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日常風景 * 写真・文章 Copyright@”Mas Ciclismo Diary”
北方ルネサンスとヒエロニムス・ボス
「ルネサンスの美術」を読み終えた。
イタリアの紹介の後、ベルギー・オランダ・ドイツを中心に栄えた
北方ルネサンスもカバーされていて、なかなかスグレモノ。


かねてから気になっていた「なぜイタリアと同時期に離れた北方でヒューマニズムの動きが飛び火したのか」
という問いの答えはハッキリとはなかったものの、
この本を読むと、
ファンデルウェイデン、デューラーらはイタリアの美術の名高さに惹かれてかの地に学びに行っており、
北とイタリアの交流はあったようだ。

とはいえ、だから北方でもルネサンスが栄えたということでもなさそうで、
偶発的同時多発的な動きともとらえられる。


興味深いのは、ドイツでは教会腐敗が進み、プロテスタントが結果的に新興すると、
偶像崇拝を禁じたので、それ以降、宗教画は描けなくなり、衰退。
クラナハのように肖像画で生き延びる画家が出現する。


私は北方の画家が描くマリア様には魅力を感じないのだけど、
イタリアでは、一部のフランドル方面の画家が高い評価を得たようだ。


上野の国立西洋美術館の宗教画って、この北方ルネサンスの画家のものが中心で
(それも数が多いというわけではなく)
イタリアのものもあるけれど、個人的に余り好みのものはない。

ナショナルギャラリーで堪能したようなイタリア画家による宗教画が思いきり見られる
美術館は日本にはないのかな。



こちらは、今年10月訪れたリスボンの国立美術館で見かけたボスの作品。
「聖アントニウスの誘惑」

名作ということで人が溢れていた。(写真撮影フラッシュなしでOK)
日曜午前中だったので入場無料。


これは禁欲生活を送った聖アントニウスが幻影を見るという主題に基づき、
画家がイマジネーションをフル稼働して、倒錯の世界が描けるということで
人気のテーマだったとか。


この人の想像力と筆の自由さは高く評価されているけれど、
私にはどうも・・
大学時代の美術の先生がこのあたりの美術が専門で、この手の絵を沢山見たけれど、
やっぱりいつになっても苦手意識がある。


美しいものだけが評価されるべきと思っているわけではないんだけど。


P1930538_20101221075351.jpg

細部
巨大なお魚やするめいかみたいなのがわがもの顔で・・

P1930535.jpg

こちら裏側。
折りたたむと、この部分が全面に出る仕組み。

こっちの方が心静かにお祈りできそうなんだけど。

P1930536.jpg


2010.12.21 Tue | Art| 0 track backs,
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