日常風景 * 写真・文章 Copyright@”Mas Ciclismo Diary”
薬師寺の言い伝え
奈良・薬師寺の一角に、若宮社という小ぶりの社がある。

先日奈良を訪れた時に、一体なんだろう?と首をかしげつつ写真を撮った。
東京に戻り、多田一臣先生の講座で知った。

社伝によるとこれは大津を祭神しているそうだ。

では、大津皇子と薬師寺の関係とは?

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以下、多田先生のお話で知ったこと:

『懐風藻』の大津皇子伝には、
    「皇子は・・・状貌魁梧、器宇峻遠。」

とあり、体躯の逞しさ・度量の大きさなどが称えられていた。

かような傑出した皇子はしかし、ほどなく死刑に処される。
背景には、草壁皇子を皇位につけようという動きがあり、それには大津皇子の存在が疎ましく、
陰謀により抹殺された可能性がある。

けれど草壁皇子は皇位を継承する前に死去。
これを大津皇子の祟りではないか、と人々は怖れた。

実際、平安時代に成立した『薬師寺縁起』には、
    「皇子急に悪龍となりて虚に膳り毒を吐く。天下静まらず。・・・仍りて皇子の為に寺を建つ。
    名付けて龍峯寺と日ふ。」と記されている。


薬師寺はもともと鸕野皇后(後の持統天皇)の病気治癒祈願で発願。
代々天皇家とのゆかりが密接であり、後継者争いから発した大津皇子の悲劇をとどめるべく、
若宮社がつくられたと見るむきがある。


竜宮城と比する人もいるこの薬師寺。

いにしえの陰謀・思惑・神話・ロマン・謎を様々秘めているようだ。


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2014.04.24 Thu | Travel-Kyoto/Nara| 0 track backs,
目黒川vs佐保川
京都・奈良から帰って、私含め東京っ子の悲哀を痛感した。

今、東京で花見注目度ナンバースリーに入る勢いの目黒川など、
我々は無意識の努力をしているのが現実だ。

キレイな部分だけを目にして愛でるよう、視覚的に調整しながら歩くよう飼いならされているのであって、
実際全体像をみてみれば、この通り。


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周囲の背景としては、お世辞にも好ましいとは言えず、
実は美観地区とは対極にあるような猥雑な場所。

まあ結局、美を堪能する場所というより、我々は花を肴に浮かれるその気分で花見をしているのだ。
それはそれで、待ち望んだ春を実感できるわけなのだけど。

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そこへいくと、奈良では、あちらこちらに、それこそ見事な桜が惜しげもなく咲き誇っているのに加え、
セッティングが申し分なく、すみずみまで堪能できる。

こちらは夕方駆けつけた奈良の佐保川。
同じ川沿いでも、この風情の違いはなんたることか。

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河原に降りることもでき、上から、下からさまざま花々をみまわしても、
一点の陰りもなく、美を満喫できる。

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中目黒同様、途中で線路もあるけれど、かくも異なる印象だ。

線路に向かって歩いていた時、桜の間を緑の緑の電車が通過するのを目撃し、感激。
次にくる電車を撮影しようと試みた。

ところが直後に来た電車の車体は白。
ああ、いまひとつ。色が映えない。

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とにかく鉄子になった気分で、躍起になってシャッターを押す。

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よし、緑の電車がくるまで待機するぞ、と、傾きかけた太陽を気にしつつ粘ることに。
だが、次も白だった。

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さて次は、と構えたものの、東京と違って電車の間隔が、ここからが、とてつもなく長かった。
10分以上待つハメに。
こちらも意地だ。

18時を過ぎているから、これ以上待つと、暗くなる。
早く来い!

あ、来ました緑。
嗚呼、でも桜の枝が密なので、緑と桜のコントラストが出なかった!

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少し引いて連写するか、と考えた瞬間!
ブツっ。

メモリーカードが終わってしまった。
京都で6ギガバイト使い切り、スペアのメモリーカード2ギガバイトも終わってしまった。

遠くの電車をipadで撮影するのはつらい。
メモリーカードの不要画像消去には時間がかかる。

仕方ない、ここらで帰るとするか。


以下はメモリーカード切れ前に撮った写真たち。
時間的にチラホラサラリーマンの姿。

勇んで場所取りに来た彼ら、「あれ、誰も来てない、早すぎた?」などと
爆笑しながらシートを引く声がウキウキしていた。

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一部遊歩道になっている場所あり。

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街の一大イベントなのだろう、様々な企画あり。

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ガードレールのある個所もあるけど、目黒のようなすすけたイメージではなく。

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そもそも提灯だって、赤・ピンクのサイケな商店街提灯ではないのだ。
あくまで上品に。
街の人たちが描いた手作りのもの。
全て柄が違っていて、こちらは東横イン製作。

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この桜並木、なんと全長5㎞という。
これでは混雑といってもたかがしれているだろう。
実際、この日、すれ違う人の数の少なさに驚いた。

羨ましい羨ましい、東京の桜事情は悪すぎる。
目ぼしいスポットが人口に比して少なすぎるのだ。

だから千鳥ヶ淵、乾門通り抜けがイモ洗い状態になり、
目黒川のように花見の場所としては決して素敵に整っていなくても、木々が多ければそれでいい的な花見となる。

可哀想すぎる、東京人。
2014.04.10 Thu | Travel-Kyoto/Nara| 0 track backs,
東大寺・大仏殿の桜
奈良滞在備忘録。

東大寺に向かったのは最終日。
法隆寺、郡山城址公園などをまわった後で、京都への移動を前にちょっと慌ただしいひとときだった。

大仏殿拝観はまた今度にするつもりで、
二月堂からの帰りすがら暇乞いがてらぐるりと一周することに。

裏側から大仏殿を仰ぐ。

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脇から。

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しなやかに伸びる塀の間に隙間があったので、

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中の様子をうかがってみれば、あら、キレイ。
ただしこちらから見えるのは一部だけ。

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到着したての時、正面側からも小柱の間を縫って桜が咲き誇っている様が見えたけれど、
後ろ髪をひかれつつ東大寺内の他の箇所をまわった。

しかし帰路について、再びこの光景。
うーん、やっぱり中に入りたい。
窓口に近づいてみると、券売窓口には列もないし、結構空いている模様。
帰りの時間との闘いだけど、いいや、入っちゃえ!

足を踏み入れる。
大仏殿の威容と桜が目に飛び込んで、しばし佇む。

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ああ、これが、さっき横から見えていた桜たちだ。
外からでは、木々が列をなしているのはわからなかった。

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15時から雨との天気予報はハズれ、更に曇りがちだった空模様もしばし好転。

西陽が射す中、花々が輝きを放つ。

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のどかなひととき。

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大仏様をじっくり拝んだあと、傾きかけた日差しとともに色褪せていく桜を再度鑑賞。

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別れを告げてー

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バス停へ一目散。
古都気分に浸ったひとときとは打って変わってこの現実感。

荷物を預けているホテルまでは2㎞強。徒歩圏内ではあるけれど、3日余りお腹の調子を崩したりしたし、
バスのフリーパスもあることだし、翌日に余力を残したいこともあり、バス移動を決めた。

大通りに出るや、一旦、目の前を通り過ぎたバスを追いかけ、バス停まで猛ダッシュ。
最後尾の人が車内に消える前に追いつき、飛び乗った。
渋滞すればかえってロスタイムだけれど、幸い予想よりもスイスイ動いてくれた。

ぐっばい奈良。
2014.04.08 Tue | Travel-Kyoto/Nara| 0 track backs,
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