FC2ブログ
日常風景 * 写真・文章 Copyright@”Mas Ciclismo Diary”
福田平八郎展
週末に見た山種美術館の福田平八郎展が、思いがけずよかった。

近代美術館に彼の屋根の瓦の絵(作品名は≪雨≫)があり、名前は知っていたけれど、
どういう画風の人なのかは、1作品だけではよくわからなかった。

けれど今回、思い切りのいいシンプルな筆致で、物事の本質を鮮やかに描き出す作品の数々に、魅せられた。

そして後付けで、本展覧会がモダンアートの萌芽を浮き上がらせる構成だったと知った。
タイトルはそう言えば、「福田平八郎と日本画モダン」だったのだ。

氏にとって、描く対象物の中心的色彩が真っ先に飛び込んでくるという。
それを追及し、そこを起点にして周囲が埋められていく。

タケノコの絵を描いている際、「もっと黒くする」ことに執着したという。
黒い絵の具よりも黒く、そんな探究心が、一見インスピレーションで描かれたような
軽妙なタッチの中に隠されている。

今回は福田平八郎の絵以外にも、モダン画が終結していて
山口蓬春という人があそこまで今に通じるほどのモダン画を描いていたことにも驚く。
よくよく見れば、あれ?もしかして。
≪榻上の花≫という作品に登場するアジサイが、我が家のクリアフォルダーに描かれているアジサイにちょっと似通っていた。


P1100731.jpg


実はかつて山種美術館にきたときに、ショップで気に入って彼の作品のクリアフォルダーを買っていたのだ。
≪榻上の花≫とは違う作品だけど、彼はアジサイを好んで描いたようだ。
当時はそれが山口蓬春作とは認識していなかった。


山口蓬春の3作品の中では、≪夏の印象≫の緑的青にすっかり魅了された。
あれは実物でしか出ない鮮やかな色。
この写真(チラシをさらに撮影したものだから)まったく色が違うのが残念。

P1100732.jpg


敗戦の色が残っていたであろう1950年の作品とは思えない。
今風の垢抜けた空気をどうやって身につけたのだろう、この人は。

なるほど、もともとは北海道の人らしい。
そういえば、キャンバスに漂う澄んだすがすがしい空気には、北の大地のアンビエントがほんのり感じられる。
伊豆とか沖縄の海ではなく、爽やかな北の空気。

福田平八郎も山口蓬春も、余り接する機会がない画家だけれど、
時代の一歩先を行くような感性が気に入った。

山口蓬春の記念館もあるらしい。
特別展の作品、どれも洗練されている。
http://www.jrtf.com/hoshun/tenji13.html


場所は葉山か。庭もあるようだ。
6月には、彼が愛が良く描いたアジサイが満開になると言う。
2012.06.28 Thu | Art| 0 track backs,
"shw-greenwood" template design by Shallwill