FC2ブログ
日常風景 * 写真・文章 Copyright@”Mas Ciclismo Diary”
海は目の前 : 文化の日の美術館
P1970602.jpg


南国風のやや大味な草花の間から、白い帆を膨らませたヨットが行きかっているのが見える。

夏の残照を思わせる11月とは思えないほどの強い日差しにさらされ、
日焼け止めを追加で顔に塗りたくりながら海岸沿いの道を歩いた。

9月に見たポルトガルの海岸との類似点・相違点を考えつつ。

ポルトガルのあの外に向かって開けた印象、
すぐそこは外洋という異国が水平線の向こうに浮かんでいるようなイメージは
ここにはないなぁ。

細長く横たわる陸、橋、工場群などが、視界の向こうにあるせいで
未知の国に向かって漕ぎだす大航海の野望はこの町からは生まれなさそう。
(もっとも大航海時代に突入した15世紀には、ここには橋も工場もなかったはずだな。)

まあ、とにかく海はよいのだ。


P1970649.jpg


祝日の今日はスタジオプログラムが充実しているからと、ジム三昧を決め込んでいた。

ところが前夜、ふとカレンダーを見たら、「横須賀美術館」と書かれていた。
はて、なんだっけ?といぶかしく思いつつ美術館のサイトを訪れて納得した。

文化の日は無料公開日だった。


今年前半に、大学の友人Yちゃんと会った時、この美術館を勧められた。
セッティングがなかなかよいのだと。

夏になったら行こうと決めたはずなのに、猛暑もありなんとなく行きそびれていた。

そこへ昨夜飛び込んできた「横須賀美術館」の文字。
恐らくサイトを最初にチェックしたとき、文化の日は無料公開という情報に反応して、
とりあえずカレンダーに書き込みだけしておいたらしい。

ということで急きょどんだけ久しぶりなのか、というぐらい久しく乗ってなかった京急で
横須賀へGo。


P1970652.jpg

おりしも現在特別展は、「ラファエル前派からウィリアム・モリスへ」。

英国プチ留学中に知ったラファエル前派の絵が見られるなんて!
なかなかグッドタイミングである。

それにしても真正面が海という横須賀美術館。

黒川紀章氏設計の六本木の国立新美術館もガラス使いが贅沢だけど、
この紺碧の海を眺めるこのロケーションには恐れ入ります、という感じ。


P1970555.jpg

今年行ってきたバーミンガムにある美術館からも作品がきていた。
あのときバーミンガム美術館に行く暇はなかったものの、日本で見られるとは予想だにしなかった。

とりわけ感銘を受けたのは、ヘンリー・ダール作のカーペット。

タイトルには書いていなかったけれど、あきらかに東方三博士のモチーフで、
布上の絵とは思えないほどの繊細さ。
そして上品さ。


バーン・ジョーンズの作品も多々。

私がイギリスで熱心に見て回ったロセッティは、黒く太い縁取りで描かれた絵が目についた。
ステンドグラスの習作なのだろう。

愛の杯 The Loving Cupの絵は、どうも馴染みがあるなぁ、
ナショナルギャラリー所蔵だろうか、と思ったら、
国立西洋美術館の松方コレクションにこの油絵版があるという。

こちらの方は水彩で、ウィリアム・モリス・ギャラリー所蔵。


P1970553.jpg

1Fにはイタリアンレストラン。
到着が11時前だったので、早く展示が見たくて食事はあとで、と思ったけれど、
案の定、見終わったら12時過ぎで、混雑していた。

諦める。

P1970567.jpg

こちらは美術館の展望台。

のどかな祝日の昼下がり。


ラファエル前派は、ロセッティとバーン・ジョーンズのイメージが強いから、
古典的耽美主義の絵と思っていたけれど、
風景画などもあれば、肖像画に近い描き方もありのようで、
それぞれの作家の捉え方次第で、かなり尤度のある一派だった模様。


P1970579.jpg

さて、美術館を後にすると、見えてきました観音崎灯台。
今日はこちらも無料開放日。

P1970601.jpg

案内書によると、初代の観音崎灯台は、国内発の様式灯台。
四角形の洋館の上に灯台を乗せたレンガ造りだったそうだ。

そのためにフランスから技師(フランソワ・レオンス・ヴェルニー)を招いたのだとか。

しかし大正11年の地震で倒壊し、細身の形に。
だがそれも関東大震災でダメージを受け、現在のものは3代目。

脇には展示室まであって、使用されていたレンズなどがある。
サービス満点の灯台なのだ。

P1970627.jpg

さて、上に登ってみた
のはいいけれど、結構高所恐怖症気味の私。

足元を見ると結構こわくて、こんな写真を撮って、そそくさと降りることに。


P1970637.jpg

海岸線の妙も目を楽しませてくれる。

観音崎は人生二度目の訪問ながら、初回は雨にたたられた。

今日は雲ひとつない青空に恵まれて、感激度は倍増だった。

なにより最初に訪れたときには、まだ美術館はなかった(2007年オープン)

素敵な場所を教えてくれて、Yちゃんに感謝しなくては。


P1970624.jpg
2010.11.03 Wed | 国内探索| 0 track backs,
"shw-greenwood" template design by Shallwill