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マルクス・アウレリウス「自省録」
「なんか哲学に触れたい」、などと書いた先日のエントリーに呼応して、「いい本があります」と紹介されたのがマルクス・アウレリウスの「自省録」。

AD121年生まれ。ローマ皇帝。ネルファ、トラヤヌス、ハドリアヌス、アントニヌス・ピウス、と続いた五賢人の最後のひとり、なのだとか。

そんな古代人の哲学書を勧められるとは思いもしなかった。思想家として漠然と考えていたのは、18世紀とか19世紀の人たちだったから。

ぴったりくるのかどうか懐疑的だったけど、とにかく読んでみることに。
最初はおっかなびっくりといった感じで読み進み、第一巻(いわゆる第一章に相当)をクリアしたら、少し目の前が開けてきた。

紀元2世紀とかいう昔の賢者の思想の普遍性・掘り下げ方の深さに恐れ入る。微に入り際に入り、はたまた様々な分野に思考がおよび、生活様式の違いを乗り越えて、胸に迫るものが確かにある。もちろん書かれた項目すべてにおいて、というわけではないけれど。

人間は進化している、だから古代人のすること、考えることはプリミティブ、と思いがちだけど、そうではないのだ、とつくづく思う。

(例えば、今回イタリアに行って、その技術力の高さに感銘を受けた。下記は旅行中目にした紀元前のモザイク。)

P1570382.jpg


どうやら当初予想に反して、「太古の昔の人の言葉」だからこそ、響くものがあるような気もする。ローマ時代から今だに読み継がれている思想家の言葉=高邁な思想=目指したい!そんな気にさせる。

まだすべて読んでいないけど、精神安定剤みたいな本だ。

アウレリウスが本書の中で、繰り返し言っていることがある。功名をあげたところで、そんなものは死後にははかなく消えていく。だから功名心を餌に努力するのではなく、地に足のついた日々の努力を重んじるべし、と。(私が書くと、いやはや、なんとも幼稚な言葉に置き換わる。)

何度も口を酸っぱくして、“後世にはなにも残らない”、そう言い続けた人の書が、2000年近くのときを経ても今だに世界中の人々に読まれているとはなんとも皮肉なこと。

もっとも、そうやって厳しく自分を律してきた人の言葉だからこそ、とも思う。


マルクス・アウレリウス「自省録」 (講談社学術文庫)マルクス・アウレリウス「自省録」 (講談社学術文庫)
(2006/02/11)
M. アウレリウス

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2009.06.08 Mon | Books| 0 track backs,
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