日常風景 * 写真・文章 Copyright@”Mas Ciclismo Diary”
古河庭園の温室花壇
秋のバラが見ごろを迎えた古河庭園。

いつものように建物全体の写真をパチリ。
この時は何も感じなかったのだが ・・・

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動いて違う角度から撮影して、小さな叫び声を思わず挙げた。
右端の突出部にご注目。
こ、これは・・・!

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上の写真の右側にまわって撮影してみた。

1階部分がメインの建物よりもズズズっとでっぱっている。
(下の写真左側の突出した部屋)

これって、プルーストの小説に出てくるjardin d'hiverではないか!
直訳だと「冬の庭」、だけど、日本語では一般的に「温室花壇」と訳される。

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温室花壇とは、
応接室とはセパレートになっていて、
屋外と室内の要素を半分ずつ兼ね備えた小部屋のことだ。

冬でも温室のようにぬくぬくできて、
密室の庭、といった様相になる。
ところがガラス張りなので、実は外から中が丸見えなのだ。


ということで、中をのぞいてみた。
あら おしゃれ。

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アールデコのような直線使い。
緑と白というのはやはり緑=温室を意識してのことなのか?

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そして肝心のバラはというと、
春のバラより少しだけおとなしめかな。
それとも雨降りの天候のせいでやや寂しく感じるのか。

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窓辺の風景が今回印象に残った。
窓ごとに下に咲き誇るバラの色が異なっていた。

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雨粒の衣をまとった淡いバラの花。
雨のおかげで違う表情を見ることができた。

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これまで古河庭園は10回以上来ているし
確かにあの出っ張った部屋のことは記憶にある。

けれど温室花壇、とことさら意識することなく
建物の一部として軽くとらえていただけだった。

「失われた未来を求めて」第二巻を読み始めて初めて
「温室花壇」としてはっきり認識できたのだった。

それにしてもこのお宅、大正期の建物だというのに洗練されている。
設計者はかのジョサイア・コンドル、と聞けば納得だ。

以前展覧会で、コンドルの建築様式はルネサンス様式、と聞いた記憶がある。

これがルネサンス様式なのかどうかよくわからないけれど、
折衷様式と言ってもいいのではないだろうか。

2017.10.14 Sat | Art| 0 track backs,
見ていて涙が出そうになった絵
社会人になってからフランス語を習い始めて、
上のクラスに進んだ時、原書で美術評論を読む機会があった。

ダニエル・アラスという一流の美術評論家のもので、
主に古典絵画との精神的対話がつづられていた。


特に印象深かったのは、ラファエロの「システィーナの聖母」の絵の章だ。
1時間絵の前に立ち尽くして、ようやくこの絵の意味がわかってきた、
ラファエルの心情に重なることができた、と述べている。


旧来の神という天上の存在が、キリストという生身の人間の形になって
立ち現れた時、これまでのひとつの常識がひっくり返った。
そのドラマティックな瞬間を
カーテンという小道具を使って表したのである、と。


Rafa.jpg 


ここで印象的だったのは、ラファエロの絵の読み解きだけでなく、
アラスが絵に向き合う時の態度だ。


1時間しげしげ眺めて、ある瞬間何かが自分に降りてくる。
そこまでしないと、絵を理解するには至らない。
アラスほどの人でも・・


インスタグラム流行りでレンズ越しに見て
アップして終わり、そんな現代人が多数ではあるけれど、
時々絵の前でまんじりともしない人を見かけることがある。


私はといえば、いつも割と慌ただしいな、
なかなかゆっくり絵と対話できないな、
と常々思っていたのだけど、
今日改めて東山魁夷の「道」の前に立ってみたら、
ずっと眺めていたくなった。
そして、ちょっと泣きそうになった。


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目の前にあるのはまっすぐに続く道。
すべてを見渡せそうだけど、実はよくみると奥の方で道は右に折れている。

その先は起伏になっていて、遠くの道はほんのり霞んで見えるだけ。

どんな未来が待っているのか、誰にもわからない。
けれど、まっすぐに続く白い道のようにたおやかに歩んでいくことができれば、
穏やかな道が待っている・・・

そう信じることが許されるような気持ちがした。
この絵から包容力や優しさを感じたのは、初めてのことかもしれない。


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2017.10.02 Mon | Art| 0 track backs,
国立公文書館で見た めくるめく百人一首展の世界
藤原定家は『小倉百人一首』の選者として知られているが
実は確たる証拠はないらしい。

・・・そんな事実を知ったのは、
国立公文書館で開催中の「ふしぎなふしぎな百人一首」展でのこと。


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さまざまな百人一首関連の資料が公開される中、
藤原定家の日記「明月記」も並んでいた。


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それによると、百人一首という言葉は出てこないながら、
ある一時期、歌の選定をしたことが書かれており、
そこに挙げられている歌が、百人一首中の作品と重なっているらしい。

これが根拠となり、藤原定家が選者ということになっている。

ところが、一部合致しない歌も列挙されており、
この説を100%裏付ける証拠は存在しない。


一般的によく言われているとおり、
百人一首に盛り込まれている歌には首をかしげるような陳腐なものも多く、
冴えわたった選出とは言えない。

こちらの公文書館の展示では、歌の優劣より
歌人の個性・性格を一番表しているものが優先された、という指摘していた。


一方で、先日後輩が送ってくれた資料では、
定家は100首が合わせ歌になるように選んだ、とされていた。

つまり:
hyaku.jpg 


このように、すべての歌がキーワードで数珠繋ぎになる
というのだ。

検証してはいないけれど、もし本当なら
すごい巧みな技と言わざるを得ない。


2017.08.29 Tue | Art| 0 track backs,
「レオナルドxミケランジェロ」展の「十字架を持つキリスト」<波乱万丈の物語>
三菱一号館美術館で開催中の「レオナルドxミケランジェロ」展。

本展覧会のためにはるばる来てくれた「十字架を持つキリスト」は
(7月11日から展示開始)
ミケランジェロが制作を開始し、未完のまま放置されたあと、
第三者の手が加えられて完成したというレアな作品。

現在バッサーノ・ロマーノのサン・ヴィンチェンツォ修道院付属聖堂に
安置されている。
別名ジュスティアーニのキリスト。


ミケランジェロはこれとは別に、新たな「十字架を持つキリスト」の制作にとりかかり、
それはいま、ローマのミネルヴァ教会に置かれている。
(正式名はBasilica di Santa Maria sopra Minerva)


ミネルヴァのキリストは2013年にローマで見てきたので、
今回、ジュスティアーニのキリストを見るのを楽しみにしていた。


展示室に入るやいなや真っ先に確認したのは、むろんキリストのご尊顔。

展示鑑賞前にエムプラスで拝聴した講演会で高橋館長からコメントがあり、
本彫刻が未完のまま放置された理由が、こんな風に説明されたのだ。
「顔部分を彫り進めるうちに、大理石下層の黒い条痕が出てきてしまったから」。


展示室では、失礼とは思いつつもまずはキリストに歩み寄り、お顔の痕跡を確認。
よく見えないかな、と思っていたけど、意外にくっきり見えた。
WIKIでvena neraなどという表記も目にしたけど、なるほど。

*写真撮影は基本的に可能
IMG_4893.jpg 


ミネルヴァのキリストを右に添えてみる。
見上げる格好なので、うまく並列はできないけど。

bb.jpg aa_20170713235630521.jpg



ミネルヴァ教会にあった解説によると、キリストは
canne, spugna, corda=杖、スポンジ、縄を手に持っているとのこと。

P1320737.jpg 


”兵士たちはスポンジにふくませた葡萄酒を葦の棒につけて
十字架にかけられたイエスに差し出した”、
というマタイの記述を織り込んだ彫像のようだ。


ミネルヴァのキリストは、十字架に両手を添えていて、
ポーズはかなり異なっている。
P1320740.jpg 



さて、このようにミネルヴァのキリストは安泰に過ごしたわけだけど、
ジュスティアーニのキリストはどうなったのか?

以下は、NYタイムズなどのオンライン記事をあさったときに目にしたもの:


未完とはいえ、第1バージョンは破棄されることなく
第2バージョンが完成したときに、
ミケランジェロの手から依頼主のヴァーリに贈呈された。

17世紀初頭になると、この第1バージョンに買い手がつく。
カラヴァッジョの収集家として知られる
銀行家ヴィンチェンツォ・ジュスティアーニだ。
(それゆえに、別名ジュスティアーニのキリスト。)

そして1644年に別の作家が、未完部分を仕上げて完成。


本作はイタリア、バッサーノ・ロマーノの修道院へ運ばれ、
やがてミケランジェロ作という事実は忘れられていく。

バッサーノ・ロマーノの地は、その後外敵の侵入を受ける。
まずナポレオン襲撃・略奪。
ついでドイツ軍の略奪行為。

ところが彼らは本彫刻には見向きもせず、
命拾いをしたという。

その一方で、1941年には修道院主導のもと、
古いコレクションの断捨離が実施。
ところがその際も、なぜか捨てられることはなかったのだとか。

そして本像の本格的な履歴調査が開始され、2000年になって、
ミケランジェロ作であると認定された・・・


・・といった内容だった。
(完成を1644年としている点など、これが最終説かどうかは不明なので
ひとつの説として提示。)


なにはともあれ、
そんな波乱万丈のキリスト像が、
遠路はるばる日本に来てくれました。

ミケランジェロも泉下で、さぞびっくりしていることでしょう。


ー ちなみに、本展覧会には、以下のようなデッサンもありました。

*以下の1枚は、ブロガー内覧会の折りに許可を頂いて撮影しています:

IMG_4779.jpg 


これはミケランジェロ・・ではなくてレオナルド・ダヴィンチの作品、
「ヘラクレスとメネアのライオン」。

裸体の大家ミケランジェロのダヴィデ像への対抗作、
とも言われているのだとか。


天才たちが競ったルネサンス期の華やかな時代が具体例をもって
浮かび上がりますね。
 
********


展覧会名:レオナルド×ミケランジェロ展
会場:三菱一号館美術館
会期:2017年6月17日(土)~9月24日(日)
開館時間:10:00~18:00(祝日を除く金曜、第2水曜、会期最終週平日は20:00まで)
※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜休館(但し、祝日は開館)
詳細はHPにて:  http://mimt.jp/lemi/
 
2017.07.13 Thu | Art| 0 track backs,
ミケランジェロの聖母のモデルが男性だった証拠
ミケランジェロが男色系の人だったことは知られていて、
女性の絵を男性モデルから創出したと言われている。

このほど三菱一号館美術館「レオナルドxミケランジェロ展」のブロガー内覧会に出席させて頂き、
その歴然たる証拠をつかんだ(?)

ウフィツィ美術館で見た、ミケランジェロのトンド・ドーニ。

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その習作@三菱一号館美術館。
聖母と同じ構図だけど、どう見ても顔つきは男性。


*下の1枚は、内覧会の折りに許可を得て撮影しています:

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それがこのように聖母になる。
だから筋骨隆々。

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ああ、本当に彼は聖母までも男性をもとに
描いていたのだなぁ。

習作では鼻の部分を丹念に描き込んでいるけれど、
絵画作品の方でも、鼻のリアルを追求しているような印象。

腕の構図も、別途習作があるのでしょうね。
男性モデルをもとに描いた習作が。


その他、ヴェロッキオ工房による<キリストの洗礼>の中の天使の習作もあった。
最終作品の天使よりも、やや野暮ったかった。
 
=====.
展覧会名:レオナルド×ミケランジェロ展
会場:三菱一号館美術館
会期:2017年6月17日(土)~9月24日(日)
開館時間:10:00~18:00(祝日を除く金曜、第2水曜、会期最終週平日は20:00まで)※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜休館(但し、祝日は開館)
2017.07.12 Wed | Art| 0 track backs,
砂の聖書「珠玉の現代陶芸 マダム菊池のコレクション 展」@智美術館

昨日紹介した菊池寛実記念 智美術館の「珠玉の現代陶芸 マダム菊池のコレクション 展」には、

うつわだけでなく、オブジェの類も展示されている。

 

さらには、手の跡のない型で鋳造された近代的なものから

土草の臭いに満ちた土俗的なものまで、幅広い。

 

美術館設立者、菊池智さんのおおらかなテーストがしのばれる。

 

酒井田柿右衛門(十三代)、楽吉左衛門(十五代)、

富本憲吉、加藤藤九郎など有名どころの作品もあるけれど

個人的には観念的な作品が強く印象に残った。


多分、普段陶芸の展覧会でも(戸栗美術館とか近美工芸館とか浮かべつつ)、

こういうのはあまり見慣れないせい。

そして、現代陶芸の作品の幅広さを改めて感じさせるから。


数多い作品の中から1点だけ選ぶとすると、これかな。

(ブログを読んでくれている学生時代の友人いわく、

内覧会レポートは簡潔がいい、とのことなので)

  

  写真撮影は内覧会の折りに許可を得ています

 

荒木高子「砂の聖書」1981年(手前)

 IMG_3308.jpg

 


一目見た瞬間、私が思い浮かべたのは

 キリストの「エジプトへの逃避」、あるいは

旧約聖書の「出エジプト記」。

 

前者は、新約聖書にある

幼子イエスとともに一家がエジプトに逃避行するお話だ。

  

救世主誕生を知り、脅威に感じたユダヤ人ヘロデ王は、

どの子がイエスかわからず、2歳以下の幼児を一斉に虐殺するよう

家臣に銘じる。

イエスの一家は、虐殺の手から逃れるため、逃避行の旅に出る、というもの。

 

砂と聖書の組み合わせが

エジプトの乾いた大地とキリストを直接的に連想させた。

 

ヘロデのような暴君の手から逃れ

その後受難を受けたキリストの教えは、

長い年月を経て今も脈々と続いている。

 

聖書という紙媒体が、たとえ半ば朽ち果てても、

或いは最終的に土に帰したとしても、

教え自体は風化せず、人の心の支えになり続けていく。

すでに人の心の中に根付いている限り。


目の前にあるのは単体の焼き物だけど、

パワルフな世界観を感じる1点。


~~~~~


「珠玉の現代陶芸 マダム菊池のコレクション 展」

菊池寛実記念 智美術館

会期 :  2017年6月10日(土)~ 9月3日(日)
休館日 :  月曜日(ただし7月17日は開館)、7月18日(火)
開館時間 :  11:00~18:00  ※入館は17:30までになります
観覧料 :  一般1000円、大学生800円、小・中・高生500円

その他ナイトミュージアム、ギャラリートークあり



2017.06.14 Wed | Art| 0 track backs,
千住博さんのメトロパブリックアート
新宿三丁目にある千住博さんのメトロパブリックアートは
いつもの滝のシリーズ。

涼し気~。
真夏日は避暑に向いていそう(?)

IMG_1715_201706052314364a3.jpg 


ここで注目は、署名。
滝の作品は数多く見たけど、署名に気が付いたのは今回が初めて。

ペーソスのある素敵な書体。

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メトロの壁はうんと近づいてみることができ、
ガラス張りでもないので、ディテールがすごくよく見える。

滝の水しぶきが、きらきら粒になって飛び散っていた。
上から滴り落ちる水は、ぼかしのような手法で
煙のように描かれている。

美術館でオツにすましている絵画とは違い、
手で触ることもできる庶民派のパブリックアート。


新宿三丁目で誰かと待ち合わせるとき、
「千住さんの滝の前でね」
なんていうのはおしゃれだなぁ。


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それから明治神宮前の野見山暁治さんの作品のサインは -

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ローマ字だった。

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美術館でもそうだけど、
亜流と知りながら、署名や落款をチェックするのは
ある意味気分転換で楽しい。

フランスかぶれした画家が、
自分の名前のローマ字に、フランス語特有のトレマをつけていて
(トレマ=ë, ï, ü, ÿ のような上にポチが2つ くっつく文字)
それを発見する喜び、なんていうのもある。

.
2017.06.05 Mon | Art| 0 track backs,
山口晃画伯作・西早稲田のパブリックアートは突っ込みどころ満載

パブリックアートの話その2。

メトロの西早稲田駅にあるパブリックアートは
突っ込みどころ満載で楽しい。


タイトルは「地下鐵道乃圖」。
作者は今を時めく日本画の巨匠 山口 晃氏。


まずは全体像。

洛中洛外図など、よく昔の屏風で用いられた金雲の手法を使用している。
この金雲を見ると、自動的に、あ、古い時代の絵を描こうとしているな
と感じるわけだ。


確かに一見すると、地下鉄の様子(&その断面図)が、
古風に描かれているかんじなのだけど、
よーく見ると???がいっぱい。

(ちなみに、「この金雲は画面を区切るのに便利だ」とかつて
山口画伯がコメントしているのを聞いたことがある。
使いたくて仕方なかったのかも。)


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まずは題字。
古風な展開図の予感・・・はすぐに裏切られる。

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地下鉄内に、馬車で乗り入れる人がいるけど、
服装からして江戸と昭和が混じっている。
いやいや古風なんかではない。
自動改札を通っている。

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さらに地下鉄車内にはお風呂。
先頭車ならぬ
銭湯車か。

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坂本龍馬風のおじさんがいるかたわらで、
エスカレーター。

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神社の社殿みたいなのが全面にくっついている
レトロな電車。

地階と上階にプラットフォーム。

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断面図。
二階建て電車のよう。

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断面図その2。
「西早稲田」と駅名が見える。

地下鉄と停車駅にぴったりなモチーフだけど、
ここまで奇想天外に描けちゃう
山口画伯。

IMG_1674.jpg


これは細部が楽しいパブリックアート。


とはいえ西早稲田を通勤・通学で使っている人達は
きっとしげしげ見ずに通り過ぎることだろう。

まあそんなものだ。
私は例のメトロパスを使って、副都心線の駅をいくつか
巡ったのだった。


そのときのブログ(ざっとした紹介のみ);




2017.06.02 Fri | Art| 0 track backs,
大エルミタージュ展 <感想>と<エルミタージュの意味>
エルミタージュ美術館Hermitage Museumといえば
ロシア サンクトペテルブルクが誇る美の殿堂。


とはいえなかなか行ける場所ではなく、
ひっそりとお宝が眠る、どこか秘密めいた香りがする場所だ。

実際、エルミタージュという言葉が
フランス語で「隠家」を意味する、などと言われているため、
なおいっそう妖しげなイメージがある。


ただ詳しく述べれば、Hermitage Museumの
Hermitageなる単語は、フランス語にはなく、
英語で隠遁者(の住む場所)と意味ことだ。

フランス語では、HなしのErmitageと綴り、
これで修道院とか人里離れた場所を指す。

語源的にはギリシャ語・ラテン語発で
eremita, ἐρημίτης, erêmítês,  ἔρημος, erêmosといった語の系列。 
見捨てられた、などといった意味。


そんな隠家からはるばる来日を果たしたのは、
オールドマスターズ、いわゆる古典派の作品たち。

とはいえ初期ルネサンス期以前のものはなく、
バロックの作品が特に目を引いた。


入り口に掛けられている《ロシア皇帝エカテリーナ2世》は
堂々たる威容で、権力の強さがサイズに置き換えられるという
古今東西を問わない人間共通の意識がうかがわれる。

(館内写真は一部のみOK)

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縦もさることながら、
横幅がキャンバスの幅でカバーしきれないほど
分厚い衣装がはみ出ている。

国民を覆いつくすかのようなこの広がりは
これまで見た他の歴代王の肖像画等に比べ
すば抜けてダイナミック。
圧巻としか言いようがない。


さらに足が手前の第から少しだけ前に出ていて、
こちらにぐいと迫ってくる存在感を演出している。

毛皮の質感、黄金に輝く衣装の光沢感がよく出ている。


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そしてぎっしりと宝石がつぎこまれた王冠。


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贅の限りを尽くした装束と
自信に満ちた表情、
そして縦横のこのスケール感。

すべてが権力のかたまりのような
ロシア女帝の姿だ。


そんな迫力ある絵の一方で、
私が一番引き寄せられたのは、この1枚。


フランシスコ・デ・スルバランの
《聖母マリアの少女時代》
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マリアの幼い頃を描いた絵自体が少ないせいだろう
カタログで何度も見たことがある。

やっと実物に出会えました、という気持ち。

青い衣装で描かれることの多いマリアだが、
ここでは幼子らしく赤。

そして絵の中央、ヒザの上に置かれた布は、
純潔のしるしなのだろう、輝くように白い。

あどけない表情で天を仰ぎ見る。
少女の純粋さが静かに心を打つ。


そのほかクラーナハの逸品や
ルーベンス、ティツィアーノ、あるいはその工房の作品も。


展覧会の主題が緩いくくりなので、
好きな絵を見つけて、
その前でゆっくり過ごす、そんな鑑賞法が
合っていると思った。


 ====
http://hermitage2017.jp/
展覧会名:大エルミタージュ美術館展 オールドマスター 西洋絵画の巨匠たち
会期:2017年3月18日(土)-6月18日(日)
休館日:5月15日(月)
開館時間:午前10時-午後8時(火曜日は午後5時まで、但し5/2は午後8時まで)
※入館は閉館の30分前まで
会場:森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ 森タワー52階
2017.05.26 Fri | Art| 0 track backs,
大エルミタージュ展の聖ヒエロニムスと、ローマのカラヴァッジョ比較
森アーツセンターで開催中の大エルミタージュ展に行ってきた。

リベーラの聖ヒエロニムスの絵を見ていて
ある思いが頭から離れなかった。


カラヴァッジョの構図に影響を受けたのでは?と。


P5190058.jpg

「聖ヒエロニムスと天使」 1626年頃 フセペ・デ・リベーラ
エルミタージュ美術館


カラヴァッジョの絵はこちら。

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「聖マタイと天使」1602年 ミケランジェロ・メリージ
サン・ルイ・デイ・フランチェージ教会(ローマ旅行にて)


左右の構図は逆だけど、
両方とも、肩ごしに天使を上目遣いに見つめる老人が
描かれている。


影響関係が本当にあったのかどうかはわからない。

でもリベーラが明暗法を追求していたことは明らかで、
となれば、明暗法の第一人者であるカラヴァッジョを
手本にしたとしても不思議ではない。


ただ、老人の皺の深さから伺われる人生の軌跡などは
カラヴァッジョの方が一枚上手、と感じた。


とはいえリベーラの老人のお腹あたりはかなりリアルで
思わず見入った。

そして隣にじっとりと潜むライオンの違和感がすごかった。


P5190060.jpg 


どちらの絵もドラマチックで
いかにもバロック的だ。


大エルミタージュ展ではオールドマスターズの作品がズラリ。

中にはフランスのル・ナン兄弟のようなレアな作家の作品も。
(以前ルーブル展で1枚来ていたけど
日本で見る機会はめったにない。
いわゆる風俗画の画家だ。)


 ====
http://hermitage2017.jp/
展覧会名:大エルミタージュ美術館展 オールドマスター 西洋絵画の巨匠たち
会期:2017年3月18日(土)-6月18日(日)
休館日:5月15日(月)
開館時間:午前10時-午後8時(火曜日は午後5時まで、但し5/2は午後8時まで)
※入館は閉館の30分前まで
会場:森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ 森タワー52階

2017.05.24 Wed | Art| 0 track backs,
18世紀の画家が描いたリアルト橋を、実物と比べてみる
先日大エルミタージュ展に行ってきた。

リアルト橋を描いたミケーレ・マリエスキのノスタルジックな作品があり、
どこが実物と違うのか、思わず観光のときの写真と比較してみた。
以下のURLにて:

2017.05.22 Mon | Art| 0 track backs,
「100万人感謝ウィーク」でお洒落な切手をゲット @パナソニック汐留ミュージアム
◆ 「100万人感謝ウィーク」のプレゼントは、
◆ 来館者全員にルオーの素敵な52円切手x2枚でした


4月29日昭和の日にパナソニック汐留ミュージアムの
「日本、家の列島」展を見に行った。

丁度気になる展示に関するギャラリートークが開催されたためなのだが、
奇しくもこの美術館では4月24日(月)〜4月30日(日)まで、
「100万人感謝ウィーク」が開催されていて
ルオーのオリジナル切手2枚を頂いた。

(《マドレーヌ》と《古きヴェルサイユ》をデザインした本美術館オリジナル切手)


IMG_1516 (2) 


色合いも綺麗。
ルオーの絵画がディテールまできれいにプリントされている。
うれしー。
でも使えない、もったいなくて。


さらに、フリークエントビジターの証スタンプが集まったので
(中央)
左の美術館オリジナル・ポストイットセットを頂いた。


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パナソニックミュージアムは
来館者に時折ポストカードをプレゼントしたりして
ちょこっとしたサプライズが楽しい。

小ぶりで比較的地味な美術館だけど、
収蔵品を中心に、丁寧な企画を行っている。


スタッフの方の感じもよくて
出光美術館に相通じるような大企業ならではのおおらかさがあって
開館間もないころ、ルオー展と講演会に行って以来、
応援している美術館だ。

2017.05.02 Tue | Art| 0 track backs,
渡瀬恒彦さん主演「タクシードライバーの推理日誌」の舞台になった美術館
渡瀬恒彦さんがお亡くなりになって、
追悼記念で「タクシードライバーの推理日誌」が放送されていたので
録画を見た。

タクシードライバー夜明日出夫(渡瀬さん)が、
草笛光子さん演じる美術館オーナーのもとを訪れるシーンで、
あっ!と声を出した。

知ってるこの美術館!


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ここだ。2015年に行った安曇野の碌山美術館!
(その時の写真)

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私は初秋に行ったのだけど、
TVロケはどんぴしゃの秋、紅葉真っ只中だ。再びTV画面。

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上の写真の右に見える彫刻は
碌山の名作「労働者」。
下は美術館で実際に写したもの。

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再びTV。草笛光子さん、警察に囲まれているシーン。


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シーンの中でキーになる場面がこちらで撮影されたのだ。

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美術館内部もちゃんと映っている。
碌山の彫刻の数々。


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こじんまりした美術館だけど、
安曇野の自然に抱かれて、ロケーションは抜群。
ツタの絡まる教会風の建物は風情があり、
新館はすっきりして見やすい。


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渡瀬さん!
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私は中村屋ギャラリーのツアーで訪れたのだけど、
いい思い出。

渡瀬さんもここをロケで訪問されていたのね。
「タクシードライバーの推理日誌」の新しいシリーズは
もう見られない。

寂しい・・

関連)
碌山美術館@安曇野がおススメ2015.11.04 

2017.04.27 Thu | Art| 0 track backs,
美術館でお花見を! @東京国立近代美術館の巻き
◆ 屏風絵を見るときの お勧めの角度


春、お花見の季節に合わせ、美術館でも
季節にぴったりの桜の絵などをこの時期展示している。

東京国立博物館しかり。
そして今回写真の東京国立近代美術館(東近美)しかり。

(本ブログではアート系以外のネタを入れる方針だけど、
お花見ネタとして、こちらの方に。)


東近美の場合、今年は目玉の屏風が2双、出そろった。
そのひとつがこちら:


行く春 / 川合玉堂 
P1840694.jpg 


桜散る長瀞の渓流の様子が情感たっぷりに描かれている。

壮大な自然を背に、はらはらと散りゆく桜。
宙を舞い、水面へと落ちていく様子が切ない。

春を惜しむ気持ちが自然と沸き上がる。


ただ、この屏風、真正面からだけ見るのではもったいない。


実は折り畳み式の立体感ある屏風ならではの工夫が凝らされていて
渓流の勢いはこの右斜めから見るのがお勧めなのだ。

左奥の岩山から手前へと続く水の流れが感じられ、
躍動感が一層増していく。

P1840695.jpg



そしてこちらは雨にけぶる吉野の桜。

これも大好きな作品なのだけど、
川合玉堂さんの屏風は春にはほとんどと言っていいほど出品されるものの、
こちらは毎年出るわけではない。

行ってみて、ああ今年はない、あ、今年は出た、などと一喜一憂するのが
恒例行事となっている。

だから今年この作品を見たときは、
やったー、と歓喜した。


小雨ふる吉野 / 菊池芳文
P1840719.jpg



この屏風の 私的好きな角度はこちら。

手前には生い茂る桜。
遠くなるにつれ、徐々に雨にけぶっていく。

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桜も景色も雨に霞む画面右奥の湿潤な空気感が絶妙だ。

花びらをよく見ると、顔料がたっぷりと滴るように盛られている箇所があり、
以前からその立体感が気に入っていた。

このほど解説を読んだら、雨のしずくが花びら下方に溜まっていく様子を
そういう手法で表した、とのこと。

黄金色に淡いピンクが上品な味わい。


本所蔵作品展(常設展)は、5月21日まで。

2017.03.11 Sat | Art| 0 track backs,
神話が描かれたユーロコインをゲット
ギリシャ神話が描かれたユーロコインをゲット

以前、ユーロコインは国ごとに絵柄が異なり、ギリシャのそれにはギリシャ神話が描かれているといった話を書いた。
http://tourdefrance.blog62.fc2.com/blog-entry-1557.html

ギリシャ神話のひとこま「エウロペの略奪」が描かれたギリシャの2ユーロコイン、手にしたいなぁと思っていたら、
あのときのブログを読んだEのさんが、たまたまゲットしたとのことで帰国の手土産にプレゼントしてくれた。
もう大感激だ。

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この図柄は、ユーロコインの中でも一番ぴったりかと思う。
エウロペという女性が、牝牛に変身したゼウスに誘拐される絵なのだが、
エウロペという名前自体が、ヨーロッパという言葉の由来となったと聞く。


今まで多くのユーロコインを手にしたけれど、こんなに細かい彫りがされているものは
余り記憶にない。
フランスでこのコインがお財布に収まる機会はあまりないのでは?
ギリシャに行けば多くが子の図柄なのだろうけれど、
当のギリシャでは金融危機で、人々はコインの神話をめでるどころではないだろうが。

そしてEのさんがくれたもうひとつがギリシャの1ユーロコイン。

Pa1020614.jpg

ふくろうだ。
フクロウとは、古代ローマの象徴なのらしい。
これはお茶目で、可愛らしい。
手放しがたくなる図柄だ。

ちなみに ティツィアーノのエウロペの略奪はこれ:
http://www.salvastyle.com/menu_renaissance/tiziano_europa.html
2016.05.11 Wed | Art| 0 track backs,
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