art| 0 track backs,
遺髪入り、風景画あり、指輪って広い:「橋本コレクション 指輪」
まるで人形の髪の毛?と見まごうような鈍い光を放つブロンド色の髪の毛は、エドワード4世の遺髪だという。
丹念に梳かれ、束ねられて指輪に収まっている。

国立西洋美術館で開催中の指輪展でのこと。


つくづく指輪にも、用途はいろいろあるものだ。
単なる装飾用だけでなく、様々な思いを封じ込めたその存在の多様さを実感した次第。


身近に置いておきたい美術感覚のもの、呪術的なもの、記念のメッセージが入ったもの、宗教的なもの、など様々なバリエーション。

浮彫の横顔のダンテは確かな輪郭に縁どられていた。

指輪に描かれた十字架は、ペンダントに比べてどこか秘めやかな匂い。

マハラジャと題したカラフルな指輪をのぞき込む。インド人のまっすぐな瞳から目が離せなくなる。

古代のリングは神話を描いたものも多く、ニケやディオニソスが、技巧の限りを尽くして彫られている。

ローマ観光地の連作指輪も壮観。
景色を見ながら、あ、これはコロッセオ、これはフォロロマーノ、などすぐにわかるその精緻な筆さばき。


むろん、名だたるブランドによるキラキラの宝石が散りばめられた品もたくさんあり、
華やかさに惹かれた多くの人たちが、ガラスケースから動けずにいた。


展示数は絵画も含めて350点。
小さい品だけに、量が多い。
コレクターの橋本氏の狙いもそれだった。

戦後の焼土に、なるべく多くの展示物を見せたい、
スペースを考えれば、それには極小であることがカギになる。
そして指輪の収集、という発想。
そんな思いも感じつつ鑑賞した。


2時からは能澤慧子先生(東京家政大学教授)の「ファッション史のなかのジュエリー」も拝聴。
絵画の中のドレスの変遷で時代がわかる、そんなヒントを頂いた。

今まで何気なく見ていたナビ派の絵の女性たちは、そういえばネグリジェのような姿だった。

硬い出っ張った白襟の中世のドレスから、襟とデコルテを見せる組み合わせを経て、デコルテ全開という流れや、
背中で紐組にして、簡単に着脱できない仕掛けにすることによる見せかけの貞節さなど、
これまで無意識で目にしていたスタイルは、理論的に説明がつくということを知った。

*****

展覧会名:橋本コレクション 指輪 神々の時代から現代まで ― 時を超える輝き
会期:2014年7月8日(火)~9月15日(月・祝)
開館時間:午前9時30分~午後5時30分         
毎週金曜日:午前9時30分~午後8時
(詳細はHPにて)
http://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2014ring.html
2014.09.08 Mon | Art| 0 track backs,
昼間見た浮世絵が、夜のTV番組にこっそり変形の上登場。そのパロディを見抜く
昼間実物を見た浮世絵が、夜テレ朝のドラマでパロディになって登場する・・
そんな偶然のシンクロがあった。


まず昼間、国立博物館へ。
浮世絵部屋の展示は、今回 喜多川歌麿特集だった。

ふと、1枚の絵の前で足が止まる。

P1620525.jpg



いわゆる判じ絵があったので、絵解きに挑戦してみたのだ。
判じ絵については、以下の通り:

P1620527.jpg


上記の絵でいうと、この女性の名前は、「高島ひさ」となる。

理由は、右上に書かれた絵。

「鷹」+「島」+「火」+「サギの上半分=さ」 ==> たかしまひさ

P1620528.jpg



こんなのもあった。

「菜」が「二束」で、+「矢」+「沖」+「田」=なにわ屋おきた。

P1620529b.jpg



さて、夜。
テレ朝「だましゑ歌麿IV」を見ていたら、歌麿が描いた架空の浮世絵が登場。

それが、先ほどの絵とうりふたつ。ただし違いは -

P1620572bb.jpg


判じ絵部分。
なにわ屋おきた、の代わりになにわ屋「おたき」になっている。(「尾」+「滝」)

こっち↓が本物。


P1620529bb.jpg



昼間にあの展示を見なかったら、本当に存在した絵だと勘違いしたことだろう。

トーハクに行くと浮世絵室には必ず立ち寄る。但し、普段写真に撮ることは滅多ない。
今日は判じ絵が面白くて偶然撮ってきたのだった(写真撮影は例外を除きOK)。

なにか霊感が働いたのか。
「偽物を暴いてくれ」という歌麿の叫びが背中を押したのか。

.
2014.09.07 Sun | Art| 0 track backs,
過去の記事に改めて驚く
つくづく人間の記憶はアテにならない。

1999年10月から綴ってきた自転車ロードレース関連のニュースを現在復刻していて、
読み返しながら、自分でそれを書いたことをすっかり忘れているケースがある。

そして、まるでそれらを初めて読んだ時のように、読みながら自分でびっくりしているわけだ。

例えば、2000年10月28日のドーピング裁判の記事。
フェスティナチームの尋問で、本チームは薬物まみれではあったものの、
ロードレース界においてそれは、平均的レベルであった
という証言が飛び出していた。

フェスティナといえば、チームぐるみでどっさり薬物を運んできては使用していた
汚染された組織。
これが「中庸」と称されていた時代は恐ろしい。

後で振り返ると、常識の落差に愕然とする。

http://blog.livedoor.jp/maillotblanc/

.
2014.09.06 Sat | Cyclde Road Race| 0 track backs,
銀座シャネルの展示にうっとり: 極上の椅子が並ぶ『ピエール ポラン - デザイン フォーエバー』
椅子に見立てたクリスタルの断片が微風にそよぎ、夢見心地の世界へと誘っていく。
やさしく引かれた曲線的な導線に従えば、
極上のフォルムを描く表情豊かな椅子たちが出迎える。


今回のシャネルの展覧会「ピエール・ポラン - デザインフォーエバー」で体験した空間は、
そこはかとなくシックなエスプリに満ちていた。

ピエール・シャロー展、ジョージ・ネルソン展と建築家・デザイナーの展覧会が奇しくも重なった今年、
今度は椅子のエキシビションだ。

オープンは20時まで。ニュースレターの誘いに応じるように、何気なく足を運んだところ
揺らめく空間に吸い込まれ、
身体を流線型に包み込むエレガントなフォルムに目を奪われた。


VTRでは、過去この椅子たちが登場した一昔前の映画のシーンが幾つか紹介される。
50年代ぐらいの作品だろうか。
オールドファッションな雰囲気の中、洗練された椅子がモダンなアクセントを添えていた。


形態を変化させつつつなげることができる大阪万博で展示されたという「Osakaソファ」もあった。

中央では個々の椅子がシルエットにより浮かび上がり、愛らしい椅子の表情が際立った。

会場内の椅子はすべて腰かけることが許されている。
今でも注文がある、生きた椅子である証。

風や雨が木々を揺らす氏の自宅周辺の風景を前に、お茶目なSの字型ソファ「Tongue」に腰を下ろしてみる。

ふんわりと優しい感触。
無機質でない、人間味のある温かさに抱かれる。


インタビュービデオの中で、ダンディなポラン氏はこう語る。
自分の椅子は決して贅沢ではない。
それらは本質的に必要とされるものなのだから。


とっておきの椅子、そして、それらを囲む煌めくセッティング。
両者のコラボは一体化し、四角い素っ気ない空間は華麗に変身。
都会のビルにいることを忘れてしまう。

建築家の坂 茂氏と照明 デザイナーの石井 リーサ 明理氏の采配もまた見事だった。


P1620495.jpg



http://www.chanel-ginza.com/nexushall/2014/paulin/

場所:シャネル・ネクサス・ホール
展覧会名:『ピエール ポラン - デザイン フォーエバー』
開催期間: 2014年9月2日(火)~9月26日(金)  12:00~20:00
入場無料・無休
2014.09.05 Fri | Art| 0 track backs,
だまし絵展 @Bunkamuraザ・ミュージアム
◆ Bunkamuraザ・ミュージアム「だまし絵Ⅱ 進化するだまし絵」展が来場者に仕掛けたトリック

美術館が鑑賞者にトリックを仕掛けるなんて、
展覧会名(「だまし絵Ⅱ 進化するだまし絵」)は、ダテではなかった。


見逃しそうな作品が3つほどある、という事前情報を得ていた。
1つは、その情報なしでも部屋に入った途端目に入った。
もうひとつは、目を凝らしてわかった。
だが、3つ目。
わからない。


すごすご帰ろうとしたとき、ふと浮かんだのは、図録で確認するというちょっとセコい技。
展示写真を見比べ、これも見た、あれも見た、などとペラペラやっていたら、
ある作家の3つの作品のうち、2つの作品を目にしていないことに気が付いた。

どこだ?
その作家の1作品が置かれている周辺には何故か見つからない。


狭いようで広い館内を、あてどなく歩く羽目になる。

きっとわかりにくい場所なのだろうと思い足元を探してみる・・・あった!

美術館側が仕掛けたトリックが、思わず笑いを誘う・・・

● 作品名を示すタグがついていない。(図録で確認するしかない)
● 作品2つが合体していて、ひとつになっている!


オツな演出だ。
見ながら愉しくてアドレナリンが出ているのがわかるような、
稀に見るエキサイティングな展覧会。


その他のワクワク:

・パトリック・ヒューズの「広重とヒューズ」に釘づけ。いや参りました、もうクラクラしそう。というのも、歩くと絵が動くのだ。実物の凹凸を認識してしまうとまったく動かない。それから解放された瞬間、どっと動く風景。

・ハンス・オプ・デベークの映像作品。20分ほどあるけど、騙し、というよりめくるめく情景の変貌ぶりが圧巻: 林 水 夜景 摩天楼 崩れる角砂糖 ・・・ 

・目の錯覚を利用した、先日のキネティック展に類似した作品も

・見る角度によって人のプロファイルになるマルクス・レーツの一筆書きのような朴訥な造形が魅力:「姿見II」。

・ある一定の角度から見ると突如ピアノになる物体。

・だまし絵には写真も含まれていた。コンクリートを割ってしまう怪力男(?)を写した作為のない作為的な実写とは?


本展フライヤーの”顔”になっているアルチンボルドのような二重イメージの作品は、ほんの一部にすぎなかった。
アーティスティックなトリックは、様々な方向から、常識でカチコチになった頭をほぐしてくれる。

騙され方にも多様な手法があるものだ、つくづく感心してしまった。
なんて新鮮、なんたる解放感。


****

展覧会名:「だまし絵Ⅱ 進化するだまし絵」
会場:Bunkamuraザ・ミュージアム
開催期間:2014/8/9(土)-10/5(日)*9/8(月)のみ休館
開館時間:10:00-19:00(入館は18:30まで)
毎週金・土曜日は21:00まで(入館は20:30まで)


http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/14_deception/index.html (音が出るので注意)
2014.09.04 Thu | Art| 0 track backs,
究極のだまし絵 : 桜新町にベルサイユを見る
町中がだまし絵!
NHK「世界ふれあい街歩き」に出てきたベルサイユの町の風景に驚いた。

至る所にいわゆるトロンプ・ルイユ(だまし絵)が溢れている。
個人の家の窓。
本物の窓とペイントの偽物が混在している。

ベルサイユは3回ほど行ったのに、そういえば住宅街を歩いたことはない。

こんな光景もあった。


P1620491.jpg


配電盤をそれと分からないように、上から絵を描くことにより別物に仕立てている。
(まだ制作途中だったのでよくわからなかったけど、タンスの引き出しのように見えた。)

景観を随分気にする街なのらしいベルサイユ。
ルイ14世時代から続くある種「クセ」なのだろう。


ふと思い出すのは東京都桜新町。
だまし絵があったわけではないけれど、見た目重視の雰囲気には共通性が見出せる。

電線は地中に埋め込まれ、配電盤にはサザエさんの絵。
(「サザエさんの街 桜新町で見た不思議な光景」)




見苦しいものを見目麗しく装わせるというコンセプト。
桜新町はベルサイユのような街だった・・というわけだ。


こんな風にだまし絵に過剰に反応するのは先日見た展覧会のせいかもしれない。

21時まで開館という夜間開館を利用して
Bunkamuraザ・ミュージアムで開催中の「進化するだまし絵」展を見てきた。

通常この時間帯なら空いているはずなのに、
以前同じく夜間中に行ったダヴィンチ展よりはるかに込んでいてびっくり。
いろいろ遊べて去りがたいせいかもしれない。

会場内には主催者が仕掛けたある種のだましまで登場し、洒落た演出に思わずワクワク。
脳内ドーパミンが多量に生成された気がする(?)
2014.09.03 Wed | Travel-France| 0 track backs,
運命的なすれ違い それもダブルで
世の中、運命的な出会いがあるように
運命的なすれ違いがある。

といってもめくるめく大恋愛に至るような出会いの話でなく、
身近なところに散見される、超庶民的レベルの話なのだが。

運命的出会い、それはごく最近の例でいうと 
ボヘミアングラス展の評判を聞いた矢先、スーパーで特別鑑賞イベントの案内を知り、チャンスをつかんだ、あの一件。
(このレベルになると庶民的、というより小市民的な話というべきか。)


かと思えば、地団駄踏むすれ違いも味わった。

キッカケはこれ -


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「パリ印象派の旅」という番組で、似顔絵を描いてもらい満面の笑みを浮かべる要潤さん。
(とはいえ要さんとのすれ違った、とかいう話でもない。)
この番組で、あるすれ違いに気づかされたのだ。
要さんがパリのある写真スタジオを訪れた時、こんな事実が語られた。


「1874年、写真家ナダールのスタジオで「第一回印象派展」が開催された。
場所は、キャプシーヌ通り35番地」。


確かこの道は、去年7月のパリ旅行で行った記憶がある。

お土産を買うために訪れた、フラゴナール香水博物館があった場所ではなかったか。

住所を調べる。
フラゴナール香水博物館は、キャプシーヌ通り39番地
パリの町は奇数と偶数で左右が分かれているから、フラゴナールの2軒先にあったはず。

知っていれば、、
きっと、印象派起源の場所!と感慨に浸ったであろうに。

知らないということの罪深さを実感する。
35番地はそのまま通り過ぎ、写真一枚すらない。

かろうじてボケボケのフラゴナールの写真があるのみ。


P1410858.jpg


でも話はこれで終わらない。

上記番組をビデオで見た丁度その日、原田マハさんの「ジヴェルニーの食卓/エトワール」を読んでいた。

ご丁寧にその中にも、パリのナダールのスタジオで印象派展が開催されるくだりが出てきた。

帰国した後でどんどん嫌がらせのように(?)入ってくる情報。
いくら今知ったところで、簡単に辿ることはできない。

ほんの隣まで行っていながらそれを愛でることができなかった事実に打ちのめされ、
次回のお楽しみ・・と負け惜しみを発するしかないのだ。


ちなみに似顔絵を描いてもらった要さん、
絵描きの人からは「nice face!」と言われ、集まった多くの観衆たちからは熱い視線を浴びていた。
改めて、美形の判断基準はユニバーサルなのだ、と感心した次第。
(オチはそこか。)

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2014.09.02 Tue | Travel-France| 0 track backs,
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