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日常風景 * 写真・文章 Copyright@”Mas Ciclismo Diary”
ルーブル美術館展 ―地中海 四千年のものがたり―
東京都美術館で開催されている「ルーブル美術館展」に行ってきた。


まずは14時からの高階秀爾先生のレクチャーに参加。
直立不動のエジプト表現を引き継いだギリシャ時代だったが、やがて紀元前5世紀頃ともなると、
変化が現れ、正面性・不動を脱皮し、動的な表現へと変わっていった、という話を中心に、
証拠となる作品が紹介されていった。

支脚と遊脚という、足の重心を変えることで、動きが生まれる。

エジプト時代にも足を前後に広げるなどの作風はあったものの、
彫刻に安定感をつけるためなど、動を真に表現するには至っていなかった。

それが紀元前5世紀頃には不安定な足の置き方から、
その次に予測される動きが生き生きと表現されるようになる。


レクシャーの後はいよいよ鑑賞。
目玉は「ギャビーのディアナ」。


想像以上に素晴らしかった。
衣服のプリーツはもちろん、その薄さ、布の質感を感じさせるほどまでに。

そして衣服の上からも、下にある膝を感じさせる写実性。

この作品は、先日のパリ訪問の時にはすでに展示されていなかったので、
今回日本で初めて見る。


一方、ルーブルには神話に同上する狩猟の神ディアナ(アルテミス)の彫刻はいくつかある。

狩猟の場面を全面に押し出しているのはこれ。
こちらのディアナは、「ヴェルサイユのディアナ」と呼ばれている。
1~2世紀頃の作品なので、踏み出す足が力強く、動的表現になっている。


 本エントリーの写真は全て、パリのルーブル美術館で撮影したものです。

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同じルーブルにある像でも、こちらのディアナは優美。
洗練されている・・と思いきや18世紀の作品だ。

Pierre-Nicolas Beauvallet ピエール・ニコラ・ボーヴァレ作。

さすがにギリシャ・ローマ時代とは同じディアナでも表現法が違う。

動的表現をすでに確立してしまったから、それに固執しようとする
姿勢はもはや見られない。

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ローマ時代の部屋にあったこちら↓の彫刻はディアナ像ではないけれど、
今回東京都美術館にきていたギャビーのディアナと造形的に似ている。

が、ギャビーの方が、衣服の襞が秀逸。

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それから、紀元前700-650年の「受け皿を持つ女性の形の奉納用スプーン」(泳ぐ乙女が両腕を伸ばして受け皿をもつ特徴的な形の木の匙)を見た時は、ハッと思った。

ルーブルには同形のスプーンが多くあり、なかなかセクシーで印象的だった。

ただし、私がパリで見たスプーンの方はそれより古く、
1400-1300年BC(エジプト第18王朝)だった。

バリエーションもいろいろあり、鴨をもって泳ぐものなど。(下記)
BC1400-1300年なんて、信じられない完成度。


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同時期のスプーンにはこんなものも。
柱頭の上にスプーンの先を載せたものなど。

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その他、モザイクの展示もあったけれど、
今回本家ルーブルではモザイクの特別展示をやっていた。

フレスコに比べて、モザイクは色褪せない。
小片をつなぎ合わせるという不自由な表現手法を見事に操って生き生きした芸術をつくりあげているさまは、感動的。

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そのほか、東京都美術館の展示物には、側面に彫刻が施された棺もお目見え。

本家でには、そんな棺が多々あり、中にはこのように上に夫婦の像が置かれたものもあった。

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また、シャセリオーの作品が2点きていた。

シャセリオーはなじみのない画家なのだけど、ルーブルのフランス絵画のコーナーを見たところ、
かなりメジャーな画家のようだった。

今回来日していないけれど、下記シャセリオー作「エステルの化粧」が有名。


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そうそう、獣の足がついた三脚があったのだけれど、
それを見て思いだしたのがこれ。

やはり三脚。そして獣の足。

一時期流行した様式のよう。


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というわけで、今回のルーブル展、実際のルーブルの作品のひとつの特徴をよく表している展示内容で、
なつかしくパリを思い出しつつ鑑賞した。


「ルーブル美術館展 ―地中海 四千年のものがたり―」
東京都美術館
2013年7月20日(土)~9月23日(月・祝)
午前9時30分~午後5時30分(金曜日は午後9時まで)
http://louvre2013.jp/highlight.html
2013.08.10 Sat | Art| 0 track backs,
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