日常風景 * 写真・文章 Copyright@”Mas Ciclismo Diary”
小学生の時の手袋をいまだに使っている人 > 私
いつも手袋はなるべくはめないようにしている。
冬の冷たさに慣らしておかないと、米とぎが辛いので。

でもこの冬の寒さには、まったくもって太刀打ちできず、
ついに手袋の誘惑に屈することに。


とはいえ、なかなか手ごろなやつが家にない。

隠し玉の一張羅のブランドもののレザーの手袋はお洒落だけど、
防寒にはまったくもって役立たず。

昔買った五本指の毛糸の手袋をもってしても、毛糸が薄くて指先が冷たい。


やはりこれしかあるまい、と満を持して登場させたのは、
なんともレトロなミトン(!)の手袋。


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手編み風味で、簡単に編めそうな代物だけど、何を隠そう
小学生の時にデパートで買ってもらったもの。


今売られているものよりざっくりと毛糸が太い。
更に指が一つずつ独立してないので、これが侮るなかれ暖かいのだ。


実は当時、同じ編み方で五本指のものも売っていた。

でも友達がそれと同じものを持っていたので、マネしたと思われたくなくて、
私はミトンを選んだわけだ。

まあ、小さい頃は、マネした、マネされた、みたいなことに
しごく気を遣ったりするものだから。



10月から少しずつ大掃除を進行させ、バシバシいろいろ捨ててきたけれど、
これは立派に現役として活用できるので、毎年私の年末の取捨選択の関所を潜り抜けてきた。

ブーツやコートにミトンの手袋とは、なんとも不恰好なコーディネートなんだけど、
構わない。

防寒的には最強なのだから。
2012.12.30 Sun | Private| 0 track backs,
切手と原画の並行展示; 原田泰治 [ふるさと心の風景]展 (逓信総合博物館 ていぱーく)
仕事の大きな山をひとつ越え、仕事納めのはずの今日は有給をとって休むことにした。

気づかぬうちに、結構神経を使っていたらしい。ちょっと疲れた。

そんな矢先に目に入った原田泰治さんの [ふるさと心の風景]展の内覧会
(本日11時から)のお知らせ。

午後に用事を入れていたけれど、その前に行くには丁度いいタイミング。

さらに、小さい頃、切手収集が趣味だった私向きのようだ。

なにより原田さんのほのぼのとした日本の風景の絵に癒されたい!
というわけで申し込んだ。

本展覧会は平成25年1月3日から3月31日まで逓信総合博物館 ていぱーくで
開催されるもの。

画家・グラフィックデザイナーの原田泰治さんの原画が「ふるさと心の風景」
という切手シリーズになっており、原画と切手の同時展示なのだった。


どちらかというと地味なていぱーくの展示なので、ささやかなものをイメージしていたけれど、
工夫が凝らされた見ごたえのあるものだった。


特に感じ入ったのは下記の点:

● 80年代の絵と、ごく最近の絵で、筆致が変わらず丁寧で、2つ並べてどちらが以前の絵か、
当てることはできなかった。
時が経つにつれ、筆さばきは変化するのが普通だし、得てして簡素化・軽妙化するものなのに、
長年ずっとブレることなく丁寧に緻密に描き込んでいる。
その生真面目さに心打たれた。


● 絵の脇に当該切手が並べてあるのだけど、切手の縦横比ぴったりの絵ばかりではないので、
うまく切り取ったり、或いは1つの絵を2枚の切手(あるいは4枚)に分けているものもあった。
絵を生かすための切手作り、という郵便事業者側の創意も感じられた。



~~~ 以下、ちょっと詳細 ~~~

オープニングの原田泰治さんのトーク。

包容力のある話しぶりが印象的だった。

人格者であることを感じさせる。

内容一部:

● 北海道から沖縄まで47都道府県を旅して描いてきた。

● 日本は変わったけれど、まだまんざら捨てたもんじゃない、という
いい風景に出合う。

● このふるさと心の風景シリーズは、好評を博し、1億8800万枚!も売れた、
とのこと。

● 逓信協会第56回前島賞を受賞し、授賞式が行われたのは、まさに去年の311の日だった。
虫の知らせか、早めに抜けることにした。それが地震が始まる30分前のこと。

あの時脱出していなければ宿泊していたホテルの10Fに取り残されることになっただろう。
(車いすを使用されているので、エレベーターが止まると身動きがとれない)。

● 20代の女性が出てくる絵がないけれど、平日ああいう場所ではおばあさん、
おじいさんにしか会わない。若い女性に会うことは宝くじより確率が低い。嘘は描けないので、
必然的に老人の絵が多くなる。



原田泰治さん。ハリのある語り口。
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ガラスケースには、前島賞のメダル。

そして右側が、平成20年と21年に発売された「ふるさと心の風景」シリーズの切手シート。

よく見るとー

H20年とH21には3種類のシート(切手各10枚ずつ)が発行されたのに対し、
ガラスケースの左側におかれた今年のシートは4種類(切手各10枚ずつ)。

となると10枚x4(シート)で合計40枚の原画がここに展示されているのか、と思ったが、
数が合わない。

チェックしたら、1枚の原画を2つの切手に分割しているものもあったため、
切手の数=原画数ではないのだ。


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こんな感じで絵と切手が並べてある。

この切手シリーズのために描いた絵もあるそう。

確かに最近の絵の中には、郵便屋さんや郵便ボックスの絵が
何気に織り込まれているものがいくつかある。


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さらに、その絵を描いた情景へのコメントも絵の脇に添えられてあり、言葉の方もほのぼのしている。

切手の方はといえば、原画が小さくなってギュッと押し込められ、それはそれで愛らしい。

私は原田さんの切手は持ってないなぁ、最近は収集もやめてしまったし。

でも、昔集めた切手をちょっと探してみたくなった。

私が集めだしたキッカケは、切手収集が趣味の父に感化されたもの。
父の収集癖は、郵便事業を支えたいという気持ちが源だったようだ。

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公式サイト:
http://www.teipark.jp/event/event.html#5
2012.12.28 Fri | Art| 0 track backs,
先週のグルメ :最大のコスパは神保町にあった
■ サラダとシュウマイビュッフェ付きの中華ランチ

先週は忘年会でも神保町の中華に来たけれど、週末ランチで訪れた神保町の別の中華の店があきれるほどボリューミーだった。

お得ランチは680円と780円。
780円をチョイス。

下記の通り、
エビチリ+菱白と豚肉炒めのメイン

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あるいは下記の牛肉の黒コショウ炒めのメインが付き、
ご飯、中華スープ、ザーサイ、杏仁豆腐
(680円ランチは、メインがエビチリのみ、となる。)

・・・だけじゃない。

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・生野菜サラダ
・温野菜サラダ
・シュウマイ

のビュッフェ付き。

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こんな感じで取るのだが、
おなか一杯。
シュウマイまでは食指が動かない。
後でなんとか1個いただいたが。

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そして1杯だけだけど、コーヒー付き。

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場所はここ。
新味園@神保町。

日本橋にも支店があるよう。

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URL: http://r.gnavi.co.jp/a439501/


ラップアップ

◎ ボリューム ★★★★★
◎ 品数 ★★★★★
◎ サラリーマン向け(おかずは十分美味しい。絶品杏仁豆腐+本場のコーヒーを期待する女子向きじゃないかもしれないけど、私は再訪する。)
2012.12.26 Wed | Gourmet| 0 track backs,
クリスマスとお正月が同居する皇居東御苑
空気は冷たいけれど、空は澄み渡り、久しぶりに散歩日和になったクリスマスイブ。
皇居東御苑を散策すれば -

赤鼻のトナカイがいて、

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サンタクロースランナーがおり。

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頑張れサンタクロース!とツーレが叫ぶ。
それにこたえ、手を振るサンタ。

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これまでジムのイベントでは散見されたこのサンタ帽。
今年は町のあちこちで出没率が増えた気がした。


とはいえアメリカの方がサンタ帽率は絶対高い。
先週シアトルの町ではまるで防寒用に被っていたのが目についた。
道行けば、サンタ帽のサイクリストが結構おり、

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シアトル大学ではフリスビーに興じるサンタ帽。

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話戻って皇居東御苑。
ここではクリスマス模様と同時に正月準備も同時進行中。

いつも置かれていない混雑緩和・誘導用立札がさっそく設置された。
宮中参賀の後、どっと人々がなだれ込むから、出口門の所在地を告げている。

正月過ぎたらまた撤去されるのだろう。

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そして苑内は、いつもに増して、水が青かった。
枯れ野風景もまた一興。

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プランクトンの関係なのか、反射する太陽の強弱のせいなのか、
季節ごとに色を変える水面。

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このカンザクラ、確か10月寒桜という名前だったはず。
2か月前から開花していたけれど、いまだに花弁を まとっている。

春のソメイヨシノに比べてひ弱に見える寒桜。
でも、見かけによらず、根性があり、粘り強いとお見受けした。

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2012.12.25 Tue | 国内探索| 0 track backs,
クリスマス イン シアトル
アメリカはクリスマスイルミネーションも派手なんだろう、
そう思って出かけたシアトル。

がしかし、東京六本木当たりの方が趣向を凝らした飾り付けは多いぐらいで、
普通のイルミネーションにとどまっていた。

おそらくド派手であろうニューヨークと、それ以外の都市では雲泥の差と推測。

とはいえ町は華やいで、5番街あたりはそれ相応に美しく。


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2012.12.24 Mon | Travel-USA| 0 track backs,
ボーイング787 ANAシアトル直行便 <シート回り編>
昨日の土曜日は、ド疲れて、何もやる気がせず。

先週日曜日に帰国して、フルに5日働いて、忘年会2件、あとは残業だったから、
ひ弱な私のこと、もっと疲れてもおかしくない状況。

その割には元気でいられた方だろう。
往復の飛行機で使用したボーイング787のおかげだろうか。

ベッドは完全フラット。
ただ、ヘッドホンをして寝ると振動が伝わるため、音楽を聴きながら眠るには、イヤホンを持参すべきだった。

機内は乾燥しない、のが売りだけど、座席の配置によるのか、私はこれまで以上に口の中が乾いて、初めて濡れたガーゼをつけたマスクを使用。


通路を挟んだ隣の席が空席だったので、パチリ。
隣、といっても席から出るのに他人の前を通る必要はないので(すべての席において)、
いつも通路側を指定する私も今回は窓際を所望。


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前の空間には物が置けて、下段には靴。
寝るときは、この上段に、足が来る。
そのため、ここに荷物をあれこれ置くわけにもいかず、後でカーデガンなどは上の棚に収納した。
座席上の棚は、とりあえず一人でひとつ占有できる。

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去年ツーレが結婚式でシアトルに行った時は、まだ日系航空会社の直行便はなく、デルタを使用。

ANAの成田=シアトル線が登場したのは今年2012年7月25日のこと。
私が搭乗したのは12月中旬だったけど、その1ヶ月半前となる2012年10月1日から、ボーイング787型機が導入。


アペリティフタイムには、シェリーがあったのでチョイスしてみる。

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シート調整のタッチパネルには、サイドテーブルライトというのがある。
一体どこにライトがつくのかと思ったら、サイドテーブルの縁が、細いLEDライトで縁取られる。

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下の写真は非点灯時のサイドテーブル。点灯時には、サイドテーブル手前の2辺に細いブルーのライトがつく。
自分でつけなくとも、機内が暗くなる時には、一斉点灯していた。
細いライトなのでうっすらと幻想的。眩しくないのがいい。

これ以外に、通常の天井ライトと読書灯があり、計3か所。

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リモコン。
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ひっくり返すとキーボード。
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2012.12.23 Sun | Travel-USA| 0 track backs,
中国王朝の至宝 at 東京国立博物館 その3
東京国立博物館平成館で開催中の「中国王朝の至宝」展。
見ごたえがあり、再訪したいと思いつつ、閉幕間近となってしまった。
今月24日が最終日だ。

というわけで、最後にもうひとつエントリーする、11月の招待会の感想その3。

入ってすぐ、初期の作品として展示されている金製仮面は、手のひらにすっぽり入るサイズの小ぶりなものだった。

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かなり初期の作品だが、これで紀元前12-10世紀。
蜀の時代のもの。

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年表を再掲すると、中国王朝は紀元前約2000年前から始まったようで、
黄河流域の夏と、長江流域の蜀の王朝が存在していた。
日本は縄文時代か。




となると、やはりエジプト文明は恐ろしい。

なにしろ上記の仮面の1000年前にあたる、紀元前2200年にしてすでに彩色が施された彫像がつくられていた。
これはネンクヘフトゥカ王の古墳から発見されたもの。
なんともはや、早熟なエジプト。

写真は昨年出張の合間に訪れた大英博物館にて。

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古代エジプトや、大航海時代のポルトガルを偲ぶにつけ、文明の進展がリニアな右肩上がりでなく、時に後退すらすることがあることを思い知らされ、その成長曲線を支配する見えない威力は圧巻だ。


今回「中国王朝の至宝」展ではまた、王朝ごとの流れが丁寧に終えるようになっていて、各王朝ごとの特色の違いがまざまざと浮彫になっていた。
やはり比較するということのメリットは大きい。

秦の始皇帝の時代は、やたらなにもかもどでかいのだが、ああまで迫力満点の展示物を見ると、
権力の強大さもさぞかしと。

これは男俑のうち、跪俑(きよう)。
跪いている男性の彫像。
実物大より大きい。

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こちらは「龍」。
一対の龍が絡み合っている。

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短命に終わった秦の時代を経て、長安になると、サイズはぐっと小さくなり、
更にその中でも流行の流れが。

細身の女性が好まれた潮流が一時期あり、

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かと思えば、ふくよかさを賛美する傾向が隆盛となったり。
その違いが並んだ展示物から如実にうかがわれる。

日本でいえば、肩パッドや細い眉、あるいは太い眉など、ファッションにも流行の変遷があったけど、
当時の女性の服にもそうした流行りものの傾向が見て取れる。
上と下を比べると、女性の服装も、かなり違っている。

この像を見て、解説してくださった学芸員の方が、「マツコ(デラックス)みたいなのがもてはやされた時代だったようです」といったのが印象的。


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そして、いつか泉屋博古館でも垣間見た傾向がここにも。
これは北朝時代のものだけど、小さな人間や動物の彫刻をあちこちにつけたがる傾向。

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それがまた愛嬌があって、なかなか癒し系なのだった。

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会場の構成図。
時代ごとの単なる展示だけでなく、コーナーごとに2つの時代等を対峙させている。

中国における時代の変遷、特色、そして、中国そのものの個性がわかりやすくまとめられていて、私のような素人さんでも楽しめる。

どんな美術展示であれ、成功させようとする主催側には苦労があるのだろうけれど、ときに素っ気ない感じがしたり、雑然と感じてしまい展示の工夫ぶりが伝わらないものもある。

けれどこちらのは、いわゆる主催者の方の熱い思いがこちらにも伝わるかのようで、それにこたえてしっかり見なくちゃいけないな、と感じるのだった。

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展覧会名: <特別展>中国 王朝の至宝
会期 :2012年10月10日(水)〜12月24日(月・休)
休館日 :毎週月曜日 ※12月24日(月・休)は開館
会場 :東京国立博物館 平成館 (台東区上野公園13-9)
開館時間 : 午前9時30分〜午後5時

※金曜日は午後8時まで開館 
※入館は閉館の30分前まで
URL: http://china-ocho.jp/
2012.12.22 Sat | Art| 0 track backs,
ツーレと私の苔むすベンチ
ツーレが1年半学んだワシントン大学へ行った最終日。

広大なキャンパスの中で、ひそりたたずむ苔むす石造りのベンチに風情があった。

写真を1枚。
ベンチを主人公にして撮ってみる。
するとー

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ツーレも撮っていた、ワシントン大の石のベンチ。↓
たぶんキャンパス内の同じ一角のはず。

去年の夏、彼はひとりでそこを訪れたのだ。
ホームステイ先の息子さんの結婚式で。
私も行きたかったけど、休みが取れなかった。

ただ、彼のシアトルは真夏。
私が見たあのどんよりしたキャンパスは、様相を一変。木漏れ日に彩られていた。

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ああ、夏にまた再訪したい。
全然違う顔が見えるから。
2012.12.21 Fri | Travel-USA| 0 track backs,
アンリ・ルソーの《第22回アンデパンダン展に参加するよう芸術家達を導く自由の女神 》
原田マハさんの「楽園のカンヴァス」を読んだばかりなので、アンリ・ルソーについて、
もう少し突っ込みたくてうずうずいている。

というわけで、ここでは、先日改めて対再度対面を果たした1枚の話。

「楽園の・・」に登場したルソーの絵はニューヨーク近代美術館所蔵の《夢 》だったが、
こちらは、日本の東京国立近代美術館にあるアンリ・ルソーの一枚:
《第22回アンデパンダン展へ の参加を芸術家に呼びかける自由の女神 》。

この絵は、同館が所有する海外絵画の目玉のひとつ。


写真は以前許可を得て撮影したものだが、美術館改装後の現在は、
許可なしで特定絵画以外は撮影OK。


さて、この絵の全体像。
宙に浮く女神の下でなにやら晴れがましいイベントが行われている。
女神の軽やかさが印象的なのだが -

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アンリ・ルソー《第22回アンデパンダン展に参加するよう芸術家達を導く自由の女神 》1905-06年


クローズアップにすると・・・
ひげ面???
髪の毛も棒のよう。

ぎょっとしたのは私だけではないようで、先日ビデオに収めていたTV番組(美の巨匠だったか?失念)でも同じようなことをコメントしていた。

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アンデパンダン展会場に続く道には、アンリ・ルソー本人(右)と主催責任者が握手をかわしている。
そして、ライオンの足元にある画家のリストにはPicasso(ピカソ)名前とともに、Henri Rousseau(アンリ・ルソー)の名前!

日曜画家として、のんびり欲もなく描いていたのかと思いきや、結構野心家だったりするのか?

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自筆サインも、花文字のように、洒落た綴りを試みているのがありあり。
将来売れると信じて書いたかのよう。

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それにしても、口紅を引いたようなこのライオン!
果たして彼は、どういう思いでこの一枚を仕上げたのだろう。
どんな信念のもとに描いたのだろう?

「楽園のカンヴァス」を読んだ後なだけに、不思議感が強まる
このアンリ・ルソーの作品。

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この絵に出会える場所:竹橋にある東京国立近代美術館
通常は常設展に含まれる絵なので、入館料はたったの430円。
(*この記事を書いたときは400円だったが、
2014年にUpdate)

URL:http://www.momat.go.jp/
2012.12.20 Thu | Art| 0 track backs,
パソコンの中のシアトル風景とビル・ゲーツ氏の自宅
10月にPCがクラッシュし、小型PCで一時しのぎをしていたが、
11月にようやく購入。

Windows8が我が家に届いた。
開けてびっくり!

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デフォルトの画面が --
シアトルだったのだ。
高い建物は、スペースニードルと呼ばれる展望台。
この時点で、シアトルに12月出張することが決まっていたので、驚いたワケだ。

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そしてスペースニードルの実物。
宿から至近距離だった。

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夜もなかなかよい。

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そばのチフリー美術館のガラス細工と並んだ姿も。
たまたま短時間の晴れ間にとらえた一枚。

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いや、日本のスカイツリーだって負けちゃいない?
成田に行く最中、成田Exの車窓から見かけた姿。

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で、Windowsのデフォルト画面がなぜシアトルか?理由は簡単。
ここシアトルには、ビル・ゲーツ氏の自宅がある。

去年クルージングに行ってツーレが目撃してきた。
ビルゲーツの家。
ワシントン湖沿いのこんもりした小山まるごと敷地だそうだ。

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チラ見ができる。

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今回、私の宿のそばには奥さんと2人の教育財団もあった。
同行した会社の人は、私がガラス美術館訪問中、こちらの財団のショールームを見ていたそう。
渋い!
ゲイツ夫妻の教育などへの力の注ぎように感激していた。

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2012.12.18 Tue | Travel-USA| 0 track backs,
チフリーガーデン (シアトル) その1.恵みの太陽 
シアトル出張の続き。

3日目の予備日がフリータイムになったため、どこへ行こうかな、と考えて、シアトル大学 → チフリーガーデンに行くことにした。

ところが朝起きたら、シアトルにしては珍しく、太陽が出ていたため、
急きょ予定を変更して、チフリーガーデンに先に足を運ぶことに。

ここは、ガラスアートの美術館。建物の外と中にガラス細工がちりばめられている。

外のガラス細工は、やはり太陽の光を受けてこそキラキラと輝くはずで、今こそチャンス!、そう思ったので、
太陽が逃げる前に行くことにしたのだった。

しかし内部見学の後外に出たら太陽が雲の中に埋もれてしまっていた。
がっかり。ところが、20分ほど粘っていたら、出た出た、太陽!
ああ、こんなにも違うのだ、太陽の存在。
光の登場で、ガラスがぐっと生きてきた。

これは日が差す前:

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日が差した後:

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翳っていたとき:

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太陽が顔をのぞかせたあと:

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滴るような光の滴。
きらめいて、活気づいてきた。

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夜のライティングも美しく、夕方行こうか、とも思ったけど、
自然光のいきいきした様子はやっぱりいい。

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シアトルからのプレゼント。
太陽の恵み、という名の。

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チフリーガーデンは、今年5月にできたばかりだそう。
タコマ出身のガラスアーティスト、デイル・チフリー氏の芸術品が配されている。

場所はスペースニードルの脇。
入場料は19ドル、と結構お高いけれど、Tripadvisorでは観光地としていまや1位にのし上がっている。

到着日の夜に何だろうあれ、といぶかしく思っていたこれ↓がその一部だったと後で気づいた。



URL:http://www.chihulygardenandglass.com/
2012.12.16 Sun | Travel-USA| 0 track backs,
全面工事中で通行禁止に泣く
昨日の木曜日、出張先で仕事のトラブル発生。
どうやら役所仕事で先方にミスがあったらしく、理由は知らされぬまま、業務が5時間以上中断。

とはいえ、こんなこともあろうかと金曜日は予備日で1日あけておいたので、業務がずれこんでもOKな状態ではあった。

しかしトラブルはなんとかその日中に解決。
ほっとした。

よって、金曜日の予備日はフリーとなった。


さて、いざフリーとなったら、どこへ行こう?と戸惑った。
地球の歩き方を用意して、科学博物館に行くことを企んでいる同僚を尻目に、まずは休養一番ということで
朝風呂にゆっくりつかり、11時ちょい前に町に繰り出す。

偶然通りかかった美術館が11時開館だったので、入ることに。
12時過ぎまでゆっくりして、さて、ではあそこに行こう、と決めた。

乗るべきバスもきちんとネットで確認した。
しかし大事件発生。
町中が工事でバスの通り道が全面封鎖。
バス停にはこの道を回避することを示す看板はあるが、Deviationがどの経路を通るのか書いていない。

まいった。
バスが迂回していると思われる道を求めて延々1時間以上歩くハメに。

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行けども行けどもそれらしい道にぶちあたらず、もうお手上げ。

出張中だし、迷子になると困るので、もう相性がなかったんだと諦めることにして市内に戻りかけた。
すると丁度そこへトラムがきた。
どうも行きそうな気配だったので人に聞いたら、違うという回答。

しかし、あと2ブロック歩けば、シャトルバスがあるらしい、と教えてもらった。

とはいえ乗り場が地図にもなく、曖昧のまま。
迷ったけど、ここまできたら、もう少し粘ってみようと歩き始めた。

とりあえず近くに行ってまた人に聞いたら、ほら、あそこに丁度シャトルが待っているわよ、と指差して教えてくれた。

なんと40分に1本という貴重なシャトルだった。
乗り込む。お金は?無料です、と。
なんだ、バスに乗るために朝必死に小銭を作るべく小さい買い物をする必要なかった、と思ったが、帰りにそれが使えたのでよしとする。

到着にもまた波乱があって、目的地の次で下ろされ(バス停の名前が、パーキングとか●●通りとかいう名前ばかりで、一体どこで降りたらいいのかわかりにくかったせいで)、仕方なく人に聞きながら1km弱戻る、という成り行きではあったが、ともかく到着。

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天気予報は雨だったのに、奇跡的に1日中降らず。
朝はデフォルトの真っ黒い雲が見えたのだけど、どこかへ吹き飛んだらしい。
こんなこともあるのかと驚いた。

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この場所で、リスを見つけた。
すごい音でくるみ?だかなんだか木の実をかじっている。
結構離れた場所で最初見ていたのに、その音が広範囲に響いていた。
リスの歯は驚異的だ!

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最初芝生にいて、近づいたらするするとこの気に上ってまた食事を再開していた。
のどかな昼下がりだった。

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さて、ここがどこなのかは次回にまわすことにする。
2012.12.15 Sat | Travel-USA| 0 track backs,
町の様子とホテルの様子
到着日、飛行場から市内へ向かったときの写真。
車でハイウェイをゆく。やがてとおくに町並みが見えてきた。
この町に来たのは初めて。

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この時期の天気はデフォルトで(更に例外なく)悪いと聞いていたので、
なるほどその通り。

空港到着時は曇天だったけど、ほどなく予定通り雨に。
うすーい墨汁をしつこく垂らしたような不気味な雲が空にびっしり執拗に張り付いていて、微動だにしそうもない。
こんないやーな感じの空は日本では余り見かけないなぁと思った。

客先に行く途中は土砂降りに。
途端に車の流れがゆっくりになる。

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夜。食事に繰り出す最中も、霧雨が降ったり止んだり。
もちろん現地の人は傘など差してない。

1日で雨が降ったり止んだりが半端でなく繰り返されるので、いちいち差してなんかいられないだろう。
わかるわかる、と思いつつ我はしっかり傘を差す。
結構濡れるから。

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クリスマスなのでイルミネーションはあるにはあるけど、まあこんな程度。
一般家庭の電飾も、ポツン、ぽつんといった感じで、
舞浜のように、いっせいにあちこち競うようにして光り輝く光景はなし。

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途中見かけたこんなもの。
最終日、これの正体をつきとめたいものだ。

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馬車も見かけた。

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帰りの車は大渋滞。
もう懲りた、懲りたで食事にはモノレールを使用。

往復チケットを買ったけど、片道x2でも料金は一緒。
一駅分片道は200円ぐらい。
日本の営団地下鉄のコスパのよさに拍手。

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宿はキングベッドでソファ付きの部屋のはずだったが、朝10時到着だったので、
予約したタイプに部屋はまだ空いておらず。

ツインなら用意できると言われた。
早くチェックインしてしてしまいたかったので、ツインで我慢。
同じ面積なので、部屋がその分狭くなる。

リビングセットの代わりにベッドがもうひとつ。

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ロビーではコーヒー、紅茶、レモン水が自由に飲める。
ビュッフェの朝食付きで1万円弱(プラス税)。

Booking.comで評価は9以上、朝食評判がいい、同行している相手先のホテル代の支給額を考え、なるべく安く、場所が便利、という基準で探した宿。
豪華ではないけど、悪くない。

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2012.12.14 Fri | Travel-USA| 0 track backs,
海の幸
朝9時過ぎに当地に到着し、ホテルに荷物を置いて仕事へ。
ホテルに夜18時に戻り、食事に繰り出した。

クラムチャウダーに加え、かに料理を6人で3種類頼んだだけ、、、
だったのだが、バケツで持ってきてテーブルにぶちまけるスタイル。

かにはタラバガニなど3種類。
アメリカって、、、豪快。

そのまま床に殻を落とすのかと思ったら(ドキュメンタリーでよく眼にするように)
洗面器を3人に1つくれて、それを床に置き、その中に殻を入れていく。

お皿という存在の欠如に驚いたが、見栄えより中身をとるやり方。
いや、欧米の人には、こちらの方が見かけ的食欲をそそるのかもしれない。

このワイルドさがいいのかもしれない。

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具沢山のクラムチャウダーはトマトベースだった。
アメリカでは、ホワイトソース系とトマス系の2種類のクラムチャウダーがあるそう。

私たちのクラムチャウダーの具は、サーモン+いろいろだった。
2012.12.13 Thu | Travel-USA| 0 track backs,
寒々しい風景
北の地に到着。
空港から市内へ。

外は寒々しい光景。
この時期このあたりはデフォルトで雨+寒いらしいから覚悟済み。

宿でシャワーを浴び、これから仕事へ。
機内では珍しくほとんど眠れず。
食事がヘビーだったせいらしい。

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空港のコーヒーショップにて。
軍関係者は20%引き。
いつもサービスご苦労様です、と。
優遇されているのね。
それで外地でも、オレ様態度になるのかな。

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機内から見た朝焼け。
オレンジ色が燃えていた。

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2012.12.13 Thu | Travel-USA| 0 track backs,
成田にて
搭乗待ち。
成田の赤ワインが美味。
まあ498円、ドンキのボージョレヌーボーと比較してはならぬ。

でも仕事だから、ちょっとだけ。

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行く途中成田EXの窓からスカイツリーがくっきりと。
快晴なり。

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2012.12.12 Wed | Private| 0 track backs,
出張当日、冷蔵庫一掃作戦遅ればせ
出張で今週家をあけるにあたり、冷蔵庫一掃作戦をしてなかった。
ツーレは留守番するわけだし。

でもよく考えれば、彼は料理は一切しない。
できないとかなんとかいう前に
もうしないと決め込んでいる。

となるとこの賞味期限ぎりぎりの豆腐は廃棄するしかない状況か、、、

ということで、急きょ朝食に湯豆腐。
トースト、カマンベールチーズ、サラダ、ヨーグルト(ツーレのみ)、りんご、洋ナシ、みかん、とともに湯豆腐。

丁度今朝はソーセージ類を切らしておりこのメニューではタンパク質があきらかに足りないので
まあこのアンバランスさはよいのだ、栄養面ではバランスがいいのだから。

さて、忘れ物はないか。
寒そうなのでキャリアバッグの中は防寒具てんこもり。
一旦会社に出て仕事片付けて、昼から成田に向かう。
通勤ラッシュに大荷物は、ちょっと憂鬱。
2012.12.12 Wed | Private| 0 track backs,
今年のイルミネーション その3 恵比寿ガーデンプレイス
3週間ほど前だけど、恵比寿方面で会議のあと、皆でガーデンプレイスに繰り出した。
イルミネーションを見るために。

といってもバカラのシャンデリアは長年見慣れてしまって新鮮味が正直なかったのだけど、
みんなで来ると、またちょっと新鮮味も増すというもの。

うちひとりはシャンゼリゼみたい、とこの並木道の導入部を気に入っていた。
いつもより華やかに見えるのは、気のせいか?

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バカラのシャンデリアも、確かに間近で見れば、滴らんばかりの煌びやかなガラス片が連なり
遠めの印象よりも繊細だ。

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丁度19時ジャストだったせいで

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仕掛け時計がいい音を奏で始める。

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物語風でかわいらしい。
人形たちの行進だ。

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ツリーの台にもバカラのマーク。

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そのバカラのシャンデリアは、床面にバカラのBマークが入っている。

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毎年出しては仕舞って、取扱いはたいそう繊細で気を遣うことだろう。

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背後のガラスに映りこんだシャンデリアもまた一興。

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駅の広告はバックグラウンドが赤だから、とても引き立っている。
点灯開始が昼間の12時というのが驚き。

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*******

『Baccarat ETERNAL LIGHTS -歓びのかたち- 』

■場所 : 恵比寿ガーデンプレイス センター広場
■会期 : 2012年11月3日(土・祝)~2013年1月14日(月・祝)までの期間中
■ライトアップ時間 : 「Baccarat250灯シャンデリア」 12:00~23:00
2012.12.11 Tue | 国内探索| 0 track backs,
絵の再評価、絵の流行ってなんだ?
先日触れた「小学館創業90周年記念企画 日本美術全集 全20巻」発刊前のスペシャル対談(辻惟雄先生x山下裕二先生)を拝聴した。

スライドを用いた内容説明。

配本の順番は、よくあるように、時代順ではない。
第一回配本は、2巻目の「法隆寺と奈良の寺院」

売りは、法隆寺金堂内陣など新撮影との由。
釈迦三尊像などは、背後からのレアな画像も。

第に回配本は、満を持して「若冲、応挙、みやこの奇想」。
若冲、応挙、蕭白、芦雪などを日本のルネサンスとしてクローズアップ。


予想通り、若冲の「動植綵絵」全30幅の話に多くの時間が割かれた。

画中のさまざまなトリビア的な細かい芸に目を向け、例えばー

・「群魚図(蛸)」のタコの足に子ダコが絡んでいる様子
・「群魚図(鯛)」のイカの足がひとつちぎれている様子
・「池辺群虫図」の瓢箪に絡まるようにしてしがみついているオニヤンマ

など宝探し的な楽しさが語られていく。

一方で、山下先生いわく、黒田清輝(「湖畔」の絵など)はキライ、とのことで
最近の志向というか人気筋は、細部に遊び心を配した絵であるような印象を受けた。

そして、そうでないもの、つまり見た目の心地よさだとか、色彩だけで勝負するような絵は、隅に追いやられていく傾向があるのかな、などと。


ただしそのような傾向があるとしても、それはそのまま日本人が好む洋画の方向性には当てはまらないようだ。
むしろまったく逆というか。

洋画の世界では若冲的絵画より清輝的絵画、すなわち印象派はいまだに人気だし、アトリビュートが多く謎解き満載であっても、宗教画フィーバーの世の中がくるようには思えない。

ラファエロがくれば話題になるけど、じゃあ知名度が劣る画家の宗教画ならどうだろう、
例えばギルランダイオやティントレットの宗教画だけで人が呼べるかといえば Noだろう。

私は、日本画でいえば、欧州で絵を学んだ近代画家たちの絵は好きで、
丸山派には疎く、どちらかというと近代美術館や山種美術館にある明治~昭和初期の画家の絵を好み、
洋画でいえば、印象派は少々食傷気味で、宗教画や神話の世界に惹かれつつある・・・・

というわけで、完全に今の日本の人気傾向と真逆を行っているようだ。


・・・と考えて、自分が好きな絵って一体どんな絵だろう。

・ジョットのスクロベーニ礼拝堂のキリストの受難の連作が好き。
・アカデミア美術館のジョルジョーネの「テンペスト」が好き。
竹内栖鳳の「風かおる」が好き。
・シモーネ・マルティーニの「受胎告知」が好き。
・印象派だけどクロード・モネの「舟遊び」も好きだ。

・・・

今まであまり考えたことなかった、好きな絵。
上の絵が好きなわけを考えてみれば、単に絵、そのものだけでなく、見た時のシチュエーションなども加味されている。
だから絵が好き、という感覚は極めてパーソナルなもの。

流行に流される必要などないと思う。


***

『日本美術全集』発刊記念 《スペシャル対談》
日本美術を体感する~若冲を中心に
辻惟雄先生(MIHO MUSEUM館長・東京大学名誉教授)×山下裕二先生(明治学院大学教授)
「弐代目・青い日記帳」さんより
2012.12.09 Sun | Art| 0 track backs,
生誕100年 髙山辰雄・奥田元宋-文展から日展へ- 関連講演会 「胸中山水・奥田元宋の赤」
生誕100年 髙山辰雄・奥田元宋-文展から日展へ- 関連講演会、奥田 小由女氏(人形作家・日本芸術院会員 奥田元宋夫人)によるトークショー 「胸中山水・奥田元宋の赤」を拝聴した。

奥田元宋氏の絵にまつわる数々のお話。

先日参加した故星野道夫さんの奥さまによる講演会もそうだったけど、芸術家の配偶者、つまり最大の理解者である人の講演は、批評家によるそれよりも、愛情や尊敬というエッセンスが加わる分だけ、心が動かされる。

今日のトークも、画家奥田元宋氏という人が、奥様だからこその逸話も交えて語られ、すがすがしさと温かさに満ちていた。

興味深い話も多々:

★ 高山元宋氏は、当初人物画家だったが、空襲で絵をほとんど失い、風景画家に転身した
★ ボナールが好きで、色彩に影響がうかがわれる。ちなみに高山辰雄氏は、ゴーギャン派
★ 雨や日本独特の湿度を重視した作品を描いた時期も
★ 大下図をつくるのが嫌い。印象が消える前に、ぶっつけで描く
★ 米国でのスケッチは1作品しか絵として結実しなかったが、その1作を所有するのは外務省(米国大使館とか?)
★ 宮内庁の依頼でめしうどを引き受け、歌を一首天皇に献上
★ 銀閣寺の襖絵を描いた。


~ 大空襲で焼けた消失し、人物画から風景画へ ~

奥田氏は、S13年、「盲女と花」で新文展特選した。(ほかに3人、橋本明治、秋野不矩、森戸果香)

もともとこの作品のように人物画を描いたが、戦争で池袋から広島へ持ち出すとき、大空襲にあい、すべて失った。
「盲女と花」だけは、京都美術館にあり消失を免れた。
本人は、命からがら広島へ。
人物画が描けなくなった中、失意のうちにも疎開先の自然の美しさにひかれ、以降風景画へ移行。

ボナールを好み、松戸に移り住んでからの作品(花畑)にはボナールの色彩の影響が。
一方高山辰雄のほうはゴーギャン好きだった。


~ 写実と心象の融合 ~

日本独特の湿気や雨に拘った時期もある。
(確かにこの絵は日本独特の湿度のある木々の絵だ、と思うスライドが登場した。)

落款も、このころは雨に因んだものを制作。
四季、湿度、雨の力で新世界を切り開く。
日本独特の湿気や雨に拘った時期。

師は自然。ただ写すのでなく、その中に心の表現をだぶらせる。

半分写実、半分心で描きたいと言っていた。
「半心半眼」という落款を作ったほど。


~ 作品の数々 ~


海外でのスケッチを絵画として結実させたのは「キャニオンの晩照」1枚のみ。
米国でスケッチ思う存分したが米国の松は大味で絵にはならなかったという。
このグランドキャニオンの絵は外務省にある。

奥入瀬の「春」と「秋」が山種で同時展示されるのは23年ぶり。
秋の大作は71歳の作。

大作を書かねばならぬ、という切迫感があった。
この「秋」の絵には空なし。流れと紅葉。

この時、山種富治氏がアトリエへ激励し、励みになった。
「春」を同じサイズで描いてほしい、と山種氏に注文され、これが力になった。
苦しさを乗り越え描き切ることができた。

絵の中の川の流れは一気に速く書き上げ、自分が水・流れになったかのようだった。
「天才ですね」、の夫人の言葉に、「これだけは自信がもてるんだ」、と。

(渓流のただなかにある岩場に入り込み、描いている写真がスライドで登場。すごい状況で描いていたことを痛感した。)

文化勲章に値する画家であるかと自問し続け、次々大作に取り組んだ。


~ 書のたしなみ ~

書「日本の四季」は、山種美術館の依頼。

恩師が亡くなった後、彼の絵の箱書きを依頼され、恩師にみっともない箱書きできぬと書をたしなみ始めた。
箱書きで絵の値段も上がるので値打ちのためにもお役に立つのだ、と。

児玉先生の箱書きのお金には手を付けず、奥様に預け、「奥ちゃんうれしいわ」と言われた。
膨大な箱書きをこなし、おかげで自分も書が書けるようになった。


~ 銀閣寺の襖絵 ~

銀閣寺の襖絵の注文を受けた時、彼は80歳。

自分の身が持つだろうか心配だったが受けることに。

墨絵でないとだめかと心配。
墨絵は描きたいと思いつつ、色を捨てられず、色なしで描くことはできなかった。
彼の眼にはまず形でなく、色彩が飛び込んできた、いわゆる色彩の画家であった。

執事長が墨絵でなくとも大丈夫ですと請け合った。
自由に描いてくださいと。
「流水無限」はのびのびと描けた。
そして、これで画歴をあげることができた、と安堵した。


最後に、生前の画家の言葉から:
作品は、生きている間でなく、そのあと、思い出してもらえるかどうかが肝心である。

~~~~~~~~~~~

奥田 小由女氏(人形作家・日本芸術院会員 奥田元宋夫人)によるトークショー
「生誕100年 髙山辰雄・奥田元宋-文展から日展へ-

2012年12月8日(土)14:00~15:30
会場:國學院大學 院友会館
2012.12.08 Sat | Art| 0 track backs,
先週のBooks
先週読んだ本。

1.楽園のカンヴァス(原田マハ)

アンリ・ルソーの絵にまつわるミステリー。
あのあと、偶然ルソーの絵画を東京で立て続けに3点見て、これも何かの縁かと。

MOMATで、ルソーの「第22回アンデパンダン展へ の参加を芸術家に呼びかける自由の女神」を見て、
ブリヂストン美術館で「イヴリー河岸」と「牧場」を鑑賞。

本のほうはさすが元キュレーターさんが書いた作品だけあって、
美術館の裏側がのぞける。

あれ以来、美術館に行っても、選ばれた作品を受動的に見るのでなく、
何故選ばれたか、購入した側の視点も気になるようになった。



楽園のカンヴァス楽園のカンヴァス
(2012/01/20)
原田 マハ

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2.夏への扉

古典的なSF、、、らしいけど、初めて手にした。

突拍子もないことなのに、なんだろうこの爽やかさは。
原題は、 The door into summer。

タイトルからしてすがすがしい感じ。
主人公もどことなく透明感がある。



夏への扉 (ハヤカワ文庫SF)夏への扉 (ハヤカワ文庫SF)
(2010/01/30)
ロバート・A. ハインライン

商品詳細を見る



2冊続けて当たりだった。
お次も、SFにタックル中。
2012.12.06 Thu | Books| 0 track backs,
先週のグルメ (飲み屋、コスパのいいランチまたまた発掘 etc)
1.会社関係の飲み会 「光寿」@新橋(人気の日本酒の店・お勧め)

友人が好きで、昔の仲間との飲み会というとここになる。掘りごたつのある日本酒の店。
日本酒は酔うので1杯のみ、あとは梅酒にした。

1100円のおつまみセット(写真)がこじゃれていてポイントかなり高い。
この日は、かぼちゃ、ローストビーフ、魚のから揚げなどの小鉢にカニ汁がついていた。

ひっきりなしにお客さんが来店し、常にごったがえしていた。
炭酸のソフトドリンクがないことだけがちょっと残念。
大食漢がいなかったせいでこの日は一人2500円であがり。

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2.週末偶然見つけたCP抜群の店 リーノ・バンビーノ@尾山台(気に入った&お勧め)

五島美術館の帰り、ぶらぶら歩いて尾山台まで。

先日行ったセンプレのもちもち生パスタを食べにいくつもりがふとこの店が目に入り、なんの事前情報もなく入店。

これが大当たり。
ランチは週末でも1100円。その中身が立派。

前菜は、サラダ取り放題。
しかもけちけちしてなくてバラエティあり。
2皿目もいってしまった。

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メイン、私はイカのスパゲティ。

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ツーレは石焼ピザ。
これがボリューム満点。店のおすすめ。
しかも、ハーフ&ハーフでもお値段変わらず。
良心的。
美味です。

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それにコーヒー&ケーキがついている。
しかも100円割引チケットをもらったので、このためだけに電車に乗って行きたいと、まじ思っている。
お店の人も感じがよかった。

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5.尾山台の住人になりたい! ヴァン・ドゥ・リュド Vent de Ludo@尾山台 (素敵なベーカリー)

上記の店でランチを満喫した後歩いていたら、ブルーの素敵な店に目が留まった。

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こんなの前はなかった、と思ったら今年の春オープンだそう。
ブルターニュの旗。
なんか本格的っぽい。

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おしゃれなパンたちに圧倒され、満腹だったのに買ってしまった。
やはり思った通りブルターニュの店だそうなのでカヌレははずせない。
アップルパイと、星形のカスタードパン。
全部で600円少々。

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ちなみにパンの指導はブルターニュ出身の製パン講師、リュドヴィック・リシャール氏とのこと。

なお、店内のランチがこれまたよさそう。
メインのほか、パンはバスケットに焼き立てのが数種類。
かなり期待できそう。

こんなベーカリーの近所で暮らしたい!とつくづく思った昼下がり。

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4.出張のときはよく寄る イル・バンカーレ@水戸(ホテルだけど安い)

水戸に出張でくると大体この店でランチ。
コスパはホテルにしてはよい。1200円から。
ホテル テラス ザ ガーデン 水戸内。

いつも1200円スパゲランチ(サラダビュッフェ+フリードリンク+デザートビュッフェ付き)は売り切れで、お肉とかにしていたけど、この日はまだあったので初めてトライ。
まずサラダビュッフェ。
種類は10種類以上。

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スパゲティは普通。
この店、お気に入りだったけど、この日は野菜が冷凍野菜っぽい歯ごたえのものが多く、感動やや薄く。

ただしデザートは前は1品のみだったのが、取り放題になっていた。
パンはサーブしてくれる。
フリードリンクもついている。

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5.がっつり食べたくて アウトバック@品川グランドコモンズ内 (肉食気分の日に)

半日いつもと毛色の違う仕事をして、おなかぺこぺこ。
取引先の人と移動中、品川でランチにすることに。
やっぱりガッツリ行きたいときはここだね、と選んだのがステーキの店。

これにカップスープがついて900円。
お財布には優しい。

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6.ランチで再訪 シャンドゥソレイユ@神田 (ゆったりと)

仕事で神田に行ったので、ランチ2度目の再訪。
(夜は2回来た。ベルギービールを選ぶのが楽しい)

1260円でサラダ+メイン(私は魚のグリル)+コーヒー・クッキー
失敗したくないときの手堅いランチ。

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2012.12.04 Tue | Gourmet| 0 track backs,
ブリヂストン美術館ナイト
プチな発見もあった一夜の贅沢

2012年12月2日(日)17:30〜20:00、東京京橋のブリヂストン美術館で夜間内覧会が開催された。
嬉しいことに受付開始は16時から。
トークショー開始前に、じっくり人影まばらな館内で鑑賞することができた。

おかげで、これまで見逃していたトリビアを幾つか発見。


日本人画家のサインは・・・

岡田三郎助の十八番、和服美人の作品「婦人像」。
作家のサインにふと目が留まり、思わずニヤっとしてしまった。

三郎助のローマ字をSaburosukeではなく、Sabourosouké  とフランス語式につづっていた。
Beaucoup=ボク、という発音のとおり、フランス語では「ou」で「ウ」の音になる。
そして、「ke」を「ké 」と綴ることで、サブロスクでなく、フランス人にもサブロスケと読んでもらえる。

純和風の題材に、フランス語のアンマッチさが微笑ましい。
彼はフランスに数年留学していたようだ。

更に、お隣りの部屋にあった小出楢重もしかり。
「帽子をかぶった自画像」ではKoidé
「横たわる裸身」に至ってはさらにトレマ(ö やï など、上にちょんちょんがついている文字。仏後で母音が2つ続くときに使用される)も駆使して、Koïdé と綴っていた。

自画像を見るにつけ、小出楢重画伯はこういうサインをしそうな人だ。
ちょっぴりフランスかぶれっぽい感じ。


絵の具の隆起

最近カタログや絵画本などを見る機会が多くて、実際に見た絵だったか、図録で見たのみなのかわからなくなることがある。

なので、間近に見てこそ、といった見方を試したい、と思い、今回引いて(=遠くから見る)だけでなく、かなり近づいて鑑賞。

すると、薄塗りに思えるセザンヌの「サント=ヴィクトワール山とシャトー・ノワール」の絵の表面に、意外と絵の具のぼつぼつした小さな水泡のごとき塊が残っていることに気が付いた。

それが妙に生々しく、セザンヌという実在の人の息使いが伝わる。
写真では得られない生身を感じる瞬間。

ピカソの「道化師」も、つるっとした仕上がりなのだけど、頭部に髪の毛を表すようにいくつか隆起する細い線が引かれていた。


・セザンヌのサントヴィクトワールは、ここのがイチバン好き!

セザンヌついでに言うと、昔初めてセザンヌの「サント=ヴィクトワール山とシャトー・ノワール」と対峙した時、この山は、彼の他のヴィクトワール山とは違ってぴか一だ!そう思った。

特に惹かれるのは、微妙な色合いや筆のリズミカルな動きだけでなく、他の作品にはない裾野の、のびやかな広がり。
さらに上下に気の葉を配し、その合間から、自らもまさにこの山を望んでいるかのような気分になる。


17:30からのトークで知ったのだが、この絵はほぼ門外不出らしい。
かつて一度だけ、横浜美術館展で貸し出されたものの、これは歴史的背景に起因する例外中の例外。
(ちなみにこの作品は、もともと原三渓氏の一族が購入した絵なのだとか。)

そして、「完成度の高い絵」、という評価がトーク中あり、これを一番好きなサントヴィクトワール山、と決めた自分に賛同者が現れた気分。

先に行われた国立新美術館のセザンヌ展の2点のサントヴィクトワール山と相対した時、ブリヂストンのあの1点に比べてなんだか冴えないなぁ、と思ったことは内緒。

この絵が最初に日本に入ったセザンヌだったこと、
シャトーノワールとあの山を一緒に画面に入れて描いたのはこの絵だけだったこと、
シャトーノワールには今でも住人がいて、外見の写真撮影を禁じていること、
などは、新たな発見だった。

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*写真は、この日限定的な条件付で撮影許可されたもの


カイユボットのピアノ

やはり16時からゆっくり鑑賞したおかげで、ドビュッシー展では見逃していたカイユボット作の「ピアノを弾く若い男」の絵の細部に見入った。

ピアノの全面に、ピアニストの手が映っている様子まで国名に描かれていた。
中央には金色で洒落た英文字のエンブレム。

その後のトークでこれが当時フランスでグランドピアノの代名詞とされた「エラール」というブランドのものだと知った。
一種ステイタスとなるようなお高いブランドなのらしい。

ピアニストはカイユボットの弟がモデル。
一家の裕福な暮らしぶりがしのばれる。

さらに、この絵に描かれている楽譜(ピアノの上)がやけに分厚いなーと思って見てたのだけど、これは実はドビュッシーの師匠による楽譜である、といった秘話も公開された。


2日連続で見たアンリ・ルソー

前日MOMATでルソーの「第22回アンデパンダン展に参加するよう芸術家達を導く自由の女神」の絵を再見したばかり。
さらに、ルソーの絵のミステリーを描く、原田マハさんの「楽園のカンヴァス」を読了したばかり。
再びここで、ルソーの絵2点と出会うとは。

いつもとは違い、ルソーの人生を胸にじろじろと鑑賞。

驚くべきは、「牧場」の絵の方が、彼が亡くなった年に描かれたものだったこと。

反対側に飾られている「イヴリー河岸」(1907年ごろ)よりも上手くなっている気がする。
イヴリーの方は、人間がおもちゃみたい。
シュールに配されていて独特な雰囲気を醸しているが、細部は粗雑。
「牧場」は隅々まで丁寧に描き込まれている。
中央の牧童が、我々にさようならしているかのよう。去り際の作家を彷彿させるように。


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*写真は、先日MOMATで撮影(写真OK)。ルソーの自由の女神。アップで見ると、意外に”麗しくない”のだった。




トークも興味深かったけれど、長くなったので、概要のみ:

式次第は:
第一部> 学芸員対談 
ブリヂストン美術館学芸員 賀川恭子さん & 三菱一号館美術館学芸員 阿佐美淑子

第二部> アートブロガーさんを交えての意見交換会
「青い日記帳」T a kさん / はろるどさん / 6次元 中村邦夫さん

写真は第二部の模様。
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トーク&鑑賞後は、こんな素敵な計らいも。ワインも出た。
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わくわくした一夜だった。
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2012.12.03 Mon | Art| 0 track backs,
東京国立近代美術館60歳の誕生日特別企画:『東京国立近代美術館MOMAT60歳の誕生日をお祝いしよう!』
MOMATを支えてきた方々の気概に強く感じ入った1日だった


昨日、即ち2012年12月1日は、東京国立近代美術館(MOMAT)の60歳目の誕生日

全館無料でギャラリーツアーも多々。
既にブロガー招待でも見てきたけれど、再訪した。
お誕生日をお祝いするために。

この日の特色は、平生14時からのギャラリートークが作品ごとに分散され、同時に11時と14時の2回、研究員の方たちの歴史を振り返るトークが聞けたこと。

私たちは14時の回を拝聴。
テーマは『MOMATコレクションができるまでの60年』。
夜間特別観覧会にも参加したし、キュレータートークは初めてではなかったのに、初めてうかがう話も多く、興味深かった。


お話の内容は、例えばー

    ● 当館が開館した1952年は、サンフランシスコ講和条約発効の年。主権回復の機運とともに日本初の近代美術のコレクションを目指すべく、当美術館はオープンを迎えた。

    ● よって、新しい日本の時代を強く意識した美術館となっており、そうした切っても切り離せない時代背景を伝えようという試みが、企画展「Section2 実験場1950s」である。

    ● 当初は現在のフィルムセンターがある京橋の建物で開館。専用の建物を建築するまでには資金力はなく。

    ● 美術館の方向性を決定づけることになるから、作品の選択は重要なポイント。選ばれた作品から、彼らの気概が伝わる。つまり -

    初めて購入した作品が現在4Fに展示されている土田麦僊の「舞妓林泉」と、村山華岳の「日高河清姫図」だそう。2人は従来位の官展に反旗を翻した作家たち。官展も尊重しつつも、こうした懐の広い、開けた視野を持とうとする当時の本美術館の心意気が感じられる選択だ。

    ● その他、野田英夫氏の「サーカス」も、1952年の購入。日本でそれほど目に触れる機会が多くはなかった海外と日本を行き来した画家の作品を購入したことからも、新しい息吹を吹き込もうとした心意気が感じられる。

    安井曽太郎 の「金蓉」なども当初の購入品。没後の作家だけでなく、当時リアルタイムで活躍していた作家の作品も購入していた。

    ● 誕生日企画展は今回の60周年目が初めて。設立「50」周年にはこうした催しは行わず。しかしこうした催しもなかなか悪くない、と研究員の方も実感されたよう。こうして大勢の人たちが集散し誕生日を祝う光景には、本美術館へのそれぞれの愛着がにじみ出ていて、私もいい催しだとつくづく思った。


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右が「舞妓林泉」


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「日高河清姫図」は右から3つ目。


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手前が「金蓉」、隣が「サーカス」
*写真は夜間特別展の時のもの。
あのときは1点撮りでなければ撮影OK。現在の展示では、フラッシュなしで、禁止該当作品以外は撮影OK。


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■ 美術館を裏側から垣間見る
 

丁度、原田マハさん著「楽園のカンヴァス」を読了したばかり。元キュレーターだった浜田さんの作品らしく、随所に美術館の裏側、作品や展示をチョイスするキュレーターという人の存在にスポットを当ており、美術館にきても、また違う見方をすることができた。

つまり、選ばれし作品のみを深読みしようとするだけでなく、その裏の、選ばれた背景という観点。MOMATにある作品たちも、それぞれ選ばれたわけがあり、美術館の目指す方向を模索するスタッフの方たちの鋭意が感じられるのだ。
  
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MOMATと私

私はもともと竹橋に縁があったみたいだ。

小学生時代、父に連れられそばの科学技術館で物理の実験講義を受けに来ていたから、当美術館の前を通っていた。存在は知っていた。親に連れられて美術館そのものに来たこともあった。

就職先も、竹橋と目と鼻の際。再び竹橋とつながることになる。ある時、週末にふらりと美術館を訪れ、ちょうどギャラリートークにぶちあたった。

「金蓉」の前で、対話形式のギャラリートークが展開中。画面いっぱいに広がった人物像の存在感、少しリアルよりひしゃげつつ、印象をつたえていく造形術。洋画一辺倒だった自分が、ああ、日本画も見始めたら奥が深くて面白いかも、などと持ったのを覚えている。

私が人生初のギャラリートークに参加したのはイギリス・ナショナルギャラリーのこと。当時プチ留学中で、11時と3時(今は時間が変わっている)、入り口に集合して、たっぷり1時間、英語学習がてら美術の話に聞き入った。

ナショナルギャラリーのトークも、一方的でない対話型。宗教画(ピエロ・デッラ・フランチェスカのキリストの洗礼の絵だった)の前で、この絵、どこがおかしい?とガイドさんが問いかける。すると、ごく普通の主婦らしき人が叫ぶ。「perspective(遠近法)!」と。

まっさらな心でプリミティブな感想を言うもよし。思いをみんなが伝えつつ、絵を深めていく。

そんな対話型のトークは珍しい気がして、イギリスだけのお楽しみかと思いきや、日本でも実践しているところがあったとは。

というわけでその後2度ばかり、MOMATの年間パスを購入。元を取るどころか(常設展を1年間無料で見られる1000円のパス、つまり3回行けばもとがとれる)、行き倒した感がある。もちろん行くときは、ギャラリートークの時間に合わせて。




『東京国立近代美術館MOMAT60歳の誕生日をお祝いしよう!』は2012年12月1日(土)(無料観覧日)10:00~17:00。すでに終わってしまったけれど、「美術にぶるっ」の企画展はまだ開催中。

東京国立近代美術館 60周年記念特別展
美術にぶるっ! ベストセレクション 日本近代美術の100年

平成24年10月16日(火)~平成25年1月14日(月・祝)
午前10時~午後5時 (入館は閉館の30分前まで)
*金曜日は午後8時まで開館
*休館日:毎週月曜日(祝日又は振替休日にあたる場合は開館し、翌日休館)と、年末年始(12月28日~1月1日)。ただし、12月25日は開館。

公式サイト」:http://buru60.jp/

なお、12/1の誕生日企画では、下記の通り、細切れで、ギャラリートークが開催された。私は「母子」のトークに参加。本トークに何度も参加している感じのおじさんの姿もあった。

集合場所:各作品前(12/1のみ)
A 安井曽太郎《金蓉》           10:30/13:00
B 北脇昇《クォ・ヴァディス》       10:30/13:30
C 藤田嗣治《五人の裸婦》         11:30/13:30
D 上村松園《母子》            11:30/14:30
E 植田正治《パパとママと子供たち》    12:00/14:30
F 高松次郎《No.273(影)》        12:00/15:00
G 佐伯祐三《ガス灯と広告》        12:30/15:00
H 加山又造《春秋波濤》          12:30/15:30
I アントニー・ゴームリー《反映/思索》  13:00/15:30





楽園のカンヴァス楽園のカンヴァス
(2012/01/20)
原田 マハ

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2012.12.02 Sun | Art| 0 track backs,
都内でまだ紅葉が拝めるところ
本日の皇居東御苑
秋も深まり、2週間前よりも彩が増していた。

今週末、まだまだ紅葉が楽しめる。
特に二の丸庭園、二の丸雑木林あたり。

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最高気温は10度以下、すっかり冷え込んだこの日、雨もぱらつき曇り空。

それでも3時過ぎから太陽が顔をのぞかせ、木漏れ日が。

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銀杏にはやっぱり青空が似合う。

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武蔵野を模したという雑木林を歩くと、しゃきしゃき落ち葉の音がする。

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この日は近代美術館の誕生日。
館内は大勢の人でにぎわっていたけれど、こちらは平常よりも静けさに包まれ、のどかな晩秋を堪能した。

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2012.12.01 Sat | 国内探索| 0 track backs,
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