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日常風景 * 写真・文章 Copyright@”Mas Ciclismo Diary”
ヤマザキマリさんの凄さ
先日、学生時代の友人と夕食したときのこと。
映画「ありえないほどうるさくて、ものすごく近い」がよかった、超感動する、と。

911テロを題材とする物語のようで、なんでこんなタイトルなのかと思ったら、
原題は「EXTREMELY LOUD AND INCREDIBLY CLOSE」なのだという。
ほとんど直訳でストレートにつけた日本題なのだ。

もっとも、今話題の映画といえば、「テルマエロマエ」。
余り深いこと考えずに、どっぷり”娯楽してる”感を味わえる映画だけれど、
この原作者のヤマザキマリさんという人を知ったのは、
雑誌「Pen」のルネサンス特集だった。

その中ほどにヤマザキマリさんのエッセイがあった。
タイトルは、「14歳の私をぶちのめした、ルンセサンスの衝撃」。

実際これを読んだ私は衝撃を受けた。
ルネサンスにではなく、ヤマザキさんの冒険譚に。

だって14歳で、ひとりで欧州の旅を敢行してしまう。
なんでまた、というその理由もすごい。
もともとはこの一人旅、絵画修業のような意味合いで、母親が仕掛けたそうだ。

片言の英語でドイツとフランスで1カ月。
そして旅もクライマックス。
美術館巡りもひととおり済ませた彼女。
駅で出会ったイタリア人のお爺さんから、イタリアを見ずして美術を語るな
と説教される。

3年後、文通を続けていたこのお爺さんの説得に負け、
高校を辞めてイタリアへ、そしてお爺さんの家にころがりこむ。
真っ先に案内されたローマのコロッセウムでは、一挙に2000年の歴史をタイムスリップするめまいのような感覚を覚え、
その後美術を学んだヴィチェンツァではパッラーディオに感じ入り、
やがて彼の孫と結婚に至る。

えらい人生だ。
こういう人なら、あの「テルマエロマエ」のような奇想天外な物語を編み出すことはできるだろう・・
と思っていたら、なんと彼女の旦那さんは、ローマ皇帝オタクなのだそうだ。
歴代の天皇の名前を言える人が日本にいるように、彼もまた、歴代の皇帝を言わずにはおれない性格なのだとか。

高校生でローマに衝撃を受けた彼女が、皇帝オタクの旦那さんに感化されてあの話の構想が出来上がった、
というのはまさに必然だったともいえる。
そんなこんなの来歴があって、あの物語が生まれたのだ。

いやはやそれにしても、原点となる14歳の欧州一人旅がなんといっても圧巻。
どうやってバイリンガルでもない中学生がそんな長い間、言葉も違う未知の国で美術に出会う旅を続けられたのか。
当時(1980年ぐらい)、いくら治安面ではそれが可能だったにせよ。

冒頭の映画をもじるとすると、「ありえないほど果敢で、ものすごく自立した」中学生だったのだろう。
2012.05.20 Sun | Art| 0 track backs,
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