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日常風景 * 写真・文章 Copyright@”Mas Ciclismo Diary”
河童が覗いたヨーロッパはどこが違うのか
人から勧めてもらった「河童が覗いたヨーロッパ」。話に聞いていたとおり、須賀敦子がかつて泊ったラ・フェニーチェホテルがイラスト入りで登場していた。

1970年代の旅行記なので、宿の値段の相場が今とダンチだ。
このホテルも一泊ひとりあたり2700円と激安。だけど河童さんに言わせると、「高いだけのことはある素晴らしいホテル」。

彼はチープな旅に拘っていたので、1000円以下の宿が頻出する。

驚いたのはお値段のこともさることながら、その目線。
(逆説的ながら、古めかしいからこそ、そして驚きに満ち溢れていて)とても新鮮なのだ。

彼は、
電車に優先席があることに驚愕する - そのころは日本に優先席はなかったってことか

禁煙車と喫煙車に分かれてるのにもたまげる - 同上

オランダ10ギルダー札に目の不自由な人用の凹凸がある - これも今ではシャンプーとかふつうにあるけど

スイングドアで前の人が後の人のために、ドアを保持して待つことに超感激する - これはいまやヨーロッパ風として日本でも定着。以前からヨーロッパではそういうことになっていると評判だったけど、当時は知られていなかった模様

列車はだまって発車する、と訴えている - 日本の車内アナウンスはうるさい、と今では海外の例をだして批判の声も


つまりーーー

この本には、現代のヨーロッパ紀行にはない「知らないからこそ新鮮」という目線がある。
(似たようなことをタクリーノさんは、”意外性”という言葉で表現していた。この話は後日別ページで。)

今では旅行に行く前に、その町のことを知りすぎる。
まあ悪いことでもない。歴史物なんかだと非常に役立つし。
この紋章はこういう意味なんだ、とかなんとか。

だけど、その結果、現地で行うことといえば、「確認作業」に過ぎない。

かたや、一昔前なら、海外旅行は、あけてびっくり玉手箱の連続だったに違いない。

情報も未発達で、行って初めて見聞きする、その驚きをありのままに筆にのせたから、この本はこんなにみずみずしい旅行記になったのだ(微に入り際にいるイラストについては言わずもがな)

ネット/情報の発達ぶりが味気なくしてしまったことって世の中にままあるものなんだなぁ、と改めて思う。


河童が覗いたヨーロッパ (新潮文庫)河童が覗いたヨーロッパ (新潮文庫)
(1983/07)
妹尾 河童

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で、再出。VeneziaのHotel La Fenice
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San Marco広場
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2009.09.11 Fri | Books| 0 track backs,
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