日常風景 * 写真・文章 Copyright@”Mas Ciclismo Diary”
築地駅のアートは浮世絵師
昨日は築地で女子会。

大江戸線の築地駅は、江戸っ子っぽい絵で壁面おおわれている。

この絵、浮世絵師を描いたもの。
こちらに描かれているのは、勝川春草。

なんとも粋な風情。

tama.jpg


これは国貞改め、三代豊国。


tama2.jpg


作者は画家の片岡球子さん。

原画をもとに再生したそう。
なんでも築地一体は、浮世絵が開花した界隈なのだとか。

無機質な地下鉄駅を彩るこの2枚。
都営線の気概が感じられる。

残念ながら、乗降客をウォッチしていると、素通り派が多いけれど。

__.jpg
2013.08.31 Sat | Art| 0 track backs,
三菱一号館の「Cafe1894」は、「半沢直樹」のどのシーンに登場したか
◆ 三菱一号館の「Cafe1894」は、「半沢直樹」のどのシーンに登場したか


2013年8月25日放映のTBS日曜劇場「半沢直樹」に、例のCafe 1894が登場した。

ロケが行われたことは事前に聞いていたので、銀行の場面で使われるのかどうか、興味津々だったのだが、
そのまま喫茶店としての利用だった。

丁度昨日、三菱一号館美術館の浮世絵展第3期を見に行った折りにランチでこの店を再訪。
その時の写真と、TVに登場した場面を比較してみると -


まず、本シーンは天井の豪華装飾を見せつつ、俯瞰的なアングルで始まる。

P1430903.jpg


我が写真でいうと、この一枚が近いだろうか?
半沢たちは、フロアの中央に着席。我々は、壁際だった。

P1430828.jpg


半沢御一行様が座った場所。
手前にパティションが見える。これは

P1430908.jpg


手元の写真にも、このパティション入りのものがあった。

この建物が三菱銀行として使用されていた際、銀行の窓口として使われていた名残だ。
改築の際も、当初の形態をそのまま残したようだ。

P1430830.jpg


座席側でなく、入口側からこの部分を撮影したものがこれ。
この小窓越しに店内を眺めてみる。

IMG_5053.jpg


さて、この場面が使われたのは会合シーン。

半沢、渡真利、大学の同期 油山の3人でこのカフェで会い、「伊勢島ホテルが臭い」、という見解で一致する。

P1430907.jpg

背景に、雑誌が置かれているのが見える。

P1430911.jpg


我々が座った場所からは、雑誌のラックは見えなかった。
これら雑誌は撮影用に置いたものか、当初からあったのかは不明。

だけどさりげなく、三菱一号館美術館で開催される展覧会のチラシが
(意図的に!?)見えている。


このラックの先はこのように引き出しになっていて、
これも銀行当時の姿だったのだろうと想像。


P1430832.jpg


さてこの日、食したのは、浮世絵展用のスペシャルランチ、その名も
「浮き浮きちらしセット~穴子のかわりちらし~ 」。
会期中(~9/8)までの期間限定セット。

オードブルはノルウェーサーモン、柚子大根、ローストビーフ巻き、さつまいもの含め煮、
なめらかで感動したコーンスープ。焼きコーンを添えて。


P1430837.jpg


アナゴちらし(鴨バージョンもあり)

P1430841.jpg

デザート(フルーツゼリー)

P1430846.jpg

以上で1500円ちょっと。
これにコーヒーを追加。

525円のコーヒーは、たっぷり。
カップが神殿の太い柱のよう。

後でお会計を見たら、ランチ割リ引きでコーヒーは300円になっていた。

P1430848.jpg


店外観。

P1430853.jpg


メニュー:

P1430852.jpg


ほんの数分のカットだったけど、これだけ自分の中で盛り上がれて、
おめでたい、おめでたい。
2013.08.26 Mon | Gourmet| 0 track backs,
パリの熱狂
8/20、日経夕刊「あすへの話題」欄に「パリの熱狂」と題して昭和電工相談役の方のエッセーが出ていた。

パリで大統領選の直後、国民の熱狂を目の当たりにして、”自分たちが大統領を選んだのだ”という高揚感を肌で感じたという。

国民投票という形式で国の長を選ぶシステムを手放しで称賛するわけではない、といった断りをしつつ、直接投票による国民の一体化と熱気を羨んでいる。


ほんのちょっと似たような感想を持ったことは私にもある。

もっとも現地で、ではなく、フランス2の放送を見ていて、政党選びについて、ああでもない、こうでもない、と熱心に議論をかわす人々を羨んだことがあるのだ。


ただ、そんなに政治に夢中に慣れる背景には、政党が本来の政党らしいから、と私は感じた。


社会党であれば、労働者保護の政策を徹底して採択し、例えばミッテランが大統領につくや、有給休暇制度を充実させるなど、ああ社会党らしい、という政策をとっている。

どこかの国のように、選出前の主張だけあれこれ社会主義を唱えつつ、いざ長に選ばれると自民党の政策丸ごと引き継ぎ、といったことはない。


政党そのものが日本みたいにブレないから、それを選ぶ側の議論も極めて明快だ。

右派、左派という言葉が、レトロでなく、生きた言語として使われているフランスに対し、同じ政党でもてんでばらばら、耳障りのいいことしか考え付かない日本は恥ずかしい。

ソーラーパネル1000万戸に設置?
CO2削減目標25%?

そりゃ実現性を抜きにすれば、拍手喝采だけど。

絵空事だけで乗り切ろうとする茶番劇の登場人物たち。


というわけで、フランスのTV討論を聞いた限りにおいて、くだんのパリの熱狂を分析してみると、

フランスが国民投票制度だから、というだけで人々が燃えているのではないと思う。


政党そのものの在り方に、もっと信念があって、派閥の潰し合いだけしか向いてないお粗末な状況ではないからこそ、人々もついていくし、そこまで一生懸命になれるのだと思う。

パリの熱狂を日本に呼び込むには、真似して、首相を直接選挙で選んだだけではだめだ。


主義主張でなく、単なるあげ足で天下を取ろうとする日本の政党の意識が変わらない限り、「日本の熱狂」はあり得ない。


2013.08.22 Thu | Society| 0 track backs,
次回の「半沢直樹」の背景に登場する予定のカフェにてランチ
 驚きの事実:「Café 1894」の室内にバルコニーがあるワケは、、ヒント- 昔三菱銀行のビルだったので・・・


TBSテレビ「日曜劇場『半沢直樹』」の撮影が、あの「Café 1894」で行われたそう。
弐代目・青い日記帳のTakさん情報。)
 

「Café 1894」といえば、三菱一号館美術館と同じ洋館風の建物に入っているカフェで、
土日ともなれば、必ず行列という人気店。


この日は午前半休が取れたので、用を済ませた後、ここぞとばかりランチを目指して出かけて行った。

ラッキーなことに、この日はたまたま月曜日。
同じTakさんのツイート・・・


を見ていたので、月曜限定お得セットをめがけてダッシュ!
11:30前だったせいもあり、店内は10組未満といったところ。
平日はやはり良いわ。

さて、ランチの前に、ロケは一体この店内のどの部分を使ったのだろう?と考える。

ぐるり見回して、気になったのは、バルコニー。
部屋の中にバルコニーがあるってかなりレアではないか。

店の人に、室内にバルコニーがある訳を聞いてみた。


image (6)

返ってきた答えにびっくり。

「昔この建物は(復元するための建て替えはしているものの)、三菱銀行でした。
当時防犯ビデオなどない時代。
代わりに、人間がここに立って、見張りをしていたんです。」


つまりバルコニーの謎の正解は:ビデオカメラの代わりに監視員を立たせるため、だった。


むむ、知られざる歴史の一ページ。

さらに歴史を繙けば、Cafe1894という名の通り、建設は1894年。

設計ジョサイア・コンドル、指揮 曽禰達蔵。


さて、ドラマ「半沢直樹」では、やはり銀行として登場するのだろうか?
オフィスデスクを置けば、銀行ぽくなりそうだし、そもそも銀行として使われていたわけだし。

このままカフェとして使用するのはもったいほど雰囲気のある建物なので、カフェ以外の役割で登場するのでは?
などとあれこれ想像する。

ともあれ、あのバルコニー活用してくれないかなぁ。

image (64)


続いて、くだんんの1000円ぽっきりランチ。

ハヤシライスはご飯が多め。
ルーは、赤ワイン?が効いていて独特の爽やかなお味。
市販のルーを使用せずにハヤシライスをつくりたくなった。
(すぐ感化される人。)

image (61)

ミニサラダ付き。

image (6-3)

ミルクプリン、まろやか!

お会計用紙の台にも店名がついている。

image (6-2)

次回は週末、浮世絵展IIIを見に来たときに、展覧会とタイアップした、浮き浮きちらしセットにチャレンジしたい。


ちなみに浮世絵展は、第一回目「I」と第二回目「II」を見たので、「III」を見れば全制覇だ!
(会期中、展示品、3回丸ごと展示替えという充実の斎藤文夫氏コレクション)

「浮世絵 Floating World-珠玉の斎藤コレクション」
http://mimt.jp/ukiyoe/
2013.08.20 Tue | Gourmet| 0 track backs,
まだあったナポレオン
昨日の続き、ナポレオン。

まだあった、ルーブルのナポレオン。
再びグロの作品。

知り合いにいそうなタイプ。
カリスマティックな感じはないが、
貴公子っぽくはある。


P1380015.jpg
2013.08.19 Mon | Art| 0 track backs,
あまちゃんに登場したナポレオン / ナポレオンとアート
NHKの朝の連ドラ「あまちゃん」の特番、朝まであまちゃんを録画で見た。

朝の支度の最中見ているので、見逃した1シーンとかもあり、
新しい発見あり。

例えばこれ。
あまちゃんの親友足立ユイちゃんの家のリビングに、こんなものが掛かっていた。


P1420021.jpg


ウィーン美術史美術館所蔵『アルプスを越えるナポレオン』だ。

エレガントで勢いを感じるこの作品を描いたのは、《皇帝ナポレオン1世と皇后ジョゼフィーヌの戴冠式》でおなじみのジャック=ルイ・ダヴィッド。


一方、この7月私がルーブルで見た同じタイトルの『アルプスを越えるナポレオン』は
ポール・ドゥラロシュPaul Delaroche作。

画風がまるで異なる。
寒いよー、とちょっと情けない顔でこっちを見てる。

ナポレオンはこの一枚を果たして気に入ったのだろうか?
上述のウィーンの絵の方がきっとお好みだったことだろう。

ルーブルの1枚は、粉雪のような質感が印象的。


P1210343.jpg


冒頭の話に戻り、足立家のリビングに、なぜナポレオンだったのだろう。
専制的な夫役を演出するため?

以前ジムで出会った女性が、ドラマの背景の小者を用意する仕事をしていて、
チラっとしか映らないような場面でも、結構細やかに神経を使って準備するとのことだった。

ということは、これもなにか綿密な計算に基づくものなのだろう。


P1420024.jpg


さて、ルーブルのナポレオン。

「戦場の戦士を勇気づけるナポレオン」の図もあった。
(「Napoleon on the battlefield at Eylau」)

描いたのは、Antoine-Jean Gros。

P1210335.jpg


クローズアップ。
ナポレオンの指揮力をアピールするためのものだから、かっこよく描かれる。

aP1210335.jpg


「ペスト伝染病院を慰問するナポレオン」の絵もあった。
(「 Napoleon in the Pesthouse at Jaffa 」)

これも上記同様、グロの作品。


P1210338.jpg

aP1210338.jpg

P1210337.jpg


ナポレオンはエジプト遠征でルーブルのエジプト芸術部門を充実させるキッカケを作った。

芸術品を庇護し、ルーブルに果たした役割は計り知れない。

がしかし、彼の美術嗜好は、ある意味広報活動の一環に過ぎなかったという。

自分をいかに良く見せるか、ということを念頭に美術を利用した。

肖像画をあちこちで作製させ、美化させ、人気を増幅させる。

目的はそうであったとしても、結果オーライといったところだろう。

ルーブル宮に広がる豪華絢爛な美術品の数々にクラクラしそうになりながら、つくづくそう思う。
2013.08.19 Mon | Art| 0 track backs,
近頃のドイツ土産
ドイツ土産というと、どこか無骨であか抜けないクッキーなどのイメージだったけれど、
このほど手に入れたお土産は、なかなかステキなのだった。


これは、北ドイツにある珠玉の町、ツェレのお土産。

一見、単なるエスプレッソカップのようにみえるのだが -


P1420035.jpg


よく見ると、町の名前「Celle」を洒落た格好で披露している。

Ex(Celle)nt =エクセレント という文字に、町名を挟み込んでいるのだ。


P1420033.jpg


ツェレの町は私も行ったことがある。
カップの図柄の通り、可愛らしい家並みが続く。

P1420030.jpg


私が行った時はさほどでもなかったけど、今では観光客が
大挙して押しかけているそう。

今年行ったヴェルサイユやヴァチカン博物館もそうだけど、どこもかしこも、
欧州にある観光にもってこいの場所は、以前より大混雑するようになり、気軽に見ることが難しくなってきた。

アジア方面からの観光客も随分ここ最近増えているのだろう。

P1420031.jpg


2つ目のお土産は、紅茶。

外観も好ましいけれど、

P1420036.jpg


メーカーが東インド会社とな。

あの植民地時代の、東インド会社の系譜のよう。
なかなかレアな雰囲気。

ロンドンが本店のようなのだが、ロンドンで見たことはなく、こうして
ドイツでドイツ土産っぽく売られているらしい。

(注:・・・と言い切ったが、ロンドン・リージェントストリート脇に店を構えているそうで
イギリスでも実はメジャーで、私が知らないだけだった模様。皇室御用達マークは
確かに付いている。)


P1420037.jpg


今回父がふらり一人旅をしてきたのは、北ドイツのお気に入りの地や
未踏のエリアの名もなき小さな村。

足場とした宿泊地はハノーヴァーとゴスラーだったそう。

ゴスラーは私もツェレとともに以前訪ねているのだが、今回、こんな偶然があった。


ゴスラー訪問時、私はこんな写真を撮ってもらったのだが、
この背景に映っている要塞のようなホテルに、父は今回宿泊したという。


P1420028.jpg


ゴスラーは好感度抜群の町だった。

観光地というより、地に足をつけて人々が済住んでいる場所。
どこまでも美しい。

P1420029.jpg


訪問する何年か前に世界遺産に登録されていたらしいのだが、
私の方は全くそんなことは関知せず。
インターネットが普及する直前の話だから無理もない。

たまたま何かの本の一ページに出ていた写真で気に入って、フランクフルトから
日帰りを決行したのだった。


P1420026.jpg


お土産番外編。
ルフトハンザの機内で渡される旅行キットまでおこぼれに預かった。

P1420043.jpg


エールフランスの化粧セット入りポーチよりも垢ぬけている。

P1420041.jpg
2013.08.18 Sun | Travel-Germany| 0 track backs,
DNPのマルチメディアディスプレイを探し求めて@ルーブル美術館
パリのルーブル美術館には、我が国のDNP 大日本印刷株式会社と美術館のコラボによるマルチメディアディスプレイが設置されている。

そんな噂を聞いて、初日、茫漠とした館内を、捜索して回ることに。

とはいえ、なにしろ東京~横浜間よりも距離にして長いといわれるルーブル。
手がかりなしに探すのはインポッシブル。

記憶をたどって、そういえばスペイン画の一角と小耳にはさんだのを運よく思いだした。
慌てて来た道を700mほど戻り、到着。(美術館巡りは結構重労働。ちょっとの無駄足も、疲れる)。

スペイン絵画は、イタリア絵画コーナー奥にある。


中央の黒い物体がそれだ。

P1210323.jpg


ディスプレイ脇には、ルーブルの構想をDNPの技術で具現化したメディア、といった紹介文。

P1210326.jpg


スペイン・ポルトガル地域の絵画の紹介なので、そちら方面の分布図も置かれている。

P1210324.jpg


ディスプレイを見ている人、いたいた。

おや?
だがしかし、気になったことがひとつ。

結構立派な装置なのに、みな滞留時間が短い。

ちょっと見て、割とさっと終えてしまう。

P1210327.jpg


どうしてなのか、近づいてみて分かった。

下の写真のディスプレイ左手に障子のようなものが写り込んでいるのがわかる。
これ、実は自然光を取り入れている天井部分。
それが画面に反射してしまっている。

このように斜めの角度だと、まだ画面は見えるのだが -

P1210325.jpg


いざ、画面を操作しようと向き合ったら、あら、大変。
画面がまったく見えないのだ。

選択した絵画が、うっすら背景に浮かんでいるものの、
全面を占めているのは、太陽光降り注ぐ天井の格子模様。

恐らくこの日は快晴だったので、なおさら画面が見にくくなっていたのだろう。

P1210328.jpg


仕方なく、画面下の説明文をちょろっと読んでその場を後にした。


P1210330.jpg


改善についてはDNP側も申し入れをしているといった話も聞いたが、なんとも残念。


数日後、フランス絵画のコーナーで、ポンパドゥール夫人の肖像画の説明メディアを使用した。
その機器は、窓のない部屋の隅に置かれており、映りも良好で、クリアに見ることができた。

絵画に散りばめられた小物の意味が丁寧に解説されていて
見終わった後、私にとってその絵は、もやは凡庸な肖像画ではなくなく、意味ある寓意に満ちた面白い絵画に変身していた。


この2つの装置、DNPのものの方がむしろ凝っていた感がある。
けれど、置き場所とか角度とか、ほんのちょっとした違いで、読む気がそがれてしまうことがある。


これって、ちょっと編み物に似ているかもしれない。

せっかく身ごろや袖をパーフェクトに編めても、最後の締めとなる、はぎ・とじ次第で、おじゃんになってしまうことがある。

早く改善されることを祈りつつ。
2013.08.17 Sat | Art| 0 track backs,
超未来的宗教画
ルーブルのイタリア絵画コーナーで気になった絵:

P1210004.jpg

空飛ぶ聖者、壁から出てくる人。
なんだかSFみたいで夢がある。

1437-44年ごろの作品で、作者はステファノ・ディ・ジョヴァンニ(サッセッタ)。

タイトルは、
「le Bienheureux Ranieri Rasini délivre les pauvres de la prison de Florence」

とのことなので、フィレンツェの牢獄から貧者を解放する聖ラニエーリ・ラジーニ。


なるほど貧しい人たちを救済しているるシーンというわけ。

この時代にこんなファンタジー溢れる絵が描かれていたことに驚く。


当該聖者の名前は聞いたことがないけれど、キリストの奇跡同様、
いくつかの奇跡を招いたことで知られる聖者なのだろうか。


牢獄が薄っぺらい張りぼてみたいなところはご愛嬌。

エンジンがついたような聖なる人物は、ちょっとロケットを彷彿とさせ、
なかなか当時にしては前衛的な画家ではないか。
2013.08.14 Wed | Art| 0 track backs,
藤田嗣治の乳白色のもとをシッカロールと特定できたあの一枚
レオナール・フジタこと藤田嗣治氏が描いた有名な乳白色の元は、
シッカロールだった、というのは今では結構有名な話。私は、TV番組で知った。

しかし、その秘密が明らかになるキッカケとなったのが、土門拳の1枚の写真だったことは
今回初めて知った。


まずは、今年の6月22日にさかのぼる。

富士フィルムスクエアで開催された【写真展 同時開催イベント】トークショー 「師・土門拳の古寺巡礼を語る」
を聴講。

土門氏の愛弟子、藤森 武さんのお話に、こんなくだりがあった:

●土門氏の作品は、余暇の写真も素晴らしい。構図などは真似できない。レイアウトの妙。さすが、土門氏は画家を目指しただけのことはある。(幸手の積わらスライド登場)

●彼はポートレイトも撮影した。画家の梅原隆三郎氏の撮影の際、あまりのしつこさに梅原氏は激怒した。それでも土門氏が出した「古寺巡礼」の豪華本の題字を、氏は快諾している。

●もっとも、梅原隆三郎氏の題字には誤字がある。巡礼の「礼」はしめすへんでなくころもへんになってしまっている。誤字だが土門氏は、書き直しは求めず。勢いがあってよい、と。証拠はSUPER EDITION OFFICIAL BLOGさんのところに。

●題字を担当したのはそうそうたる顔ぶれ:梅原龍三郎、福田平八郎、 安田靭彦、川端康成、井伏鱒二。


このような話から、土門氏には絵心があり、さらに画家の撮影も手掛けていたことを知る。



そして「弐代目・青い日記帳」のTakさんのエントリーで、レオナール・フジタも、自身の写真撮影を土門に許可していたことを知る。


赤い酔星 通常の3倍速く酔っ払いながらのテツ旅ルポ」さんのブログには、日経の貴重な新聞記事が。


土門氏の写真は、背景もしっかり写り込んでいて、そこから、秘密兵器シッカロールが置かれていたのが発覚したというわけ。

写っていたとはいえ、発表された写真はカットされていてシッカロールだとはすぐにわからず、発見者は”ポーラ美術館学芸員でもある内呂博之氏”のようだ。


そんな話を胸に、文化村のフジタ展に近日中に行って来よう。

実は先週行くつもりだったが、猛暑でめげた。
(どのみち駅から遠いので、自宅から歩くつもりだった。)

来週こそ。


写真は、竹橋・近代美術館の《五人の裸婦》。
同美術館は、写真撮影OK。

P1730446.jpg
2013.08.14 Wed | Art| 0 track backs,
パリ・オペラ座
パリを訪れたのはこれで何度目か知れないけれど、オペラ座をしげしげと眺めるのはこれが初めてだったかもしれない。

学生旅行でヨーロッパ主要4都市をまわったとき、パリの滞在は1週間と比較的長かったので、
それですっかりパリ観光は終えてしまった気になっていたようだ。

以来パリに行っても、観光地はもういい、そんな感覚があって、美術館(及びツール最終日のシャンゼリゼ)以外にあまり興味を示さずにきた。


でも今回は宿がオペラ座そばだったため、いわゆる観光地に触れることとなり、
この界隈は未踏の地だったことに気づいたのだった。

朝7時前に到着したので、人が集まる前に1枚写真を撮る。
パリ・オペラ座。


P1370386.jpg



ルーブル宮にある「N]の字はナポレオンを表すと聞いた。
このNも同じかな?

P1370395.jpg



ウケたのはこれ。
およそミスマッチな怪物顔。

遠めではこんな様相になっているとは気づきにくい。
近くから見た人だけのお楽しみってとこか。

P1370398.jpg



ズラリ7つ並んだ彫像。
字は見にくいけれど、なんとか読める。

P1370389.jpg


ロッシーニ。

aP1370389.jpg


これはー

P1370391.jpg


ベートーベン。

P1370393.jpg


アルベール

aP1370393.jpg


やはりモーツァルト

P1370388.jpg



彫刻に目を転じれば、楽器を持つ人々。
そうか、音楽がテーマ。

P1370396.jpg


こちらはひときわ目を引く。
なんとなればー

P1370400.jpg


女子に踏みつけられる男子の構図:

aP1370401.jpg


頭上には黄金の彫刻。

バッキンガム宮殿を彷彿させる。

P1370385.jpg



今回時間の関係で果たせなかったが、内部見学もできる。
シャガールの天井画があるそうだ。
2013.08.12 Mon | Travel-France| 0 track backs,
気温39度で活躍したステンレスボトル
昨日の上野、時刻は17:22。

P1420002.jpg


気温・・・39度!

P1420003.jpg


ありえない猛暑で長時間ウォーキングは危険・危険。

家を出るときに保冷剤をハンカチでまいて首筋にあてながら、屋外を歩き、
手元にはこれを用意した。

P1420008.jpg


水分補給のための水筒。
通常、喫茶せずに歩く時、喉が渇けばペットボトルを適当に買っていたけれど、
この日ばかりは、いつでもどこでも飲めるように、というわけで。

ペットボトルを冷凍庫に入れたものを保冷効果があるホルダーに入れて持ち歩くことも考えたけど、
大した保冷効果でもなく、加えてムラに溶けるため飲むたびに味が不均一という事象が以前あり、
その案は却下。

ならば、と普通に冷蔵庫で冷やしたキリンビバレッジ・ソルティライチをこれに入れて、
氷を2かけら加えて持つことに。

効果に驚く。
家を出て7時間後も、しっかり冷え冷えだったのだ。

ちなみに、これをどうやってゲットしたのか記憶にない。
実家からもらってきたか?
もともとはどうやら企業のギブアウェーらしい。


P1420010.jpg
2013.08.11 Sun | Society| 0 track backs,
ルーブル美術館展 ―地中海 四千年のものがたり―
東京都美術館で開催されている「ルーブル美術館展」に行ってきた。


まずは14時からの高階秀爾先生のレクチャーに参加。
直立不動のエジプト表現を引き継いだギリシャ時代だったが、やがて紀元前5世紀頃ともなると、
変化が現れ、正面性・不動を脱皮し、動的な表現へと変わっていった、という話を中心に、
証拠となる作品が紹介されていった。

支脚と遊脚という、足の重心を変えることで、動きが生まれる。

エジプト時代にも足を前後に広げるなどの作風はあったものの、
彫刻に安定感をつけるためなど、動を真に表現するには至っていなかった。

それが紀元前5世紀頃には不安定な足の置き方から、
その次に予測される動きが生き生きと表現されるようになる。


レクシャーの後はいよいよ鑑賞。
目玉は「ギャビーのディアナ」。


想像以上に素晴らしかった。
衣服のプリーツはもちろん、その薄さ、布の質感を感じさせるほどまでに。

そして衣服の上からも、下にある膝を感じさせる写実性。

この作品は、先日のパリ訪問の時にはすでに展示されていなかったので、
今回日本で初めて見る。


一方、ルーブルには神話に同上する狩猟の神ディアナ(アルテミス)の彫刻はいくつかある。

狩猟の場面を全面に押し出しているのはこれ。
こちらのディアナは、「ヴェルサイユのディアナ」と呼ばれている。
1~2世紀頃の作品なので、踏み出す足が力強く、動的表現になっている。


 本エントリーの写真は全て、パリのルーブル美術館で撮影したものです。

P1390189.jpg


同じルーブルにある像でも、こちらのディアナは優美。
洗練されている・・と思いきや18世紀の作品だ。

Pierre-Nicolas Beauvallet ピエール・ニコラ・ボーヴァレ作。

さすがにギリシャ・ローマ時代とは同じディアナでも表現法が違う。

動的表現をすでに確立してしまったから、それに固執しようとする
姿勢はもはや見られない。

P1400515.jpg


ローマ時代の部屋にあったこちら↓の彫刻はディアナ像ではないけれど、
今回東京都美術館にきていたギャビーのディアナと造形的に似ている。

が、ギャビーの方が、衣服の襞が秀逸。

P1380303.jpg


それから、紀元前700-650年の「受け皿を持つ女性の形の奉納用スプーン」(泳ぐ乙女が両腕を伸ばして受け皿をもつ特徴的な形の木の匙)を見た時は、ハッと思った。

ルーブルには同形のスプーンが多くあり、なかなかセクシーで印象的だった。

ただし、私がパリで見たスプーンの方はそれより古く、
1400-1300年BC(エジプト第18王朝)だった。

バリエーションもいろいろあり、鴨をもって泳ぐものなど。(下記)
BC1400-1300年なんて、信じられない完成度。


P1220749.jpg


同時期のスプーンにはこんなものも。
柱頭の上にスプーンの先を載せたものなど。

P1220667.jpg

P1220666.jpg


その他、モザイクの展示もあったけれど、
今回本家ルーブルではモザイクの特別展示をやっていた。

フレスコに比べて、モザイクは色褪せない。
小片をつなぎ合わせるという不自由な表現手法を見事に操って生き生きした芸術をつくりあげているさまは、感動的。

P1210082.jpg


そのほか、東京都美術館の展示物には、側面に彫刻が施された棺もお目見え。

本家でには、そんな棺が多々あり、中にはこのように上に夫婦の像が置かれたものもあった。

P1380393.jpg


また、シャセリオーの作品が2点きていた。

シャセリオーはなじみのない画家なのだけど、ルーブルのフランス絵画のコーナーを見たところ、
かなりメジャーな画家のようだった。

今回来日していないけれど、下記シャセリオー作「エステルの化粧」が有名。


P1220878.jpg


そうそう、獣の足がついた三脚があったのだけれど、
それを見て思いだしたのがこれ。

やはり三脚。そして獣の足。

一時期流行した様式のよう。


P1200947.jpg


というわけで、今回のルーブル展、実際のルーブルの作品のひとつの特徴をよく表している展示内容で、
なつかしくパリを思い出しつつ鑑賞した。


「ルーブル美術館展 ―地中海 四千年のものがたり―」
東京都美術館
2013年7月20日(土)~9月23日(月・祝)
午前9時30分~午後5時30分(金曜日は午後9時まで)
http://louvre2013.jp/highlight.html
2013.08.10 Sat | Art| 0 track backs,
ミケランジェロの頭部
ルーブル美術館そぞろ歩き。

ふと目に留まった男性の頭部。
説明書によると、モデルはミケランジェロ・ブオナローティとのこと。

作家は、ダニエーレ・ダ・ヴォルテッラ。

そう、ミケランジェロが描いたフレスコ画の露骨な描写を隠すため、
人物に腰布を加筆するなどした人物だ。
それゆえに、「腰巻画家」などと揶揄されたとも聞く。

P1200917.jpg


もともとミケランジェロの弟子で、その後親友となった人物。


たとえばシスティーナ礼拝堂の「最後の審判」。
もともとは、堂々たるヌード姿でミケランジェロの手で描かれたのだが、その後教皇 パウルス4世の命で
ヴォルテッラがそれらに布をまとわせて、隠していったのだ。


ー 最後の審判の絵
2013.08.09 Fri | Art| 0 track backs,
ルーブルの18禁
先日訪れたルーブル美術館では、エジプト時代の石碑の解読特別展示があった。

常設展のハムラビ法典ぐらいなら、へえ、と思って眺めるものの、
昔の文字の羅列攻めだと、わけわからず思わずスルーしたくなる。


1日中こもった日だったせいもあり疲労感のため、チラ見だけでやり過ごすつもりが、
なんかの虫の知らせか、ふと、ある一角で足が止まった。

よく見ると、いわゆるエジプトの絵文字で綴る”春画”のようなものらしかった。

ちょっと文字にするのは憚られるけれど、男女の絡み合いのさまざまなスタイル、
いわゆる体位を絵文字で表現したもののようだ。


石碑の上の絵文字は、かなりかすれているのだけど、
そこまでよく解読した人がいるものだ、と呆れるやら感心するやら。


今回は、ルーブルをくまなく歩いて、そういったセクスィー系のオブジェ
(神話がらみでヌードになっているものは除く)
を幾つか見た。

下記は、「一日で鑑賞するルーヴル美術館」(新潮社トンボの本)に出ていたものだ。

(この本は写真の画質が余りにいいので、写真部分はポストイットで隠して読んだ。
写真を見過ぎると、鑑賞した気になってしまったり、写真と実物の照合という作業で満足してしまう危険性がある。)


出産祝いに送られたお盆らしく、ジョヴァンニ・ディ・パオロ作
<<ウェヌスの勝利を描いた婚礼用小箱>>。


P1230041b.jpg


出産を祝うのに、なぜこの図柄?と首をかしげなくもない。
多産を象徴したかったのかもしれないが、これでは誰の子かわからないではないか。

数人の男性をマジックで魅了する貞操感抜きのこの図柄、余りに大胆すぎる。


P1230041a.jpg


今回は、6日間パスでうち5日間入り浸ったので、
普段なら通り過ぎるようなコーナーにものんびり足を止めてみた。

例えば、陶器のコーナー。
リモージュ焼きの部屋など、ほとんど人がいない。

そぞろ歩きで眺めていたら、目が点になった作品があった。

16世紀フランスのお皿。
これで食事を実際したのだろうか?
いや、このお皿では食べたくない。

タイトルは:「エロティックなシーン」・・・
そのものずばり。


P1230150b.jpg



こちらは「ネプチューンとドリス」というタイトルなので、まあ一応神話の一場面という設定。

ゼウスかと思ったけど、ネプチューンだった。

但し、神話では、ネプチューンが狙ったのはドリスの「娘」ではなかったか?・・

まあ、物語の再現というより、リアル感の方を重視しており、
神話の形を借りた好色系作品と見た。


やはり上記同様、16世紀のリモージュ焼き。
当時、退廃的な風潮があったのだろうか。


いや、文化とかいうのでなく、単にベッドルームにピンナップ写真代わりに置かれていたのかもしれない。

パリ滞在中訪れた貴族の館で、寝室にこうしたお色気系絵画が置かれていたケースがあったので。


P1230154a.jpg



一日で鑑賞するルーヴル美術館 (とんぼの本)一日で鑑賞するルーヴル美術館 (とんぼの本)
(2006/05/24)
小池 寿子、芸術新潮編集部 他

商品詳細を見る
2013.08.08 Thu | Art| 0 track backs,
スリにご用心
パリでスリ未遂にあった話を会社の友人にしたところ、
スーパーのレジにふとカメラを載せた途端盗まれた話などを聞いた。

カメラは保険でリカバーできたけれど、メモリーカードごと思い出の写真を喪失。
それが痛かったと。


その他、スリの手口:


観光客に道を尋ねるのは古典的な常套手段です

20年近く前の古い話で恐縮です。ローマで、同じ人物に2回遭遇。知り合いも1回遭遇。
我々は、彼のことをジョージと呼んでいました。根城は、レパブリック広場~バルベ リーニ広場界隈で、夕方から夜にテルミニ駅からホテルに向かう観光客をカモにして いました。レパブリック広場で、カモを探しているのも目撃しました。

自称ビジネスマンで英語で道を尋ねます。ハンサムな顔立ちでジャケットとネクタイ 姿。手持ちの地図で調べて応対すると、御礼に一杯おごるから自分の知っている店へ 行こうと誘われます。連れて行かれる店がぼったくるのです。この手口を聞き及んでいたので、丁重にお断りして難を逃れました。

1回目に会ったときはスイスからきたビジネスマンでジョージ、2回目はカナダからき たビジネスマンで異なる名前。2回目の時に、違う貴殿はジョージで、以前会ったこと があると告げたら、退散しました。ローマの観光エリアで、別の人物にも道を尋ねら れた経験もあります。

泥棒もスリも、相手の善意を利用したりなどトリックを使うのが特長です。そもそも ヨーロッパで、わざわざアジア人に道を尋ねる必然性がありません。地図やガイドブッ ク、カメラ、ブティックの袋を持っていると狙われます。

(Email from セネージさん)


2013.08.06 Tue | Travel-Others| 0 track backs,
フランス版料理の鉄人 その2: 撮影現場を目撃した人
先日、「フランス版料理の鉄人」という記事をエントリーした。


最初の対決は、日本でいうところの「建売住宅」風な景色の中で行われた。
つまり、見渡す限り、似たような建物が並んでいる場所。

一体どこだろうなぁ、と思いつつ、きっと郊外。
観光きゃうがなかなかいかない場所、たぶん、日本で言うと「町田」みたいな場所!などと勝手に思っていた。


P1410569.jpg


がしかし、このたびメールをいただき、場所が判明した。

この撮影現場にいたという人から写真とコメントが届いたのだ。

下記が、その方が現場で撮影した写真:


TV.jpg


ああ、まさにこの場所、この場所。

最初の写真と照合してみると、ぴったり。
番組が余りに鉄人と瓜二つで感激し、TV画面をバチバチ写真に収めたので、ぴったり照合できる。


場所は、パリ市内、ベルシーだと教えて頂いた。
なんだ、ちゃんとパリ市内だった。
町田じゃなく、さしずめ江東区・・・?


日にちは3月25日なのだそう。
確かに冬の風情だった。

こんなアングルのTV画面写真も撮った。

P1410532.jpg


昼に行った対決が夜までかかって、上記夜の目撃現場は結果発表のときだろう。

料理をつくったのはスタジオだが、この場所は、まず事前の構想を練る場所として使われた。


P1410537.jpg

こんな感じで。

P1410538.jpg


スタジオでこしらえた後、各自が並べてこうやって売っていく。

先日書いたとおり、売り上げ金額が選考基準のひとつとなるので、
思い通りの数をつくれなかったオードリー(写真)は、一歩出遅れるのだった。


P1410571.jpg

司会者。

P1410525.jpg


今回目撃した方からのメールのおかげで、
わあ、場所が一緒だ一緒だ、とわくわくするだけでなく、
この場所の特定をすることができた。


リヨン駅にはよく泊まっていたのに、ちょっと歩くかどうかの差で、ベルシーがこんなになっていたとは知らなかった。
具体的にはベルシーヴィラージュという名前がついているそう。


昔のワイン倉庫を転用した地元っ子が集まるショッピングストリートになっている。

観光用サイトなどでは、日本によくある風情なのでわざわざ行く必要なし、と書いてある。

がしかしこれが日本と思えばそうだけど、パリにできたとなれば、別という気が個人的にはする。

パリっぽさに慣れた観光客には気分転換になりそうだし、
普段着のパリジャンたちが見られそう。

次回長期滞在する機会があったら、是非行ってみたい。

下記もTV画面の写真から。


P1410524.jpg
2013.08.05 Mon | Travel-France| 0 track backs,
ルーブル美術館1:ジオットの磔刑図 - ルネッサンスの兆し
今回のパリ訪問。

ミュージアムパスを購入したのでオランジェリー美術館やオルセー美術館への入館もするにはしたが、
なんだか印象派の絵に物足りなさを感じてしまい、前者はパス購入時にさっと見ただけ、
後者は夜間開館の際にちょっと見ただけで、ルーブル三昧を選んだのだった。


ルーブルの絵画コーナーで、真っ先に見たのはイタリア絵画。

有名なものだけでなく、へえ、こんなものがあったの、と驚くようなレアなものも多々。


例えばこれ。

ジオットとナポリ人画家のコラボレーションといわれる磔刑図。
(Giotto di Bondone et un collaborateur napolitain / 1267-1337頃 「La Crucifixion」)

3つの磔刑図の人物は、それぞれ別の方向を向いており、
死の様相にバリエーションをもたせる工夫が見られる。

遠近法がなんだけれど、手前、中央の人々、奥の山々を描き込み
平面を立体的に描こうとする努力も垣間見られ。

山と磔刑に処された3人のくすんだ色と対照的に、生を受ける者たちの衣服は明るく
賑々しい。


P1200981.jpg


ルネサンス時代より前の作品ながら、
人間表現の萌芽がみられる。

インパクトがあったのはこれ。
キリスト磔刑を目の当たりにしたマリア様、失神中。

P1200983.jpg


なにせ13世紀頃の作品なので、中央の悪役などは表情や仕草が堅いけれど、
十字架に架けられる様子を見上げる人々の野次馬的様子がなかなかリアル。

左端の赤い衣服の人物など、やはりジオットの描く人物像に似ている。

P1200984.jpg


美術館 -
ガイドブックで隅々解説を読んでから行くか、
それとも自分の感性を大切にするため情報を得ずに見に行くか、

この二者択一については、前者であるべし、という声が最近多い気がする。


確かに、作品の背景や、重要な点を知っていれば、作品の前をスルーして通り過ぎることを防ぐことができる。


ただ、その場合、実物の作品と出会った時、ガイドブックと照合するだけで
鑑賞した気になってしまう危険性がある。
いや、正確には、絶対そうなってしまう。


それよりも、むしろ神話や聖書を事前に読んで、その絵がどんな場面を描いているのかを
自分の目で判別することの方が楽しい作業であり、ずっと感動する。


そして自分なりに、他の作品に描かれた同じテーマの絵と比較して批評するのも楽しい作業だ。

私の結論としては、美術館の個々の細かい作品情報はそこそこでいい、
もっと根っこのところ(聖書・神話)をしっかり押さえておくべき、と思う。
2013.08.03 Sat | Art| 0 track backs,
ルーブル vs 大英博物館 ミイラ対決
ルーブル美術館に行って、やっぱり大英博物館のミイラは半端ない、と実感した。

ルーブルには、エジプト時代の棺系は多数あるものの、ミイラはほとんど見当たらず、しかもおとなしい。

ぐるぐる巻かれているので、不気味感はなく。

P1390363.jpg

別の角度。

神聖というか、厳かな雰囲気がある。

P1390362.jpg


そこへいくと大英。
ミイラは多種多様。

棺を兼ねているような風情のもの。

P1140990.jpg


ぐるぐる巻き。
ルーブルで見た猫のミイラ同様、生前のその人の絵が包帯の上から描かれ。

P1140969.jpg


(上段)マネキン系、というか、張りぼて系というか。

P1140987_201308012256520e5.jpg



上記は、靴までちゃんと履いてる。

P1140988.jpg


これはミイラ化されずにそのまま。

東京大学総合研究博物館で以前ガイコツを見たけれど、古さが全然違うから、
時代を考えると驚きだ、ここまで完璧にそろっているとは。

P1140994_20130801225651cb9.jpg


そして、ミイラ代表格。
大英のミイラと言えばこれが浮かぶ。

P1140997_20130801230111b7f.jpg


英国にかつて中学生時代住んでいたという友人は、このミイラに親しみを覚え、
「私のミイラ」と呼んでいたそう。

結構グロテスクなのだけど。

P1140993.jpg


あばら骨、背骨がくっきりしてはいるものの、
ガイコツにならず、なんらかスゴイ技術が施されたとしか思えない。


ルーブルにはナポレオンの略奪品も多々あるのだが、
大英博物館の略奪っぷりが強烈に映るのは、ひとつには、このミイラ・オンパレードのせいなのかも。

なんだかこの墓荒らし的なとこが・・・
2013.08.01 Thu | Art| 0 track backs,
"shw-greenwood" template design by Shallwill