日常風景 * 写真・文章 Copyright@”Mas Ciclismo Diary”
意外と知らない日本のこと: 壮観な塙保己一の「群書類従」
それは國學院博物館への道すがら。

木々の切れ目から顔をのぞかせた座位の男性像の、
その穏やかなその風情に惹かれてふと立ち止まれば、


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江戸時代の盲学者塙保己一のお姿なのだった。

背景となる曲線使いのポルティコがお洒落な建物は、塙保己一の資料館なのだという。
よく見れば、建物は重要文化財のプレート。

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翌9月29日日曜日はこの場所で文化伝統芸能三題が開催されると知り、
再訪してみた。

イベントは計2時間なので途中休憩時間があり、その際、
塙保己一が編んだ群書類従がずらりと並ぶ壮観な図書館に足を踏み入れる機会に恵まれた。

かつて社会科で習ったうっすらした記憶では、群書類従といえば、書物=紙というイメージだったが、
そこに並んでいたのはおびただしい数の版木の列だった。

版木の例は下記、絵ハガキから。


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保己一は、収集した書物を紙で再現したのではなく、
専用の木彫り職人に依頼し、版木を製作させたのだ。

この版木に墨を塗って和紙をのせ、できあがった和紙を綴じて製本されるということだ。


丈夫な桜の木でできているため、また両端に添え木をしているため、ゆがみもせず、
ピンと張った状態で保存されている。

なにより関東大震災、世界大戦を潜り抜け、完璧に残っているのは、
地下室まで作って守り通した人々の情熱ゆえ。


盲目の保己一は、散逸・消滅が懸念される、貴重な史書や文学作品を校正に残す大事業に取り掛かる。

面白いことに、徒然草の一部などはこの版木に残されているものの、「源氏物語」はこの中に含まれていないのだそう。

理由は、すでに大量の書物がでまわり、散逸の恐れがないから、と。

そういう意味で、保己一は、単に保存を目指したのみならず、
どの書物が重要かつ消滅の危機にあるかを見分ける鑑識眼に秀でていた。
さらに、版を重ねて原文が複数あるものについては、どれがオリジナルに最も近いかといったことも
深く洞察したという。

そのためには、目まぐるしいほどの量の書物を買い求め、
書店のセールスがひんぱんに訪れるようになる。
いいと思ったものは、言い値で購入し、またすでに所持しているものでも、
勧められれば購入。
もったいない、と諭す弟子に、「こうすれば、次回いい書物を持参してもらえるから」と弟子を説得したのだった。

おかげで後世三代まで、借金を背負うことになったとか。


---と、こんな話を、資料館の方からうかがうことができた。


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さて、この日のメインイベント・文化伝統芸能三題の方は、落語・講談・説教節の3つを無料で拝聴でき、2時間余り。

説教節は塙保己一を題材にした内容で、三代目若松若太夫さん。
三味線を、ギターのように上から下へとじゃら~ん、と流し弾きする様に古典のモダンさを感じ。
同時にしゃべり言葉が文語ではなく現代にも通じるものなので分かりやすく、とっつきにくいという
イメージは払しょくされる。


講談では、机上に叩きつけられる張り扇の快音に、背中がピンと伸びるような感覚を味わい。

そうそう、あの張り扇の和紙には、特定の地方の希少なものを使用しているという講談の宝井琴柑さん。
伊東屋で、わざわざ仕入れてもらってやっと手に入るそう。
玉川上水にまつわる虚々実々とりまぜた講談ファンタジーを披露。


地元すぐそばにある広尾高校出身という落語家の扇亭小柳馬さん。
いい加減な主人公を通じて、気に食わぬことを天災と受け止める鷹揚さを改めて説かれ。


我が国の伝統芸能でありながら、エキゾチックにも感じられる古典の世界をしばし堪能した日曜の午後だった。
2013.09.30 Mon | Sports| 0 track backs,
ブルーインパルス 国体開会式にて
味スタで行われる開会式はチケット保持者のみが入場できるけれど、
味スタに入らなくても、そばに行けばブルーインパルスだけは見られる、とばかりに行ってきた、
飛田給まで。

味スタに続く道は大混雑。
みんなよく知っているものだ。
人々の情報通ぶり・情報伝播の速さに驚く。

私なんて、今朝ツイッターでその事実を知ったばかりだというのに。


アクロバット飛行といえば、7月のツールで、パトロイユ・ド・フランスによるパフォーマンスを見たばかり。

ただ、突如抜き打ちできたため、シャッター間に合わず。
残りのスモークだけが漂う画像となったのだった。





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そうした失敗から、「来る時は突然」、と神経を研ぎ澄まして(?)、カメラを構える。

今度もやっぱり突然だった。けれど、方向合わせが万全だった。
さらに、今回は動画にしたのでちゃんと収めることができた。

ツーレも、反射的にシャッターを押し、間に合った。(下記)

とはいえ、カメラがなんちゃって一眼レフなので、限界はある。
画面に収まったのでよしとしよう。


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写真には写り込んでいないけれど、今回も鳥たちが泡を食って方々へ散って行った。
フランスと同じ光景だ。


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美しいなぁ。
きれいにそろっている。

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カメラの性能がもう少し良ければ、飛行機のボディもバッチリ写っていたんだろう。


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なんとか翼が見える写真が一枚。
日の丸なのね。


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九州の友人が、これの撮影に躍起になっているけれど、ああ、わかる気がする。
軌跡が美しく、動くものをとらえるスリルもある。

ロードレースの撮影をする人には、被写体として、格好の材料のような気もする。

フランスで見たように、スモークが色付きだったら、もっと嬉しかったな。
2013.09.28 Sat | 国内探索| 0 track backs,
胡散臭い長蛇の列
先日のこと。

デパートの期間限定和菓子コーナー。
列ができていて最初は素通りしたものの、ちょっと気になった。

次に通りかかったら列が少し減っていて、じゃあ並んでみよう、ということに。

秋っぽいお菓子だったし、出来立てが食べられるわけだし。
で、買ってその場で食べてみる。

??そんな美味しくない。

でも、列に並んでいてちょっと嫌な予感はあった。

10人程度の列だったけど、売り場の人がゆっくりゆっくり包装をするもんだから、
人が全然さばけない。

それで列になる。

わざとダラダラやることで列を長くする作戦のようだ。

騙された自分が悪いわけだけど、なんか感じ悪い。

例えば、2人前の人が5個買った時、袋詰めするのに、何度も何度もやりなおし。
しかものったり、のったり。

だから人がわんさか来てるわけでもないのに、必然的に列は長くなり、
あたかも繁盛しているかのようになる。


列ができているそのワケを見極めるべきだった。

手際よくやってるのに、千客万来なせいなのか、
あるいは、単に怠慢なだけなのか。
2013.09.27 Fri | Society| 0 track backs,
気になる・・・広尾の床屋さん
今広尾で、気になっている床屋さんがある。

いまどきっぽいというか、なんかモダンでこじゃれてる。
別に若者が経営しているふうでもないのだけれど。

外観のみならず、中も整然としてて素敵そう。ただ ----


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気になっているのは、それよりも窓ガラスの貼り紙。

真夏に通りかかった時は、こんなダジャレが。

「冷やし中華はじめました」 を打消しして、 ==>
「冷やしシャンプーはじめました」

「冷やし 中華 シャンプーはじめました」


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昨日通りかかったら、

「五輪刈りはじめました」 を打消しして、 ==>
「五厘刈りはじめました」

 五輪 五厘刈りはじめました」

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まあ、たぶん五分刈りみたいなもの?


もしかして、この貼り紙は風物詩?
時節次第で貼りかえてるとか?

一件スノッブなんだけど、ご主人はダジャレ好きのよう。

遊び心満載で、ユニークな床屋さん。
広尾にはピッタリな感じの。
2013.09.23 Mon | Society| 0 track backs,
あまちゃん「じぇじぇじぇ~展 Part3」 のココがスゴイ
近頃のTVドラマのセットは、やたら凝っていると聞く。

とある民放のサラリーマンドラマでは、絶対に映らないであろうごみ箱の中にも、オフィスで使うようなそれらしき書類を捨てておくのだとか。

つまりセットに盛り込まれた小物が表面的に映る・映らないというのが問題なのではなく、その場の綿密な再現によるスタッフ・出演者の気分の昂揚感が狙いなのだろう。

それに気が付いたのは、昨日訪れたスタジオパークでの体験でのこと。


10月20日まで開催されているあまちゃん「じぇじぇじぇ~展 Part3」で、セットの一部が再現されている。


例えば北三陸鉄道の駅の切符売場。よく見ると -

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定期購入申込書まで置いてあり、

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申込用紙にはちゃんと北三陸鉄道、とか学割用に、「義務過程・高等課程・養成訓練」とかいう欄もあり、
さらに「通勤・通学」と書かれた欄の上の線が一部欠損していて、コピーして使いまわししている用紙であることがうかがわれる。

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お得な回数券も。

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いかにもありがちな内容、
とことんリアルな注意書き。

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これでもか、というぐらい、田野畑~北三陸間1日フリー乗車券まである。
発売箇所は、北三陸駅、陸中野田駅、暜代駅、田野畑駅、及びリゾートうみねこ車内(?!)、だそう。


東京メトロの1日フリー乗車券が710円なのを考えると、1500円はお高く感じるが -


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実際、久慈と田野畑の間は960円。
(北三陸鉄道でなく、実際の三陸鉄道北リアス線の料金。)
距離が長いということだ。


とはいえ、バンバン乗って・・・とは行かないかもしれない。
北三陸鉄道リアス線の時刻表はこれ。
時間配分をうまくしないと。

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それから潮騒のメモリーのポスター。

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ちゃんと制作会社「オフィスハートフル」と入いっていて、
住所は渋谷区神南3-2-1-30。
どうやら架空。
NHK放送センターは、2-2-1だ。

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映画専用WebサイトURLまで書かれている。

shiosai-memoryって、ありがちなアドレスだ。
でもよーく見ると、「ce.jp」だから、これも架空。
しかも「http://wwww」、w4つだし。


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水口さんの名刺。

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嗚呼、これもよく見ると、いかにもそれっぽくて、だけどありえない -

世田谷区富士見台
wwww.three-j.ce.jp


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ここまでくると、小物作成担当者の忍び笑いが聞こえるかのよう。


さて、駅舎から喫茶リアスに通じる入り口。

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こはく玉つくり体験セット420円。
勉さんの生活の糧?

意外に手間をかけて作られており、凝り性すぎます、製作ご担当者。

「北三陸の女」なんていうCDも何気にあった模様。

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名物ウニ丼は、新聞記事にもなった模様(笑)

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GMTがサインした大漁旗。

中央の好位置・鯛の絵のそばに、小野寺薫子ちゃんのサイン発見。
そばの宮城出身だからセンターゲットしたか。


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開通式の写真も、もっともらしく。

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もちろん、衣装もある。

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勉さんの衣装そのまま

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春子母さんの衣装。(下の写真右=NHK Webサイトより)
TV映りよりも、意外にペラペラで驚く。

でもキョンキョンが着ると、粗末な生地には見えないから不思議。

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GMTの衣装は意外にミニ。

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ウケてたのはこれ。(中央の衣装)

遠藤真奈にシャドウの話が舞い込み、奈落から地上デビューを果たすものの、
衣装を間違えて、なんとパンダの着ぐるみで登場するハメになったときのもの。

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お座敷列車も再現。
テーブルにはうに丼。

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力が入っていたのは、ヒビキ一郎コーナー。

ガラスケースには、番組の中でミズタクとマスターによって床に2度ほど落っことすハメになる
i-padも見える。
派手なケース入り。

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例のサイケデリックな背広と、Tシャツ。
Tシャツは、よく見れば自転車に乗ったヤギだった。

隣で鑑賞していた親子が一言:「Gパンの股上が深い~」

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週刊紙にコラムを書くようになったヒビキ。
2ページにわたり、念の入った記事がちゃんと実在する。

ミズタクにいつか見せてたときのものだ。

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内容ざっと読んだけど、当然週刊紙のコラムっぽい内容に仕上がり、神経がこんなとこにまで行き届いていた。
さらにリアルな著者紹介。

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出口までこのサービス。

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最後にオマケで、アマCafe舞台。

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2013.09.22 Sun | Society| 0 track backs,
竹内栖鳳展 近代日本画の巨人 @東京国立近代美術館
現在東京国立近代美術館で行われている「竹内栖鳳展 近代日本画の巨人」が、やけに新鮮だった。
山種美術館の竹内栖鳳展とも異なって、視点が変わると別物という感じ。

精緻な動物たち、和の佇まい、優しい眼差し、物事の本質をとことん追求しようとする姿勢、画伯の絵には、そんなイメージが強かったのだが、欧州の風景や海外からの絵ハガキなど、画伯の「洋」の部分に今回触れることができた。


海外の風景画は、明治に描かれたとは思えない。
ローマは永遠。今でもこのままだから。

古代と明治と現在、時空を超えたローマが目の前に。

こちらは羅馬古城図(クリックで画像)(京都国立近代美術館蔵)


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私が5月に撮影した写真が上記。
テヴェレ川の川面が写っていないけれど、画伯がキャンバスに写し取ったものに間違いない。

恐らく当時、周囲は見渡す限りの野っ原だったに違いないけれど、
存在感のあるその外観に、なんら変化は見られない。

AD130年代にハドリアヌスが霊廟として使用するために建設を開始したといわれるこの城は
1800年以上もそこにあるわけで、明治時代であろうが平成であろうが、その前の長い歴史に比すれば、
立ち位置はほぼ一緒ということになる。

ローマ時代に巻かれてしまえば、現代の幅がうんと広くなるような、そんな感覚。



そしてはるばる大英博物館から来日を果たしたビロード友禅の「ベニスの月」、及びその原画、栖鳳作「ベニスの月」(高島屋資料館)。


何故一体全体ビロード友禅が大英博物館などというなかなか手の届かないところに行ってしまったのか、
惜しい気持ちに包まれつつ、
布地の上で再現された見事な四代飯田新作氏の作品に見入る。

驚くばかりの精密さ。
布と糸で織りなす風景は、柔らかな下絵のタッチに比べ硬度は増すものの、
それはまた違った風合いを醸し出す。

シャガールの絵をもとに作られたタピスリーを見た時もそうだった。
素材の違うものの競演は華やかだ。

原画を追いかけるようにして、布の素材が同一の情景をめざし、そしてそれが織りなされたとき、
「最初」と「次」といった順序を超えて、それぞれがその風合いを生かしながら完成度の高いものとして
仕上がっている事実に驚き、感激する。


そしてこれもまた、私が見たベニスと一緒。


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サンマルコ寺院の建設は1000年頃か。
手前のドゥカーレ宮殿は800年頃に完成。

ともに今やヴェネツィアの顔。
それはおそらく明治時代も同じこと。


そして栖鳳がパリから投函した絵ハガキも興味深い。:栖鳳コレクション ヨーロッパ絵葉書(海の見える杜美術館蔵)のひとつにルーブル美術館の絵ハガキがあり、その一室、アポロンのギャラリーの絵ハガキを発見。


下記が先日撮ったアポロンのギャラリーの写真。

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絵ハガキを食い入るように見ながら、今年見たばかりのギャラリーの様子と頭の中で比較を試みる。
ガラスケースの位置に違いを見つけたものの、あとはほとんど大差ない。
壁面の肖像画も、恐らく一緒。


ここは、ルーブルの中でもひときわ煌びやかな一室。
栖鳳が、彼個人のテーストとはやや違ったかもしれないけれど、目を見張り、魅せられた光景を浮かべてみたりする。


今回、栖鳳展のあちらこちらで、ハイカラな栖鳳を見つけては、こんな感じで楽しんだのだった。
2013.09.20 Fri | Art| 0 track backs,
週末のガーデンバスケットランチ@原美術館
(★ 2015年夏時点で、原美術館のガーデンバスケットは4750円です。)


先週末、会社の友人と原美術館に二度目の訪問。

お目当ては、カフェダールの週末限定”ガーデンバスケット”。

バスケットにてんこ盛りになったランチに、ワインが1本ついてくる。


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このランチ、数量限定・2名用 2,940円(税サ込)。(←上記★のとおり、現在金額は変更になっています。)


まず、白か赤のワインをチョイス。

そう、下戸のツーレと一緒では、このランチは成立しないのだ。
飲める人、それも、昼間っから飲んでもOKという人と一緒でないと。


__ (5)



やがてバスケットが到着。

ココット皿には、ラタトゥイユ、スモークサーモン、鴨肉など。
本日のフルーツはパイナップルだったけど、先日見かけた内容は
スイカだった。


庭を眺めつつ、すがすがしい気分。
このセッティングが好き。

現実逃避にはもってこい。
一歩外に出ればアーティスティックな空間。
目の前には、緑の上にぽつんぽつんと置かれたオブジェたち。

視覚が味覚を心地よく刺激して、気分も和む。


え?ワイン?
2人で一本空けましたとさ。

ただ、私はその後、夕方帰宅したら頭痛が。。
事前に牛乳を飲み、ウコンをしっかり服用して行ったんだけど。
(そうまでして飲むか、といった感もあり。)


庭に面したカウンダ―席もあり。
庭のテラスもあり。これからの季節は、外もよさげ。
カウンター席も次回トライしたい。


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開館は11時だけど、オープン前から5組は並んでた。

うち3組がカフェに直行。

私は一番乗り。
友人を誘った手前、ガーデンバスケット売り切れ状態では申し訳ないのに。

先日は11:30に売り切れだった。


開門を待つ間、正面・地面にあるアートを鑑賞。

作者として、KENという名前が入っている。


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近づいてみる。

なお、庭園や玄関前にあるオブジェや彫刻は、写真撮影NGなのでご注意を。

さすがに玄関口のこのアートに、撮影禁止マークはなかったけれど。

友人もほどなく到着。
この場所、ちょっと場所がわかりにくいのだけれど、
事前にグーグルマップのストリートビューでしっかり経路を確認・学習してきたという注意深い彼女。


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友人がしきりに言っていた。

斬新な造形を多用した白い構造が、日仏の建物に似ている、と。

元日仏学生だった私も、激しく合意。


初めて来たとき、曲線使いが多いなぁと感じ入ったけれど、
他の目をもった人と一緒にくると、それまた違った感想が吸収できるのだった。

2013.09.19 Thu | Gourmet| 0 track backs,
熟成牛肉の店
大人数で行くにはピッタリの店、Aging Beef


熟成牛肉を出す店で、我々が行ったのは西日暮里店。

ここから電車で2駅の場所で打ち合わせがあった私は一番乗り。
待っている間に熟成牛肉の説明書を渡された。

熟成=Agingさせた牛肉は旨味が増すということで、店名そのものずばり。

半分の頭数がそろったところで
まずはメインに1㎏の塊を注文。

幹事さんの機転で、サーロインの塊が入荷していることはすでに確認済。
そして焼く前に塊のまま見せてくれるわけ。


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この塊は、テーブルで個人が焼くには手ごわいので、
店の厨房で焼いてもらう。
食べやすいサイズにカットされて再び登場~。

外側は一見しっかり焼けてる風で、中身は超レア。


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これを焼くまでかなりの時間がかかるので、その間5種類盛り合わせ。

ミスジと呼ばれる腕の一部あり、
ザブトンという肩ロースの一部はなかなか味があり、
特選ヒレは文句なく美味しくて、
他に大トロカルビや匠の和牛特選ハラミ。


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ワインは1本1000円で持ち込みOKで、これはフランシス・コッポラ監督が経営するワイナリーのもの。

ラベルがフィルムなのだ。


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こちらもコッポラの一本。

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その他野菜の桜島溶岩で焼く野菜のオリーブオイル溶岩焼きなどを注文。

大人数だったので、2時間という時間制限ありだったけど、
肉の旨味がじゅっと閉じ込められた品々を堪能。

焼肉屋さんと呼ぶにはモダン。

味はひたすら塩・胡椒を各自好みで。
やはりしょうゆベースのタレはワインには合わないので。


「Aging Beef」



●オマケ


昨日のエントリー:
「半沢直樹」で使われた階段、赤い毛氈があるだけで(上)

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随分それっぽくなると気が付いた。(下は素の国立博物館)

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2013.09.18 Wed | Gourmet| 0 track backs,
「半沢直樹」がネジを落とした現場はここ(東京国立博物館・本館)
TBSの大ヒットドラマ「半沢直樹」。
昨日の第9話で、半沢が父親の仇打ちの象徴として持ち歩くネジを落とした。
(そして大和田に拾われそうになり、それを阻止。)

その撮影現場に、本日行ってきた。。。。というか、
実は全くの偶然だったのだけど。


トーハクこと、東京国立博物館に行き、本館の玄関を入ってこの階段の具合を見た途端 -

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「あ、これ昨日見たやつじゃない?」と思い、さらに
そういえば、「半沢直樹」の舞台として、学士会館や博物館が入っていたと小耳にはさんだ記憶が蘇った。

ツーレにそれを告げたら、彼が係員の人に確認。
「ここって、半沢の舞台ですよね?」と。
「よくご存じですね。」と言われたそう。

気づいたのは私なんだけど。


TVで昨日見た時には、だだっ広い玄関のように見えたけど、
間近で見ると、印象ほどの奥行ではない気がした。

壁時計がお洒落。


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じゃあ、昨日の半沢さん(堺雅人さん)の目線で見てみる。

下の方まで下って、彼はネジを落っことしちゃったのだった。


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ついでに外から目線。

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で、肝心の博物館の展示はどうだったかというと、
すでに本館は何度か行っているので、今回は東洋館をじっくり鑑賞。


アジアと日本の類似性と相違性、トルコの東洋性と西洋性、インドの仏様のリアルさ・・
などなどへえ、とか、ふうんとかひとりごちたのとは別に、
インパクトがあったのは -


中国清王朝の纏足。
成人女性のもので、なんと足サイズ10㎝・・・

纏足だから、小さい靴とは知っていたけれど、幼児の靴がある、と思って説明書に
成人用纏足という言葉を見たときの驚愕。


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本当は、足のサイズより、刺繍の素晴らしさに注意を払うべきなのだろうけれど、
いやいやこれは、外見のかわいらしさとは裏腹に、拷問のようなものだ。


その他、エジプトのミイラなどというのがあるのも初めて知った。
ミイラと棺がペアで残存している珍しいケースだそう。


パリのルーブルで見たミイラや棺、上野のルーブル展の棺、に続いて
今年はよくこの手の物を見る機会に恵まれる。

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下側の棺の脇には、かすかに模様もあった。
棺のフタの方は、いたってシンプル。


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そのうちトーハクの年間パスポートを購入するつもり。
だって1年間常設展見放題、特別展のチケットも限定6枚付いて
たった4000円なのだから。


今すぐ買ってもいいようなものだけど、来年の3つの特別展の共通チケットを
すでに購入してしまったので、それを見終わった後にでも。
2013.09.16 Mon | Society| 0 track backs,
「ルーヴル美術館展 ―地中海 四千年のものがたり―」ブロガーナイト
東京都美術館で開催中の「ルーヴル美術館展 ―地中海 四千年のものがたり―」を再訪した。

これで3回目。
最初は高階秀爾先生の「ルーヴル美術館と地中海」のレクチャーと合わせて。
2度目は、ジャン=リュック・ボヴォ氏(ルーヴル美術館研究員)の「古代エジプト美術入門」講義の折に。
そして昨夜は、同展ブロガーナイトで。


以下、3度の訪問のたびに吸い寄せられたものたち:


まずは、ギリシャ神話のエウロペ(エウロパ)の略奪シーンを集めた一角。

ギリシア神話の全能の神ゼウスが白い牛に化けて エウロペをかっさらい、わがものにする、
というこのストーリーは多くの画家たちに好まれた主題で、絵で読み解くギリシャ神話的な本には必ず出ている。

このモチーフを扱った図柄の中で、私の一番のお気に入りは、ルーベンスが描いた一枚でなく、
手元にあるこれだ。

神話に凝っていたときエウロペの話を本Diaryで書いたところ、
ヨーロッパ帰りのEさんがくれたギリシャの2ユーロコイン。

エウロペの略奪が描かれている。(★下記は手持ちのコインの画像)


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ユーロ通貨は発行された国ごとに図柄が違う。

ギリシャの通貨=人気のあるギリシャ神話モチーフから、ということで選ばれたのみならず、
ユーロ統一の証として、ヨーロッパという言葉の起源となったエウロペの略奪というテーマに白羽の矢が立ったに違いなく、
ユーロコインに一番相応しい内容のように思える。

さて、前置きが長くなったけれど、展覧会最初に登場するエウロペの略奪はこれ:
赤像式クラテル(壺):牡牛に変身した主神ゼウスによる王女エウロペの略奪(前360年頃)

*会場内の画像は主催者の許可を得て撮影したものです。但し、★のついた写真=本展以外の場で撮影したもの=を除く。)

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メルヘンのテイスト漂う壺だ。
単眼鏡でよく見れば、エウロペを狙った牡牛のトロンとした眼差しが思わず笑いを誘う。


しかしエウロペ三昧のコーナーは第IV章の部にある。
特に下記写真右端のお皿はサプライズ。
ラファエロに基づくエウロペの略奪を描いた、ウルビーノ司教ジャコモ・ノルディの紋章入りの皿。


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その隣となるこちらも、エウロペオンパレード。

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じゃあこれも?と思いきや、こちらは
ギリシア神話の英雄ヘラクレスの妻、ディアネイラを略奪するケンタウロスのネッソス。
ルイ・ラグルネ作。


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牡牛ではなく、ケンタウロスだ。

高階先生の過日の講義の説明によると、略奪の絵が多いのは動きが描けるからと画家たちに好まれたのだとか。

妻の緊急時を知り、背後からヘラクレスが矢を射って助ける場面。

壺からほとばしる水による川の描写、略奪シーン、今まさに矢を射んとするヘラクレス、
風で翻るディアネイラの衣服。

まるでアクションシーンの習作をつなぎ合わせたように、
それぞれがそれぞれの行為に傾注し、躍動感が画面全体にみなぎっている。




今年7月、6日間パスで本場ルーブル三昧をしたときに印象に残ったスプーンも、以前書いたように、本展時にきていた。

私がルーブルで見たのは下記:
(★1400-1300年BC(エジプト第18王朝)のもの)

なめらかな姿態・洗練された佇まい・抜群のプロポーション。小作ながら目を奪われる。
cuiller とあったので、日常使いのスプーンだとばかり思ってた。

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高階先生の説明により、奉納用と知った次第。
エジプト時代の出土品は、現代の感覚とは異なり、えてして日用品というより儀式にまつわるものが圧倒的に多いようだ。

今回の展示にあった紀元前700-650年の「受け皿を持つ女性の形の奉納用スプーン」。


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ルーブルで見たものより700年ほど後のものなので、かなり長い期間、同じパターンが採用され続けていていたことになる。


その次に、おー出た!イケメン!と感嘆の声をあげそうになったのは、
もちろんアンティノウスの小像。


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いわずもがな、アンティノウスはハドリアヌスの愛人とされている。

ナイル川で溺死した時、彼は18歳だったはずなのだけれど、
この像の彼は筋骨隆々で、ティーンの男性というより、大人のような熟成度。

ファラオとして表現されたものということなので、それ相応の貫録が付加されたのか。
1800年の作だから、ローマ時代の作風とは異なって当たり前。


片や、パリのルーブル美術館で見てきたばかりの頭部像はハドリアヌスが即位していた130年頃の作品なので、
現実味を帯びた顔立ちなのでは?と推測。


★ 下記がその、ルーブル美術館で見た、ボルゲーゼコレクションのアンティノウス頭部。

憂いを帯びた麗しさにため息。


P1200868.jpg



でも圧巻は、異議なくこちら。
奥に見える有名なギャビーのディアナのみならず、この3作品が織りなすこの空間。

というのも、この3つは、パリスの審判というギリシャ神話によって相互に関連づけられているのだ。


P1230426.jpg


・ まず、右手の絵はスコットランドの画家ギャヴィン・ハミルトン作、
「トロイアの王子パリスに、スパルタのヘレネを引き合わせる愛の女神ヴィーナス」


これは、ゼウスの妃ヘラ、戦闘の女神アテナ、愛の女神アフロディーテ(ヴィーナス)の3人の中から
最大の美女を選ぶはめになったトロイアの王子パリスの物語が主題。


3人の女性は、それぞれ我が身が選ばれた場合王子に貢ぐものを示唆しており、
最終的に、美女を差し出す約束をしたヴィーナスが選ばれた。

絵に描かれているのは、まさにヴィーナスが選ばれた後、約束どおり絶世の美女
ヘレネをパリスに差し出すシーン。
しかしヘレネはすでに人妻。
夫が激怒し、トロイア戦争の発端となる。(高階先生の一部受けうり)。



・次に、その絵に出てくるトロイの王子パリスを表しているのが中央の像。
「トロイアの王子パリス」
130年頃の作品。


・さていよいよ奥にある、「アルテミス、通称ギャビーのディアナ」の像。
これとこのその他の作品を結び付けるものは?

実はこれをイタリアのギャビーで発掘した人こそが、上述の画家ハミルトンなのだそう。


ハミルトンが描いたパリス → パリスの像 → パリスを描いた画家ハミルトンにより見出されたディアナの像、というわけだ。


ギャビーのディアナは、とにかく間近で見るほかない。
衣服のひだの秀逸さは、言葉にできないほど。

布の質感を石で表現するその匠の技。
見れば見るほど石が布に見えてきて、膝元のあたりは衣服の下の脚を感じさせる質感。
袖の奥にも人体のぬくもりが見え、
端正な顔のプロファイルやエレガントな動きなど、全体が優雅さと気品に満ちている。



長くなったのでこの辺でストップすることとし、
最後にこの作品。

「ナポレオン・ボナパルト指揮したののエジプト遠征」の絵。
ルーブル宮の天井画の下絵だそう。


この遠征のおかげでルーブルの壮大なエジプトコレクションが達成され、
さらにシャポリオン(エジプト美術部門創設に関わった)の文字解読の功績により
かなりの謎が解き明かされた。

功労者ナポレオンに敬意を表して、美術館内部紹介のトリとして登場させつつこれにておしまい:

P1230380.jpg


夜の美術館:

P1230441.jpg


ルーヴル美術館展 ―地中海 四千年のものがたり―
The Mediterranean World: The Collections from the Louvre
会期:2013年7月20日(土)~9月23日(月・祝)・・・会期終了間近!
会場:
東京都美術館 企画展示室
〒110-0007
東京都台東区上野公園8-36
URL: http://louvre2013.jp/
2013.09.14 Sat | Art| 0 track backs,
京急「みさきまぐろきっぷ」のお得感 その2 まぐろランチ編
京急みさきまぐろきっぷの続き。今回はおすすめの食事編。

三浦半島を1時間かけて散策し、お腹もすいたところでランチ。
みさきまぐろきっぷ(横浜から2960円=2014年冬時点の値段)に含まれている昼食処のうち、選んだのは「海鮮」という回転寿司の店。

実は家を出る際、この店は一切候補に入れていなかった。

まぐろ三昧の食事が揃う中、握り寿司よりは丼ものが食べたい気がした。
さらにせっかくよりどりみどりなのだから、なにも「回転」寿司でもあるまい、と思ったのだ。


しかしいざ京急線に乗車して、この切符の車内ポスターを見たところ、
写真に使われていたのがこの店のランチセットだったため、ちょっと気になってネット検索。

すると、選択肢に入っている店の中ではほぼトップのような高得点の評価を得ていた。

中でも三浦在住の人の、”近所でいい店見つけた”、というコメントにほだされた。
さらに回転寿司といっても、お寿司は回っていないとのこと。

(確かに実際、回転台の上に載っているのは、ゼリーなどのデザートや飲み物のメニューなどに限定されていた。)


他の店よりコスパもいいので、チケットを使って無料で食べるのはもったいない気もしたが、
高評価にこしたことはない。
三崎で食べる予定を翻し、急遽この店がある三浦海岸で降りたのだった。

以前河津桜見物で三浦海岸に来たときは、漁火亭という魚介の人気店で食したが(行列を見てたまたま入店)、
漁火亭は、このチケットには加入していなかった。


さて外観。この界隈では驚きではない、シンプルなつくり。

P1440264.jpg


平日・土曜のランチの握りは540円(*2014年冬時点)から。
ランチタイムは、これに海老や魚入りのお味噌汁付きだそう。

人気は地魚ランチ。
1,026円(*2014年冬時点)。

ただし、まぐろきっぷで食べられるのはスペシャルランチ。
下の写真には出ていない。

その名も、「丸ごと三崎づくし」なのだ。

P1440272.jpg


この店はお安めなので、その分チケットにはビールかソフトドリンクが付いてくる。
私はビール。

P1440271.jpg


さて!お待ちかねのマグロランチ。
マグロいろんな部位で6貫。

大トロ、中トロ~とろけます。

右は胃袋(炙り)、その隣はゼリー部分。

し、しんせん!!
地魚は日替わりで、この日はブリやアジなど2つずつ、計6貫。

P1440273_20130912220616c34.jpg


これの店のチョイス、悔いなし。

入店は11:30だったが、既にかなりの人数が入っていて、
夏場は行列だそう。

みさきまぐろ切符の選択肢にある他の店では、名物トロマンや、マグロのカツ等がついていたり、デザート付きの店もあった。

一方「海鮮」の食事は握り一色ではあったものの、ポスターに採用されただけのことはある、
まぐろ三昧+地魚の組み合わせでこれだけ充実していれば、他の物はもういらない、そんな気になる。


【結論】
「海鮮」のメリット
・握りづくしで問題ない人には断然お勧め。
・お値段がお安い分、ドリンクサービスもある。
・平日/土曜はランチセットがあるが、日曜はないので、特に日曜のランチにはお得感が感じられそう。
・但し、バリエーションが欲しい人や、しっとりと落ち着いた雰囲気を好む人(*)は、他の店がよいかもしれない。
(*このお店、素敵な雰囲気はのぞめないけれど、活気があると思えば私は気にならなかった。)

***


京急「みさきまぐろきっぷ」のお得感 その1 三浦半島編
京急「みさきまぐろきっぷ」のお得感 その2 まぐろランチ編
京急「みさきまぐろきっぷ」その3 水中観光船
京急「みさきまぐろきっぷ」その4 三崎港を行く
京急「みさきまぐろきっぷ」その5 モネが描いたような風景に出会う
京急「みさきまぐろきっぷ」その6 途中下車の注意事項
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2013.09.12 Thu | 国内探索| 0 track backs,
京急「みさきまぐろきっぷ」のお得感 その1 三浦半島編
1日有給をとり夏休みのプチ日帰り旅行に選んだ場所は、三浦半島・三崎巡りだった。

キッカケは、たまたま見つけた京急みさきまぐろきっぷのポスター。

京急とは縁のないところに住んでいるため、その存在は今まで知らなかった。
先日仕事で移動中、都営線の地下鉄通路で見つけたのだった。


これはお得だ。
都内のいくつかの駅から京急三浦海岸途中下車・三崎口下車OKの往復切符で、現地では京急バスが乗り放題。
さらにランチと観光施設1つがついている。

ランチはマグロ料理が自慢の店20ほどの中からひとつをチョイス。
メニューは決まっているが、いずれもマグロづくし。

観光施設は温泉や観光船、油壷マリンパークなど。

これで横浜から2960円。品川から3060円。(2014年11月時点)
ランチだけでお値打ち2000円近くというケースもあり、会社の同僚も「お勧め」、だという。


さて当日。
あいにくの天気だったが、まずは三浦海岸で途中下車。

ランチで目を付けた場所(これが大正解・後日メンション予定)が三浦海岸にあったためだ。

駅に降り立った途端、河津桜見物で訪れた春の光景を思い出した。

当時賑やかなりし出店(でみせ)ははもうなく、河津桜はやたらと大きな楕円形の葉っぱをたわわにした姿だったけれど、
潮の香、海に続く道が懐かしかった。

昼食時間までは1時間程あり、海岸を散歩してみる。


観光客のいないビーチ。取り壊し中の夏の家が、哀愁を誘う。


P1440257.jpg



もはや骨組だけになった小屋の残骸の向こうには、釣り人が見える。

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波打ち際には、半ば砂に埋もれたボート。

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どんよりした空、灰色の海、長袖カーデガンを取り出すほどの涼風の中、
穴のあいた網塀が侘しさを増長し、このフレーム内にかつての夏の賑わいを空想するのは無理、無理。

P1440149.jpg


誰が置いたのやら、テーブルとチェア。
遠目からは、なんとなく瀟洒な佇まいに見えるものの、
近づいてみれば、砂をかぶり、ところどころ錆びついている。

引き取り手もないまま、朽ち果てていくのだろうか。

P1440134.jpg



海辺っぽい風景を求めて更に歩く。

あったあった、南国の木々。
でも、雨空がバックでは、これまた寂しさを誘うだけ。

夏の終わりをしみじみ感じる、三浦海岸散歩なのだった。

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--- と感傷に浸った後は、ランチタイム。
みさきまぐろきっぷを活用した三浦半島の旅は、まだまだ始まったばかりなのだった。



***

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京急「みさきまぐろきっぷ」のお得感 その2 まぐろランチ編
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京急「みさきまぐろきっぷ」その6 途中下車の注意事項
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2013.09.12 Thu | 国内探索| 0 track backs,
パリ:貴婦人と一角獣の面影を求めて、ステンドグラスの海原をさすらう
以前NHK「日曜美術館」で作家・原田マハさんが案内人となり、フランス中世美術館所蔵の「貴婦人と一角獣」のタピスリーの特集をやっていた。

謎多き本タピスリーを読み解く鍵がパリに潜んでいると知り、7月の訪問で、その痕跡を求めて2ヶ所を訪れた。

まずは、フランス国王専用の礼拝堂だったサントシャペル礼拝堂。
ステンドグラスの鳥かごの異名をもつ。
パリの中でも、大好きな場所のひとつ。
近年かなり混雑しているのが玉に瑕。

ここに、貴婦人と一角獣の下絵を描いた画家の作品があるそう。
張り切って朝一番ででかけてみた。

P1210360.jpg


チャペル自体は13世紀中旬につくられたが、
正面のバラ窓だけは1500年につくりなおされ、それが、くだんのタピスリー作製時期とかぶるのだ。

番組で紹介されていたタピスリー職人の手による作品が丁度この部分。
中世からルネサンスの過渡期のリアルな人物表現からその力量が感じられる、とはTV解説の受け売り。

確かに、他の部分と比べて、絵の完成度が高い。

ちなみにこの写真は、番組に出ていた部分そのものという認識はなくたまたま撮影していた。

バラ窓の部分だったことは記憶にあり、その中でもいくつか秀逸なものをアットランダムに撮影し、帰国後に録画と照合したらこれだった。

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一方、建設当初・13世紀中旬の作品とおぼしきステンドグラスは恐らくこちら。
いかにも古べた枠取りに加え、明らかに人物表現が異なっている。
人形的とでも言おうか。

150年の時の隔たりは侮れない。

現在と今から150年後の時間の隔たりというものは、美術作品においてどのような差異を生み出すのだろう?

P1370641.jpg



この後、一角獣タピスリー不在(=来日中)の中世美術館に行ってきた。

一角獣タピスリーの部屋は修復中で、その他一部所蔵品が日本にきていたものの、それ以外は
見ることができ、中でも面白い発見が。

サントシャペルのステンドグラスが一部修復中で、それが展示されていたのだ。
いつもは遠目でしか見られないステンドグラスを間近に見られ、なかなか興味深かった。
それはまた後日。


次に訪れたのは、サンジェルマンローセロワ教会。
ルーブルの向かいにある。

P1400643.jpg


ここには、貴婦人と一角獣の作製を依頼したと言われるアントワーヌルヴィスト家の紋章を描いたステンドグラスがあるそう。

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簡単に見つかるだろうと思っていたらこれが大間違い。

教会内いたるところにステンドグラス。

P1400654.jpg


例によってステンドグラスの設置場所はえてして、高いし遠いし、望遠鏡持参だったが、これには参った。

P1400663.jpg


この部分は観察しやすかったけど。

P1400669.jpg


もしかしてこれ?と思ったのが下記。

三日月マークがあったから。
(下段左から2番目)

でもそうではなく。

P1400671.jpg


探し求めていたものは、バラ窓にあった。

P1400656.jpg


こんなにひっそりと。

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ステンドグラスひとつひとつを、こんな茫漠たる作品群の中から見つけるという作業は、一筋縄ではいかなかった。

興味本位で始めた探検だったが、美術館巡りで疲れた体には、結構こたえるのだった。

まあ、単なる自己満足の世界というか、単なる物好きである。
2013.09.10 Tue | Art| 0 track backs,
「死の島」のモデルは、ヴェネツィアだった
ムンクの「叫び」などのような、ちょっとぞっとする絵の裏側を読み解く本が近頃ちらほら出ている。

「怖い絵」などというタイトルで、一挙根暗系の絵が集う中、
怖い顔や怪獣が出ているわけでもなのに、何とも言えない静かなおぞましさをじわじわ感じる絵がある。

アルノルト・ベックリンの「死の島」だ。

国立新美術館の図書館で、図録をペラペラ見ていて知った。
あの絵は、ヴェネチアのサンミケーレ島がモデルだと。

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サンミケーレ島、お墓だけがある島だ。

煌めく海と陽光に包まれた島は洒落た褐色の塀で囲まれ、中央には木々が生い茂る。

パッと見た印象は、海に浮かぶ可愛いアイランド!、なのだが、
住居はなく、島丸ごと墓地だと聞けば、ちょっと寒くなる。


「死の島」では、糸杉の情景がヴェネツィアの象徴獅子の翼の従来表現を模しているともいわれ、
ヴェネツィアを描いた、という説が、ますます有力なのだそう。


ちなみに、この解説が出ていた図録というのは、江戸東京博物館で数年前に開催された
「ヴェネツィア展」のカタログ。

本展覧会はコッレーレ博物館から借用した展示が多く、現地で見たから、と行かなかったけれど、
海上交易で覇権を得た華やかなりしかつてのヴェネツィアにスポットライトを当て、
なかなか面白い見せ方をしていたようだ。
2013.09.10 Tue | Travel-Italy| 0 track backs,
国立近代美術館のベストセレクションカタログが秀逸
昨日、竹内栖鳳展に行く前に、国立近代美術館設立60周年のときに発行されたカタログを読み返してみた。
文章が秀逸で、それ自体が美術作品のよう。

例えば、

目の前の作品が100年前に作られたものであれ、50年前に作られたものであれ、いま、ここにいる自分を感動させてくれないかぎり、どんな”名作“も文字通り絵に描いた餅に過ぎない。しかし、名作というものが、感動を惹起するか否かといった現在のわたしたちへの効力や威力に尽きるかといえば、そうともいえない。すべての作品はある時、ある場所に一回限りの生をうけた歴史的存在としての一面をもつからである。その誕生の歴史的一回性こそが、個々の作品の現在の生命を - わたしたちの目には必ずしも見えないところで - 支えているものであれば、感動や衝撃は、そうした生命の源泉たる歴史への糸口に過ぎないともいえよう。(中略)おのおのの作品が根をおろし、おのおのの生命のための滋養を汲み上げている起源の土壌にまでふれることができたとき、わたしたちは本当の意味で歴史の門口に立つことになるのではないだろうか。


という冒頭の「時代はめぐる - 東京国立近代美術館の60年」と題された松本透氏の文章など。


ある作品を見て、好き、とかキライとか、惹かれる、とかいった感覚を経た上で、その作品が美術史の潮流の中でどういう役割を果たしたのか、など具体的な知識が加わることで、もう一歩奥へ踏み出せるというか。


重要文化財の新海竹太郎作「あゆみ」を例にとると -

慎ましやかな表情と、からだにかかる水の表現が独特で惹きつけられると同時に、兼ねてからギリシャ彫刻との類似性を感じていたけれど、ドイツ留学を機会に、西洋美術の古典的な裸婦像の導入に挑戦した動力となった人物だそう。

単体の女性像だけに注視するのでなく、ちょっと歴史的背景に目を向けて俯瞰的にこの作品を見てみれば、西洋美術に触れて心動かされた彫刻家の野心と意欲が、このひそやかな女性像の奥底に秘められていたようなのだ。

私はこの彫像を見ると、

今ルーブルから来日しているギャビーのディアナを想起する。
 

遊脚と支脚の置き方に基づく動的表現は異なるけれど、風情がどことなく。
やっぱり新海のこの作品は、ギリシャ彫刻なのだと思う。
2013.09.09 Mon | Art| 0 track backs,
ナイスなランチ: この内容・このお味でこの価格(イシダ・銀座)
10年ほど前だろうか。
銀座一丁目にオープンした際、ウワサを聞きつけて訪れて、その後何度か通ったレストランISHIDA。

長らく行く機会がなくて、本日友人との映画の後の食事用に使おうと調べたら、場所が変わっていた。

銀座5丁目。
ピエール・マルコリーニの向かいにある。

ランチは2100円から。
以前の店も、コスパがすばらしかったけれど、
今回改めて、大感激。

一品・一品手間暇かけた素晴らしいお皿たち。

2100円のランチの内容は:

1.前菜。本日はスモークサーモンとお野菜。


P1440085.jpg

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2.スープ。本日はかぼちゃ。
ただものでないこのスープ。
上にはシナモン。
なんともとろける口当たりのよさといい、絶品。

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3.メインチョイス。(*2013年再訪時、メインはフィックスになってました。)ツーレは大山鶏のロースト。
カリカリで過不足ない仕上がり。
ソースも再び絶品。

上には茄子のベニエ。
下にはトマトライス。


IMG_5510.jpg


3.私のメインはサワラのポワレ。
白ワインのソースは一口入れた瞬間、友人たちが一斉に「美味しい―!」


P1440087.jpg


4.デザート。
ヨーグルトアイスに洋ナシケーキ、フルーツ。

ガラス素材のお皿が冷えていて、なんとも夏らしい。

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5.コーヒーもたっぷり。

P1440089.jpg


これで2100円ぽっきりの感動。
メインだけがチョイス2種類。あとはFix。

3150円のコースは、選択肢がもっとある内容。
その上は5250。

連日少しずつ素材を変えての提供のよう。


夜は5250円からで、夜はサービス料がつくけれど、5%だけ。

白いテーブルクロスがかかった正統派の店ながら
良心の塊のような内容だった。

映画「タイピスト」の方はまあなんだったけど、充実のランチで、
誘った友人たちも、喜んでくれた。
なによりだ。

http://www.ishida-ginza.jp/

~~~

お気に入りコスパランチ 1 : 週末もOK(アロッサ・銀座)
お気に入りコスパランチ 2 : ランチにフォアグラムース(ピアッティカステリーナ・神楽坂)
お気に入りコスパランチ 3 : 1000円を切った秀逸ランチ(オステリア ミオバール ・東銀座)
お気に入りコスパランチ 4 : メインは肉か魚をチョイス(オザミデヴァン本店 ・銀座)
お気に入りコスパランチ 5 : 安定感抜群の老舗ビストロ(ラビチュード・神楽坂)
お気に入りコスパランチ 6 : 800円でこの味・このボリューム(串若 ・田町)
お気に入りコスパランチ 7 : 土日もOK。チョイスいろいろ(サントウベルトス・銀座)


ナイスなランチ: この内容・このお味でこの価格(イシダ・銀座)
ナイスなランチ: ハーフサイズのフレッシュケーキが美味(HARBS・上野)
ナイスなランチ: 近所のOLが集う1000円ランチ (コルポ・デラ・ストレーガ・新橋)
ナイスなランチ: 値段・ボリューム・味よし(石川亭・神田錦町)
ナイスなランチ: フレッシュフルーツのデザートが添えられて(千疋屋・恵比寿)
ナイスなランチ: 平日はお得で周囲のOLに人気(Alia・恵比寿)
ナイスなランチ: プチな珈琲・デザートに加えてお箸お持ち帰りOK(花大根・銀座)
2013.09.07 Sat | Gourmet| 0 track backs,
気になるオリンピック招致の行方
2020年夏季オリンピック開催地決定まで、あと2日。

福島原発の汚染水問題で、厳しい目が向けられているそうで、
震災復興の意味でも明るい話題が欲しいところだが、
震災が契機で起こった一連の原発問題が足を引っ張ることになったら、ちょっと悲しいなぁ。


写真は先日国立競技場で見たFC東京vsサガン鳥栖。

試合前に、サプライズな聖火点火があった。

P1430924.jpg


ハーフタイムには招致を応援するフラッグが披露され、

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後半には、何の前触れもなく花火~。

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今年は珍しく東京湾華火も見なかったから、(遠目で見たものを除いて)これが今年初の花火だ。


P1430987.jpg

あと2日。

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結果やいかに。

P1430996.jpg
2013.09.06 Fri | Society| 0 track backs,
インターメディアテク
東京駅KITTE内の「インターメディアテク」は、博物館として超おすすめ。

東大の所蔵品が惜しげもなく披露されているわけだけど、
その数たるや、圧巻!
しかも無料。

動物の骨の見本や、昆虫標本、剥製、、、、
研究用の試料とおぼしき、さまざまなものたちがズラリ。

しかも学究用なので、丁寧に整理されている。

変わったところでは、シーボルトの所持品とか、譲り受けた拳銃とか。


東大の底力をまざまざと見せつける内容で、
東大総合研究博物館の展示だけでも数の多さに驚いたというのに、
一体どんだけいろんなものを所持しているのだろう?といった感じ。

(p.s.1:もっとも、置き場に窮して日本郵便に倉庫代わりに一等地をお借りした風に見えなくもないが。)
(p.s.2:夏目漱石の脳みそも東大は所持してるハズだけど、そういった超お宝は、本郷の奥深くにひっそりと隠されている模様)


インターメディアテク、写真撮影はしばらくはNG、とのことだけど、その書きっぷりを見る限り、
何年かたったらOKになるかも?

三菱一号館と梯子して訪れるにはピッタリ。


KITTE
IMG_5070.jpg

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インターメディアテク
2013.09.02 Mon | Art| 0 track backs,
原美術館のカフェダールでランチ 
今年日経新聞土曜版NIKKEI PLUS1の「カフェも楽しめる美術館」特集で堂々のNo.1に輝いた原美術館のカフェダール。

原美術館も、同カフェレストランも、これまでなぜか馴染みがなかったけれど、このたび初めて足を踏み入れた。

レストラン入店には美術館チケット購入が必須なので、この際年間パスメンバーになることに。

10000円+2000円(入会金)で、1年間、同伴者2名まで何度でも訪問OK。

うだるような暑さが舞い戻ったこの日、南国的な構えの原美術館にギラギラの太陽がよく似合っていた。


P1440038.jpg


山手線内回りのトラブルで到着が11:30近くなったので、レストランに直行。
週末限定人気のガーデンバスケットランチはすでに完売という始末。
(本日は、限定数量8人分程度の模様。)

が、目的はこれではなかったので、問題はないが。
(このランチ、ワイン付きなのだ。ツールは下戸。)

ガーデンバスケットランチの説明がある「弐代目・青い日記帳」さんのところへジャンプ。

P1440039.jpg


スペシャルランチBの前菜は、ホワイトアスパラのサラダ。

なんとも繊細で上品な味付け!

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ワタリガ二のスパゲティも、カニの存在が伊達じゃなくて、存在感のあるお味で高評価。

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プラスで付けたデザートセット。

今回の展示のイメージデザートは、黒ゴマのムース。
江の島のイメージそのままに、ビーチサンダル付き~。

P1440045.jpg


館内1室だけ写真撮影可の部屋がある。
(その他の部屋、及び、屋外のインスタレーションは撮影不可)

食後に行ってみると、誰もいない。
昼時という事もあり、カフェの方は満席・大混雑という状況。

P1440050.jpg


今回の展示は、坂田栄一郎さんの「江の島」。

そのうちの一枚を見て、思わずくすっ。

あ、これ、あるある、、、、
靴に時計を入れる光景。(写真ではプラス・タバコ)。

ジムでもよくやるんだこれ。
時計をはずして靴にいれちゃう。

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イサムノグチの屋外彫刻もあった。
カフェから庭に出られる。


内部は邸宅を利用しており、庭園美術館のような感じ。
ただし、こちらの方は、内部の装飾・家具等は取り払われているけれど。

本建造物は、もともと実業家原邦造の邸宅で、
東京国立博物館本館や銀座の和光本館の設計で知られる渡辺仁氏の設計。

曲線が多用されていて、コンテンポラリーアートがよく似合う。

トイレの便器を使った森村泰昌氏の『輪舞』など、いくつかは平常展示のよう。


展示物は多くないけれど、レストラン使いでリピートする人は多そう。


その後、大崎駅へ。
変わったなぁ、とつくづく。

Thinkparkビルなんていうのもできていた。

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ゲートシティにはこんなステキなフリースペースが。

P1440071.jpg

***

原美術館内「カフェダール」
上記ランチ:

2310円(スペシャルランチ:AとBがあり、Aはお肉。この日のAランチ、ビーフのポルチーニソースも、
そこはかとなく美味しそうだった。)

1050円(ケーキセット:4つの中からチョイス。上記はイメージケーキ)
2013.09.01 Sun | Gourmet| 0 track backs,
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