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日常風景 * 写真・文章 Copyright@”Mas Ciclismo Diary”
ルーブル美術館1:ジオットの磔刑図 - ルネッサンスの兆し
今回のパリ訪問。

ミュージアムパスを購入したのでオランジェリー美術館やオルセー美術館への入館もするにはしたが、
なんだか印象派の絵に物足りなさを感じてしまい、前者はパス購入時にさっと見ただけ、
後者は夜間開館の際にちょっと見ただけで、ルーブル三昧を選んだのだった。


ルーブルの絵画コーナーで、真っ先に見たのはイタリア絵画。

有名なものだけでなく、へえ、こんなものがあったの、と驚くようなレアなものも多々。


例えばこれ。

ジオットとナポリ人画家のコラボレーションといわれる磔刑図。
(Giotto di Bondone et un collaborateur napolitain / 1267-1337頃 「La Crucifixion」)

3つの磔刑図の人物は、それぞれ別の方向を向いており、
死の様相にバリエーションをもたせる工夫が見られる。

遠近法がなんだけれど、手前、中央の人々、奥の山々を描き込み
平面を立体的に描こうとする努力も垣間見られ。

山と磔刑に処された3人のくすんだ色と対照的に、生を受ける者たちの衣服は明るく
賑々しい。


P1200981.jpg


ルネサンス時代より前の作品ながら、
人間表現の萌芽がみられる。

インパクトがあったのはこれ。
キリスト磔刑を目の当たりにしたマリア様、失神中。

P1200983.jpg


なにせ13世紀頃の作品なので、中央の悪役などは表情や仕草が堅いけれど、
十字架に架けられる様子を見上げる人々の野次馬的様子がなかなかリアル。

左端の赤い衣服の人物など、やはりジオットの描く人物像に似ている。

P1200984.jpg


美術館 -
ガイドブックで隅々解説を読んでから行くか、
それとも自分の感性を大切にするため情報を得ずに見に行くか、

この二者択一については、前者であるべし、という声が最近多い気がする。


確かに、作品の背景や、重要な点を知っていれば、作品の前をスルーして通り過ぎることを防ぐことができる。


ただ、その場合、実物の作品と出会った時、ガイドブックと照合するだけで
鑑賞した気になってしまう危険性がある。
いや、正確には、絶対そうなってしまう。


それよりも、むしろ神話や聖書を事前に読んで、その絵がどんな場面を描いているのかを
自分の目で判別することの方が楽しい作業であり、ずっと感動する。


そして自分なりに、他の作品に描かれた同じテーマの絵と比較して批評するのも楽しい作業だ。

私の結論としては、美術館の個々の細かい作品情報はそこそこでいい、
もっと根っこのところ(聖書・神話)をしっかり押さえておくべき、と思う。
2013.08.03 Sat | Art| 0 track backs,
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