日常風景 * 写真・文章 Copyright@”Mas Ciclismo Diary”
明日フランスへ。「冷蔵庫の中身は片付きましたか?」の問いに -
フランス行きを目前に、「冷蔵庫の中身は片付きましたか?」というようなメールを2人の人からもらった(笑)

卵は出発の5日前に買って打ち止め。毎日2つずつ朝食の目玉焼きに使って、5日目の出発日にジャスト終了。このぴったり感が、なんとも快感なのだ。

さらに乾燥わかめ、きな粉入りピーナツバターなどといった保存食も使い切って気分爽快。

生鮮食品の方はといえば、ピーマン3個、人参2本と生クリームの残りという取り合わせで余っていた。どうしよう・・・と考えて、急きょ鶏肉のポルチーニソースがけを作ることに。
かくして今晩無事、全て使い切った。

ここで鶏肉のポルチーニソースがけの作り方。適当に考えたレシピだけど、なかなかイケる(と思う)

1) 乾燥ポルチーニ茸を軽く洗ってから水でもどす。
2) 鶏肉を油で炒め、軽く火が通ったら細切りにした残り野菜(含人参1本、ピーマン3個)をいっせいに入れる。トマトもあまっていたので、今日はトマトのみじん切りも加える。
3) ブイヨン一個、ポルチーニをもどし汁ごと、生クリームを注ぐ。
4) 煮込む。塩コショウで味を整える。

完食。実に晴れ晴れとした気分で出発できる。

そうそう、ツーレの会社の渡航禁止が解けた。
急きょ「僕も行くから」と言われて動揺する。
すでにダブルルームをシングルに変更してしまった。

スペインのステージに及んでは、行くこと自体をキャンセルし、フランスにとどまる旅程に変更してしまった。
ひとりでバルセロナとかでレースを見るのは、ちょっと安全面的にしんどいな、と。

こんなことなら、再度バルセロナ行きを検討しようか、と思ったけど、すでに宿はリリースしてしまい、これからの予約は無理だった。(無理、というより正確には20€高い部屋なら空いていたけど、それは悔しすぎる。)

彼の分の飛行機の予約が取れたのだけは朗報だけど。
2009.06.30 Tue | Travel-France| 0 track backs,
イタリア・ユダヤ人の風景 その2
昨日触れた本(イタリア・ユダヤ人の風景)、気に留めていた人がまだいた。これで3人目。決してメジャーな本ではなかろうに。帰国したら読むぞ、という気になる。

* Email From Hさん

岩波の図書、定期購読を止めて久しいけれど、この連載は覚えています。
ローマのゲットー、ユダヤ人作家の逃避行、どこか海岸沿いの都市の話・・・
たぶん、それがトリエステだったはず。
早速図書館で予約掛けました。



イタリア・ユダヤ人の風景イタリア・ユダヤ人の風景
(2004/12)
河島 英昭

商品詳細を見る
2009.06.30 Tue | Books| 0 track backs,
ヴェネツィアのゲットーにて その8 - シナゴーグのある風景
イタリアのゲットー。その続き。
ゲットーにあるシナゴーグは、外からそれとはよくわからないけれど、5つあるシナゴーグのうち1つは、よく見れば、なるほどそうか、という感じ。

写真がそれ。最上階に帽子のようなドームがちょこんと乗っている。
シナゴーグは人に踏みつけられないように、建物の最上階に造られた、と聞いたことがある。

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ゲットーツアーは書店がある建物が入り口になっていて、その上にはドイツ人のシナゴーグがある。そこから外に出ることなく、建物内の廊下を経由して、2つ目のシナゴーグカントンへと通じている。

それがこの↑写真。

それぞれお国柄が出るのか、内部は華美なものから質素なものまで。
実際のツアーの話は腰を落ち着けて別の機会に書くとして、今日はメールで頂いた情報を引用することに。

深く知れば旅はもっと面白くなる、そう実感した今回のイタリア旅行。
下記2冊を読んだら、さらに見るものの意味が深みを増すかもしれない。

イタリア・ゲットーを知るための本

* Email From Saharaさん

このところのゲットーの探求ぶりを拝見していて、この本を紹介させていただきたく思いました。

岩波の 図書 に長く連載されておりました時、私は読みまして、
単行本におりてからは、しかるべき時に読もうと思っております。

河島英昭 著
イタリア・ユダヤ人の風景   岩波書店 刊
ISBN 978-4-00-22145-0
価格 3780円



追記)
別の友人がイタリアのゲットーに関連していい本を見つけたと先日言っていたけど、まさにこの本↑だったそうだ。


宗教画を理解するための本

* Email From kyomiさん

美術のお勧め本
キリスト教のいわゆる宗教美術って、約束事が分からないと面白くない部分が多いので、初めてイタリアに行く前に簡単な解説書を読みました。

 「マリアのウインク 聖書の名シーン集」 (株)視覚デザイン研究所

旧約聖書と新約聖書と両方がストーリー仕立てで、イラストがふんだんに使われていてとても分かりやすかったです。

たとえば、マリアの受胎告知。 大天使ガブリエルは、白い百合(白=純潔)を持っていますが、シエナ派はオリーブです。
これは、百合が敵対するフィレンツェのシンボルだったから、それを避けたのですね。

もし、まだ読んでいなければ、本屋さんで手に取ってみてください。

2009.06.29 Mon | Travel-Italy| 0 track backs,
ヴェネツィアのゲットーにて その7 ー ゲットーツアー
ヴェネツィア回想
六本木の「TSUTAYA」はコーヒーが飲める本屋さん。
それとはちょっと違うけど、書店の内部にカフェを併設している場所が、ヴェネツィアにある。
これ、場所はどこかというと・・・

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むろん、本日のこのDiaryのタイトルから推してわかるとおり、ヴェネツィアのゲットーのどこかには違いない。
具体的に言うと - 

実はこの店、例のゲットーツアー用シナゴーグの1Fの風景なのだ。

そう、かつて須賀敦子が訪れた場所。
ワンタッチの差でツアーに間に合わず、最初は諦めたものの、何度目かのトライで、最後は仕方なく次回のツアーまで待つことにしたというあの場所。

つっけんどんな窓口の人が、その日だけはふと思いやりを口にする。
ツアーの時間まで、上の博物館を見学していてはどうか、と。
で、彼女は博物館を先に見て、そこで赤ちゃん入れの白い封筒を発見する、というわけだ。

ところが、私が行った時は、博物館はもちろんあったけど(でも赤ちゃん入れはもう展示されていなかった)、それだけでなく、1Fはユダヤに関する書物を中心とした書店+カフェになっていた。

真新しいから、彼女の時代には、これはなかったはずで、もしこんな空間があれば、1時間潰すのはさして苦労にはならなかったことだろう。

シナゴーグの建物内に、こんな気の利いたスペースを設けるとは。
須賀さんが見たらなんと言っただろう。
時代の流れに驚きの溜息を洩らしたか。

もっとも、当時と今で、まったく変わっていなかったものがひとつある。
それは -



受付嬢のつっけんどんな態度!!

(写真の女性は受付嬢ではなく、カフェの女主人。こちらは愛想悪くはない)

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2009.06.28 Sun | Travel-Italy| 0 track backs,
広島から
広島市にきている。
ホテルにチェックインし、感心することしきり。
最近のホテルは気が利いている。

ラウンジでは、24時間フリードリンクサービス。

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窓に面した席もある。

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浴衣じゃなく、パジャマが用意されていて。

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レディスルームなので、乳液、化粧水、パック、ヘアクリーム、、、などなど。

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湯沸しポット、冷蔵庫やドライヤーのほか、アイロン、プレッサー、空気清浄機も。

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新しくて気持ちいい。
朝食無料。
値段も安価のようだし(航空券とセットだったので値段はよくわからないけど。)
10点をあげたい。
2009.06.27 Sat | 国内探索| 0 track backs,
アクイレイア、第二のローマへ
イタリア絵画を少し勉強しておこうと旅の前に読んだ美術書に、アクイレイアを絶賛しているものがあった。バジリカのモザイクの美しさが類い稀である、と。

それでわざわざ迂回してアクイレイアまで足を延ばしたのだけど、バジリカ以外にも、この地には遺跡群があり、ユネスコ登録されているのを知った。

そして、念願のアクイレイア見学を終え、移動した先のチェルヴィニャーノで例のおじさんたちとバールで一杯やっていたときのこと。

「アクイレイアに行ってきたんです」と言ったら、みんな口々に、「あそこは古い都なんだ」と褒め称え、ひとりが、「あそこは第三のローマだ」と言いだした。すると、相棒の方が、「いいや違う第二のローマだ」と反論。しばし意見が分裂したものの、最終的に「第二のローマ」に落ち着いた。

だがしかし、第二のローマの割に、雲泥の差だ。規模や華やかさすべてにおいて比べることすらローマに申し訳ないぐらいヒケを取っている。
でもおじさんたちに言わせれば、「掘り起こせば遺跡だらけだけど、キリがないしお金もない」(本当はもっとすごいのだ。。。云々)

そのユネスコの遺跡群(河港跡)の写真はこのとおり。ローマと比べると、街全体、大人と赤子以上の違いがあり、スケールで遥かに劣るとはいいつつも、一世紀頃に造られた古代都市が、忽然と現れる様は、なんとも不思議。しかも余りにさりげないというか、ぞんざいにも近い形で目の前に姿を見せるのだから参っちゃう。

この国では、古代がいたるところに散らばっていて、身近すぎて、2000年とかいう時間の隔たりの捉え方が、日本人のそれとは違うのではないだろうか。

いにしえがすごく身近、というか。三代前の肉親を語るような気軽さ、といったら大げさかもしれないけれど。

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まるで忘れ物?というような素っ気なさ。

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やっぱり無造作。

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一応一定間隔で、説明書きは置かれている。

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河港に沿ってのそのそ歩いている最中、人影はゼロ。しかし、一番奥まで行ったあたりで逆側の入り口から入ってきたらしいグループが出現。観光バスかなにかで来たのだろうか。私はバジリカ側からアクセスしたけど、本来は団体が通ってきた側が正面玄関(というほど大げさじゃないが)だったみたい。

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正面玄関からの眺め。

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WIKIから

アクイレイアは紀元前181年に出来た古代ローマの植民都市を起源とし、紀元前89年には「ムニキピウム(municipium)」となった。皇帝アウグストゥスの治世(前27年~前14年)には本国第10州「ヴェネティア・エト・ヒストリア(Venetia et Histria)」の首都とされた。 アクイレイアは人口20万人に達し帝国で4番目の都市となった。1世紀を通じて文化と経済は大きく発展し「第二のローマ」とまで呼ばれる様になった。


2009.06.26 Fri | Travel-Italy| 0 track backs,
ヴェネツィアのゲットーにて その6 ー えっ?これがシナゴーグ?
ヴェネツィア回想続き。

情報をなにも手にすることなくゲットーを訪れたので、広場を訪れたのちは、とくになんの計画もなかった。
適当に街を散策し、帰途につくことに。

運河に向かって歩きかけて、ふと、シナゴーグをまだ見ていないのに気づいた。
ここまで来たら見ずに帰るのはもったいない、そう思って再び中心部に向かってあてもなく歩き始める。

一体シナゴーグはどこにあるのだろう?

独り言がまるで聞き入れられたかのように、運よく「シナゴーグはこちら」、とうい黄色い看板が目に入った。(下の写真)

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ぽつんぽつんと現われる黄色い目印にいざなわれるがままに歩いたら、元の広場に戻ってしまった。

???どういうこと?広場にはシナゴーグなんてなかったけど・・・

狐につままれた思いで、ふと人が群がっているところに来てみると、そこがシナゴーグだった。
写真右の白い2F建ての建物。

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これじゃあ、気付かなくても不思議じゃない。
代々木上原にあるイスラム教の寺院(あれは『東京ジャーミー』という名前なのだそうだ)のような立派なものを想像していた。

私が広場に足を踏み入れたのは9:30で、博物館が開館する前。
建物のそばには だあれもいなかった。

再度訪れたのは丁度開館時間の10時だったから、突如 人が降ってわいたようにこの建物の前に集まり始めたのだ。

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確かに最初に広場を見物した際、こんな写真(↓)も撮っていた。
でも、「博物館があるんだ」、とは思ったものの、扉は堅く閉まっていたし、貧相に見えたので、ユダヤの人たちのためのマニアックな博物館だろう、ぐらいにしか思わなかった。

博物館という表示しか見ずにさっさとその場を離れたけど、よく見ればシナゴーグと書いてある。

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須賀敦子『地図のない道』(ゲットの広場で)
「今最後のツアーが出発したばかりです。また明日来てください。」


なんて愚鈍だった私。
これだ、これなのだ。須賀敦子が数回にわたり、拒絶されたという、あのゲットーツアーの場所というのは。

彼女は最後のツアーに参加しそこなったり、あるいはツアーが行ったばかりで1時間待たされるのがたまらず、諦めて何度か帰るはめになった。
でも私は幸い30分後にツアーがあるという。

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博物館だけなら3€。ガイド付きなら8€50。
折角ここまで導かれたのだから、と30分待ってツアーに参加することにした。(つづく)

2009.06.25 Thu | Travel-Italy| 0 track backs,
重版決定
「君が教えてくれた夏」、重版が決定したという連絡が。

もっとも激励のメールをもらったことで、すでに味わうことができた充足感。

聞いたこともないドイツ人小説家の本が国内では見つからないからと、作家の出身地ハノーヴァーの書店まで漁りに行ったほど、本の虫、という父からも感想のメールが届いた。

身内贔屓あり、そんな内容だったけど、最後にこんな言葉も添えてあった。

「作品のアプリシエイションは数字で量られるものではないでしょう」
2009.06.25 Thu | Books| 0 track backs,
ロードレースの話 x 2
■ まさかこんなに早くその日がくるとは

ふたたび手前味噌的例の本の話。
「君が教えてくれた夏」を書き始めた去年の夏の時点で、今後ツールに日本人が出場するのはずいぶん先のことではないかと思っていた。

だから、実は最初の原稿に、私はこう書いていた。
(96年に今中さんがツールに出場したのを目撃したエピソードを書いた後で)
「でも、それ以来、ツールに出場を果たした日本人はまだいない」と。

年の後半には文章をチェックする機会があったものの、このくだりはそのままにしておいた。
2度目のチェックのとき(校正の前)、思い切って削除することにした。

とはいえ、その時点でも日本人の出場はまだないだろうと思ってた。
単に編集担当者の人が、時事的な要素を入れると色褪せるから(避けたい)、ということで、雑誌的な内容は控え目にしたので、その流れで、なんとなく取った方がいいかな、と思っただけ。

まさか、こんなに早く出場の機会が訪れるとは。
フランスのトップチームに所属している新城幸也選手が、遂に今年、ツールの大舞台に立つことになった。


カニャダ、恋の大作戦

今朝のトクダネに連動して。
実はダビ・カニャダのインタビューを取るのにひと苦労した。

開幕日、彼のチームバスの前で張っていた。じっと待った甲斐があり、遂に本人登場・・
と喜んだのもつかの間、チーム関係者である金髪イタリア美女のところに直行し、アプローチを開始したのだった。
インタビュー現場のはずが、恋の大作戦目撃現場になってしまった。

目の前には、共通の話題を見つけるべく奮闘するカニャダの姿。
スペイン人の彼は、英語を使っている。
女性の方は意外に素っ気ない。
けれど会話は続く。
話題が途切れると、彼はまたまた新しいネタを振る・・・
(写真: お取り込み中のカニャダ)

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時は刻一刻と過ぎる。
レースが始まったら、もうインタビューはとれまい。
焦る。
が、カニャダの恋の邪魔したら、一生恨まれる。
2人の後ろでじりじりと待つ私。

かなり待った挙句、彼は上司に呼ばれて監督車に乗り込む準備を始めてしまった。

無理かなぁ、と思ったその瞬間、目が合い、彼が立ち止った。
かくして無事、インタビューを取ることができたのだった。
2009.06.24 Wed | Cyclde Road Race| 0 track backs,
ヴェネツィアのゲットーにて その5 天空に伸びる街
昨日のエントリーに関して:-

* Email From あんけたつやさん(*)

ヴェニスのゲットーの話と写真、大変興味深いです。特にカラーの写真は初めてみました。
ご存じかもしれませんが、リルケの初期の短編集に「神様のお話」(**)という奴があります。
そのなかの一篇にヴェニスのゲットーについて、ちょっと夢幻的な話があります。
海の町ヴェニスで海の見えないゲットーは空という海に向かって上へ伸びていったとかなんとかいうような話。

また、ヴェニスのゲットーにてという徳永恂という人の本もあります。
ここでもリルケの話が出てきたと記憶しています(今アマゾンで調べたら絶版のようですね)。


上記で触れられているリルケの詩は知りませんでしたが、なるほど、と思います。
ゲットーでは、高い建物が多い、といってもせいぜい10階以下。それでも狭いところにひしめいていて圧迫感があります。

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狭い道の両側に並ぶ建物で切り取られてしまった空には横の広がりがなく、縦に突き抜けるような感じを覚えるのではないかと。

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と、ここで、くだんのリルケの一節をWeb上で見つけました。

「海に臨んでいなかった彼らの町は、かくて次第に、いわばもう一つの海というべき天空に向かってのびてゆきました。そして噴井戸のある広場をぐるりと取りまいて、巨大な塔の壁面のように切りたった建物が聳えるようになりました。」
(http://www2.odn.ne.jp/constanze/rilke_venedig.html)



広場には、確かに井戸がありました。偶然写真を撮っています。
リルケの頃は違う形だったかもしれませんが。

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写真手前が井戸。
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広場には小学生が多数いました。社会科見学を兼ねた遠足なのでしょう。ホロコーストの名残をとどめる記述や記念碑の前で、先生の話に耳を傾ける姿が見られました。

アメリカ、ドイツ人旅行者の姿も見えましたが、なぜだか日本人はゼロ。ひとたび運河を渡ったきらびやかな側には、団体で闊歩する姿が多数目につくのに。

リアルト橋は、「わあ、きれい」で通り過ぎたけど、ゲットーにはほんの少し心を揺さぶるものがあって、時間を割いて訪れる価値はあるのでは、と思います。

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(ゲットーのツアーに参加した話を書きたいと思いつつ、今日もまたたどり着かなかった。)



(*)あんけたつやさん
下記の本の著者の方で、ネット上では長いおつきあいでしょうか。先日初めてお目にかかりました。

ジロ・ディ・イタリア―峠と歴史ジロ・ディ・イタリア―峠と歴史
(2009/04)
安家 達也

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神さまの話 (新潮文庫)神さまの話 (新潮文庫)
(2007/11)
リルケ

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2009.06.23 Tue | Travel-Italy| 0 track backs,
本日6/23の朝日新聞 朝刊2面の下方
・・の2面に本の宣伝が。写真付きでびっくり。
2009.06.23 Tue | Books| 0 track backs,
ヴェネツィアのゲットーにて 4 - 足を踏み入れる
ヴェネツィア回想の続き。
「5月にヴェネツィアに行きますからねー」とあちこちに宣言したせいか、いろいろな人がさまざまなアドバイスをくれて、あの本を読め、あれがいい、これがいい、とか。

それらの言葉にのせられて読んだのが、陣内秀信氏のシリーズであり、退廃的なあの「ヴェニスに死す」(トーマス・マン)であり、はたまた塩野七生さんの「海の都の物語」だった。

須賀敦子だけはわざと読み返すことはしなかった。先入観をもちたくなかったから。彼女が感動を覚えた場所に行ったら、自分も感動しなければならない、そんな自分への無理強いが嫌だったし、他の人の感情で自分の気持ちがブロックされるのは避けたかった。

事前に絶対に見ようと入念に下調べをしておいたのは、総督(ドージェ)邸、ドゥカーレ宮殿。けれど、風邪気味の観光客の多さで気勢がそがれ、予定を変更。ふらりとゲットーに行くことにした。

朝食を済ませてすぐにヴァポレットの乗り場に向かう。ジロのチームプレゼンは15時から。時間はたっぷりある。ゲットーの所在地はちゃんと調べていなかったけれど、サンタルチア駅を出て左に進むらしいことは知っていた。行けばどうにかなるだろう。。。

。。。どうにかなった。げんこつ橋を右に眺めつつ、左前方に進路をとると、街の色が、匂いが、雰囲気がガラリと変わった。

いきなり目に飛び込んできたのは、アラビア文字のような看板であり、ユダヤの象徴ダビデの星(写真の青い星)だった。

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ポンテデゲットーヴェッキオ、カンポデゲットーノーヴォの看板がほどなく現れた。古いゲットーの橋、新しいゲットーの広場。

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ソットポルテゴデゲットーノーヴォと書かれている。新しいゲットーのトンネルの意。ソットポルテゴは建物に付随したトンネルのこと。
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広場に足を踏み入れて、ドキっとさせられたのがこのレリーフ。いきなりホロコーストの彫刻。前回書いたように、この地を訪れるに際し、ゲットーとホロコーストを頭の中で直結させていなかったため、軽いパンチを食らった。

狭い土地に押し込められたユダヤ人の姿にゲットーの悲劇を感じていたけれど、ホロコーストというユダヤ人全体の悲劇にまで思いが至らなかった。

ちょこんと頭にのせる黒い帽子・キッパを被った人、書店に並ぶホロコーストの歴史書、見慣れぬ文字や人名、痛ましいレリーフ、といったユダヤを偲ばせるものたちが詰め込まれた広場は、ちょっと前まで風景を楽しんだヴェネツィアの中心部とは別世界。

昔と違って、出入りを限定する門があるわけでもないし、街の入り口にカギがかかっているわけでもない。物理的に開放されてはいるものの、逆に内側から扉を閉ざしているような印象がある。頑ななまでに、アイデンティティを失うまいとする空気がそこには充満していた。

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2009.06.22 Mon | Travel-Italy| 0 track backs,
ツール・ド・フランスが私を呼んでいる? アスロニア~トリプルクラウン~波心
土曜日の話。
仲間内で評判になっている店にランチに行ってきた。友人の一人が以前、車で前を通りかかったそうで、「かなり良さげな店なんだけど、車から降りるわけにもいかなかったからどんなメニューなのかわからないの。ねぇ、だれか試しにいってみてよ」と言うので手をあげた。ツーレを伴い、いざ出陣。

ところが、店に到着する直前、すごいものを見つけてしまった。
それが、これ↓

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えっ?何がすごいのかって?
ほら、シャッターの隙間です、これ。

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まだよくわからない?
じゃあバーの間に手を入れて撮りますからね、ほら、これです、これ。

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「第95回ツール・ド・フランス 7月4~26日まで」

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どうやらギネスとかを出すバーらしいのだけど、そこでこの期間中、ツールのライブを流しているらしいのです。

店の名前は奇しくもTriple Crown。ロードレースでトリプル・クラウンというと、ジロ、ツール、世界選を同じ年度に制した栄誉を指します。

ふらっと歩いていて、そんな店を見つけた偶然に感謝。
そもそもシャッターの合間の読みづらい字に気がついたのは、やっぱり潜在的なアクティブ・ウォッチングなのかな。
ツールという文字が自ら名乗り出て目の前に現われた気がします(錯覚)。

このお店、場所はどこなのかといいますと、、、
せっかくなので、敬意を表してトライアスリート/スポーツナビゲーターの白戸太朗さんのお店アスロニアを起点にして行くことにしましょう。距離は500mほど、10分で到着します。

旧山の手通りと山の手通りを突っ切って、山の手通りに並行した道にあります。(矢印の先ではなく、図面上でBと書かれた位置です。アスロニアがA地点。)



大きな地図で見る

で、ランチに行った店は「波心」といって、そこからほどない同じ道沿いです。

ランチは1050円から。和風ランチセットは月替わりらしく、1260円から。
なんとも上品な店。
素晴らしいのが、丼と蕎麦・小鉢・お味噌汁のセット(1260円)のご飯とおそばの大盛りが無料。大食漢のツーレはおそばを増量に。でもかなりボリュームがあるので、ご飯はさすがに大盛りにはせず、でした。

昔、東山織田というお蕎麦屋さんがあったところらしいです。
中には小さいお庭もあり、風情満点。
カジュアルな打ち合わせとかにも使えそう。
実際業界っぽい感じの人とかが背広姿で来てました。

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こういう雰囲気の店は、下手するとかなり敷居が高いはずなんだけど、ここは違います。

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これが6月のセットメニュー。親子丼+おそばのセット。おしんこ、茄子の小鉢、おみおつけ。1260円。

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これは常時あるメニュー、海鮮丼。これも同じお値段でした。

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2009.06.21 Sun | Gourmet| 0 track backs,
我が家の夏はきぬ
我が家には、一足先に真夏が到来。ひまわりもツールも、ともにフランス、夏の風景に欠かせない。

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香水を作っている人から、ひまわりの香水と一緒に頂いた。

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丁度似合う花瓶見つけた。これを見ると、ひまわりってキク科なんだ、と実感する。キクからひまわりに進化中、そんな風情もある珍しいひまわり。

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まるで造花のような抜群のプロポーション。威風堂々と。
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オレンジがかっていて、花弁がちょっとガーベラ二を彷彿とさせる。
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このオレンジがかったひまわりは、花瓶と一緒に頂いて。
なんとこの花瓶、LEMANIMAYU さんのオリジナル・手作りです。
本の表紙(エッフェル塔+リボン)を再現してくれて。
中央にはマイヨジョーヌを着た選手のフィギュア。
エスプリ漂うプロの技。

このエッフェル塔はもともと中にジュースが入っていたのだとか。
北米旅行の折に買ってわざわざ持ち帰ったものなのに、私なんぞが頂いていいのかな?

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そのほか、棚の上のブーケにもひまわりが入っていて(ひとつ前のエントリー)、そちらの花は中央の茶色い部分がこんもりしている。

すべてちょっとずつ趣が異なっていて、色はレモン色からオレンジまでグラデーション。
家の中でこんなにひまわりに囲まれるのは生まれて初めて。
2009.06.20 Sat | Private| 0 track backs,
花盛り
意味がこもったオレンジのバラ。
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左はひまわりとアジサイ。一昔前は花束に入る場面があまりなかったように思う。最近の流行りみたいだ。右のシックな花束はしっかりしていて、今も全然枯れる気配がない。
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2009.06.20 Sat | Private| 0 track backs,
装丁デザインのヒ・ミ・ツ
たきもとかよさんが手がけて下さったカバーのデザインには、いろいろ細かい隠しネタがあります。

そのまま見ると、一般の人向けの光景ですが、折り返し部分にまで目を凝らすと、かなり「通」向けのおぜん立てがそろってます。

・ プロトン最後尾には、サポートカーに向かって・・・・・・・・・する選手がいて;
・ ゴール地点では、2位の選手が・・・を・・・・ています。

この意図は、たきもとさんによると、
表1で見える部分はサイクルロードレースを知らない方でもなんとなくイメージがつかめるようなものにしているものの、ページをめくったところにそういうポーズを入れることで、それがどんなシチュエーションなのかが理解できる・想像できる / 次の展開を妄想してしまう / オタクな方の心をくすぐる・・・ように仕向けているそうです。

ー でも!それはまだほんの序の口。

さらに「通」だと、こんなことにも気付くでしょう。

* Email From 鎌倉さん

たきもとさんのデザインですが、相当凝っていますね。

選手の自転車には、シート下に○○○○が付いているけど、サポートカーの上の自転車には付いていない。
帯の折り返しの先頭と2位の選手にだけ、○○○がない、とか発見しました

気づかれましたか?



<<私信>>
確実に置いてあるのは、神保町の書泉グランデ本店2Fの自転車本コーナーだそうです。
あとは多分、神保町の三省堂。
あとは恐らく、新宿紀伊国屋。
OAZOの丸善や八重洲ブックセンターでも読者の方から本日目撃情報あり。

もっとも私まだ書店では対面を果たしていません。近所の本屋さんがつぶれないよう、ここ最近、本はそこでしか買っていないので。(その本屋さんには置いていないのです。)
2009.06.20 Sat | Books| 0 track backs,
モリバコーヒー
夜遅くなりそうだったので、17時に四谷でちょっと腹ごしらえしとこう、と思ってきょろきょろしたら、モリバコーヒーなる喫茶店を発見。ヴェローチェみたいなお店だけど、サンドイッチが150円から。

でも昼には売り切れるそうで、私はワンランク上の値段の高いローストチキンのホットサンド(といっても220円なのだ)と160円のコーヒーで、ほどよい小腹満たし。

なんたるお安さなのだろう、と感動し、うちのそばにこのチェーン店ないかなぁ、と思ってみたけど、あとは赤坂見附と大船だって。残念。


*Photo: ジロのキャラバンカー。ツールのそれとは趣向も違い、なんだか新鮮だった。

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2009.06.19 Fri | Gourmet| 0 track backs,
持つべきものは・・
写真は、例の本の中で触れている"自転車仲間が集まるお寿司屋さん”=銀座の初音鮨さん

もうずいぶん前から、わたしたちの間では、なにかにかこつけて集まろうというと、この場所で、ということになっている。

理由は、お店の板さん2人がロードレースファンだし、こんな銀座の真っ只中なのに気軽に入れて、財布に優しいお店だから。

昨夜お店に行ったら手作りのこんなポスターがどかーんと。

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なんでもランチ時から置いておいてくれたそうで、なんだこれ?と立ち止まって見てくれた人もいたのだとか。

なんてオツな演出。

写真はお友達が撮影してくれたもの。私の写真は今ひとつだったので、使わせていただきました。ありがとう。
2009.06.19 Fri | Private| 0 track backs,
パドヴァにて
ヴェネツィアではシナゴーグのガイドツアーにも参加。ゲットーの話はまだまだ書きたいけど、ちょっと気分転換で、今日はパドヴァ回想。
パドヴァではスクロヴェーニ礼拝堂のあと、こんなところに行ってきた。

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博物館・・・・ではない。
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遺跡・・・・というわけでもない。
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これは1222年に創立された、、、
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パドヴァ大学。創立年度1222年というのはイタリアで2番目に古い。それより古いボローニャ大学の創立年度は、なんと1088年。ヨーロッパの中でも最古の部類らしい。
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1日に3回だけ、有料で内部見学ツアーがあると聞いていた。スクロヴェーニ礼拝堂見学のあと、直行したら、2番目のツアーに間に合った。ガリレオの教壇・解剖劇場など、古代じみていて、大学というより、やっぱり博物館といった雰囲気。その話はまた後日。

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大学創立150周年とか100年とかで、日本では十分「伝統の」「由緒ある」といった枕詞をもらえるけれど、こっちは800周年だ。それに比べたら我が国の大学は、みんなどれも「真新しい」という感じ。
「古い」などという言葉を使うのは、なんだか小っ恥ずかしい。

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2009.06.17 Wed | Travel-Italy| 0 track backs,
アマゾン取扱再開
業務連絡?
先週金曜夜から出荷ストップとなり、その後出荷まで1-2か月待ちとなっていたアマゾンですが、今日から出荷再開したそうです。

ツール・ド・フランス―君が教えてくれた夏ツール・ド・フランス―君が教えてくれた夏
(2009/06)
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2009.06.17 Wed | Books| 0 track backs,
ヴェネツィアのゲットーにて 3 -- ホロコーストの影がつきまとう街
1週間のイタリア滞在中、もっとも印象に残ったヴェネチアのゲットー。その話の続き。

そもそもユダヤ人強制居住区域 を表す「ゲットー」という言葉がヴェネツィア生まれだったとはつい最近まで知らなかった。

私の中ではゲットーというとアメリカの印象が強い。
この言葉に最初に遭遇したのが、NYのゲットーに関する記述だったせいだろうか。

ユダヤ人を囲い込むゲットーが最初にできたのは、ヴェネツィアのゲットー・ヌオーヴォという場所だったそうだ。(”Getto”とはヴェネツィアで鋳造所の意味。)

以降、同様の地域をゲットーGhettoと呼ぶようになった。
言葉の由来に関しては、諸説あるものの、これが有望らしい。

下方の写真は、立ち寄ったシナゴーグ内の書店で見つけたポスター。
運河によって本島から隔絶され、狭い土地に押し込まれた人々の様子が、ポップな色使い、コミカルなタッチで表されている。

ちょっとグランマ・モーゼスを彷彿とさせるような。
とはいえ、それは表面的な意味にほかならない。

実際、この絵を前にして、到底愉快な気分にはなれなかった。
たぶんそれは、書店全体を重苦しく覆い包むホロコーストの影のせい。
店内には、強制収容所、虐殺といった悲惨な過去をつづった本の数々が所狭しと山積みにされている。

ゲットーというのは単にユダヤ人が自由を奪われて生活した場所、そんな一枚岩のイメージで訪れたのだが、そうではなかった。

ユダヤ人の歴史には、すべてホロコーストがつきまとう。
それなしではなにも語れない。
迂闊にも、そんな核心的なことを自覚せずに足を踏み入れてしまった。

それにひとたび気付いてしまったが最後、目の前のポスターがかもしだす妙に突き抜けた明るさを、もはや字面どおりには受け止められなかった。

悲哀とか不幸といったものは、うなだれた姿のみが描き出すものではない、と気がついた。
明るさゆえに際立つ悲しみもあるのだ、と。

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そのポスターのわきには、ホロコーストの歴史を綴った書物が、いたるところに並んでいた。
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アンネの日記も。父の書棚から取り出して読みふけった記憶がよみがえる。
以前アムステルダム旅行の際、絶対アンネの家を訪ねようと思った。秘密のドアに通じる本棚は、そのまま保存され、見た時は、「これかぁ、これなのか。。。」と胸がつまった。
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2009.06.16 Tue | Travel-Italy| 1 track backs,
ヴェネツィアのゲットーにて 2
ゲットーの広場に、Casa Israelitica di Riposoというのがあった。
休息の(ための)イスラエル人の家、そんな感じだろうか。
この界隈では、イスラエル、という文字がやたら目につく。

休息所って集会所みたいなものかな、と思い写真に収めた。
がしかし、帰国後、これまた須賀敦子の本を読みなおしてみると、老人ホームではないかと書かれていた。

「地図のない道」 ”その1 ゲットーの広場”から

『広場の反対側に「イスラエル人の休息の家」と書かれた老人ホームらしい、りっぱな大理石のファサードのある入り口が見えた。人影はないが、ゲットではただひとつといっていい、見るからに手入れのゆきとどいたその建物が、広場の一角をゆったりと占領している。』


ここで、「ゆったりと占領している」、という言葉に注目したい。

この建築物に隣接して、昨日エントリーした例のゲットー独特の長屋がひしめいている。
あのぎゅうぎゅう詰めの家屋との対比で、否が応でも一戸建ての休息の家がゆったりとして見える、、、

そんなことが、何気ない一言に漂っていると思う。


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2009.06.15 Mon | Travel-Italy| 0 track backs,
ヴェネツィアのゲットーにて 1
5月、ゲットーを訪れたときのことを書きたいと思いつつ、時間が経った。
重いテーマだし、考えさせられることもあり、なかなか手がつけられなかった。

スターターにこの写真を、と思う。

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単なる長屋の様子、なのだけど。。。
住居表示とドアの数から、この長屋には、写真に写っている範囲で、縦に長細く、7つの世帯が入っていることがわかる。

ゲットーでは、人々は狭い土地にぎっしり押し込められ、高層階の建物が多いと聞いていた。
実際行ってみると、各家はドア1~2つ分の幅しかない。
手を伸ばせば両手が壁についてしまうほど細長く上へ上へ伸びた長屋。

当時、ヴェネツィアはユダヤ人社会をある程度容認していて、待遇は他のゲットーに比してそれほどひどくはなかったそうだ。
それでもすぐ目と鼻の先にあるカナルグランデ沿いにそびえ建つ豪邸群との落差はあまりに大きい。

陽の光を反射してキラキラ輝く運河の上を優雅にすべっていくゴンドラを眺めつつ、ひとたび「決闘の橋」を渡った途端、16世紀以来の闇の歴史がいきなり目の前に現われたものだから、不意打ちを食らって戸惑った。

それは、サンマルコ広場や、ドゥカーレ宮殿や、荘厳な教会の数々ともまた違った意味でインパクトのある光景だった。
まったく予期していなかった分だけ 胸に迫るものがある。


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2009.06.14 Sun | Travel-Italy| 0 track backs,
また手前味噌話が続きますがー

【目撃情報】 

神保町の「三省堂本店」と「書泉グランデ」
・・・では平積みで売られていたと。

そのほか、

「ジュンク堂(新宿店)」で一冊求めました。
店頭の検索機で「なこ」と入力するだけで、瞬時に「8階-31:自転車」の棚と表示されました。

とメールをくれたのは、、、、うちの父です。

あと、「新宿紀伊国屋」にもあるそうです。

プレス発表が今週なので、週の半ばにはもう少しはきっと・・?

【ネット販売情報】

「本やネット」上のここのページで販売中(1-3日で出荷)、と教えてもらいました。


* Email From Hさん

私は通常本を買う場合、下記のサイトを利用します。

http://www.honya-town.co.jp/hst/HT/index.html

これは本の問屋である日本出版販売(日販)のインターネット書店で、ネットで注文し
加盟書店で受け取るシステムになっています。
(「会員登録」画面で登録(無料)、「加盟店選択」から受取書店を指定。宅配の方法もあるようですが)

注文後は調達・入荷状況がメールで届きます。

職場や自宅近くの書店で受け取れますので、御自分の都合の良い場所にあるお店を選択すれば、
結構使えるシステムなのではないかと思います。

2009.06.14 Sun | Books| 0 track backs,
池袋でランチするなら 
池袋でお気に入りといえば、いかにもビストロという感じのラ・フェット

ここのランチは前菜、メインを選べて、パン、コーヒー付きで1200円から。
写真はプラス数百円をつけた前菜。
ホタテがぷりぷり、ごろごろで大満足。
(といってもこの写真は前回撮ったもの。今回カメラ持参せず。)

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デザートはたった+450円で、こんなたっぷり。
これは本日携帯で撮影。
2人で1皿注文。
ひとりだと食べきれない。
こちらも頬が緩むおいしさ。

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2009.06.13 Sat | Gourmet| 0 track backs,
一枚の写真 - ある日、アヌシーの裏通りで
ある日曜日の午後。パソコンで写真整理をしていて、思わずあるひとつの画像に見入ってしまった。

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この女性のこと、覚えてる。
出会った場所も情景もはっきりと。

場所は仏アヌシーの裏通り。
賑わう通りから試しに一本先の道に入ってみたら、今までの活気はどこへやら、ひどく素っ気ない道路が現われて、観光ハガキのようなアヌシーの美しい街並みは、その手前で終わったのだと気がついた。
引き返そうとしたら、目の前に一組の親子が。
眩しい笑顔。

と、そこまでは記憶もやけに鮮明なのだけど。
そのあと、自分がシャッターを押したという記憶がまったくない。
いつもの私なら、見ず知らずの通行人、しかも個人主義のフランス人の姿を撮ろうなどとは思わないはずなのに。

まあ多分、無意識に近い、ごく自然な流れで写真を撮ったんだろう。
ふっと惹きつけられるぐらい、彼女の笑顔が素敵だったということだ。
2009.06.12 Fri | Travel-France| 0 track backs,
本を出すことになりました
このほど岩波書店から本が出版されることになりました。6月12日発売です。
岩波書店のHPには、この期間中紹介文が出ています。

URL : 「イチ押し本」のページ / 「オーダー」頁

さらに下記のページで本文のワンストーリーが読めるようになっています。(下記URL下方の章の部分のうち一ヶ所(ツールのあたたかさにふれる)が本文へのリンクになっています。)

URL : 「More Info」の頁 


--- 思い出話 ---

原稿の前半部分を書き終えた後、本になることが徐々に現実味を帯びてきて、残りの部分に着手したのはそれから2カ月ほど経った11月のこと。

ある日曜日。早めに起きてパソコンに向かっていた。8時ごろだったか、ちょっと胸騒ぎのするようなことがあって、それでも原稿にかまけて、うっちゃっておいた。それから数時間後、ロードレースファンの仲間の訃報が届いた。

お葬式に出席し、仲間と彼のことを偲んだ翌日、再びパソコンに向かい続きを書き始めた。ときおり柩の中の彼の顔をふと思い出し、画面の上の文字がかすんで見えたのを覚えている。

善人を絵にかいたような人だったから、本を出すとなったら、人一倍喜んでくれたと思う。あの無垢でのほほんとしたあの笑顔で、感想を言ってほしかった。

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ツール・ド・フランス 君が教えてくれた夏
Naco

四六判ソフトカバー 192ページ(オールカラー)
6月12日発売 定価1,995円(税込)
ISBN 978-4-00-001402-1 C0095           
岩波書店刊

* * *

表紙の装丁を引き受けて下さったのは、たきもとかよさん。
帯も楽しめるように作って頂きました。

一度本からはずして広げて見て頂ければ、ひとつながりになっているのがわかります。
帯をはずしたあと、カバーの表と裏には、隠れていた内緒の絵が登場。
さらにカバーをはずせば、全然違う色合いが出てきて、ちょっと変化が楽しめるようになっていて。

目次の表紙とその前のページも、たきもとさんの手によるものです。
背表紙のデザインは、岩波書店の種まく人ロゴのお堅いイメージとはちょっと異なるポップな仕上がり。
本棚に立てたときに映えるように、という配慮が盛り込まれ。

いろいろな工夫とアイディアを詰め込んで頂きました。
丁寧に真心こめて作っていただいたたきもとさん、および、岩波書店のデザインご担当者さん、ありがとうございました。
2009.06.11 Thu | Books| 0 track backs,
右京さんがスルーしたバジリカ
先のイタリア・パドヴァの旅で、片山右京さんに遭遇した。
ずっとイタリアに滞在されていたのかと思いきや、ご本人の日記を読むと、どうやらあれは初日だった模様。

その日記の中に、パドヴァのアントニオ大聖堂の写真があった。
でも、他力本願をよしとしない右京さんは、この聖堂はパスしたのだという。
私は2回ほど足を運んだ。宿が大聖堂のすぐそのそばだった。

内部には、聖アントニオの棺があって、それに触りながら一心不乱に祈りをささげている人の姿が目につく。
言葉に出すことなく静かな祈りなのだけど、熱心さに気押されそう。
救いを求める必死さがひしひし伝わる。

今まで海外で教会はたくさん見てきたけれど、イタリア人の信仰の深さゆえか、今回ほど印象深かったことはない。
ここまでおごそかで威厳があって身を捧げたくなるような場所は日本にはない。
ちょっと羨ましい気持ちだった。

神にすがりたい、というのとはちょっと違うのだけど。
祈りによって得られる安心感には惹かれる。



p.s. ジロに観戦にきていたイタリア人は、右京さんが目の前にいるというのに気付かなくって、もどかしかった。たまりかねて、周りにいる人に、「ねえ、あれって元F1ドライバーのウキョーさんなのよ!」と言ってまわった私。「オオ、ウキョーなら知っている。教えてくれてありがとう」と写真を撮るイタリア人も。

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外壁。内部は撮影禁止。
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ドナテッロのガッタメラータの騎馬像。大傑作の呼び声が高いけれど、国立西洋美術館の常設展入り口付近に並ぶ彫刻群と比べてどこがすごいのか、わたしにはわからなかった。制作年代と照らし合わせると、ということなのだろうか。
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2009.06.10 Wed | Travel-Italy| 0 track backs,
トリエステ紀行 お隣同士の詩人と作家
トリエステ回想:
トリエステには地元出身の詩人ウンベルト・サーバゆかりの書店があるのは知っていた。でも、わざわざ探すつもりはなかった。

・滞在時間が短かったし、
・サーバの詩はほとんど知らない、思い入れもないし、
・日曜日で店は閉まっている、から。

でも、調べたら、その店は街の目抜き通りにあり、ふらりと歩いていれば必ず通るような、そんな便利な場所にあることが判明。これは行くしかない。。。。

街にしっとりと溶け込むその店の壁には、ジェームス・ジョイスとサーバのプレートが仲良く並んで掛けられていた。
ジョイスがサーバの書店のお隣に住んでいたのは知らなかった。

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ふと坂の道に抜ける通りに目をやると、おや?今にも歩きだしそうなサーバが、ふらりと道の真ん中にあらわれた。

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銅板には、「Avevo una citta bella tra i monti rocciosi e il mare luminoso.」という一節が。
設置年は2004年。須賀敦子が訪れた際にはなかったものだ。

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これがサーバの書店。以前の書店名は「ふたつの世界の書店」。ユダヤとイタリアのはざまを揺れたサーバの思いが込められている、そんな見方もある。

現在の店名は、「ウンベルト・サーバ書店」。ただ、サーバの名前を冠しただけ。配慮のない素っ気なさを須賀敦子が著書の中で嘆いていた記憶がある。

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2009.06.09 Tue | Travel-Italy| 0 track backs,
マルクス・アウレリウス「自省録」
「なんか哲学に触れたい」、などと書いた先日のエントリーに呼応して、「いい本があります」と紹介されたのがマルクス・アウレリウスの「自省録」。

AD121年生まれ。ローマ皇帝。ネルファ、トラヤヌス、ハドリアヌス、アントニヌス・ピウス、と続いた五賢人の最後のひとり、なのだとか。

そんな古代人の哲学書を勧められるとは思いもしなかった。思想家として漠然と考えていたのは、18世紀とか19世紀の人たちだったから。

ぴったりくるのかどうか懐疑的だったけど、とにかく読んでみることに。
最初はおっかなびっくりといった感じで読み進み、第一巻(いわゆる第一章に相当)をクリアしたら、少し目の前が開けてきた。

紀元2世紀とかいう昔の賢者の思想の普遍性・掘り下げ方の深さに恐れ入る。微に入り際に入り、はたまた様々な分野に思考がおよび、生活様式の違いを乗り越えて、胸に迫るものが確かにある。もちろん書かれた項目すべてにおいて、というわけではないけれど。

人間は進化している、だから古代人のすること、考えることはプリミティブ、と思いがちだけど、そうではないのだ、とつくづく思う。

(例えば、今回イタリアに行って、その技術力の高さに感銘を受けた。下記は旅行中目にした紀元前のモザイク。)

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どうやら当初予想に反して、「太古の昔の人の言葉」だからこそ、響くものがあるような気もする。ローマ時代から今だに読み継がれている思想家の言葉=高邁な思想=目指したい!そんな気にさせる。

まだすべて読んでいないけど、精神安定剤みたいな本だ。

アウレリウスが本書の中で、繰り返し言っていることがある。功名をあげたところで、そんなものは死後にははかなく消えていく。だから功名心を餌に努力するのではなく、地に足のついた日々の努力を重んじるべし、と。(私が書くと、いやはや、なんとも幼稚な言葉に置き換わる。)

何度も口を酸っぱくして、“後世にはなにも残らない”、そう言い続けた人の書が、2000年近くのときを経ても今だに世界中の人々に読まれているとはなんとも皮肉なこと。

もっとも、そうやって厳しく自分を律してきた人の言葉だからこそ、とも思う。


マルクス・アウレリウス「自省録」 (講談社学術文庫)マルクス・アウレリウス「自省録」 (講談社学術文庫)
(2006/02/11)
M. アウレリウス

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2009.06.08 Mon | Books| 0 track backs,
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